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背が低いことを気にする子どもへの声かけは?家族ができること
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
背が低いことを気にしている子どもには、まず気持ちを否定せずに聞くことが大切です。励ましやアドバイスより先に、「そう感じているんだね」と受け止めると、子どもは話しやすくなります。からかいがあれば学校と連携し、眠れない・食べられない・学校に行きたがらないなどの変化が続くときは、早めに専門家に相談しましょう。
背の低さを気にするのは、よくあること?
背の低さをどのくらい気にするかは、子どもによってかなり違います。米国の公立学校の6〜12年生956人を調べた研究(Pediatrics誌、2004年)では、身長と、友だちの数や人気、評判との間に意味のある関係は見られませんでした。一方で、背の低い生徒は、まわりから実際より年下に見られやすいことも分かりました。
英国で、小学校入学時に背が低かった14歳前後の子ども92人と、同じ年齢・性別の子ども117人を比べた研究(BMJ誌、2000年)では、中学校でいじめを受けたことがあると答えた割合が、背の低い子どもで46%、比べた子どもで26%でした。研究者は、背の低い子どもがいじめを受けやすい可能性を指摘しつつ、解釈には注意が要るとしています。
背が低いこと自体が必ず悩みにつながるわけではありませんが、からかいや「年下扱い」を経験しやすい子どももいます。研究の結果をそのまま自分の子どもに当てはめず、目の前の子どもが何をどう感じているかを知ることから始めましょう。
気にしているサインには、どんなものがある?
子どもは、悩みを言葉にしないことがよくあります。身長測定の日を嫌がる、集合写真で後ろに隠れる、「どうせ小さいから」と口にする、背の比べっこを避けるといった様子は、気にしているサインかもしれません。
厚生労働省は、悩みやストレスが大きくなったときのサインは、睡眠、食欲、体調、行動の4つの面に出やすいとしています。「今までこんなことはなかった」という変化に気づくことが大切で、次のようなサインが続くときは、子どもから話を聞いてみるよう勧めています。
- 睡眠:寝つけない、朝なかなか起きられない、寝すぎる
- 食欲:食べる量が減った、反対に食べすぎる、体重をとても気にする
- 体調:だるそう、元気がない、腹痛や頭痛、吐き気を訴える
- 行動:学校に行きたがらない、友だちと遊ばなくなった、口数が減った
出典 [4]
話を聞くときは、どんな声かけがよい?
厚生労働省の家族向けの資料は、悩んでいるときは、アドバイスよりもまず「それは大変だったね」と受け止めてもらいたいものだとして、心配や「〇〇すべき」という考えをいったん脇に置き、子どもの気持ちに共感して聞くことを勧めています。子どもの言葉をくり返す、「私」を主語にして気持ちを伝える、「はい・いいえ」で答える質問より「どう感じた?」と自由に答えられる質問をする、といった工夫も紹介されています。
背のことに置きかえると、たとえば次のような声かけが考えられます。うまく言えなくても、話してくれたことに「教えてくれてありがとう」と伝えることが大切です。
- 「背のことで、いやな思いをしたんだね」
- 「そうか、まわりと比べられるのがつらいんだね」(子どもの言葉をくり返す)
- 「最近元気がないように見えて、お母さん(お父さん)は心配しているよ」
- 「どんなときに、背のことが気になる?」
- 「どうしたらいいか、一緒に考えようか」
避けたほうがよい言葉や態度は?
同じ資料は、何かをしながら聞く、話をさえぎって自分の意見を言う、子どもの言うことを軽く扱ったり否定したりする、説教する、原因を問いつめる、感情的になる、同情しすぎる、といったことを避けるよう勧めています。
背の悩みでは、励ますつもりの言葉が、かえって子どもを追いつめることがあります。たとえば、「気にしすぎ」「そんなことない」と打ち消す、「牛乳を飲まないから」「夜ふかしするから」と生活のせいにする、きょうだいや友だちと比べる、「そのうち必ず伸びる」と根拠のない約束をする、といった言葉です。何度も身長を測って一喜一憂することも、子どもにとっては負担になることがあります。
食事や睡眠は、背を伸ばすための「課題」ではなく、毎日を元気に過ごすための習慣として伝えるほうが、子どもは受け入れやすくなります。身長と生活習慣について医学的に分かっていることは、「子どもの身長を伸ばす方法はある?」の記事で説明しています。
出典 [6]
家族が、ふだんからできることは?
