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低身長の原因と成長ホルモンのしくみ読む時間 約6分

ストレスは身長に影響する?

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

強い心理的なストレスが長く続く環境では、身長の伸びが悪くなることがあり、愛情遮断などの心理社会的な要因は低身長の原因のひとつとされています。一方、受験や部活などの日常的なストレスで身長が止まるという情報は確認できていません。伸び方の変化や、眠れない・食べられない状態が続くときは、小児科で相談してください。

ストレスと身長には、関係がありますか?

日本小児内分泌学会は、身長の伸びに関わる要因として、栄養や睡眠、運動とならんで、心理状態(愛情やストレス)を挙げています。

関西医科大学附属病院も、低身長の主な原因のひとつに、愛情遮断などの心理社会的な要因を挙げています。同病院は、低身長の多くは家族性や体質によるもので、病気と考えにくいとしたうえで、原因の一覧にこの要因を含めています。

つまり、心の状態は身長の伸びに関わりうる要因のひとつです。ただし、低身長の原因はさまざまなので、ストレスだけを原因と決めつけないことが大切です。

身長の伸びに関わる要因は一つではなく、体質や家族の体格、ホルモン、栄養、睡眠などが重なっています。この記事では、心の状態と身長の関係について、確かめられていることと分かっていないことを分けて説明します。

ストレスという言葉は幅が広く、一時的な緊張から、長く続く強い抑圧まで、さまざまな状態を含みます。身長との関係を考えるときは、どのくらい強く、どのくらい長く続いているかが大切です。

出典 [1] [2]

心理社会的な原因による低身長とは、どんなものですか?

家庭などで強い心理的な抑圧が長く続く環境に置かれた子どもで、身長の伸びが悪くなることが知られています。愛情遮断症候群などと呼ばれてきました。

1982年度の厚生省の研究報告では、愛情遮断性の低身長では成長ホルモンの分泌が低下している例が多く、環境や精神的・情緒的な状態の改善にともなって、成長の促進と成長ホルモンの分泌の改善がみられたと報告されています。

小児慢性特定疾病情報センターの診断の手引きでも、慢性的な精神的抑圧状態(愛情遮断症候群など)がある場合は、精神的な環境の改善など原因を取り除いてから、成長ホルモンの分泌刺激試験を行うとされています。このような状態では、検査で成長ホルモンの出方が低く出ることがあるためです。

研究報告は1980年代のものですが、現在の診断の手引きでも、精神的な環境を改善してから検査を行うよう求めています。原因となる環境が改善されないままでは、成長ホルモン治療だけで解決するものではないと考えられます。

このような環境に心当たりがある場合は、身長のことよりもまず、子どもが安心して過ごせることを優先してください。

出典 [3] [4]

受験や部活など、日常のストレスでも身長は止まりますか?

受験や部活、友だち関係などの日常的なストレスで、身長の伸びが止まるという情報は、学会や公的機関のページにはありませんでした。

心理社会的な原因による低身長として知られているのは、長く続く強い抑圧の環境に置かれた場合です。一時的な緊張や忙しさとは、分けて考えてよいでしょう。

ただし、ストレスが続いて、眠れない、食べられない状態が長引くと、体の健康に影響します。お子さんの様子がいつもと違うときは、身長とは別に、早めに相談先を探してください。

思春期には、受験や人間関係などで心の負担が大きくなることがあり、身長の悩みそのものがストレスになることもあります。部活動で運動量が多く、食事の量が追いついていない場合は、体重の変化にも気をつけましょう。運動しすぎの影響は「運動しすぎると身長が伸びない?」の記事で説明しています。

ストレスを感じること自体は、成長期の子どもにとって珍しいことではありません。必要以上に心配しすぎないことも大切です。

出典 [2]

ストレスで眠れない・食べられないときは?

