成長と遺伝読む時間 約6分
大人になってから身長は伸びる?
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
骨の端にある骨端線が閉じたあとは、骨が長さの方向に伸びないため、大人になってから身長が大きく伸びることは基本的にありません。測るたびに少し違うのは、姿勢や測り方の違いによることが多いと考えられます。年齢を重ねると、背骨の変化で身長が縮むこともあります。
大人になると身長が伸びないのはなぜ?
身長が伸びるのは、手足や背骨などの骨が長くなるからです。成長期の骨の端には骨端線(成長板)があり、ここで骨が長さの方向に伸びていきます。
日本小児内分泌学会によると、骨端線が閉じたあとは、成長ホルモンが働いても骨は長さの方向には伸びなくなります。大人の多くは骨端線が閉じているため、身長は伸びません。
骨端線のしくみや、閉じたあとのことは、骨端線についての記事でくわしく説明しています。この記事では、大人になってから「伸びた」「縮んだ」と感じるときの考え方を中心に説明します。
身長の伸びが止まる時期は人によって違いますが、思春期が終わるころには、多くの人で伸びがほとんど止まります。
出典 [1]
18歳や20歳を過ぎても、伸びることはある?
文部科学省の令和7年度学校保健統計では、男子の平均身長は16歳169.9cm、17歳170.6cmで、17歳になってもわずかに増えています。女子は16歳157.5cm、17歳157.9cmです。この統計は17歳までなので、それ以降の伸びは分かりません。
骨端線が閉じる時期は人によって違い、日本小児内分泌学会は、骨年齢で男子16.0歳、女子14.6歳を超えたころとしています。骨年齢は実際の年齢と一致しないため、思春期が遅かった人では、高校卒業のころまで少し伸びが続くこともあると考えられます。
ただし、伸びるとしても、その量は思春期のころに比べてわずかです。大人になってから身長を大きく伸ばす方法として、確かめられたものはありません。
18歳以降に伸びたかどうかを知りたいときは、高校の健康診断の記録と今の値を、同じ方法で測った値どうしで比べてみましょう。
大人で「伸びた」と感じるのは、どんなとき?
健康診断で前の年より数値が高く出て、「まだ伸びている」と感じることがあります。こうした小さな違いの多くは、測り方の違いによるものと考えられます。
身長の数値は、背すじの伸ばし方、かかとの位置、あごの引き方などで変わります。同じ日でも、朝と夕方で測った値が少し違うことがあります。
本当に伸びているかを確かめたいときは、同じ時間帯に、同じ方法で、何回か測ってみましょう。数回の測定で同じ傾向が続くかを見るほうが、1回の数値より確かです。
とくに、靴をはいたまま測った、髪型が違う、測定器の種類が違う、といった条件の違いは、数値に影響します。
大人になって、身長が縮むことはある?
年を重ねると、身長が縮むことがあります。原因の一つが、骨がもろくなる骨粗鬆症です。
日本整形外科学会は、骨粗鬆症では背骨の圧迫骨折などが起こりやすく、背中や腰が痛くなったあとに、背中が丸くなったり身長が縮んだりすると説明しています。
大人になってから身長が目立って縮んできた、背中や腰の痛みが続くといった場合は、整形外科で相談してください。身長の変化は、体の状態を知る手がかりにもなります。
健康診断では毎年身長を測ることが多いため、前の年の記録と比べることが、変化に気づくきっかけになります。
出典 [4]
大人が身長を伸ばす方法はある?
日本小児内分泌学会は、骨端線が閉じたあとは、成長ホルモンが働いても骨は長さの方向に伸びないと説明しています。そのため、骨端線が閉じた大人に成長ホルモン治療を行っても、身長を伸ばすことはできません。
インターネットなどでは、大人でも背が伸びるとうたうサプリメントや器具、体操などを見かけることがあります。骨端線が閉じたあとに身長を伸ばすことが確かめられた商品や方法は、学会の情報の中には見当たりませんでした。
姿勢をよくすると、背すじが伸びて見た目の印象が変わることはあります。ただ、これは骨が伸びたわけではありません。高額な商品を購入する前に、立ち止まって考えることが大切です。
身長に悩みがある場合は、まず医療機関で相談し、根拠のある情報をもとに考えることをおすすめします。
子どものころに身長のことで悩んでいた人は、大人になってからも気になり続けることがあります。気持ちのつらさが続く場合は、身近な人や医療機関に相談してみてください。
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子どもの身長が気になる場合は、いつまでに考える?
大人になってからでは身長を伸ばすことが難しいため、子どもの伸び方が気になる場合は、骨端線が残っているうちに確認しておくことが大切です。
声変わりや初経のあとは伸びが小さくなり、やがて骨端線が閉じて止まります。日本小児内分泌学会も、男の子では声変わり、女の子では月経が始まると、その後の身長の伸びはわずかになると説明しています。
中学生や高校生の中には、「大人になってからでもまだ伸びる」と考えている子もいます。実際には、声変わりや初経のあとは伸びが小さくなり、骨端線が閉じると止まります。
伸び方が気になっているなら、伸びが続いているうちに確かめることが大切です。本人の気持ちを尊重しながら、学校の健康診断の記録などを一緒に見て、今の伸び方を確認してみましょう。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。骨端線が閉じて伸びが止まっている場合は、成長ホルモン治療は行えません。
大人の身長は、子どものころの何で決まる?
大人になったときの身長は、子どものころにどのように伸び、いつ伸び終わったかで決まります。理化学研究所などの研究グループは、身長の個人差の8割程度は遺伝的な要因によって生じていると報告されていることを紹介しています。
思春期の時期も関わります。あいち小児保健医療総合センターは、一般に思春期が遅めのほうが大人の身長は高くなり、思春期が早く来ると早く伸びて早く止まると説明しています。
日本小児内分泌学会は、ホルモンや慢性の病気、栄養、睡眠、運動、心理的な状態なども身長に関わる要因として挙げています。大人の身長は、こうした子どものころのさまざまな要因が重なった結果といえます。
どの要因がどのくらい影響したかを、大人になってから一人ひとり確かめることは難しいものです。
大人の身長についてよくある質問
Q. 20歳を過ぎて、健康診断で1cm高くなりました。伸びたのでしょうか?
A. 1cmほどの違いは、姿勢や測り方の違いで生じることがあります。同じ条件で何回か測って、同じ傾向が続くかを確かめてみてください。
Q. 大人でも、骨端線が残っていることはありますか?
A. 骨端線が閉じる時期には個人差がありますが、多くの人は大人になるころには閉じています。骨端線の状態は、エックス線写真で確認します。
Q. 年をとって縮むのは防げますか?
A. 骨の状態は、医療機関の検査で調べることができます。身長が縮んできた、背中や腰が痛むといった場合は、整形外科で骨の状態について相談してください。
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まとめ
骨端線が閉じたあとは骨が長さの方向に伸びないため、大人になってから身長が大きく伸びることは基本的にありません。数値の小さな違いは測り方によることが多く、年をとって縮む場合は骨の状態を確認することが大切です。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について公表します」(PDF、令和8年2月13日)
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「学校保健統計調査 令和7年度 全国表 1 年齢別 都市階級別 設置者別 身長・体重の平均値及び標準偏差」
- 日本整形外科学会「骨粗鬆症」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「お問い合わせ」
- 理化学研究所「日本人の身長に関わる遺伝的特徴を解明-19万人の解析から日本人の身長に関わる遺伝的要因の謎に迫る-」(2019年10月2日)
- あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」