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成長ホルモン分泌不全性低身長症とは?
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
成長ホルモン分泌不全性低身長症は、脳の下垂体から出る成長ホルモンが少ないために、身長の伸びが悪くなる病気です。成長曲線と分泌刺激試験などで診断し、保険診療で成長ホルモンの注射による治療を行います。
成長ホルモン分泌不全性低身長症とは、どんな病気ですか?
成長ホルモンは、脳の下垂体という部分で作られ、骨が伸びるなど、子どもの成長に関わるホルモンです。この成長ホルモンを出す力が弱いために、身長が低くなっている状態を、成長ホルモン分泌不全性低身長症といいます。
成長ホルモンのほかに、下垂体から出るほかのホルモンも不足していることがあります。その場合は、足りないホルモンを補う治療も必要になります。
学童期(6〜17歳)での頻度は、男児で1万人あたり2.14人、女児で1万人あたり0.71人と報告されています。
身長が低いことのほかに、目立った症状がないことも多い病気です。そのため、学校の健康診断の記録や成長曲線から、伸び方の変化に気づくことが、早く見つけるきっかけになります。
原因には、どんなものがありますか?
生まれつき下垂体の発達がよくない場合や、脳腫瘍など後天的な原因による場合があります。脳の腫瘍や頭への放射線治療、出生時の異常など、はっきりした原因がある「器質性」のものは約10%です。
残りの約90%はっきりした原因が分からない「特発性」とされています。遺伝子の異常が見つかる例もあります。
原因によって、ほかに必要な検査や治療が変わります。たとえば脳の病気が原因の場合は、その病気の治療が優先されることもあります。原因を確かめるために、頭部MRIなどの画像検査を行います。
どんな症状で気づきますか?
主な症状は、身長の伸び(1年あたりの伸び)が小さくなり、その結果、低身長になることです。成長曲線では、標準の線から少しずつ下に外れていく形になることがあります。3〜4歳の時点で、身長が-2SDを下回っていることが多いとされています。
成長ホルモンがとても少ない重い場合は、乳幼児期から成長の遅れがあり、低血糖を起こすこともあります。
頭痛や吐き気、見え方の異常など、脳の病気が疑われる症状がある場合は、早めに受診してください。強い頭痛、何度も吐く、けいれんなどがあるときは、119番や救急医療機関に連絡してください。
身長が低いこと以外の症状がはっきりしないことも多いため、学校の健康診断などの記録で伸び方を確認することが、気づくきっかけになります。
成長曲線では、乳幼児期には標準に近かった線が、年齢とともに少しずつ下にずれていく形をとることがあります。こうした変化は、何年分かの記録を並べてはじめて分かります。
出典 [2]
どうやって診断しますか?
診断の手引きでは、次のどちらかを主な症状としています。
そのうえで、薬を使って成長ホルモンの出方を調べる分泌刺激試験を行います。インスリン、アルギニン、L-DOPA、クロニジン、グルカゴン、GHRP-2という薬のうち2種類以上を使い、いずれでも成長ホルモンの出方が低い(多くの試験で最高値が6ng/mL以下、GHRP-2では16ng/mL以下)ことを確かめます。
たとえばアルギニンを使う試験は約2時間かかり、計5回採血します。必要に応じて、頭部MRIで下垂体の様子も調べます。
診断の手引きでは、分泌刺激試験の結果をもとに、次の表のように重症度を分けています。
分泌刺激試験の結果は、検査の日の体調などの影響を受けることもあります。そのため、1種類の試験だけでなく、2種類以上の試験の結果をそろえて判断します。
- 身長が同じ性別・年齢の標準の-2.0SD以下
- 1年あたりの伸びが、2年以上続けて標準の-1.5SD以下
| 重症度 | 分泌刺激試験の結果の目安 |
|---|---|
| 重症 | 2種類以上の試験で、最高値がすべて3ng/mL以下(GHRP-2では10ng/mL以下) |
| 中等症 | 重症以外で、最高値がすべて6ng/mL以下(GHRP-2では16ng/mL以下) |
| 軽症 | 上記以外で、診断の条件を満たすもの |
治療はどのように行いますか?
成長ホルモンの製剤を、ご自宅で皮下に注射します。日本内分泌学会の説明では、週6〜7回、夜寝る前に注射します。成長ホルモンはたんぱく質でできているため、飲み薬にすると胃で分解されてしまい、効果がありません。
最近は、週1回の注射でよい長い時間効く製剤も使えるようになっています。どの製剤を使うかは医師と相談して決めます。
治療中は、定期的に身長を測り、診察と血液・尿の検査を受けます。この病気の治療は保険診療で行い、医療費助成の制度も利用できます。比較的早い時期から治療を始めることが望ましいとされています。
治療中は、効果と副作用を2〜3か月ごとに確認する医療機関もあります。お薬の量は体重にあわせて決めるため、成長にあわせて調整していきます。
週1回の製剤は、毎週同じ曜日に打ちます。毎日打つ製剤と比べて注射の回数は減りますが、打ち忘れたときの決まりなどが違うため、説明書と医師の指導にしたがって使います。
大人になってからの影響はありますか?
