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低身長の原因と成長ホルモンのしくみ読む時間 約6分

低身長の種類は?体質・家族性・病気によるもの

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

低身長は、大きく「病気によらないもの」と「病気によるもの」に分けられます。いちばん多いのは、家族の体格に似た家族性低身長や、ゆっくり育つ体質による低身長です。ホルモンや染色体、骨、臓器の病気が原因のこともあるため、どの種類かは成長の記録と検査をもとに医師が判断します。

低身長の「種類」は、何によって分けるのですか?

低身長は、同じ性別・同じ年齢の子どもの平均と比べて、身長が大きく低い状態をいいます。日本小児内分泌学会は、成長曲線の基準範囲(−2.0SDから+2.0SD)に約95%の子どもが入り、この範囲より低い場合を低身長としています。

日本内分泌学会は、一般の子どもの2〜3%が低身長と判断されるものの、そのうち90%以上には治療が必要な病気は見つからないと説明しています。

低身長の種類は、主に「なぜ身長が低いのか」という原因で分けます。種類によって、経過を見るのか、さらに検査をするのか、治療を考えるのかが変わります。この記事では、それぞれの種類の全体像を説明します。

「低身長」は病名ではなく、身長の状態を表す言葉です。低身長と言われても、すぐに病気や治療が必要という意味ではありません。

出典 [1] [2]

病気によらない低身長には、どんな種類がありますか?

日本大学医学部附属板橋病院は、低身長の原因として最も多いのは、家族性低身長を含む特発性低身長だと説明しています。両親のどちらかの身長が−1.5SD未満のときに、子どもも小さくなることが多いとしています。

体質的なものには、体質性低身長や、思春期がゆっくり始まる体質性思春期遅発症もあります。兵庫医科大学病院も、体質性低身長症と家族性低身長症を「病気と考えにくいもの」に分類しています。

これらは、検査をしても原因となる病気が見つからない低身長です。成長曲線では、標準より低い位置でも、線に沿うように伸びていくことが多いとされます。詳しくは「原因が見つからない低身長(特発性低身長)とは?」の記事で説明しています。

家族性低身長の子どもは、両親の身長から予測される範囲の中で育っていくことが多いと考えられます。予測の考え方は「両親の身長から子どもの最終身長を予測する計算式は?」の記事で説明しています。

出典 [3] [4]

思春期が遅いタイプは、どのように考えますか?

思春期の始まりが平均より遅い子は、同級生が思春期の伸びに入っている時期に、相対的に小さく見えることがあります。あいち小児保健医療総合センターは、女の子で13歳、男の子で14歳になっても二次性徴がみられない場合を思春期遅発症としています。

同センターは、思春期遅発症の多くは体質によるもので病気ではなく、待っていれば自然に思春期が来ると説明しています。男の子に多くみられます。

一方で、脳の下垂体や性腺の働きに問題がある場合は、治療が必要になります。体質によるものかどうかは、思春期の進み方や検査をもとに医師が判断します。早熟と晩熟の違いは「早熟と晩熟の違いは?」の記事で説明しています。

体質的に思春期が遅い子は、同級生の伸びが落ち着くころに、遅れて大きく伸びることがあります。

出典 [5]

ホルモンの病気による低身長には、何がありますか?

日本内分泌学会は、骨が長くなるために必要なホルモンとして、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなどを挙げています。これらの働きに問題があると、身長の伸びが悪くなることがあります。

代表的なのは、成長ホルモンを出す力が弱い成長ホルモン分泌不全性低身長症です。日本大学医学部附属板橋病院は、低身長症の原因のうち約10%が成長ホルモン分泌不全症だと説明しています。甲状腺ホルモンが不足したときにも、身長の伸びが低下することがあります。

ホルモンの病気による低身長では、それまで順調だった伸びが途中から鈍くなることがあります。横浜市立大学附属市民総合医療センターは、成長のスピードがだんだん落ちてくる低身長では、成長ホルモンの異常などの病気が隠れていることがあると説明しています。

甲状腺ホルモンの不足では、身長の伸びの低下に加えて、疲れやすさや寒がり、便秘などの症状を伴うことがあります。病気のサインは「病気が原因の低身長に気づくサインは?」の記事で説明しています。

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染色体・骨・臓器の病気や、小さく生まれたことによるものは?

