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低身長の相談で尿検査をするのはなぜ?腎臓の病気などを確かめる理由
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
尿検査は、腎臓の病気など、ふだんは症状が目立たないまま身長の伸びに影響する病気の手がかりを探すために行います。たんぱくや血液が混じっていないか、尿の濃さや酸性の度合い、糖が出ていないかなどを確かめます。尿の異常だけで病気が決まるわけではなく、血液検査や成長の記録とあわせて医師が判断します。
低身長の相談で、なぜ尿を調べるの?
米国家庭医学会誌の低身長の評価についての解説は、最初に考える検査の一つとして、腎臓の病気を調べるための尿検査を挙げています。血液検査(貧血、肝臓・腎臓の値、甲状腺など)とあわせて、身長の伸びに影響するほかの病気がないかを確かめるためです。
日本腎臓学会は、慢性腎臓病は多くの場合、透析が必要になる直前まで自覚症状が出にくく、早く見つけるには尿検査が欠かせないと説明しています。検尿は簡単にできる検査ですが、とても大切な検査だとしています。尿検査は病気を早く見つけるだけでなく、治療がうまくいっているかを確かめるのにも役立つとされています。
子どもの腎臓の病気が、背の伸びの悪さをきっかけに見つかることもあります。同じ学会は、生まれつきの腎臓や尿の通り道の異常(先天性腎尿路異常)が、成長障害の原因として診断されることもあるとしています。
尿検査では、何を見る?
主な項目と、関係する病気の例は次のとおりです。どの項目を調べるかは、医療機関や目的によって違います。
| 項目 | 何を見る? | 関係する病気の例 |
|---|---|---|
| たんぱく | 腎臓でこし分けがうまくできているか | 腎炎、慢性腎臓病など |
| 潜血(血液) | 尿に血液が混じっていないか | 腎炎、尿の通り道の病気など |
| 沈渣 | 尿の中の細胞や結晶など | 腎炎など |
| 比重・浸透圧(尿の濃さ) | 尿を濃くする力があるか | 尿崩症、腎臓の病気など |
| pH(酸性の度合い) | 体の中の酸を尿に出せているか | 尿細管性アシドーシス |
| 糖 | 尿に糖が出ていないか | 血糖が高い状態、尿細管の病気など |
腎臓の病気は、どうして背の伸びに影響する?
日本小児腎臓病学会の雑誌に載った総説は、子どもの慢性腎臓病では成長障害がしばしば問題になり、その原因として、栄養の不足、骨やミネラルの異常、体が酸性に傾く状態(アシドーシス)、腎臓が原因の貧血、尿毒症など、さまざまな要因が関わるとしています。
日本腎臓学会によると、生まれつきの腎臓や尿の通り道の異常は100人から500人に1人にみられますが、子どものうちに腎臓の働きが悪くなるのは10万人に4人程度で、多くはありません。ただ、腎臓が小さい低形成腎や異形成腎は、子どもの慢性腎臓病のいちばん大きな原因とされ、早く見つけて管理することが大切だとしています。
同じ総説は、生まれつきの腎尿路の異常などでは、ナトリウムや水分が尿に出ていきやすく、脱水になりやすいため、塩分を補う必要がある子もいるとしています。塩分を制限するか補うかは子どもごとに違うため、食事の塩分は自己判断で変えず、主治医の指示に従ってください。慢性腎臓病では、栄養や電解質、アシドーシスの管理をしても低身長が続く場合に、成長ホルモン治療が保険で検討されます。くわしくは「慢性腎臓病と子どもの身長は?」のコラムで説明しています。
尿細管の病気(尿細管性アシドーシスなど)とは?
腎臓の尿細管は、いったんこし出した尿の中から、体に必要な水分や電解質、糖、アミノ酸などを取り戻す働きをしています。日本腎臓学会は、生まれつき尿細管の働きに異常があると、体の水分や電解質のバランスが崩れたり、体が酸性やアルカリ性に傾いたりし、骨の異常につながることもあると説明しています。
その一つが尿細管性アシドーシスです。小児慢性特定疾病情報センターは、尿に酸を出す働きが障害され、血液が酸性に傾く病気と説明しています。タイプによっては、体が強く酸性に傾いていても尿が酸性にならない、尿に糖やリンが出る、といった特徴があり、治療は重曹などのアルカリ剤で酸性に傾いた状態を補正することが基本です。
29か国の340人を調べた欧州の研究では、生まれつきの遠位尿細管性アシドーシスの人の大人の身長は平均−0.57SDと、平均よりやや低めでした。体の酸性の状態などがうまく保たれていた人ほど身長が高い傾向があり、続けて管理することの大切さが示されています。
のどがよく渇いて、尿が多い子は?
