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成長と遺伝読む時間 約6分

身長はどのくらい遺伝で決まる?

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

身長の個人差の8割程度は、遺伝的な要因によって生じていると報告されています。ただし、これは多くの人の身長のばらつきについての数字で、「子どもの身長の8割が親で決まる」という意味ではありません。両親の身長から計算する目安にも上下8〜9cmほどの幅があり、栄養や睡眠、病気の有無なども身長に関わります。

身長の何割が遺伝と言われている?

理化学研究所などの研究グループは、2019年の発表で、身長の個人差の8割程度は遺伝的な要因によって生じていると報告されていることを紹介しています。

同じ発表では、日本人の身長に関わる遺伝的な変異が573見つかったとされています。身長は、1つの遺伝子で決まるのではなく、たくさんの遺伝的な違いが少しずつ関わって決まると考えられています。

また、身長や体重のように、遺伝的な要因と環境の要因が互いに影響しあって個人の違いが生まれる特徴を「多因子形質」と呼ぶと説明されています。

見つかった遺伝的な違いの一つひとつが身長に与える影響は小さく、それが数多く重なって個人差が生まれると考えられます。

出典 [1]

「8割が遺伝」は、どういう意味?

「個人差の8割程度が遺伝的な要因」というのは、たくさんの人の身長を比べたときの、ばらつきの大きさについての数字です。一人の子どもの身長のうち、8割を親から受け継いでいるという意味ではありません。

そのため、この数字から「うちの子の身長は親で決まっているから、何をしても変わらない」と考えたり、反対に「残りの2割を伸ばせばよい」と考えたりするのは、どちらも正確ではありません。

遺伝の影響が大きいことは、両親の身長から子どもの大人の身長の目安を計算できることにも表れています。ただ、その目安には幅があり、同じ両親から生まれたきょうだいでも身長は違ってきます。

出典 [1]

遺伝以外では、何が身長に関わる?

日本小児内分泌学会は、身長に関わるものとして、遺伝や体質のほか、各種のホルモン、慢性の病気や薬、そして栄養、睡眠、運動、心理的な状態(愛情やストレス)などの環境の要因を挙げています。

文部科学省の学校保健統計によると、身長の平均値は、多くの年齢で男女とも平成10年度前後にかけて上がり、その後は横ばいの傾向です。17歳の平均身長は、昭和23年度の男子160.6cm、女子152.1cmから、令和7年度には男子170.6cm、女子157.9cmになっています。

遺伝的な性質が数十年で大きく変わることは考えにくいため、こうした変化には、栄養などの生活環境の変化が関わっていると考えられています。

つまり、遺伝の影響が大きいとはいっても、子どもが育つ環境や体の状態によって、身長は変わりうるということです。

出典 [2] [3]

両親の身長から、どこまで分かる?

日本小児内分泌学会の英文誌に掲載された論文では、日本の子ども向けに、両親の身長から大人の身長の目安を出す式が示されています。男の子は(父の身長+母の身長+13)÷2、女の子は(父の身長+母の身長−13)÷2 です。

この論文では、計算した目安の上下に、男の子は9cm、女の子は8cmの幅をとって考えるとしています。遺伝の影響が大きいとはいっても、両親の身長から分かるのは、このくらいの幅をもった範囲です。

計算の方法や、計算結果の使い方は、両親の身長からの予測についての記事でくわしく説明しています。

目安の範囲に入っていれば安心、外れていれば病気、というものでもありません。伸び方を成長曲線で見ることのほうが大切です。

出典 [4]

きょうだいで身長が違うのは、なぜ?

