成長ホルモン治療読む時間 約7分
成長ホルモン注射の打ち方は?痛み・毎日型と週1回型
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月4日
成長ホルモンの注射は、ペン型の専用の注入器を使い、ご自宅で保護者や本人が皮下に打ちます。毎日(週6〜7回)打つ製剤と、週1回打つ製剤があり、どれを使うかは病気や状態によって医師が決めます。
成長ホルモンは、どうやって体に入れるのですか?
成長ホルモンはたんぱく質でできているため、飲み薬にすると胃で分解されてしまいます。そのため、注射で体に入れます。
注射は、皮膚のすぐ下の脂肪の層に打つ「皮下注射」です。医療機関で注射の方法を教わったあと、ご自宅で保護者や本人が打ちます。お薬の説明書でも、適切な自己注射の指導を受けた患者さんや家族が自分で注射できると書かれています。
治療を始めるときには、医療機関で注射の練習をして、手順を一つずつ確かめます。分からないことや不安なことがあれば、その場で質問しておきましょう。
注射の方法や使い終わった製剤・針の捨て方は、十分に理解できるまで説明を受けることが、お薬の説明書でも求められています。
どこに打ちますか?
お薬の説明書では、皮下注射は上腕(二の腕)、太もも、おなか、おしりなどに行うとされています。
同じ場所に短い期間で何度も打たないことが大切です。打つ場所を毎回少しずつずらし、順番に移していきます。同じところに打ち続けると、皮膚が硬くなったり、へこんだりすることがあります。
おなかに打つ場合はへその周りを避ける、太ももに打つ場合は前側から外側を使うなど、打ちやすい場所は医療機関で教わります。
注射の流れは、どのようになりますか?
使う製剤や注入器によって細かな手順は違います。処方された注入器の取扱説明書と、医療機関での指導にしたがってください。ここでは、一般的な流れを紹介します。
注射針は毎回新しいものを、注射の直前に付けます。使い終わった針は、そのまま容器などに入れ、子どもの手の届かない場所に保管します。1本のお薬を、ほかの人と共有してはいけません。
注射針を付けたときに液もれなどがあれば、新しい針に取り替えます。お薬の液の色が変わっている、容器にひびがあるといった場合は使わずに、医療機関に相談してください。
- 手を洗い、お薬と注射針を用意する
- 新しい注射針を注入器に付ける
- 医師に指示された量を注入器で合わせる
- 打つ場所を選び、皮膚に針を刺して注射する
- 使い終わった針を外し、決められた方法で保管する
毎日打つ製剤と、週1回の製剤は何が違いますか?
これまでの成長ホルモン製剤(ソマトロピン)は、1週間分の量を6〜7回に分けて打つため、ほぼ毎日の注射になります。日本内分泌学会の説明では、夜寝る前に注射するとされています。
最近は、体の中で長い時間効くように作られた、週1回打つ製剤も使えるようになっています。横浜市立大学附属市民総合医療センターも、毎日の注射に加えて、1週間に1回の注射でよい製剤があると紹介しています。週1回の製剤は、毎週同じ曜日に打ちます。
週1回の製剤が使える病気は、製剤ごとに決まっています。成長ホルモン分泌不全性低身長症に加えて、SGA性低身長症やヌーナン症候群にも使える製剤があります。どの製剤が合うかは、病気や生活の状況を踏まえて医師が判断します。
毎日型でも週1回型でも、注射は長い期間続く治療です。生活のリズムや、家族の中で誰が注射を担当するかも含めて、続けやすい方法を医師と相談してください。
| 項目 | 毎日打つ製剤 | 週1回の製剤 |
|---|---|---|
| 打つ回数 | 1週間に6〜7回 | 1週間に1回(同じ曜日) |
| 打ち忘れたとき | 気づいたときに1回分を打つ。2回分を一度に打たない | 打ち忘れた日から3日以内なら気づいたときに打つ。3日を超えたら次の決めた曜日に打つ |
| 使える病気 | 製剤ごとに決められている | 製剤ごとに決められている |
注射は痛いですか?痛みをやわらげる工夫はありますか?
痛みの感じ方には個人差があります。注射したところに痛みや赤み、腫れが出ることもあります。
痛みや怖さをやわらげるために、次のような工夫が勧められることがあります。どれが合うかは、お子さんと相談しながら試してみてください。
注射を嫌がる日があっても、叱らずに理由を聞いてみましょう。痛みが強い、腫れが続くなど、気になる様子があれば医療機関に相談してください。
- 打つ時間と場所を毎日決めて、習慣にする
- 注射の前に、深呼吸をしたり好きなことを話したりして力を抜く
- 打つ場所を毎回変える
- 年齢に応じて、子ども自身にできる手順を任せる
出典 [2]
お薬の保管や、注意したい体調の変化は?