小児慢性特定疾病情報センターは、中枢性尿崩症を、下垂体から出る尿の量を調節するホルモンが足りず、薄い尿がたくさん出る病気と説明しています。主な症状は、のどの渇き、水をたくさん飲む、尿が多いことで、特に冷たい水を欲しがるのが特徴とされ、おねしょで気づかれることもあります。乳幼児では、体重が増えないことや原因の分からない熱から見つかることも多いとされています。検査では、1日の尿の量が多く、尿が血液より薄いままであることなどを確かめます。
同じセンターは、原因には胚腫や頭蓋咽頭腫などの脳腫瘍が多いとしており、成長ホルモンの不足を伴うこともあります。尿の濃さは尿検査で確かめられ、疑わしい場合は頭のMRIなどで原因を調べます。水が飲めない状態が続くと脱水になり、熱やけいれん、意識の異常が起こることがあるため、ぐったりしているときは急いで医療機関に連絡し、けいれんや意識の異常があれば119番に連絡してください。
出典 [5]
尿の採り方で、気をつけることは?
日本腎臓学会は、学童以降で自分でトイレができる子は、朝起きてすぐの尿の、出始めを流した途中の尿(早朝第一尿の中間尿)を採るとしています。トイレが自立していない乳幼児では、採尿用のパックを使うなどの工夫をします。
同じ学会は、健康な人の尿にもわずかなたんぱくは含まれ、1日150mg以上になると、たんぱく尿と診断するとしています。再検査では、試験紙だけでなく、尿のたんぱくとクレアチニンという物質の量を測って比をとると、より正確に把握できると説明しています。尿の中の結晶などには、健康な人でもみられるものが多くあります。
- 運動のあとや熱のあるとき、月経中は、病気でなくてもたんぱくなどが一時的に出ることがあります。採ったときの状況を伝えましょう
- 一度異常が出ても、別の日に再検査して確かめるのがふつうです
- 学校の尿検査で再検査や受診をすすめられた場合は、結果の用紙を持って受診します
- 成長ホルモン治療を始めたあとも、治療中の検査の一つとして尿を調べることがあります(「成長ホルモン治療中の通院と検査」のコラムを参照)
出典 [2]
結果を聞くときに、確かめたいことは?
尿の結果は、採ったときの状況や、血液検査の結果とあわせて読む必要があります。次のような点を医師に聞いておくと、次の見通しが立てやすくなります。
- 異常があった項目は、一時的なものの可能性があるか
- 再検査が必要か。必要なら、いつ、どの尿で採るか
- 血液検査や超音波検査など、追加の検査が必要か
- 身長の伸びと関係がありそうか
- 腎臓の専門の医師への紹介が必要か
低身長と尿検査についてよくある質問
Q. 学校の尿検査で何も言われていなければ、腎臓の心配はいりませんか?
A. 学校の尿検査は大切な手がかりで、日本腎臓学会は、子どものIgA腎症の大部分が症状のないまま学校の検尿で見つかると説明しています。ただ、すべての腎臓の病気が尿の異常として出るとは限らず、血液検査や超音波検査で分かるものもあります。身長の伸びが気になるときは、医師に相談してください。
Q. 尿で、成長ホルモンが足りているかは分かりますか?
A. 小児慢性特定疾病情報センターの診断の手引きでは、2〜3日間ためた尿などで測った成長ホルモンの値が低いことは、判断の参考になる所見の一つです。ただし、診断には薬を使って成長ホルモンの出方を調べる分泌刺激試験が必要とされています。
Q. 尿にたんぱくが出たら、腎臓の病気ですか?
A. 運動や発熱のあとの一時的なものや、立っているときだけ出るものなど、心配の少ないたんぱく尿もあります。朝の尿と日中の尿を比べたり、量を測ったりして見分けます。
まとめ
低身長の相談で尿を調べるのは、腎臓や尿細管の病気、尿崩症など、症状が目立たないまま伸びに影響する病気の手がかりを探すためです。ノビケアでは、医師が必要と判断した場合に、ご自宅で指先の血液と尿を採って送り返す郵送検査を行います。成長ホルモン治療を安全に始められるかを確かめるための検査です。原因となる病気のくわしい検査が必要な場合は、対面の医療機関をご紹介します。伸び方が気になる場合は、医師による無料相談(ビデオ通話)で記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- American Family Physician「Evaluation of Short and Tall Stature in Children」(米国家庭医学会誌の総説、2015年)
- 日本腎臓学会「2.腎臓検診でわかること」(一般のみなさまへ)
- 日本腎臓学会「9.小児の腎疾患」(一般のみなさまへ)
- 小児慢性特定疾病情報センター「尿細管性アシドーシス 概要」
- 小児慢性特定疾病情報センター「中枢性尿崩症 概要」
- 日本小児腎臓病学会雑誌 総説「小児の慢性腎臓病の管理─コツとpitfall─」(31巻2号、2018年、J-STAGE、PDF)
- Nephrology Dialysis Transplantation「Treatment and long-term outcome in primary distal renal tubular acidosis」(Lopez-Garcia SC ほか、2019年、29か国の340人、PubMed)
- 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。) 診断の手引き」
- 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)」
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
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