日本小児内分泌学会は、低身長の原因として、ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、ヌーナン症候群などの染色体や遺伝子に関わる病気、骨や軟骨の病気、心臓・肝臓・腎臓などの臓器の病気を挙げています。

お母さんのおなかの中での育ちが小さく、小さく生まれた子どもの一部は、その後も身長が追いつかないことがあり、SGA性低身長症と呼ばれます。日本大学医学部附属板橋病院は、SGA性低身長症が低身長症の原因の20%にあたると説明しています。

これらの病気の中には、成長ホルモン治療が保険で認められているものもあります。種類ごとの詳しい説明は、「SGA性低身長症とは?」などの記事をご覧ください。

日本小児内分泌学会は、ターナー症候群について、2本あるX染色体の1本がなかったり一部が欠けていたりする病気で、女の子にみられると説明しています。

出典 [1] [3]

生活や心の状態による低身長もありますか?

日本小児内分泌学会は、身長の伸びに関わる要因として、栄養や睡眠、運動、心理状態(愛情やストレス)を挙げています。関西医科大学附属病院も、低身長の原因のひとつに、愛情遮断などの心理社会的な要因を挙げています。

日本大学医学部附属板橋病院は、拒食症などによる低栄養も低身長の原因として挙げています。食事の量が極端に少ない状態が続くと、成長に必要な栄養が足りなくなるためです。

こうした要因による低身長は、原因となる状態が改善すると、伸びが戻ることがあるとされています。ストレスとの関係は「ストレスは身長に影響する?」の記事で説明しています。

生活の影響だけで大きな低身長になることは多くないと考えられます。生活の見直しとあわせて、ほかの原因がないかを医師と確かめましょう。

出典 [1] [8] [3]

どの種類かは、どうやって見分けるのですか?

種類を見分ける手がかりになるのは、これまでの身長の伸び方です。横浜市立大学附属市民総合医療センターは、母子手帳や学校の健康手帳など、過去の身長と体重の記録を持参すると、とても参考になると説明しています。

医療機関では、成長曲線の確認に加えて、手のエックス線による骨年齢、血液検査、成長ホルモン分泌刺激試験、頭部MRI、染色体検査などを、必要に応じて組み合わせます。

下の表は、主な種類と、見分けるために確認することをまとめたものです。どの種類にあてはまるかは、ご家庭で判断せず、医師に相談してください。

1回の受診で種類が決まらないこともあります。そのときは、一定の期間をあけて身長を測り、伸びるスピードを確かめてから判断します。

種類主な特徴主に確認すること
家族性・体質性の低身長最も多い。家族の体格に似ることが多い両親の身長、成長曲線、検査で病気がないこと
思春期が遅いタイプ多くは体質で、待つと思春期が来る二次性徴の始まり、骨年齢
ホルモンの病気伸びのスピードが落ちてくることがある血液検査、分泌刺激試験
染色体・骨・臓器の病気、SGA病気ごとに特徴がある出生時の記録、染色体検査、エックス線など
生活や心の状態栄養や環境の影響を受ける食事や生活の様子、体重の変化

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低身長の種類についてよくある質問

Q. 両親が小柄なら、検査は受けなくてもよいですか?

A. 家族性低身長は多くみられますが、両親が小柄でも、ほかの原因が重なっていることがあります。伸びるスピードが落ちてきたときなどは、小児科に相談してください。

Q. 種類が分かるまでに、どのくらいかかりますか?

A. 伸び方を確かめるために、半年から1年ほど経過を見ることもあります。必要な検査の内容によって期間は変わるため、医師に見通しを聞いておくと安心です。

Q. 種類によって、治療の方法は変わりますか?

A. 変わります。病気による低身長では、その病気の治療が優先されることがあります。成長ホルモン治療が保険で認められているかどうかも、診断名によって決まります。

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まとめ

低身長には、家族性や体質によるもの、思春期が遅いタイプ、ホルモンや染色体などの病気によるもの、生活や心の状態によるものがあります。どの種類かは、記録と検査をもとに医師が判断します。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談でも、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。

出典 [10]

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「低身長」
  2. 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
  3. 日本大学医学部附属板橋病院「低身長症」
  4. 兵庫医科大学病院「低身長症(みんなの医療ガイド)」
  5. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  6. 横浜市立大学附属 市民総合医療センター「低身長」
  7. 小児慢性特定疾病情報センター「21及び22に掲げるもののほか、後天性甲状腺機能低下症 診断の手引き」
  8. 関西医科大学附属病院「低身長(小人症)【子ども】」
  9. 東京慈恵会医科大学 小児科学講座「低身長」
  10. ノビケア「お問い合わせ」