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低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分

「背の順で前から3番目」はどのくらい?順番・パーセンタイル・SDの関係

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

同じ性別の子が15人のクラスで前から3番目なら、全国の中ではおよそ17パーセンタイル、SDでいうと−1SD前後が計算上の目安です。ただし、1つのクラスは人数が少ないため、同じ3番目でも実際の位置にはかなりの幅があります。順番はきっかけとして受け止め、誕生日からの正確な年齢で成長曲線に置いて確かめましょう。

前から3番目は、パーセンタイルでいうとどのくらい?

背の順は、ふつう男女別に並びます。そこで、同じ性別の子が15人いるクラスを例に考えます。全国の子どもの中から偶然選ばれた15人だと仮定すると、前から3番目の子は、小さいほうからおよそ(3−0.5)÷15で、約17パーセンタイルの位置にいると考えられます。

パーセンタイルは、同じ年齢・性別の100人の中で小さいほうから何番目くらいかを表す数字です。17パーセンタイルは、100人の中で小さいほうから17番目くらいということになります。身長の分布を左右対称の山の形(正規分布)とみなすと、これはおよそ−1SDにあたります。

下の表は、同じ考え方で計算した目安です。人数や順番が違えば数字も変わります。あくまで計算のしかたを示すための例で、実際のお子さんの位置を表すものではありません。

同じ性別の人数前から何番目パーセンタイルの目安SDの目安
15人1番目約3約−1.8SD
15人3番目約17約−1.0SD
15人5番目約30約−0.5SD
18人1番目約3約−1.9SD
18人3番目約14約−1.1SD

出典 [1]

クラスの順番が、そのまま全国の位置にならないのはなぜ?

1つのクラスは15人や20人ほどの小さな集団です。たまたま背の高い子が多いクラスもあれば、小柄な子が多いクラスもあります。統計の計算では、15人の中で前から3番目の子の位置は、全国の中で6〜36パーセンタイルくらい(SDでおよそ−1.6〜−0.4)の幅に、9割の確率で入ります。同じ「3番目」でも、これだけの幅があるということです。

いちばん前の子についても同じです。日本小児内分泌学会は、−2.0SD以下の子どもは100人のうち2〜3人くらいとしています。この割合から計算すると、同じ性別が15人のクラスで、−2.0SD以下の子が1人でもいる確率は3割ほどです。つまり、多くのクラスでは、いちばん前の子も−2.0SDより上にいることになります。

これらは、クラスの子が全国からまったく偶然に集まったと仮定した計算です。実際の学校では地域などの影響もあるため、目安として受け止めてください。

出典 [2]

同じ学年の中の月齢差は、どのくらい影響する?

同じ学年には、4月生まれから翌年3月生まれまで、ほぼ1年の年齢差がある子がいっしょにいます。2000年の日本の標準値では、8歳0か月の男子の平均身長は125.3cm、8歳11か月では130.4cmで、約5cmの差があります。この年齢の標準偏差(SD)は5.3〜5.6cmなので、月齢の差だけで、ほぼ1SD分の違いが生まれることになります。

そのため、早生まれの子は、全国の同じ年齢の子と比べればふつうの位置にいても、背の順では前のほうになりやすくなります。成長曲線では誕生日からの年齢で点を置くため、この月齢の差を除いた位置が分かります。くわしくは「早生まれの子は背が低い?」のコラムで説明しています。

出典 [3]

SDをcmに直すと、どのくらい?

SDの値をcmに直すには、その年齢の平均身長と標準偏差を使います。2000年の標準値では、8歳6か月の男子は平均128.1cm、標準偏差5.5cmです。−1SDは128.1−5.5で約122.6cm、−2SDは128.1−5.5×2で約117.1cmになります。

標準偏差は年齢によって変わります。同じ標準値で、11歳6か月の男子の標準偏差は7.1cmです。思春期が近づくと、伸び始める時期の個人差で身長のばらつきが大きくなるためです。同じ「平均より5cm低い」でも、年齢によってSDの値は変わります。

医療機関では、日本小児内分泌学会の成長評価用のファイルなどを使い、正確な月齢の平均と標準偏差からSDを計算します。ここで示した数字は、計算のしかたを理解するための例です。

出典 [3] [4]

パーセンタイルとSDで、数字の動き方が違うのはなぜ?