厚生労働省のe-ヘルスネットは、寝入ってすぐの深い眠りの時期に一致して、成長ホルモンが分泌されると説明しています。日本内分泌学会は、栄養も骨の長さに関わる主な要因に挙げています。

日本大学医学部附属板橋病院は、拒食症などによる低栄養を、低身長の原因のひとつとして挙げています。体重が減る、食事の量が極端に少ない状態が続くときは、身長に限らず、体全体の健康のために早めに受診してください。

寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝起きられないといった状態が続くときも、かかりつけの小児科に相談しましょう。生活のリズムを整えることは、成長期の体の土台になります。

厚生労働省のe-ヘルスネットは、規則正しい生活が体内時計を整える秘訣だとし、朝日を浴びることや、夕方以降の照明やブルーライトに注意することを勧めています。食事の時間が負担になっていないかも、様子を見てあげてください。

睡眠や食事の乱れが続くときは、その背景に心の負担がないかにも目を向けてみてください。

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どんなときに相談したほうがよいですか?

横浜市立大学附属市民総合医療センターは、成長のスピードがだんだん落ちてくる低身長では、病気が隠れていることがあると説明しています。記録を見て、伸びが小さくなってきたと感じたら、小児科で相談してください。

伸び方の変化に加えて、次のような様子が続くときも、相談の目安になります。

ストレスが原因かどうかは、ほかの病気がないかを確かめたうえで判断します。甲状腺の病気など、元気のなさと身長の伸びの低下が同時に起こる病気もあるため、ご家庭で決めつけないことが大切です。

相談の窓口は、まずはかかりつけの小児科です。必要に応じて、子どもの心の診療を行う医療機関や、小児の内分泌を専門とする医師に紹介されます。

身長の記録とあわせて、体重や睡眠の様子、気になった出来事をメモしておくと、相談のときに役立ちます。

出典 [9] [10]

家庭で、どんなことに気をつければよいですか?

身長のことが、お子さん自身のストレスになっていることもあります。きょうだいや同級生と比べる言葉や、身長を伸ばすための食事や睡眠を強く求めることが、負担になる場合があります。

身長の記録は、責めるためではなく、伸び方を確かめるための記録です。測るときは、お子さんの気持ちに配慮して、無理のない範囲で続けましょう。

家庭の中だけで抱えきれないつらい状況があるときは、学校の先生やスクールカウンセラー、地域の子育ての相談窓口などにも相談できます。

身長を話題にするときは、「元気に育っているね」など、成長そのものを認める声かけを意識してみてください。保護者自身が強いストレスを抱えているときも、ひとりで抱え込まず、周りの人や相談窓口を頼ってください。

子どもが身長の悩みを話してきたときは、まず気持ちを受け止めて、話を聞くことから始めましょう。

ストレスと身長についてよくある質問

Q. ストレスが原因の低身長は、元に戻りますか?

A. 1982年度の厚生省の研究報告では、環境や精神的な状態が改善すると、成長が促進されたと報告されています。どのくらい戻るかは一人ひとり違うため、医師と経過を見ていきます。

Q. ストレスがあると、成長ホルモンの検査に影響しますか?

A. 慢性的な精神的抑圧の状態がある場合は、環境の改善など原因を取り除いてから分泌刺激試験を行うとされています。気になる事情があれば、検査の前に医師に伝えてください。

Q. ストレスを減らせば、背は伸びますか?

A. 日常のストレスを減らすことで身長が伸びるという情報は確認できていません。心と体の健康のために、休息や睡眠を大切にしてください。

出典 [3] [4]

まとめ

強い心理的な抑圧が長く続く環境では身長の伸びが悪くなることがありますが、日常のストレスで身長が止まるという情報は確認できていません。伸び方の変化や、眠れない・食べられない状態が続くときは小児科で相談しましょう。ノビケアの医師による無料相談でも、記録を見ながらお話をうかがえます。

出典 [11]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「低身長」
  2. 関西医科大学附属病院「低身長(小人症)【子ども】」
  3. 国立保健医療科学院 所蔵 厚生省研究報告書(1982年度)「愛情遮断性小人症の内分泌学的研究」(PDF)
  4. 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。) 診断の手引き」
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」
  6. 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
  7. 日本大学医学部附属板橋病院「低身長症」
  8. 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
  9. 横浜市立大学附属 市民総合医療センター「低身長」
  10. 小児慢性特定疾病情報センター「21及び22に掲げるもののほか、後天性甲状腺機能低下症 診断の手引き」
  11. ノビケア「お問い合わせ」