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背が低いと部活は不利?部活選びで迷う子への声かけ

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

競技によっては体の大きさが有利に働く場面がありますが、中学生のころの体格の差は、思春期の始まる時期の差によることも多く、今の身長だけで向き不向きは決まりません。部活は、生徒が自分の意思で参加するものとされています。「背が低いから」と選択肢を狭める前に、本人が何をしたいのか、何が不安なのかを聞き、一緒に確かめていきましょう。

部活選びで、背の低さが気になるのはなぜ?

中学校に入ると、同じ学年でも体格の差が大きく見えるようになります。体験入部で先輩や同級生と並んだとき、「バスケは背が高い子ばかり」「自分は小さいから試合に出られないかも」と感じて、やりたかった部活をあきらめかける子もいます。

反対に、保護者のほうが「背が低いと不利だから別の部活に」と考えることもあります。どちらの場合も、まずは不安の中身を分けて考えることが大切です。体の大きさが本当に結果に関わる場面なのか、まわりと比べられることがつらいのか、友だち関係が心配なのかで、かける言葉は変わります。

同じ学年で、体格の差が大きいのはなぜ?

日本スポーツ協会の「発育期のスポーツ活動ガイド」は、同じ学年の子どもでも発育・発達の個人差は大きく、生まれ月による差(相対的年齢効果)も見られるとしています。1年間の身長の伸びが最大になる年齢は、女子で9〜11歳、男子で11〜13歳とされ、この時期が早い子と遅い子では、中学生のころに体格の差が目立ちます。同じガイドは、成熟が早い子のその後の伸びしろは小さくなる傾向があるとしています。

若い選手の成熟についてのレビュー(英国スポーツ医学誌、2015年)は、多くの競技で、選手の選ばれ方や外れ方が、思春期と成長スパートの時期の成熟の度合いと関係していると述べています。今チームで小柄なことは、競技の素質の差だけでなく、成長の時期の差を映していることがあります。成長の早い・遅いは「早熟と晩熟の違いは?」のコラムで説明しています。

出典 [1] [2]

小柄な子が、早くからあきらめてしまうことはある?

少年サッカーの選手の生まれ月を調べた国内の研究(Football Science誌、2018年)では、生まれ月のかたよりは小学3年生ごろから見られ、6年生で最も大きくなっていました。研究者は、小学3年生の段階ですでに、プレーをやめてしまう状況が生じていると考察しています。

体が小さい、成長がゆっくりといった理由で、上達する前に競技から離れてしまう子がいることを示す結果です。日本スポーツ協会のガイドも、一つの種目の練習量が多くなることで競技から離れてしまう子どもが増えないよう対策が必要だとしています。今の体格だけで「向いていない」と決めず、続けられる環境かどうかも一緒に考えましょう。

出典 [3] [1]

迷っている子に、どう声をかける?

本人が「背が低いから無理かな」と言ったときは、すぐに「そんなことない」と打ち消したり、「別の部活にしたら」と答えを出したりせず、まず気持ちを受け止めましょう。そのうえで、次のような問いかけで、本人の考えを言葉にする手伝いをします。

日本スポーツ協会のガイドは、運動への自信(運動有能感)は、「運動能力が優れている」だけでなく、「練習や努力をすればできるようになる」「周りに認められている」という感覚からも成り立つとしています。体の大きさで決まりにくい「上達」や「仲間とのつながり」に目を向けた声かけが、本人の自信を支えます。

出典 [1]

部活は、どんな考え方で選べばよい?

文部科学省の部活動と地域クラブ活動のガイドライン(令和7年12月)は、部活動は全ての生徒が一律に加入すべきものではなく、生徒の自主的・自発的な参加により行われるものだとしています。また、運動が苦手な生徒やレクリエーションを楽しみたい生徒など、どの生徒でも参加しやすい活動の工夫や、複数のスポーツや文化・科学分野の活動を幅広く経験できるような配慮を求めています。

学校の部活動を地域に移していく取り組みの中で、学校の外の「地域クラブ活動」も広がっています。同じガイドラインは、地域クラブ活動に期待される価値として、複数の競技に取り組むマルチスポーツなど生徒のニーズに応じた多様な体験や、生徒の個性・得意分野の尊重を挙げています。学校の部活だけで選ばず、地域の活動も含めて選択肢を探してみましょう。

出典 [4]

選ぶ前に、確かめておきたいことは?

