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IGFBP-3とは?IGF-1といっしょに測る理由

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

IGFBP-3(インスリン様成長因子結合たんぱく3)は、血液中でIGF-1と結びついて運び、IGF-1を長く血液中にとどめるたんぱくです。成長ホルモンの働きで増えるため、IGF-1といっしょに測ると、成長ホルモンが働いているかを考える手がかりが増えます。ただし、低いからといって成長ホルモンが足りないと決まるわけではなく、診断には分泌刺激試験などが必要です。

IGFBP-3は、体の中で何をしている?

日本小児内分泌学会は、成長ホルモンが肝臓に働いて、IGF-1(ソマトメジンC)という成長因子を作らせ、血液中に放出させると説明しています。IGF-1は、骨を伸ばすなど成長ホルモンの働きを体の各所に伝える物質です。

このIGF-1を血液中で運んでいる主なたんぱくが、IGFBP-3です。韓国の研究者による論文(2021年)は、IGFBP-3が血液中のIGF-1の90%以上と結びつき、ALSという別のたんぱくも加わって大きなかたまりを作ると紹介しています。結びついていないIGF-1は約10分で血液中から消えますが、このかたまりの形では12〜15時間とどまるとされています。

同じ論文は、IGF-1もIGFBP-3も、ふつうは成長ホルモンの量に応じて増えたり減ったりすると説明しています。そのため、IGFBP-3は成長ホルモンの働きを間接的に知る目安になります。

出典 [1] [2]

なぜ、成長ホルモンではなくIGFBP-3を測るの?

成長ホルモンは、1日の中で出る量が大きく変わります。小児慢性特定疾病情報センターの診断の手引きでは、成長ホルモンそのものの1日の出方を見る方法として、24時間、または寝入ってから3〜4時間にわたって20分ごとに採血する方法が挙げられています。ふだんの外来で行うのは難しい方法です。

イタリアの研究者による総説(2005年)は、IGF-1とIGFBP-3は成長ホルモンに左右され、血液中で比較的安定しているため、1日の成長ホルモンの分泌を反映する指標として提案されてきたと説明しています。1回の採血で測れることが、この2つを測る理由です。

出典 [3] [4]

IGF-1といっしょに測るのは、なぜ?

小児慢性特定疾病情報センターの診断の手引きは、IGF-1やIGFBP-3が正常より低いことを、成長ホルモン分泌不全性低身長症を考える参考の所見に挙げています。米国家庭医学会誌の解説も、最初の評価でIGF-1とIGFBP-3を測ることが役立つ場合があるとしています。

2つを組み合わせる意味を示した研究もあります。デンマークの研究(2005年)では、1歳までの乳児で、のちに成長ホルモンの不足が確かめられた11人について、IGF-1が低いことで90%、IGFBP-3が低いことで81%を見つけられ、2つを組み合わせると見つけられる割合が上がりました。IGF-1の値が揺れていた子でも、IGFBP-3はくり返し低かったと報告されています。

最近は、IGF-1とIGFBP-3の比を使う研究もあります。ヨルダンの235人の研究(2023年)では、比が低いことが成長ホルモンの不足を見つける割合は87.5%でした。ただ、研究段階の指標で、ふだんの診療での使い方は決まっていません。

出典 [3] [5] [6] [7]

IGFBP-3は、どんな場面で測る?

IGFBP-3は、低身長の子の全員に測る項目ではありません。資料に挙げられている主な場面は次のとおりで、測るかどうかは医師が判断します。

出典 [5] [6] [8] [2]

IGFBP-3が低いと、成長ホルモンが足りないの?

そうとは限りません。12の研究をまとめた分析(2015年)では、成長ホルモンが足りない子のうちIGFBP-3が低かったのは50%、足りている子のうちIGFBP-3が低くなかったのは79%でした。IGF-1では、それぞれ66%と69%でした。つまり、足りない子の半分ほどはIGFBP-3が低く出ず、足りている子でも低く出ることがあります。分析の著者は、分泌刺激試験の補助として使う指標だとまとめています。

2005年の総説は、IGF-1とIGFBP-3が正常というだけでは成長ホルモンの不足を否定できない一方、低い値は不足を強く支持するとしています。研究によって数字には幅がありますが、どの資料も、1つの値だけで決めないという点では同じです。同じ総説は、伸びの速さとIGF-1をあわせて見ると、判断の確かさが上がると述べています。

小児慢性特定疾病情報センターは、IGF-1が低いことは成長ホルモンの不足の可能性を示すが、診断には成長ホルモンが出ていないことの証明が欠かせないとしています。そのために行うのが、2種類以上の薬を使う分泌刺激試験です。

出典 [9] [4] [10]

IGFBP-3が低くなる、ほかの理由は?