真ん中あたりでは、少しの身長の違いでパーセンタイルが大きく動きます。たとえば50パーセンタイルから16パーセンタイルまでは、SDでいうと1SD分です。一方、端のほうではパーセンタイルはほとんど動きません。3パーセンタイルと2パーセンタイルの差は、SDでは約0.2SDにすぎません。

このため、平均より大きく低い子どもの違いは、パーセンタイルでは見分けにくくなります。日本の成長曲線の作成に関わった研究者は、低身長の程度が大きい子の経過を見るにはパーセンタイルが向かないと感じる医師が多く、臨床ではSDで評価することが好まれると説明しています。

順番、パーセンタイル、SDは、同じ位置を別の物差しで表したものです。どの物差しの数字なのかを確かめてから読むことが大切です。

出典 [5]

1回の測定で、位置はどのくらいぶれる?

英国で行われた研究(Archives of Disease in Childhood誌、1991年)では、測定の誤差を考えると、身長が3パーセンタイルにある5歳児の本当の位置は、2〜4パーセンタイルの範囲にあると計算されました。身長の位置そのものは、1回の測定でも比較的安定しているといえます。

一方で、背の順の順番は、まわりの子の伸び方でも変わります。高学年から中学生のころは、思春期が早く始まった子から先に伸びるため、思春期がまだの子は順番が前に移りやすくなります。順番が変わったことだけで、伸びが悪くなったとは言えません。

反対に、学年が上がるたびに少しずつ前へ移ってきた場合は、伸びが小さくなっているサインのこともあります。成長曲線に点を置いて、線に沿って伸びているかを確かめましょう。

出典 [6]

家庭では、どう確かめればよい?

まず、母子健康手帳や学校の健康診断の記録から、測った日と身長を集めます。学校の記録は毎年同じ時期に測っているので、1年ごとの伸びを比べるのに向いています。誕生日から測った日までの年齢で成長曲線に点を置くと、背の順ではなく、同じ年齢の全国の子どもと比べた位置が分かります。日本小児内分泌学会は、成長曲線の基準範囲とされる−2.0SDから+2.0SDの間に約95%の子どもが入るとしています。

−2.0SDを下回っている、線を横切って下がってきた、1年の伸びが小さい状態が続く、といったときは、記録を持って小児科で相談しましょう。

身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。

出典 [2] [4] [7]

背の順とパーセンタイル・SDについてよくある質問

Q. 毎年、背の順で真ん中くらいです。SDでいうとどのくらいですか?

A. 真ん中なら50パーセンタイル、0SD(平均)くらいが目安です。ただしクラスの人数が少ないと幅が大きいので、正確な位置は成長曲線で確かめましょう。

Q. 男女いっしょに並んだときの順番でも、同じように考えられますか?

A. 小学校高学年以降は、男女で身長の伸びる時期が違うため、男女いっしょの順番から全国の位置を考えるのは難しくなります。同じ性別の中で考えましょう。

Q. 健診で「−1.5SD」と言われました。背の順でいうと何番目くらいですか?

A. −1.5SDは約7パーセンタイルで、100人の中で小さいほうから7番目くらいです。同じ性別が15人のクラスなら、前から1〜2番目にあたる計算になります。順番より、これまでの伸び方とあわせて見ることが大切です。

出典 [2]

まとめ

背の順で前から3番目は、同じ性別が15人なら約17パーセンタイル、およそ−1SDが計算上の目安です。ただし、クラスは小さな集団で、学年の中の月齢差もあるため、順番から分かる位置には大きな幅があります。順番の変化をきっかけに、誕生日からの年齢で成長曲線に記録を置いて確かめましょう。

出典 [2] [3]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 国立保健医療科学院掲載「乳幼児身体発育曲線の活用・実践ガイド」(令和3年3月、厚生労働行政推進調査事業、PDF)
  2. 日本小児内分泌学会「低身長」
  3. 日本成長学会・日本小児内分泌学会合同標準値委員会「附表1 平均身長・平均体重/標準偏差 2000年」(男女別・月齢別、PDF)
  4. 日本小児内分泌学会「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル ダウンロードサイト」
  5. Clinical Pediatric Endocrinology「Growth standard charts for Japanese children with mean and standard deviation (SD) values based on the year 2000 national survey」(Isojima T ほか、2016年、J-STAGE)
  6. Archives of Disease in Childhood「The reliability of height and height velocity in the assessment of growth (the Wessex Growth Study)」(Voss LD ほか、1991年、PubMed)
  7. ノビケア「お問い合わせ」