背の高さが気になる競技でも、ポジションや役割によって求められる体格は違います。体験入部や見学のときに、次のような点を本人と一緒に確かめてみましょう。

練習の量も大切な確認点です。同じガイドラインは、休養日を週2日以上設けること、1日の活動時間は長くとも平日2時間程度、休日3時間程度とすることなどを示しています。成長期は睡眠や食事の時間を確保できることも大切なので、練習の時間と生活のつり合いも見ておきましょう。

出典 [4] [1]

入ったあとは、どう見守る?

部活に入ったあと、「背が低いから試合に出られない」と落ち込む時期があるかもしれません。そんなときは結果より、前よりできるようになったことや、続けていることを具体的に認めましょう。体育や運動会の場面での声かけは「体育や運動会で背の低さが気になる子」のコラムでも紹介しています。

反対に、練習を休みがちになる、部活の話をしなくなる、腹痛や頭痛をくり返すといった変化が続くときは、部活の中で困っていることがないか、本人の話を聞いてみてください。顧問の先生への相談は、本人の気持ちを確かめてからにしましょう。

思春期に入ると、短い期間で身長がぐっと伸びて、チームの中での体格の順番が入れかわることもあります。今の役割やポジションが、そのまま中学3年生まで続くとは限らないことも、本人に伝えてあげるとよいでしょう。

出典 [1]

身長の伸び方そのものが気になるときは?

部活選びの悩みとは別に、身長の伸び方が気になる場合は、記録で確かめましょう。日本小児内分泌学会は、身長が基準の範囲から大きく外れている場合や、成長曲線の線から離れるように伸びが落ちている場合などは、早めに小児科に相談するよう勧めています。競技と身長の関係は「サッカー・野球・バスケ・バレーと身長」のコラムで説明しています。

ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。成長ホルモン治療中の部活の注意は「成長ホルモン治療中に運動・部活はしてよい?」のコラムで説明しています。

出典 [5] [6]

背の低さと部活選びについてよくある質問

Q. 背を伸ばすために、バスケやバレーの部活に入るとよいですか?

A. 特定の競技で身長が伸びるという確かな根拠は、学会や公的機関の資料には見当たりません。身長のためではなく、本人が続けたいと思える活動を選びましょう。

Q. 小柄な子に向いている部活はありますか?

A. 競技によって体格が有利に働く場面はありますが、成長の時期の差もあるため、今の身長だけで決める必要はありません。本人の興味を大切にしてください。

Q. 部活に入らないのは、よくないことですか?

A. 文部科学省のガイドラインは、部活動は全員が一律に加入すべきものではないとしています。地域の活動や習いごとなど、本人に合った過ごし方を一緒に考えましょう。

出典 [5] [4]

まとめ

中学生のころの体格の差は、成長の時期の差によることも多く、今の身長だけで部活の向き不向きは決まりません。部活は自分の意思で選ぶものなので、本人の気持ちと不安の中身を聞き、練習の環境も一緒に確かめましょう。身長の伸び方が気になるときは、部活の話とは分けて、記録で確かめてください。

出典 [1] [4]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本スポーツ協会「発育期のスポーツ活動ガイド」(PDF、2021年3月)
  2. British Journal of Sports Medicine「Biological maturation of youth athletes: assessment and implications」(若い選手の成熟に関するレビュー、2015年、PubMed)
  3. 河合一武ほか「少年期サッカー選手の誕生月偏向に関する一考察:誕生月偏向は小学何年生から始まるか」(Football Science 15巻、2018年、J-STAGE)
  4. 文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(令和7年12月、PDF)
  5. 日本小児内分泌学会「低身長」
  6. ノビケア「お問い合わせ」