身長は、その子の一部にすぎません。得意なこと、がんばっていること、やさしさなど、身長以外のよいところを、具体的に言葉にして伝えましょう。家族が身長の話題ばかりにならないよう気をつけることも、子どもの安心につながります。
子どもが身長について知りたがるときは、インターネットの情報をうのみにせず、一緒に信頼できる情報を調べたり、医師に質問したりするとよいでしょう。日本小児内分泌学会は、身長を伸ばすとうたうサプリメントなどについて注意をうながす見解を出しています。
保護者自身が、子どもの身長を気に病んだり、自分の背と結びつけて責任を感じたりすることもあります。厚生労働省は、子どもを支えるためには、家族が自分の健康を大切にすることも必要だとしています。
からかいやいじめがあるときは?
子どもが背のことでからかわれていると分かったら、まず話してくれたことを受け止め、子どもが悪いわけではないと伝えましょう。そのうえで、子どもの気持ちを確かめながら、担任の先生や養護教諭に相談してください。
子ども自身が相談できる窓口として、文部科学省は、いじめや友だち関係の悩みなどを、夜間や休日も含めていつでも電話で相談できる「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)を案内しています。保護者が子育てや親子関係について相談したいときは、こども家庭庁の「親子のための相談LINE」も利用できます。こども(18歳未満)とその保護者などが、匿名でも相談でき、相談の内容の秘密は守られるとされています。
専門家に相談したほうがよいのは、どんなとき?
厚生労働省は、心のSOSサインが前にはなかったのに見られるようになった場合や、長く続く場合は、早めに専門家に相談するよう勧めています。日本小児心身医学会は、くり返す腹痛や頭痛は、心理的・社会的な要因が関わる心身症として考えたほうがよい場合が多いとし、子どもの心身症は、小児科の専門外来や児童精神科で診てもらうのが最適だとしています。まずは、かかりつけの小児科に相談するとよいでしょう。
「消えてしまいたい」と口にする、自分を傷つけるといった様子があるときは、ひとりで抱えずにすぐに専門家に相談してください。命に関わる危険が差し迫っているときは、迷わず119番に連絡してください。
身長の伸び方そのものが心配なときは?
子どもの気持ちに寄り添うことと並んで、身長の伸び方に病気が隠れていないかを確かめることも大切です。母子健康手帳や学校の記録から成長曲線をつけ、伸び方が気になるときは小児科で相談してください。受診の前には、何のために病院へ行くのかを子どもにも分かる言葉で伝え、本人が聞きたいことをメモしておくと、子どもも参加しやすくなります。
ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、成長の記録を見ながら、保護者の方と一緒にお子さんの気持ちも含めてご相談いただけます。
出典 [12]
背が低いことを気にする子どもへの接し方についてよくある質問
Q. 本人が「病院に行きたくない」と言います。
A. まず、行きたくない理由を聞いてみましょう。測られるのがいや、注射がこわいなど、理由が分かれば、事前に説明できることもあります。保護者だけで最初に相談できるかどうかは医療機関によって違うため、相談したい医療機関に前もって問い合わせてください。ノビケアの無料相談(1回目)は、保護者の方だけでも受けられます。1回目は、お話をうかがって検査が必要かどうかをご説明する回です。お薬を処方する2回目の診察には、お子さまにも参加していただきます。
Q. 子どもが「背を伸ばす治療を受けたい」と言い出しました。
A. 気持ちを受け止めたうえで、まず背の低さに原因となる病気がないかを医師に確かめてもらいましょう。原因となる病気が見つからない場合の成長ホルモン治療は、国内で承認された使い方に含まれない「適応外使用」になります。利点と負担について医師から十分に説明を受け、本人も交えて家族で考えることが大切です。
Q. 親の背が低いせいだと、自分を責めてしまいます。
A. 身長には遺伝が関わりますが、それだけで決まるわけではありません。保護者が自分を責めすぎると、子どもも話しにくくなることがあります。気持ちがつらいときは、保護者自身も相談窓口を利用してください。
出典 [12]
まとめ
背が低いことを気にする子どもには、まず気持ちを否定せずに聞き、身長以外のよいところも言葉にして伝えましょう。からかいがあれば学校と連携し、心のSOSサインが続くときは早めに専門家へ相談してください。身長の伸び方そのものが心配なときは、成長曲線を持って医師に相談すると安心です。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- Pediatrics「Height and social adjustment: are extremes a cause for concern and action?」(2004年、PubMed)
- BMJ「Bullying in school: are short pupils at risk? Questionnaire study in a cohort」(2000年、英国ウェセックス成長研究、PubMed)
- Pediatric Clinics of North America「Short Stature: Is It a Psychosocial Problem and Does Changing Height Matter?」(2015年、PubMed)
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「こころのSOSサインに気づく」
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「話を聞くときのポイント」
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「避けたいこと」
- 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「ご家族の皆さんへ」
- 文部科学省「24時間相談できる窓口」(24時間子供SOSダイヤル)
- こども家庭庁「『親子のための相談LINE』について」
- 日本小児心身医学会「小児の心身症-総論」
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