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治療中にほくろが増えた気がする:気になるときの記録のしかたと、受診で伝えること

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

子どものほくろは、成長とともに増えたり大きくなったりすることがあります。成長ホルモン治療を受けた子どもを調べた研究では、ほくろの数が治療していない子と変わらなかったという報告がある一方、添付文書には副作用としてほくろが挙げられている製剤もあります。形がいびつ、色むらがある、急に大きくなるといった変化があれば、写真で記録して主治医に伝え、皮膚科の受診も相談しましょう。

成長ホルモン治療で、ほくろは増える?

成長ホルモン治療中にほくろが大きくなったという報告をきっかけに、治療とほくろの関係が調べられてきました。米国で、成長ホルモン分泌不全症で治療を受けた子ども90人と、治療していない子ども100人を比べた研究(British Journal of Dermatology誌、1997年)では、ほくろの数や密度に差は見られず、治療期間の長さとも関係がありませんでした。ほくろの数と関係していたのは、年齢と肌の色でした。

同じ研究者による別の報告(Pediatrics誌、1999年)では、米国の成長ホルモン治療の大規模な調査で、治療を受けた子どもに皮膚がんが多いという結果は見られなかったとしています。ターナー症候群の子どもはほくろが多い傾向がありましたが、治療期間との関係はありませんでした。

イタリアで、成長ホルモン分泌不全症の子ども7人を治療前と12か月後にダーモスコピー(皮膚を拡大して見る器具)で調べ、同じ年齢の子ども7人と比べた小さな研究(2022年)もあります。治療を受けた子では、ほくろの大きさの平均が大きくなっていましたが、その変化は身長や体重の伸びと関係しており、研究者は治療による体の成長にともなう自然な変化と考えられるとしています。

出典 [1] [2] [3]

添付文書には、どう書かれている?

国内で承認されている週1回型の製剤の一つでは、添付文書の「その他の副作用」に、メラノサイト性母斑(いわゆるほくろ)が、頻度1%未満の副作用として挙げられています。治療中にほくろが増えたと感じたときに、主治医に伝えてよい変化だということです。

また、成長ホルモン製剤の添付文書では、悪性腫瘍のある人には使わないこととされています。成長ホルモンとがんについて国内外の調査で分かっていることは「成長ホルモン治療でがんのリスクは上がる?」のコラムで説明しています。

出典 [4] [5]

子どものほくろは、もともと増えるもの?

先ほどの1997年の研究でも、ほくろの数ともっとも関係していたのは年齢でした。子どものほくろが、成長とともに少しずつ増えたり大きくなったりするのは珍しいことではありません。慶應義塾大学病院の解説によると、子どものころは平らなほくろが、大人になると盛り上がってくることもあります。

身長が伸びると皮膚の面積も広がるため、もとからあったほくろが大きく見えることもあります。「増えた気がする」ときは、思い込みで不安を大きくしないためにも、記録をとって比べてみることが役に立ちます。

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気をつけたいほくろの特徴は?

ほくろの多くは良性ですが、慶應義塾大学病院の解説は、皮膚のがんの一つである悪性黒色腫(メラノーマ)と見分けにくいものが時々あるとしています。国立がん研究センターのがん情報サービスは、メラノーマには次のような特徴があると説明しています。

慶應義塾大学病院の解説は、色や大きさの変化がある、色の濃淡が強い、境目がはっきりしないといった場合は、小さくても早めに受診するようすすめています。日本人でメラノーマが多い手のひらや足の裏の色素の変化にも気をつけましょう。子どものメラノーマはまれとされていますが、気になる変化を見つけたときは、自己判断せずに相談することが大切です。

出典 [6] [7]

記録は、どうつけるとよい?

ほくろの変化は、記憶だけでは比べにくいものです。次のような方法で、同じ条件の写真を残しておきましょう。

子ども本人がほくろを気にしているときは?

保護者が何度もほくろを見比べていると、子どもが「何か悪いものなのでは」と不安になることがあります。写真を撮るときは、「成長の記録の一つとして、変わりがないかを残しておくね」と落ち着いて伝えましょう。

中高生では、顔や首など目立つ場所のほくろを見た目の面で気にすることもあります。自分で写真を撮って記録する役を任せると、体の変化に自分で気づく練習にもなります。気持ちの面で悩んでいるときは、取るかどうかを含めて皮膚科で相談できることを伝えておくと、本人も安心しやすくなります。

受診では、何を伝える?

