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低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分
SDとパーセンタイルの違いは?成長曲線の線の意味と数字の読み方
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
パーセンタイルは「同じ年齢・性別の100人の中で、小さいほうから何番目くらいか」という順位を、SD(SDスコア)は「平均からどれだけ離れているか」を表す数字です。身長では3パーセンタイルがおよそ−2SD、97パーセンタイルがおよそ+2SDにあたります。どちらも一つの値で判断せず、時間をかけた伸び方と合わせて読みます。
SDとパーセンタイルは、何を表す?
国立保健医療科学院などがまとめた「乳幼児身体発育曲線の活用・実践ガイド」では、パーセンタイルを、データを小さいほうから順に並べて全体を100としたとき、小さいほうから何番目に位置するかを表すもの、と説明しています。50パーセンタイルはちょうど真ん中、25パーセンタイルは小さいほうから4分の1のところです。
一方、SDスコアは偏差値のような指標で、0が平均です。プラスなら平均より大きく、マイナスなら平均より小さいことを表します。同じガイドは、パーセンタイルは感覚的に分かりやすく、SDスコアは極端な低身長を表しやすいという特徴があると説明しています。
低身長かどうかを医療機関で判断するときは、主にSDが使われます。乳幼児健診や母子健康手帳ではパーセンタイルがよく使われます。同じ子どもの同じ身長でも、どちらの物差しで表すかによって数字の見え方が変わるため、どちらの数字なのかを確かめてから読むことが大切です。
出典 [1]
SDスコアは、どうやって計算する?
SDスコアは、「(子どもの身長−同じ年齢・性別の平均身長)÷ 標準偏差」で求めます。標準偏差は、その年齢の子どもの身長がどのくらいばらついているかを表す数字です。
たとえば、仮に平均身長が130.0cm、標準偏差が5.5cmの年齢で、身長が122.0cmの子どもがいるとします。(122.0−130.0)÷5.5で、SDスコアは約−1.5になります。この数字は計算の説明のための仮の値です。
実際の計算には、月齢ごとの平均と標準偏差が必要です。日本小児内分泌学会は、成長を評価するための計算用のファイルを公開しています。基準になる成長曲線は、肥満の増加などの影響を含まない2000年のデータで作られたものを使うことになっています。
パーセンタイルとSDは、どう対応する?
身長のように左右対称の山の形(正規分布)に近いと考えられる値では、SDとパーセンタイルはおおよそ次のように対応します。表の数字は、正規分布を仮定した計算上の目安です。
日本小児内分泌学会は、−2.0SDから+2.0SDの間に約95%の子どもが入り、−2.0SD以下の子どもは100人のうち2〜3人くらいの割合になると説明しています。
| SDスコア | パーセンタイルの目安 | 100人の中での位置の目安 |
|---|---|---|
| +2SD | 約98 | 大きいほうから2〜3番目 |
| +1SD | 約84 | 大きいほうから16番目くらい |
| 0(平均) | 50 | 真ん中 |
| −1SD | 約16 | 小さいほうから16番目くらい |
| 約−1.9SD | 3 | 小さいほうから3番目くらい |
| −2SD | 約2 | 小さいほうから2〜3番目 |
| −2.5SD | 1未満 | 1000人のうち6人くらい |
| −3SD | 0.1くらい | 1000人のうち1人くらい |
母子手帳と学会の成長曲線で、線が違うのはなぜ?
母子健康手帳の発育曲線や、乳幼児の身体発育曲線には、下から3、10、25、50、75、90、97パーセンタイルの線が使われます。母子健康手帳では、3パーセンタイルから97パーセンタイルの間が帯で示されています。パーセンタイルの定義から、この帯には同じ月齢の子どものおよそ94%が入ることになります。
これに対して、日本小児内分泌学会の0〜18歳の成長曲線には、平均の線のほか、+2.0SD、+1.0SD、−1.0SD、−2.0SD、−2.5SD、−3.0SDの線が引かれています。低身長の程度を細かく見られるよう、平均より下の線が多くなっています。
ガイドは、医療機関では低身長を−2SD以下と定義しているため、身長が3パーセンタイル未満でも低身長に入らない子どもがいる、と注意しています。3パーセンタイルと−2SDは近い位置にありますが、まったく同じではありません。
−2SDより下なら病気?上なら安心?
