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成長ホルモン治療読む時間 約7分

成長ホルモン治療中の通院と検査:何をどのくらいの間隔で調べる?

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

成長ホルモン治療中は、診察のたびに身長・体重・思春期の進み方を確かめ、3〜6か月ごとに血液や尿の検査、半年〜1年ごとに骨年齢の検査を行うのが、資料に示された一つの目安です。検査は効果を見るためだけでなく、血糖の上昇や甲状腺の働きの低下、背骨の曲がりの進行などの副作用を早く見つけるためにも行います。具体的な項目と間隔は病気や製剤、体の状態によって違うため、主治医に確認しましょう。

治療中に検査を続けるのはなぜ?

成長ホルモン製剤の添付文書には、治療中に注意して見ていくことがいくつも書かれています。成長ホルモンにはインスリンの効きを弱める働きがあり、血糖値やHbA1cが上がることがあること、甲状腺の働きの低下が表に出たり悪くなったりすることがあること、子どもでは背骨の曲がり(側弯)が進むおそれがあることなどです。

こうした変化の多くは、本人が気づく症状が出る前に、検査や診察で見つかります。治療の効果を確かめることと、安全に続けられるかを確かめることの両方が、定期的な通院と検査の目的です。

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通院は、どのくらいの間隔?

日本内分泌学会などがまとめた診療ガイドライン(2023年版)の成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療の手引きでは、診察のたびに身長、体重、二次性徴の有無を確かめるとしています。横浜市立大学附属市民総合医療センターは、2〜3か月ごとに効果と副作用を評価すると説明しています。

身長は1回ごとの測定に誤差があるため、診察の間隔が短くても、効果の判断は主に1年分の伸びで行います。体重はお薬の量を決めるもとになるため、毎回測って量の見直しに使います。1年目の伸びの見方は「成長ホルモン治療の効果はいつから分かる?」のコラムで説明しています。

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主な検査の項目と、間隔の目安は?

下の表は、診療ガイドラインの手引き、日本小児内分泌学会のSGA性低身長症の治療の手引き、成長ホルモン製剤の添付文書に書かれた主な項目をまとめたものです。病気や製剤によって決まりが違い、すべての子に同じ間隔で行うわけではありません。

SGA性低身長症の手引きでは、3〜6か月ごとの検査として、血球の数、尿、肝臓や腎臓の値、血糖などの生化学検査とIGF-1を、半年〜1年ごとの検査として、HbA1c、空腹時または随時の血糖、甲状腺の検査(TSH、遊離T4)、骨年齢を挙げています。同じ内容は、SGA性低身長症に使う製剤の添付文書にも書かれています。

検査・確認主に確かめること資料に書かれた間隔の目安
身長・体重・思春期の変化伸びの速さ、量の見直し、思春期の始まり診察のたび(2〜3か月ごとに評価する病院もある)
血液検査・尿検査肝臓や腎臓の値、貧血など体の状態3〜6か月ごと
IGF-1お薬の量が多すぎないか、少なすぎないか3〜6か月ごと(SGA性低身長症の手引きなど)
血糖・HbA1c血糖が上がっていないか6か月〜1年ごと(SGA性低身長症の手引き)。ほかの病気でも定期的に
甲状腺(TSH・遊離T4)甲状腺の働きが落ちていないか3〜6か月ごと(成長ホルモン分泌不全性低身長症の手引き)、6か月〜1年ごと(SGA性低身長症の手引き)
骨年齢(手のエックス線)骨の成熟の進み方、残りの伸びる期間思春期の前は1年に1回、思春期に入ったら半年に1回(成長ホルモン分泌不全性低身長症の手引き)
背骨の診察やエックス線側弯が進んでいないか定期的に(添付文書)

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IGF-1は、何のために測る?

IGF-1は、成長ホルモンの働きを受けて主に肝臓で作られる成長因子で、お薬が体の中でどのくらい働いているかの目安になります。SGA性低身長症の手引きでは、治療中のIGF-1の測定は、お薬の量を最適に調節するのに役立つとされています。週1回型の製剤の添付文書では、成長ホルモン分泌不全性低身長症で、IGF-1が基準範囲の上限を超えないよう定期的に検査することとされています。

週1回型の製剤では、1週間の中でIGF-1の値が上下するため、注射から何日目に採血したかで読み方が変わります。週1回型を使っている場合は、採血の日に、最後に打った日を伝えられるようにしておきましょう。くわしくは「毎日型から週1回型の成長ホルモン製剤に切り替えるときに確認すること」のコラムで、IGF-1そのものについては「IGF-1(ソマトメジンC)とは?」のコラムで説明しています。

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血糖や甲状腺の検査では、何が分かる?

