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部活の朝練で睡眠が足りない中学生:成長期の睡眠の確保と、家でできる工夫
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
厚生労働省の睡眠ガイドは、中学・高校生に8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めていますが、思春期は体内時計が遅れて夜型になりやすく、朝練で早く起きる日は睡眠が足りなくなりがちです。成長ホルモンは寝入ってすぐの深い眠りのときに出るとされ、睡眠は成長期の体に欠かせません。起きる時刻から逆算して寝る時刻を決め、夜の過ごし方を見直し、睡眠不足が続くときは学校や部活の先生とも相談しましょう。
中学生には、どのくらいの睡眠が必要?
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、米国睡眠医学会の推奨を紹介したうえで、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めています。同じガイドは、成長期である高校生までは大人より長い睡眠が必要で、一般に思われているより長い睡眠時間であることに驚くかもしれないとしています。
たとえば、朝練のために朝6時に起きるなら、8時間眠るには夜10時に、9時間眠るには夜9時に眠っている必要があります。布団に入ってから眠るまでの時間も考えると、寝る準備はさらに早く始めることになります。ガイドも、小学生以降は推奨される睡眠時間から逆算して、夜寝る時間を決めることを勧めています。
出典 [1]
朝練がある子は、なぜ睡眠が足りなくなりやすい?
睡眠ガイドによると、思春期が始まるころから体内時計が後ろにずれ、眠りに関わるホルモン(メラトニン)が出始める時刻が遅くなるため、夜は眠くなりにくく、朝は起きにくくなります。そこに、部活動や勉強、友人とのつきあい、デジタル機器の使用などが重なり、夜遅くまで起きていることが増えます。
それでも朝は決まった時刻に起きる必要があるため、睡眠不足がたまっていきます。朝練がある日は起きる時刻がさらに早くなるので、寝る時刻が変わらなければ、その分だけ睡眠が短くなります。ガイドは、思春期から社会人になるまでの時期は、夜ふかし、睡眠不足、休日の朝寝坊がとくに起こりやすいとしています。
厚生労働省のe-ヘルスネットも、日本の小・中・高校生は世界的に見ても夜ふかしをしていることで知られ、朝食をとらずに登校し、強い眠気をこらえて授業を受けている子がいると紹介しています。
睡眠不足は、身長の伸びやけがに影響する?
厚生労働省のe-ヘルスネットは、寝入ってすぐの深い眠り(徐波睡眠)に一致して、成長ホルモンが分泌されると説明しています。睡眠は成長期の体に欠かせないものです。ただ、朝練による睡眠不足がどのくらい身長の伸びに影響するかを、はっきり示した研究は限られています。長く眠るほど背が伸びるというわけではありません。
けがとの関係を調べた研究はあります。米国の中高一貫校で運動部の生徒112人を調べた研究(Journal of Pediatric Orthopaedics誌、2014年)では、1晩の睡眠が平均8時間未満の生徒は、8時間以上の生徒に比べて、けがをしていた割合が1.7倍でした。1校の調査で、睡眠不足がけがの原因だと決められるものではありませんが、研究者は、若い選手に十分な睡眠をすすめることがけがの予防に役立つかもしれないとしています。
部活の練習時間には、決まりがある?
文部科学省の「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(令和7年12月)は、学校部活動について、週2日以上の休養日を設け、1日の活動時間は長くとも平日は2時間程度、休日は3時間程度、1週間の活動時間は11時間程度の範囲内とするよう示しています。
ガイドラインは、これらの休養日や活動時間は、成長期にある生徒が学校内外の活動、食事、休養、睡眠のバランスのとれた生活を送れるよう、スポーツ医・科学の研究も踏まえて定めたものだとしています。学校部活動と地域のクラブの両方に参加する場合は、すべての活動を合わせた時間で考える必要があるとされています。
ガイドラインは、校長が学校部活動の活動方針をホームページなどで公表するよう求めています。朝練の時間や回数が気になるときは、まず学校の方針を確かめてみましょう。
出典 [5]
朝練がある日の前の夜は、どう過ごす?
睡眠ガイドの内容をもとに、家でできる工夫をまとめました。全部を一度に変えなくても、できるところから始めましょう。
- 朝起きる時刻から逆算して、寝る時刻を本人と一緒に決める
- 夕食、入浴、宿題の時間を前倒しにして、寝る前の時間に余裕をつくる
- スマホやタブレットは寝室に持ち込まず、電源を切って別の部屋に置く
- 寝る直前1時間以内の激しい運動や筋トレは控える
- 夕方以降は、コーヒーやエナジードリンクなどカフェインの多い飲み物を避ける
- 翌朝の持ち物や練習着は、前の晩のうちに用意しておく
眠気覚ましにエナジードリンクを飲んでもよい?
