成長と遺伝読む時間 約6分
親が低いと子どもも低い?できること
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
両親の身長が低いと、子どもも低めに育つことはよくあります。日本小児内分泌学会も、子どもの身長が低い原因の多くは、両親も背が低いなどの遺伝や体質によると説明しています。ただし、親が低いことだけで病気がないとは言えないため、伸び方の記録を続け、気になる変化があれば相談することが大切です。
親が低いと、子どもも低くなりやすい?
身長は、両親から受け継ぐ体質の影響を大きく受けます。日本小児内分泌学会は、子どもの身長が低い原因の多くは、両親も背が低いなどの遺伝や体質によるものだと説明しています。
日本大学医学部附属板橋病院の解説では、両親のいずれかの身長が−1.5SD未満のとき、子どもも小さくなることが多いとされています。SDは、平均からどのくらい離れているかを表す目安です。
ただし、両親が低めでも、子どもが平均くらいまで伸びることもあります。両親の身長は、子どもの身長を考える手がかりの一つであり、それだけで決まるわけではありません。
親の今の身長だけでなく、子どものころにどう伸びたかも参考になります。たとえば「中学生のころは小さかったが、高校生になってから伸びた」といった経過は、思春期の時期を考える手がかりになります。
あいち小児保健医療総合センターは、思春期の早い・遅いには家族歴があることが多いと説明しています。お父さんの声変わりや、お母さんの初経の時期を覚えていれば、相談のときに伝えてください。
親の子どものころの通知表や健康診断の記録が残っていれば、それも参考になることがあります。分かる範囲でかまいません。
「家族性低身長」とは、どんな状態?
家族に背の低い人がいて、子どもも同じように低めに育つ状態を、家族性低身長と呼びます。日本大学医学部附属板橋病院は、低身長の原因の中でもっとも多いのが、家族性低身長を含めた特発性低身長だとしています。
家族性低身長は、病気ではなく体質と考えられています。一般に、身長は低めでも、成長曲線の線に沿って毎年伸びていくことが多いとされます。
原因が見つからない低身長の考え方は、特発性低身長についての記事でくわしく説明しています。
家族性低身長と考えられる場合でも、ほかの原因がないかどうかは、医師が記録や診察をもとに判断します。
出典 [2]
親が低くても、確認したほうがよいことは?
東京慈恵会医科大学の小児科の解説では、低身長の多くは遺伝や体質によるものの、その中に内分泌の病気が隠れていることがあるとしています。身長が−2.0SD、とくに−2.5SDを下回るような場合や、伸びが悪くなっている場合は、早めの受診が勧められています。
横浜市立大学附属市民総合医療センターも、成長のスピードがだんだん落ちてくるような低身長には、病気がひそんでいることがあると説明しています。
「家族みんな小柄だから」と考えて様子を見ているうちに、伸び方の変化に気づくのが遅れることもあります。家族の体格とは別に、お子さん自身の伸び方を記録で確かめておきましょう。
親自身の身長が低いことに、何か原因があった可能性もあります。親の子どものころの病気や治療の経験があれば、相談のときに伝えてください。
両親の身長から、子どもの目安を知るには?
日本小児内分泌学会の英文誌に掲載された論文では、日本の子ども向けに、両親の身長から大人の身長の目安を出す式が示されています。男の子は(父+母+13)÷2、女の子は(父+母−13)÷2 で、男の子は上下9cm、女の子は上下8cmの幅をとって考えます。
たとえば、父の身長が160cm、母の身長が148cmの場合は、次のようになります。
この目安は、お子さんの伸び方が家族の体質から考えられる範囲にあるかを見る手がかりの一つです。目安から明らかに低い方へ外れていくような伸び方なら、相談するきっかけになります。計算の考え方は、両親の身長からの予測についての記事で説明しています。
- 男の子:(160+148+13)÷2=160.5cm。幅は151.5〜169.5cm。
- 女の子:(160+148−13)÷2=147.5cm。幅は139.5〜155.5cm。
出典 [6]
家庭でできることは?
いちばん役に立つのは、身長の記録を続けることです。学校の健康診断の記録や家庭での測定を、日付と一緒に残し、成長曲線に書き込んでおきましょう。
日本小児内分泌学会は、栄養、睡眠、運動、心の状態も身長に関わる要因として挙げています。バランスのよい食事、十分な睡眠、体を動かす習慣を整えることは、体の成長の土台になります。
ただし、特定の食品やサプリメント、運動で身長が伸びると約束できるものはありません。生活を整えることと、伸び方の確認は分けて考えましょう。
記録は、母子健康手帳、学校の健康診断の記録、家庭での測定を1つの表にまとめておくと、相談のときにすぐ見せられて便利です。
学校の健康診断の結果は、年に1回でも大切な記録です。捨てずに保管しておきましょう。
出典 [1]
子どもの気持ちには、どう向き合えばよい?
「お父さんに似たから仕方ない」「うちは背が低い家系だから」といった言葉は、子どもによっては、変えられないことを責められているように感じることがあります。
身長のことを気にしているかどうかは、子どもによって違います。からかわれた経験がないか、困っていることがないかを、さりげなく聞いてみましょう。学校生活で困りごとがあるときは、担任の先生や養護教諭に相談することも一つの方法です。
受診を考えるときは、子どもの年齢に合わせて、何のために相談するのかを話しておくと安心です。
身長のことで自信をなくしている様子があれば、身長以外の得意なことや頑張っていることにも目を向けて、声をかけてあげましょう。
どんなときに相談すればよい?
次のような場合は、身長の記録と両親の身長を持って、小児科に相談してください。
受診のときは、両親の身長だけでなく、きょうだいの身長や、家族の思春期の時期も分かる範囲で伝えると、医師が判断しやすくなります。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。保険診療の対象になりうる病気が考えられる場合は、対面の医療機関をご紹介します。
- 成長曲線の線から、下の方へ外れてきている
- 1年の伸びが、以前より小さくなっている
- −2.5SDを下回るような低身長になっている
- 両親の身長からの目安より、明らかに低い方へ伸びている
親が低い場合の子どもの身長についてよくある質問
Q. 両親とも背が低いです。成長ホルモン治療は保険でできますか?
A. 保険で治療できるのは、成長ホルモン分泌不全性低身長症など、決められた病気と診断された場合です。日本小児内分泌学会は、低身長の子どものうち成長ホルモン治療の対象となるのは約5%で、残りの95%ほどは健康保険の適応にならないと説明しています。両親が低いことだけでは対象になりません。くわしくは、保険で受けられる場合についての記事をご覧ください。
Q. 何歳ごろから相談できますか?
A. 年齢にかかわらず、伸び方が気になったときが相談の目安です。記録が少なくても、今ある分だけで相談できます。
Q. 親の身長は、昔の記録の数字でもよいですか?
A. 計算に使う親の身長は、できれば今の実測の値を使うと正確です。
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まとめ
親の身長が低いと子どもも低めに育つことはよくあり、その多くは体質によるものです。ただし、親が低いことだけで病気がないとは言えないため、お子さん自身の伸び方を記録で見て、気になる変化があれば相談してください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。