ノビケア トップ > コラム > 低身長の基準と受診の目安

低身長の基準と受診の目安読む時間 約7分

背の順でいつもいちばん前:小学生の「クラスでいちばん小さい」は相談したほうがよい?

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

クラスでいちばん小さいことは、それだけで病気を意味するものではありません。どのクラスにもいちばん前の子はいて、背が低い子の多くは体質によるものです。大切なのは、クラスの中の順番ではなく、同じ年齢・性別の基準と比べた位置と、毎年の伸び方です。成長曲線で線に沿って伸びているかを確かめ、伸びが落ちてきた、基準よりかなり低いといったときは小児科で相談しましょう。

クラスでいちばん小さいのは、めずらしいこと?

背の順は、そのクラスの中での並び方です。何人のクラスでも、いちばん前になる子はいます。クラスでいちばん小さいことは、全国の同じ年齢の子と比べて大きく低いことと、同じ意味ではありません。

日本小児内分泌学会は、成長曲線の基準範囲とされる−2.0SDから+2.0SDの間に約95%の子どもが入り、−2.0SD以下の子どもは100人のうち2〜3人くらいだと説明しています。クラスでいちばん前の子でも、この範囲の中にいることはめずらしくありません。

日本内分泌学会も、低身長と判断される子どものうち90%以上には、治療が必要な病気は見つからないとしています。順番だけで心配しすぎず、基準と比べた位置を確かめることから始めましょう。

出典 [1] [2]

同じ学年でも、差がつきやすいのはなぜ?

同じ学年には、4月生まれから翌年3月生まれまで、ほぼ1年の年齢差がある子がいっしょにいます。小学生のころは1年に5〜6cmほど伸びる時期なので、生まれ月の差がそのまま見た目の差になりやすく、早生まれの子は前のほうになりやすくなります。くわしくは「早生まれの子は背が低い?」のコラムで説明しています。

高学年になると、思春期の始まりの違いも加わります。あいち小児保健医療総合センターは、思春期の最初の変化は女の子で平均9歳半ごろ、男の子で平均11歳半ごろに見られるとしています。思春期が早い子が先に伸び始めるため、思春期がまだの子は、一時的にまわりとの差が目立つことがあります。思春期の時期と身長の関係は「早熟と晩熟の違いは?」のコラムで説明しています。

出典 [3] [4] [5]

基準と比べると、どのくらい低いと「低身長」?

低身長かどうかは、同じ性別・同じ年齢の子の平均と比べ、標準偏差(SD、ばらつきの大きさ)の何倍離れているかで考えます。目安は−2.0SDで、文部科学省の令和7年度学校保健統計から見ると、小学1年生(6歳)の男の子は平均116.6cm、標準偏差4.97cmなので、平均より約10cm低いあたりが−2SDの位置にあたります。小学6年生(11歳)の男の子では、平均146.1cm、標準偏差7.37cmで、約15cm低いあたりです。

ただし、医療機関で低身長を判断するときは、2000年のデータで作られた基準を使い、誕生日からの正確な年齢で比べます。上の数字は、大まかな位置をつかむための目安です。年齢ごとの−2.0SDの値は「低身長の基準は?」のコラムに表で載せています。

クラスでいちばん小さくても、平均との差がこれよりずっと小さければ、基準の範囲に入っていることが多いと考えられます。気になるときは、正確な年齢で成長曲線に点を置いて確かめましょう。

出典 [6] [7] [1]

背が低い原因には、どんなものがある?

日本小児内分泌学会は、子どもの身長が低い原因の多くは、両親も背が低いなどの遺伝や体質によるものだと説明しています。日本大学医学部附属板橋病院も、いちばん多いのは家族性低身長を含めた特発性低身長だとしています。思春期の始まりがゆっくりな体質の子も、小学校高学年から中学生のころに一時的に小さく見えることがあります。

一方で、成長ホルモンの不足(低身長の原因の10%程度)、小さく生まれたあと身長が追いつかないSGA性低身長症(同じく20%)、甲状腺の病気、染色体の病気など、治療の対象になる原因がかくれていることもあります。種類ごとの考え方は「低身長の種類は?」や「家族性低身長とは?」のコラムで説明しています。

出典 [1] [8]

順番より大切なのは、どんなこと?

大切なのは、1回の身長よりも、毎年の伸び方です。成長曲線で、低めの位置でも線に沿って伸びているなら、体質による小柄さの可能性が考えられます。反対に、それまで沿っていた線を横切って下がってくる場合は、伸びを落としている原因がないか確かめたほうがよいとされています。

背の順の変化も、ひとつのきっかけになります。毎年同じくらいの順番なら、まわりと同じような速さで伸びていることが多いでしょう。これまで中ほどだったのに、学年が上がるたびに前へ移ってきた場合は、伸びが小さくなっているサインのことがあります。

日本学校保健会は、学校での健康診断の記録を成長曲線にして、成長の異常に早く気づくことに役立てる取り組みを紹介しています。学校の記録は毎年同じ時期に測っているので、1年ごとの伸びを比べるのに向いています。

出典 [1] [9] [10]

どんなときに、小児科で相談したほうがよい?