厚生労働省は、カナダ保健省の目安として、13歳以上の青少年は1日に体重1kgあたり2.5mg以上のカフェインをとらないよう紹介しています。エナジードリンクには、1本でコーヒー2杯分にあたるカフェインを含むものもあるため、子どもは飲むのを控えるようすすめています。
朝練の眠気をカフェインでしのぐと、夜の寝つきが悪くなり、次の朝さらに眠くなるという悪循環になりがちです。眠気そのものが、睡眠が足りていないサインだと考えましょう。飲み物の選び方は「カフェインや炭酸は身長に悪い?」のコラムでも説明しています。
出典 [6]
朝と休日は、どう工夫する?
睡眠ガイドは、朝食をとらない生活は体内時計を遅らせる方向に働くとし、登校時や学校で日光を十分に浴びることを勧めています。朝練の日も、短い時間で食べられるおにぎりやバナナ、牛乳などを用意しておくと、朝食を抜かずにすみます。
休日に昼近くまで寝ると、午前中に日光を浴びられず、体内時計がさらに後ろにずれやすくなります。ガイドは、休日もふだんと同じ時間に起きて日光を浴びることを勧めています。疲れているときでも、起きる時刻を大きく遅らせすぎないようにしましょう。
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睡眠が足りないときは、学校や部活の先生に相談できる?
家での工夫だけでは睡眠時間が足りないときは、部活の顧問や担任の先生に相談してみましょう。朝練の頻度や開始時刻、帰りが遅くなる日の過ごし方など、本人の生活の様子を具体的に伝えると話が進みやすくなります。
本人は、練習を休むとレギュラーから外れる、仲間に悪いと感じて、相談を嫌がることがあります。先に本人の気持ちを聞き、「体を守るための相談で、部活をやめさせたいわけではない」と伝えてから動きましょう。部活と身長の考え方は「背が低いと部活は不利?」のコラムで説明しています。
受診を考えたいのは、どんなとき?
睡眠ガイドは、夜ふかし・朝寝坊の習慣が長く続くと、自分の意志だけでは朝起きられなくなる睡眠・覚醒相後退障害につながることがあり、その6割近くに起立性調節障害を合併すると報告されているとしています。日本小児心身医学会は、起立性調節障害の症状として、立ちくらみ、朝起きられない、頭痛、だるさなどを挙げ、症状は午前中に強く午後に軽くなる傾向があるとしています。
朝どうしても起きられない日が続く、立ちくらみや頭痛をくり返す、十分眠っても授業中に眠り込んでしまう、大きないびきや呼吸が止まる様子がある、といったときは、かかりつけの小児科で相談しましょう。思春期の眠気の受診の目安は「思春期によく眠る・朝起きられない」のコラムでくわしく説明しています。
身長の伸び方もあわせて気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の身長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
朝練と睡眠についてよくある質問
Q. 帰ってきてから夕方に寝てしまい、夜眠れなくなります。
A. 夕方に長く眠ると、夜の寝つきが悪くなりやすくなります。帰宅後は夕食と入浴を早めにすませ、そのぶん夜に早く眠れるよう、生活の順番を組み立て直してみましょう。
Q. 休日にまとめて寝れば、平日の不足は取り戻せますか?
A. 睡眠ガイドは、休日に起きる時刻を遅らせると体内時計が後ろにずれやすくなるとしています。休日の寝だめに頼るより、平日の寝る時刻を少しずつ早めるほうが続けやすい方法です。
Q. 背を伸ばすために、朝練を休ませたほうがよいですか?
A. 運動そのものが身長の伸びを止めるわけではありません。大切なのは、練習に見合った睡眠と食事がとれているかです。睡眠が足りない状態が続くときは、学校の方針も確かめたうえで、練習のしかたを本人や先生と相談しましょう。
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まとめ
中学生には8〜10時間を参考にした睡眠が勧められていますが、思春期は夜型になりやすく、朝練の日は睡眠が不足しがちです。起きる時刻から寝る時刻を逆算し、夜のスマホやカフェインを見直し、休日も起きる時刻を大きくずらさないようにしましょう。睡眠不足が続くときは学校に相談し、朝起きられない日が続くときは小児科で相談してください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「こどもの睡眠」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」
- Journal of Pediatric Orthopaedics「Chronic lack of sleep is associated with increased sports injuries in adolescent athletes」(Milewski MD ほか、2014年、PubMed)
- 文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(令和7年12月、PDF)
- 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
- 日本小児心身医学会「起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation)」
- ノビケア「お問い合わせ」