子どもは、両親それぞれから遺伝的な性質を半分ずつ受け継ぎますが、その組み合わせはきょうだいごとに違います。そのため、同じ両親から生まれたきょうだいでも、身長が大きく違うことは珍しくありません。

思春期がいつ始まるかも、身長に関わります。あいち小児保健医療総合センターは、一般に思春期が遅めのほうが大人の身長は高くなると説明しており、思春期の早い・遅いには家族歴があることが多いとしています。

きょうだいの身長を比べて心配になったときは、比べるより、それぞれの子の伸び方を成長曲線で見ることが大切です。

きょうだいで思春期の時期が違えば、同じ年齢のときの身長も違って見えます。上の子のときと比べるより、それぞれの記録を見てあげてください。

出典 [5]

「遺伝だから」と思っても、確認したいことは?

日本小児内分泌学会は、子どもの身長が低い原因の多くは、両親も背が低いなどの遺伝や体質によるものと説明しています。一方で、東京慈恵会医科大学の小児科の解説では、こうした低身長の中に内分泌の病気が隠れていることがあるとしています。

横浜市立大学附属市民総合医療センターは、成長のスピードがだんだん落ちてくるような低身長には、成長ホルモンの異常などの病気がひそんでいることがあると説明しています。家族も小柄だからといって、伸び方の変化を見過ごさないようにしましょう。

成長曲線の線から下の方へ外れてきた、1年の伸びが小さくなってきた、といった場合は、小児科に相談してください。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [2] [6] [7] [8]

生まれつきの病気で、身長が低くなることはある?

身長が低い原因の中には、生まれつきの病気によるものもあります。日本小児内分泌学会は、低身長の原因として、ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、ヌーナン症候群などの染色体や遺伝子に関わる病気や、軟骨無形成症などの骨・軟骨の病気を挙げています。

同学会によると、ターナー症候群は女の子の2,000人に1人、プラダー・ウィリー症候群は1万人に1人とされています。これらの病気では、身長のほかにも特徴が見られることが多く、診断には医師の診察と検査が必要です。

こうした病気は、両親の身長から考えられる体質とは別のものです。家族の身長だけで判断せず、気になる点があれば医師に相談してください。

生まれつきの病気が原因の場合は、保険診療で成長ホルモン治療などが検討されることがあります。治療の対象になるかどうかは、医師が検査をもとに判断します。

出典 [2]

身長と遺伝についてよくある質問

Q. 子どもの身長は、父親と母親のどちらに似ますか?

A. 身長にはたくさんの遺伝的な違いが関わるため、どちらか一方に似ると決まっているわけではありません。両親の身長からの目安は、両方の身長を使って計算します。

Q. 遺伝子の検査で、将来の身長は分かりますか?

A. 身長には数多くの遺伝的な違いが少しずつ関わっていて、環境の影響も受けます。遺伝子を調べて一人ひとりの将来の身長を正確に予測することは、今のところ難しいと考えられます。

Q. 遺伝で低いなら、相談しても意味がありませんか?

A. 低身長の多くは遺伝や体質によるものですが、中には病気が隠れていることがあります。伸び方を確認するために、記録を持って相談することには意味があります。

出典 [1] [2]

まとめ

身長の個人差の8割程度は遺伝的な要因によると報告されていますが、一人ひとりの身長が親で決まるという意味ではありません。両親の身長からの目安には幅があるため、お子さんの伸び方を成長曲線で見て、気になる変化があれば相談してください。

出典 [1] [4]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 理化学研究所「日本人の身長に関わる遺伝的特徴を解明-19万人の解析から日本人の身長に関わる遺伝的要因の謎に迫る-」(2019年10月2日)
  2. 日本小児内分泌学会「低身長」
  3. 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について公表します」(PDF、令和8年2月13日)
  4. 日本小児内分泌学会 Clinical Pediatric Endocrinology「Target Height and Target Range for Japanese Children: Revisited」(Ogata T ほか, 2007)
  5. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  6. 東京慈恵会医科大学 小児科学講座「低身長」
  7. 横浜市立大学附属 市民総合医療センター「低身長」
  8. ノビケア「お問い合わせ」
  9. 政府統計の総合窓口(e-Stat)「学校保健統計調査 令和7年度 全国表 1 年齢別 都市階級別 設置者別 身長・体重の平均値及び標準偏差」