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低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分
毎日のように身長を測ってしまう:測りすぎで不安が増えるときの、記録の間隔の決め方
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
身長は、ていねいに測っても1回ごとに数mmずれ、1日の中でも変わります。一方で、1か月の伸びは多くの子で数mmほどしかありません。そのため、毎日や毎週測ると、伸びよりもずれのほうが大きく見え、かえって不安が増えやすくなります。伸びの判断は半年から1年の間隔で行うと決め、家での測定は「記録をつなぐ点」と考えましょう。
毎日のように測ってしまうのは、めずらしいこと?
子どもの身長が気になり始めると、「少しは伸びたかな」と、つい何度も測りたくなるものです。学校の健康診断の結果を見たあとや、ほかの子と並んだ姿を見たあとに、測る回数が増える保護者もいます。子どもを大切に思うからこその行動で、めずらしいことではありません。
ただ、測るたびに数字が上下すると、そのたびに安心したり落ちこんだりして、気持ちが疲れてしまいます。測る回数を見直すことは、子どもの成長を見守ることをやめるのではなく、伸びを正しく見るための工夫です。
毎日測ると、なぜ不安が増えやすい?
英国の学校で子ども53人を調べた研究(Archives of Disease in Childhood誌、1997年)では、専門の測定者が身長計で測っても、くり返し測ったときのばらつきは約0.3cmでした。同じ研究では、午前9時から午後1時までの間に、身長が平均で約0.5cm低くなっていました。
これに対して、1年に5cm伸びる子の1か月の伸びは約0.4cm、1週間なら1mmほどです。毎日や毎週の値の違いは、ほとんどが測り方や時間帯によるずれと考えられます。「きのうより低い」「先週から伸びていない」という数字は、伸びが止まったことを表しているわけではありません。
国立精神・神経医療研究センターは、不安を打ち消すための確認は一時的な安心をもたらしますが、その後また不安が戻り、くり返し確認したくなる流れが生じやすいと説明しています。身長を何度も測るときも、測るたびに数字が気になり、次の測定を求める流れになっていないか、振り返ってみましょう。
伸びを判断するには、どのくらいの間隔が必要?
米国家庭医学会誌の総説は、子どもは波をもって伸びるため、伸びの速さを見るには、少なくとも3〜6か月、できれば6〜12か月あけた2回の測定が必要だとしています。小児慢性特定疾病情報センターが示す成長速度の基準も、1年あたりの伸びで表されています。
つまり、伸びを判断する単位は、もともと「年」です。毎日の値を見ても、伸びがよいか悪いかは分かりません。家で測る間隔は、この判断の単位とは分けて考えると決めやすくなります。
記録の間隔は、どう決めればよい?
目的ごとに間隔を分けて決めておくと、「今日も測ろうか」と迷う場面が減ります。家庭で何か月ごとに測るべきかを示した学会や公的機関の決まりは見当たらないため、次の表は考え方の例です。続けやすい間隔を家族で選んでください。
| 目的 | 間隔の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 記録を途切れさせない | 月に1回、または3か月に1回 | 値は記録としてつけるだけにし、前回との差は計算しない |
| 伸びを確かめる | 半年から1年ごと | 同じ条件で測った値どうしで、1年あたりの伸びを出す |
| 学校の値と並べる | 学校の健康診断(毎学年6月30日まで) | 毎年同じ方法で測る学校の値を、伸びを見る中心にする |
測りたくなったときは、どうすればよい?
間隔を決めても、気になる日には測りたくなるものです。測りたい気持ちを無理に打ち消そうとするより、気持ちの向け先を用意しておくほうが続けやすくなります。次のような工夫を、できるものから試してみてください。うまくいかない日があっても、自分を責める必要はありません。次に決めた日から、また同じやり方で続ければ大丈夫です。
- 測る日をカレンダーに書き、その日以外は身長計やメジャーを目につかない場所にしまう
- 測る人を家族の一人に決め、測ったら記録表に書くだけにする
- 測りたくなったときは、気になっていることをメモに書き、次の受診や相談で聞く質問としてためておく
- 数字ではなく、成長曲線に点を打って、線の流れで見るようにする
- 測る代わりに、子どもと一緒に過ごす時間や、身長以外の成長(できるようになったこと)に目を向ける
家族で、何を決めておけばよい?