成長ホルモンは十分に出ているのに、体がうまく反応しない病気もあります。小児慢性特定疾病情報センターは、成長ホルモン不応性症候群では、成長ホルモンの値が高いのに、IGF-1やIGFBP-3が低くなると説明しています。同じ解説は、栄養不良や肝臓の病気、糖尿病などで、二次的に成長ホルモンが効きにくくなる場合もあるとしています。

このため、IGFBP-3が低いときは、成長ホルモンの出方だけでなく、栄養状態やほかの病気の有無もあわせて確かめます。値は年齢や性別ごとの基準と比べて判断するため、子ども用の基準で読まれているかも確かめましょう。

出典 [8] [3]

成長ホルモン治療中にも測る?

韓国の登録データを使った研究(2021年)では、思春期前に成長ホルモンだけが足りない子で、治療中にIGF-1とIGFBP-3が上がった子ほど、身長の伸びがよい傾向がありました。著者は、特にIGFBP-3の変化を見ることが、長い目で見た伸びの予測に役立つ可能性があるとしています。

ただし、治療中にどの項目をどのくらいの間隔で測るかは、病気や薬によって違い、主治医が決めます。治療中の検査の全体は「成長ホルモン治療中の通院と検査」のコラムで説明しています。

出典 [2]

結果を聞くときに、確かめたいことは?

結果の用紙には、値と基準の範囲、またはSD(標準からどのくらい離れているか)が書かれていることがあります。次のような点を医師に聞いておくと、次の見通しが立てやすくなります。

IGFBP-3についてよくある質問

Q. IGF-1はふつうで、IGFBP-3だけが低いと言われました。どう考えればよいですか?

A. 片方だけが低いことはあります。1回の値で決めず、身長の伸び方や、必要に応じて再検査の結果とあわせて判断します。

Q. サプリや食べ物で、IGFBP-3を上げれば背は伸びますか?

A. 食べ物やサプリでIGFBP-3を上げて背を伸ばす方法を示した、学会や公的機関の資料は見当たりません。日本小児内分泌学会は、身長を伸ばすとうたうサプリメントなどについて、注意をうながす見解を出しています。IGFBP-3は成長ホルモンの働きを知るための目安で、値を上げること自体を目指すものではありません。

Q. 一度の検査で、成長ホルモンの病気かどうか分かりますか?

A. 分かりません。伸びの速さの記録が判断の大切な材料になるため、母子健康手帳や学校の身長の記録をそろえておきましょう。

出典 [11] [4]

まとめ

IGFBP-3は、血液中でIGF-1を運ぶたんぱくで、成長ホルモンの働きを知る目安としてIGF-1といっしょに測ることがあります。低くても成長ホルモンが足りないとは限らず、診断には分泌刺激試験や成長の記録が必要です。ノビケアでは分泌刺激試験や静脈からの採血は行っていません。伸び方が気になる場合は、医師による無料相談(ビデオ通話)で記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。くわしい検査が必要な場合は、対面の医療機関をご紹介します。

出典 [10] [12]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
  2. PLoS One「Investigating whether serum IGF-1 and IGFBP-3 levels reflect the height outcome in prepubertal children upon rhGH therapy: LG growth study database」(Kim M ほか、2021年、PMC)
  3. 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。) 診断の手引き」
  4. Endocrine Development「IGF-I and IGFBP-3 assessment in the management of childhood onset growth hormone deficiency」(Cianfarani S ほか、2005年、PubMed)
  5. American Family Physician「Evaluation of Short and Tall Stature in Children」(米国家庭医学会誌の総説、2015年)
  6. Hormone Research「Insulin-like growth factor I (IGF-I) and IGF-binding protein 3 as diagnostic markers of growth hormone deficiency in infancy」(Jensen RB ほか、2005年、PubMed)
  7. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism「Serum IGF-1 to IGFBP-3 Molar Ratio: A Promising Diagnostic Tool for Growth Hormone Deficiency in Children」(Haj-Ahmad LM ほか、2023年、ヨルダンの235人、PubMed)
  8. 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン不応性症候群(インスリン様成長因子1(IGF-1)不応症を除く。) 概要」
  9. European Journal of Pediatrics「Diagnostic value of serum IGF-1 and IGFBP-3 in growth hormone deficiency: a systematic review with meta-analysis」(Shen Y ほか、2015年、12研究、PubMed)
  10. 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)」
  11. 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
  12. ノビケア「お問い合わせ」