主治医には、次の診察のときに写真を見せながら伝えましょう。急に大きくなった、出血する、形がいびつになってきたといった変化があるときは、次の診察を待たずに連絡してください。

皮膚科を受診するときは、成長ホルモン治療を受けていることと、治療を始めた時期を伝えます。皮膚科では、ダーモスコピーなどで詳しく調べることがあります。皮膚科の結果は、成長ホルモンの主治医にも共有しましょう。

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注射したところの色の変化とは、どう違う?

注射したところに、あざ(内出血)やしこりができることもあります。添付文書には、注射したところの出血、しこり、赤み、皮下脂肪の消失などが副作用として挙げられています。注射の場所に重なる変化は、ほくろとは別に、打った日と場所と一緒に記録しておくと区別しやすくなります。あざや赤みについては「注射のあとに血が出た・あざができた」のコラムで説明しています。

出典 [8]

ノビケアで治療を受けている場合は?

ノビケアで治療を受けている方も、ほくろの変化が気になるときはご相談ください。急に大きくなる、出血するといった変化があるときは、次の診察を待たずにご連絡ください。治療を始めるかどうか迷っている段階では、医師による無料相談(ビデオ通話)をご利用いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [9] [10]

治療中のほくろについてよくある質問

Q. ほくろが増えたら、治療をやめたほうがよいですか?

A. 自己判断でやめず、まず主治医に相談してください。ほくろの数が増えること自体は、成長にともなってよく見られる変化です。気になる特徴があるときは、皮膚科での確認とあわせて、治療をどうするかを主治医が判断します。

Q. 気になるほくろは、取ってしまったほうが安心ですか?

A. 取るかどうかは、皮膚科で診察を受けて決めます。見た目の特徴や変化の有無によって判断が変わるため、写真の記録を持って相談しましょう。

Q. 日焼け止めは使ったほうがよいですか?

A. ほくろの数と日焼けの関係は研究によって結果が異なります。屋外で長く過ごす日は、帽子や衣服なども含めて、肌を守る工夫をするとよいでしょう。

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まとめ

子どものほくろは成長とともに増えることがあり、成長ホルモン治療を受けた子どもでほくろの数が増えるとは限らないという研究があります。一方、副作用としてほくろが挙げられている製剤もあります。同じ条件の写真で記録し、形や色、大きさの変化があれば主治医に伝えて、皮膚科の受診も相談しましょう。

出典 [1] [4] [7]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. British Journal of Dermatology「Lack of effect of growth hormone therapy on the count and density of melanocytic naevi in children」(Zvulunov A ほか、1997年。成長ホルモン分泌不全症で治療を受けた子ども90人と対照の子ども100人の横断研究、PubMed)
  2. Pediatrics「Melanocytic nevi in children treated with growth hormone」(Wyatt D、1999年。米国の成長ホルモン治療の調査と、成長ホルモン分泌不全症の子ども90人・ターナー症候群の子ども24人の検討、PubMed)
  3. Journal of Clinical Medicine「Effects of Growth Hormone (GH) Supplementation on Dermatoscopic Evolution of Pigmentary Lesions in Children with Growth Hormone Deficiency (GHD)」(Panarese F ほか、2022年。イタリアの子ども14人、治療前と12か月後のダーモスコピー、PubMed)
  4. PMDA「エヌジェンラ皮下注ペン 添付文書」(2026年7月改訂 第3版)
  5. PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
  6. 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト KOMPAS「色素性母斑(ほくろ)」(悪性黒色腫と見分けにくいものがあること、色や大きさの変化があるときは早めの受診をすすめていること)
  7. 国立がん研究センター がん情報サービス「メラノーマ(悪性黒色腫)」(形が左右非対称、輪郭がギザギザ、色むら、大きさ6mm以上、大きさや色・形・かたさの変化といった特徴)
  8. PMDA「ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル 添付文書」(2026年8月改訂 第3版)
  9. ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
  10. ノビケア「お問い合わせ」