どちらとも言えません。−2SDより下でも、両親も背が低いなど体質による場合が多くあります。反対に、−2SDより上でも、伸び方が落ちていれば注意が必要です。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断の手引きでは、身長が−2.0SD以下であることに加えて、身長が正常範囲であっても、1年あたりの伸び(成長速度)が2年以上にわたって標準値の−1.5SD以下であることも、成長障害の目安に挙げています。身長の位置だけでなく、伸びる速さもSDで評価されるということです。
低身長の基準そのものについては「低身長の基準は?」の記事で説明しています。
線をまたいで動くのは、どんなとき?
成長曲線の線と線の間を「チャンネル」と呼ぶことがあります。ガイドによると、生まれてから半年くらいまでは、出生時の体格から本来の体格に近づくために、チャンネルを移ることがよくあります。これは問題のない成長の幅とされています。
成長が安定したあとは、同じチャンネルの中で伸びていくことが多くなります。そのため、幼児期以降に線を横切って身長が下がっていく場合は注意が必要です。ガイドでは、幼児の身長が基準線を1つ横切って下がるときを、医療機関への紹介を考える目安の一つにしています。
思春期の前後は、思春期が始まる時期の個人差によって、一時的に線から離れて見える可能性があります。線から離れて見えるときに様子を見てよいかどうかは、骨年齢や思春期の進み方と合わせて医師が判断するので、気になる場合は担当の医師に相談してください。
出典 [1]
両親の身長と比べるとき、SDはどう使う?
両親の身長から計算する予測身長(ターゲットハイト)は、男の子は両親の身長の平均に6.5cmを足した値、女の子は6.5cmを引いた値です。ガイドは、予測身長と、子どものパーセンタイルにあたる大人の身長との差が、男の子で9cm、女の子で8cm(1.5SD程度、基準線で2本離れたくらい)までなら問題ないとされている、と説明しています。
予測身長からの離れ方を見ると、その子の身長が家族の体格から説明できるかどうかの手がかりになります。計算のしかたは「両親の身長から子どもの最終身長を予測する計算式は?」の記事を参考にしてください。
出典 [1]
数字を見るときに、気をつけたいことは?
身長は測るたびに少しずつ誤差が出ます。ガイドは、6歳未満では身長を正確に測るのが難しいこと、2歳未満は寝かせて、2歳以上は立って測ることを示しています。数週間ごとの細かな変化ではなく、半年や1年の単位で見ましょう。
早く生まれた赤ちゃん(在胎37週未満)は、予定日から数えた修正月齢でも記録をつけるよう勧められています。修正月齢で見ると、心配な位置から外れることもあります。
数字の読み方に迷うときは、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、成長の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
SDとパーセンタイルについてよくある質問
Q. 10パーセンタイルと言われました。低いのでしょうか?
A. 100人のうち小さいほうから10番目くらいという意味で、およそ−1.3SDにあたります。よく見られる範囲で、それだけで心配する必要はありません。伸び方が同じチャンネルに沿っているかを見ていきましょう。
Q. 計算するサイトやアプリでSDの数字が少し違います。
A. 基準にしているデータの年や、月齢の扱い方が違うと、数字が少し変わります。医療機関では、学会が示す基準を使って評価します。
Q. SDがプラスなら、病気の心配はありませんか?
A. 身長の位置が高くても、急に伸びが速くなったり遅くなったりする場合は、病気が隠れていることがあります。位置より、線の形の変化に注意してください。
まとめ
パーセンタイルは順位、SDは平均からの離れ方を表し、身長では3パーセンタイルがおよそ−2SDにあたります。医療機関では主にSDで評価しますが、どちらの数字も、一回の値より、線に沿って伸びているかどうかと合わせて読むことが大切です。
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