次のような様子があるときは、母子健康手帳や学校の記録を持って小児科で相談しましょう。東京慈恵会医科大学の小児科は、身長が−2.0SD、とくに−2.5SDを下回るような場合や、伸びが悪くなっている場合は早めの受診を勧めています。

強い頭痛や、何度も吐く、けいれんがあるときは、すぐに119番や救急医療機関に連絡してください。

出典 [11] [1] [4] [5]

本人が気にしているときは、どう考えればよい?

背の高さと友だち関係の研究もあります。米国の公立学校で6年生から12年生までの956人を調べた研究(Pediatrics、2004年)では、身長と、友だちの数や人気、まわりからの評価との間に、はっきりした関係は見られませんでした。背の低い子は、低学年のうちは実際より年下に見られやすい傾向がありましたが、受け入れられ方には影響していなかったとされています。

とはいえ、いつも列の先頭に立つことや、からかいの言葉を気にする子もいます。本人の話をよく聞き、背の高さとは関係のない得意なことや努力を認める声かけを続けてください。具体的な声かけの例は「背が低いことを気にする子どもへの声かけは?」のコラムで紹介しています。学校で困っていることがあれば、担任の先生に相談するのもよいでしょう。

出典 [12]

家庭で確かめておくことは?

まず、母子健康手帳と学校の記録から身長を集め、誕生日からの年齢で成長曲線に書き込んでみましょう。日本小児内分泌学会は、記入用の成長曲線を公開しています。家庭で測るときは、同じ時間帯に、靴下を脱いで、同じ場所で測ると比べやすくなります。両親の身長もメモしておくと、相談のときに役立ちます。

記録を見て気になる点があれば、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。

出典 [13] [14]

クラスでいちばん小さいことについてよくある質問

Q. 小学1年生から毎年、背の順でいちばん前です。今年もそうでした。

A. 毎年同じ順番であれば、まわりと同じような速さで伸びている可能性があります。ただし、基準と比べた位置は順番だけでは分からないため、記録を成長曲線に書き込んで確かめましょう。

Q. 早生まれなので仕方がないと言われました。様子を見てよいですか?

A. 早生まれの子が前のほうになりやすいのは自然なことです。成長曲線では誕生日からの年齢で比べるため、生まれ月の差を除いた位置が分かります。それでも基準より大きく低い、線から離れていく、といった場合は相談してください。

Q. 小学5年生の娘です。まわりの女の子が急に伸びて、差が広がりました。

A. 女の子の思春期は平均9歳半ごろに始まるとされ、高学年では始まりの時期の違いで差が目立ちやすくなります。胸のふくらみなどの変化があるかどうかと、これまでの伸び方をあわせて医師に見てもらいましょう。

出典 [1] [5]

まとめ

背の順でいちばん前でも、それだけで病気とは限りません。−2.0SD以下の子は100人に2〜3人で、クラスでいちばん小さい子でも基準の範囲にいることはめずらしくありません。順番ではなく、成長曲線での位置と毎年の伸び方を確かめ、線を横切って下がる、伸びが小さい状態が続くといったときは、記録を持って小児科で相談しましょう。

出典 [1]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

公式LINEで無料相談を予約する

この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「低身長」
  2. 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
  3. e-Gov法令検索「学校教育法」(第17条)
  4. American Family Physician「Evaluation of Short and Tall Stature in Children」(米国家庭医学会誌の総説、2015年)
  5. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  6. 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について公表します」(PDF、令和8年2月13日)
  7. 政府統計の総合窓口(e-Stat)「学校保健統計調査 令和7年度 全国表 1 年齢別 都市階級別 設置者別 身長・体重の平均値及び標準偏差」
  8. 日本大学医学部附属板橋病院「低身長症」
  9. 横浜市立大学附属 市民総合医療センター「低身長」
  10. 日本学校保健会 学校保健ポータルサイト「3.学校での成長曲線の活用について(なぜ、なに、どうして?学校保健 第1回「成長曲線」)」
  11. 東京慈恵会医科大学 小児科学講座「低身長」
  12. Pediatrics「Height and social adjustment: are extremes a cause for concern and action?」(2004年、PubMed)
  13. 日本小児内分泌学会「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル ダウンロードサイト」
  14. ノビケア「お問い合わせ」