成長ホルモンは、身長が伸び終わったあとも、体の代謝の調整に関わっています。成長ホルモンがほとんど出ない重い成長ホルモン分泌不全症では、大人になってから、メタボリックシンドロームに似た体の異常や生活の質の低下が起こることが分かっています。
大人の成長ホルモン分泌不全症にも治療があり、身長の治療が終わったあとも、必要に応じて経過を見ていきます。
このため、子どもの時期に診断を受けていた場合は、身長の治療が終わる時期に、大人になってからの治療が必要かどうかを主治医と確認しておくと安心です。
ほかの低身長とは、どう見分けますか?
低身長の多くは、体質や家族の身長によるもので、成長曲線の線に沿って伸びていきます。一方、横浜市立大学附属市民総合医療センターは、成長のスピードがだんだん落ちてくる低身長では、成長ホルモンの異常などの病気が隠れていることがあると説明しています。
見分けるために、成長曲線のほか、手のエックス線による骨年齢、血液検査、分泌刺激試験、頭部MRIなどを組み合わせます。甲状腺の病気など、ほかのホルモンの病気でも身長の伸びが悪くなることがあるため、それらも合わせて確かめます。
家庭でできることは、身長の記録をそろえておくことです。母子手帳や学校の健康診断の記録をもとに成長曲線を描くと、伸び方の変化に気づきやすくなります。
成長ホルモン分泌不全性低身長症についてよくある質問
Q. 血液検査だけで診断できますか?
A. 血液検査だけでは診断できません。成長の記録に加えて、2種類以上の分泌刺激試験で成長ホルモンの出方を確かめます。身長の推移や、ほかのホルモンの状態も合わせて判断します。
Q. 分泌刺激試験はどこで受けられますか?
A. 小児の内分泌を診ている医療機関で行います。数時間かけて何度か採血するため、まずはかかりつけの小児科に相談し、紹介を受けるのが一般的です。
Q. 夜ふかしすると、この病気になりますか?
A. この病気は、下垂体から成長ホルモンを出す力が弱いことによるもので、生活習慣が原因になるものではありません。ただし、睡眠などの生活習慣は成長の土台として大切です。
出典 [1]
まとめ
成長ホルモン分泌不全性低身長症は、成長ホルモンを出す力が弱いために身長が伸びにくくなる病気で、分泌刺激試験などで診断し、保険診療で治療します。伸び方が気になるときは、小児科で成長曲線を見てもらいましょう。ノビケアの医師による無料相談でも記録を見ながらお話をうかがい、保険診療の対象になりうる場合は対面の医療機関をご紹介しています。
ノビケアの成長ホルモン治療について(自由診療)
ノビケアの成長ホルモン治療は自由診療で、健康保険や医療費助成は使えません。原因となる病気が見つからない低身長への使用は、国内で承認された効能・効果に含まれていない適応外使用です。重い副作用が起きた場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度は原則として利用できません。
費用(税込)は、医師による無料相談が0円、医師が必要と判断した場合の郵送検査(指先の血液と尿)が20,000円(送料込み)です。お薬は1本あたり、治療を始める月が40,000円、2か月目以降が60,000円、6か月分一括プランでは50,000円です(注射器・注射針と冷蔵便の送料を含みます)。1か月に使う本数は体重によって変わり、2〜5本が目安です。
注射はご自宅で毎日1回行い、治療は年単位になることが多く、続けるかどうかを定期的に判断します。主な副作用は、注射したところの痛み・赤み・腫れ、関節の痛み、むくみ、頭痛などで、まれに頭の中の圧が高くなる、股関節の骨がずれる、側弯が進む、血糖値が上がる、甲状腺の働きが変わる、といったことがあります。詳しくは「成長ホルモン治療について」のページをご覧ください。ご質問はお問い合わせページから受け付けています。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
- 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)」
- 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。) 診断の手引き」
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- 横浜市立大学附属 市民総合医療センター「低身長」
- PMDA「患者向医薬品ガイド ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル」
- PMDA「患者向医薬品ガイド ソグルーヤ皮下注」
- 東京慈恵会医科大学 小児科学講座「低身長」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
- ノビケア「お問い合わせ」