測る回数を一人で我慢しようとすると、つらくなりがちです。家族で次のことを決めておくと、測りたい気持ちとの付き合い方が楽になります。
- 測る日(例:毎月1日、学期の始まり)と、測る時間帯
- 測る人と、使う道具(同じ身長計、同じ壁)
- 記録をつける場所(ノート、アプリ、母子健康手帳のどれか一つ)
- 子どもの前では、数字や前回との差の話をしないこと
- 気になることがたまったら、相談する時期を決めておくこと
子どもには、どんな影響がある?
毎日のように測られると、子どもは「自分の背は家族にとって大きな心配ごとなんだ」と感じやすくなります。測るたびに表情が曇ったり、ため息をついたりすると、その気持ちは子どもにも伝わります。
測る日は前もって子どもにも伝え、測ったあとは数字にふれずに「ありがとう」で終えるくらいがちょうどよいでしょう。思春期になって測られるのを嫌がるときの考え方は、「思春期の子が身長を測らせてくれないとき」のコラムで紹介しています。
測らずにいられない気持ちが強いときは?
測る回数を減らそうとしても落ち着かない、測らないと眠れない、ほかのことが手につかないなど、生活に支障が出るほどの状態が続くときは、保護者自身の不安を相談してよいサインです。国立精神・神経医療研究センターは、こうした確認がやめられず日常生活に支障が出る場合は、専門の医療機関への受診をすすめています。
まずは身近な相談先に話してみるのも一つの方法です。厚生労働省は、家族が自分を責めずに、自分自身のケアも大切にするよう呼びかけています。市区町村のこども家庭センターや、こども家庭庁の「親子のための相談LINE」も利用できます。
記録を見て、相談したほうがよいのは?
同じ条件で測った値を成長曲線に描き、線が基準線を下向きに横切ってくる場合や、半年以上ほとんど伸びていないように見える場合は、記録を持って小児科で相談しましょう。日本小児内分泌学会は、成長曲線を描いて気になる伸び方であれば、早めに小児科の医師に相談するよう勧めています。1年の伸びの目安は「1年で4cmしか伸びないのは少ない?」のコラムで説明しています。
不安を一人で抱えるより、記録を医師と一緒に見るほうが、気持ちが落ち着くこともあります。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
身長を測りすぎてしまうことについてよくある質問
Q. 毎月測っていますが、それも多すぎますか?
A. 月に1回なら、記録を続けるための間隔として無理のない回数です。ただし、1か月の差は測り方のずれに隠れやすいので、前回との差で一喜一憂しないようにしましょう。
Q. 測るのをやめたら、変化に気づくのが遅れませんか?
A. 学校の健康診断は毎年行われ、その値で1年の伸びを確かめられます。家では決めた間隔で測り、伸びの判断は半年から1年の値で行えば、変化を見落としにくくなります。
Q. 家族に「測りすぎ」と言われてけんかになります。
A. どちらが正しいかではなく、測る日と測る人を一緒に決めるところから話してみてください。記録の続け方は「成長の記録を続けるコツ」のコラムも参考になります。
出典 [5]
まとめ
身長の測定には数mmのずれがあり、1か月の伸びはそれと同じくらいの大きさです。毎日測るほど、ずれが目立って不安が増えやすくなります。家では決めた間隔で記録をつなぎ、伸びの判断は半年から1年の単位で行いましょう。不安が強いときは、記録を持って相談してください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- Archives of Disease in Childhood「Diurnal variation in stature: is stretching the answer?」(Voss LD、Bailey BJ、1997年、英国の学校の子ども53人、PubMed)
- 国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト「強迫性障害」
- American Family Physician「Evaluation of Short and Tall Stature in Children」(米国家庭医学会誌の総説、2015年)
- 小児慢性特定疾病情報センター「成長速度基準表(標準身長の−1.5SD値)」(PDF)
- e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」(第5条)
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「自分や家族を責めない」(自分のケアも大切)
- こども家庭庁「こども家庭センター」
- こども家庭庁「『親子のための相談LINE』について」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「お問い合わせ」