製剤は冷蔵庫(2〜8℃)で、凍らせないように保管するものがあります。保管の方法は製剤ごとに違うため、説明書で確認してください。
治療中は、血糖や甲状腺の働きなどを定期的に検査します。体がだるい、のどが渇いて水をたくさん飲む、尿が増える、強い頭痛、吐き気などがあれば、医師に相談してください。強い頭痛、何度も吐く、けいれんがあるときは、119番や救急医療機関に連絡してください。
使い終わった針の捨て方は、医療機関の指示にしたがってください。家庭のごみとして出してよいかどうかは、地域や医療機関によって扱いが違うことがあります。
治療中に、ほかの医療機関を受診したり、薬局で薬を買ったりするときは、成長ホルモンの注射をしていることを伝えてください。
注射する時間や量は、どう決まりますか?打ち忘れたときは?
毎日打つ製剤は、日本内分泌学会の説明では夜寝る前に注射します。毎日だいたい同じ時間に打つと、打ち忘れを防ぎやすくなります。
週1回の製剤は、毎週同じ曜日に打ちます。説明書では、曜日を変える必要があるときは、前回の注射から少なくとも4日以上あけることとされています。
お薬の量は、病気の種類と体重にあわせて医師が決めます。たとえば成長ホルモン分泌不全性低身長症では、毎日打つ製剤は1週間に体重1kgあたり0.175mgを6〜7回に分けて、週1回の製剤(ソマプシタン)は体重1kgあたり0.16mgを週1回打つと、それぞれの説明書に書かれています。体重が増えると量も変わるため、定期的に見直します。自分の判断で量を変えたり、やめたりしないでください。
毎日打つ製剤では、打ち忘れたときの扱いが製剤によって違い、「気がついたときに1回分」とするものと「次の注射のときに1回分」とするものがあります。どちらも、2回分を一度に打たないことは同じです(くわしくは「成長ホルモン注射を打ち忘れたら」の記事)。週1回の製剤の説明書では、打ち忘れた日から3日以内なら気づいた時点で打ち、その後は決めた曜日に戻すこと、3日を超えていたら打たずに次の決めた曜日に打つことが書かれています。
いずれの場合も、2回分をまとめて打たないでください。製剤によって決まりが違うため、迷ったら医療機関に確認しましょう。
成長ホルモン注射についてよくある質問
Q. 子どもが自分で注射してもよいですか?
A. 医療機関で注射の方法を教わり、正しくできるようになれば、本人が打つこともあります。年齢や理解の程度によるため、医師と相談してください。
Q. 旅行や修学旅行のときは、どうすればよいですか?
A. 保管の温度や、打つ日の調整が必要になることがあります。予定が分かった時点で、医療機関に相談してください。
Q. 毎日型から週1回型に切り替えられますか?
A. 週1回の製剤が使える病気は決まっています。切り替えられるかどうかは、病気や状態によって医師が判断します。切り替える場合も、量や打つ日の決め方が変わるため、医師の説明を受けてから始めてください。
出典 [3]
まとめ
成長ホルモンの注射は、ペン型の注入器で、打つ場所を変えながら自宅で皮下に打ちます。毎日型と週1回型があり、打ち忘れたときの決まりも製剤ごとに違うため、説明書と医師の指導にしたがいましょう。ノビケアでは、医師による無料相談で治療の進め方をご説明しています。
ノビケアの成長ホルモン治療について(自由診療)
ノビケアの成長ホルモン治療は自由診療で、健康保険や医療費助成は使えません。原因となる病気が見つからない低身長への使用は、国内で承認された効能・効果に含まれていない適応外使用です。重い副作用が起きた場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度は原則として利用できません。
費用(税込)は、医師による無料相談が0円、医師が必要と判断した場合の郵送検査(指先の血液と尿)が20,000円(送料込み)です。お薬は1本あたり、治療を始める月が40,000円、2か月目以降が60,000円、6か月分一括プランでは50,000円です(注射器・注射針と冷蔵便の送料を含みます)。1か月に使う本数は体重によって変わり、2〜5本が目安です。
注射はご自宅で毎日1回行い、治療は年単位になることが多く、続けるかどうかを定期的に判断します。主な副作用は、注射したところの痛み・赤み・腫れ、関節の痛み、むくみ、頭痛などで、まれに頭の中の圧が高くなる、股関節の骨がずれる、側弯が進む、血糖値が上がる、甲状腺の働きが変わる、といったことがあります。詳しくは「成長ホルモン治療について」のページをご覧ください。ご質問はお問い合わせページから受け付けています。
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