添付文書では、成長ホルモンにはインスリンの効きを弱める働きがあるため、定期的に血糖値やHbA1cを測り、異常があれば量を減らしたり一時的にやめたりするとされています。肥満がある、家族に糖尿病の人がいるなど、糖尿病になりやすい条件がある子は、とくに注意して見ていくことになっています。

甲状腺については、治療中に働きの低下が表に出たり悪くなったりすることがあるため、定期的に検査するとされています。甲状腺の働きが落ちると成長ホルモンの効果が下がることがあるため、伸びが思ったより小さいときの手がかりにもなります。

家庭では、のどが渇いて水をたくさん飲む、尿の回数が増える、体がだるいといった様子がないかに気をつけておきましょう。気づいたときは、次の診察を待たずに相談してください。

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背骨や股関節、頭痛の副作用は、どう確かめる?

子どもでは治療中に側弯が進むおそれがあるため、添付文書では、診察やエックス線検査などで定期的に確かめるとされています。日本整形外科学会は、側弯症のサインとして、左右の肩の高さの違い、肩甲骨の出っぱり、腰の高さの左右差、前かがみになったときの背中や腰の盛り上がりを挙げています。家で気づいたときは、次の診察で伝えてください。

添付文書には、太ももの骨の先がずれる大腿骨頭すべり症も、副作用として挙げられています。足のつけ根やひざの痛みが続く、足を引きずるといった様子があれば、けがと決めつけずに主治医に伝えましょう。

頭痛、吐き気、見え方の異常があるときは、頭の中の圧が高くなる副作用がないかを確かめるため、添付文書では目の奥を調べる眼底検査を考えるとされています。強い頭痛、何度も吐く、けいれんがあるときは、すぐに119番に連絡してください。

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もとの病気によって、追加で調べることは?

病気によっては、ほかの確認を加えることがあります。たとえば添付文書では、脳腫瘍の治療歴がある場合は、腫瘍が出てきていないか定期的に画像検査で確かめるとされています。プラダー・ウィリ症候群では、睡眠時無呼吸の有無を確かめ、いびきが出てきたり増えたりしたときは注意すること、体重管理や呼吸器の感染に気をつけることが書かれています。

週1回型の製剤の添付文書には、治療中に副腎の働きが低下することがあるため、状態をよく観察するよう書かれています。ほかのホルモンの薬を一緒に使っている場合は、検査の項目や間隔が変わることがあります。

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診察の前に、家庭で準備しておくとよいことは?

診察の時間は限られています。次のような記録やメモを用意しておくと、主治医が変化に気づきやすくなります。記録の付け方は「成長曲線の書き方は?」のコラムで説明しています。

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オンライン診療や自由診療では、検査はどうなる?

オンライン診療では、身長や体重は家庭で測った値を使うことが多く、骨年齢のエックス線や静脈からの採血は、対面の医療機関で受ける必要があります。治療を受ける医療機関が、どの検査をどこで、どのくらいの間隔で行うのかを、始める前に確かめておきましょう。

ノビケアは、国内で承認されたソマトロピン製剤を使う自由診療で、原因となる病気が見つからない低身長への使用は適応外使用です。治療中もオンラインで診察し、身長、体調、副作用、お薬の残りを確認します。医師が必要と判断した場合はご自宅で指先の血液と尿を採る郵送検査を行い、治療中もおおむね半年から1年ごとに、血糖や甲状腺の働きなどを確認しています。骨年齢のエックス線、分泌刺激試験、静脈からの採血は行っておらず、必要な場合は対面の医療機関をご紹介します。

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治療中の検査についてよくある質問

Q. 検査の結果が基準から少し外れていました。治療はやめるのですか?

A. 項目や外れ方によって対応は違います。添付文書では、異常があれば量を減らす、一時的にやめるといった対応をとるとされていますが、判断は主治医が行います。自己判断で注射をやめないでください。

Q. 骨年齢の検査は、診察のたびに受けるのですか?

A. 成長ホルモン分泌不全性低身長症の手引きでは、思春期の前は1年に1回、思春期に入ったら半年に1回が目安です。診察のたびに撮るものではありません。

Q. 採血の前に、食事を抜く必要はありますか?

A. 空腹時の血糖を測る場合など、検査によって指示が違います。受ける医療機関の指示にしたがってください。

出典 [1] [3]

まとめ

成長ホルモン治療中は、身長・体重・思春期の変化を診察のたびに確かめ、血液や尿、IGF-1、血糖、甲状腺、骨年齢、背骨の状態を、資料に示された間隔を目安に調べます。項目と間隔は病気や製剤によって違うため、家庭での記録を用意して、主治医と確認しながら進めましょう。

出典 [3] [5]

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. PMDA「ソグルーヤ皮下注 添付文書」(2026年6月改訂 第4版)
  2. PMDA「ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル 添付文書」(2026年8月改訂 第3版)
  3. 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン作成委員会(厚生労働科学研究班・日本内分泌学会)「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」(日本内分泌学会雑誌 Vol.99 Suppl.、2023年7月、J-STAGE、PDF)
  4. 横浜市立大学附属 市民総合医療センター「低身長」
  5. 日本小児内分泌学会「SGA性低身長症におけるGH治療の手引き」
  6. PMDA「エヌジェンラ皮下注ペン 添付文書」(2026年7月改訂 第3版)
  7. PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
  8. 日本整形外科学会「側弯症」
  9. 厚生労働省「オンライン診療について」
  10. ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)