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筋トレをすると身長が伸びない?
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
適切な指導のもとで行う筋トレが身長の伸びを止める、という根拠は、学会・公的機関の資料にはありませんでした。米国小児科学会は、軽い重さで回数を多くする、大人が見守る筋トレは成長板(骨端線)に害がないとしています。ただし、重すぎる負荷や使いすぎはけがにつながるため、やり方と量には注意が必要です。
「筋トレをすると背が止まる」は本当?
米国小児科学会(AAP)は、保護者向けのページで「筋トレは成長板に危険だ」という考えをよくある誤解の一つとして取り上げています。そのうえで、大人が見守る環境で、軽い重さを使い回数を多くする方法で行う筋トレは、成長板に害はないと説明しています。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」のこども版でも、参考として紹介されている世界保健機関(WHO)のガイドラインで、筋肉や骨を強くする身体活動を週3日以上行うことが推奨されています。子どもが筋肉を使う運動をすること自体は、勧められているものです。
一方で、筋トレをすれば身長が伸びる、という根拠も資料にはありませんでした。筋トレは、身長を伸ばすためのものではなく、体力や健康のための運動の一つと考えましょう。
なお、骨端線が閉じる時期は、運動の種類より、思春期の始まりや進み方に大きく左右されます。骨端線について詳しくは、「骨端線とは?」の記事をご覧ください。
子どもの筋トレには、どんな良いことがあるの?
米国小児科学会は、筋トレによって筋力や持久力が高まり、定期的に続けることで心臓の健康、体の組成、骨密度がよくなると説明しています。体重が多めの子どもにとっても役立つとしています。
同学会は、少なくとも8週間続けるよう計画された筋トレで筋力が高まるとしています。ただし、成長期の子どもでは、筋肉が大きくなるというより、筋肉の使い方が変わることで力が増すと説明しています。
厚生労働省の身体活動・運動ガイドも、子どもの身体活動は体力(全身持久力や筋力)、骨の健康、認知機能、心の健康などを高めると説明しています。ジャンプなど筋肉への負担が比較的大きい動きをともなう活動は、筋力を高めることが示されているとしています。
どんな筋トレなら、安全とされているの?
米国小児科学会は、筋トレを始める年齢は、体の成熟の程度や、指示を聞いて守れるかどうかなどで決まるとしています。多くの子どもは7〜8歳ごろにはバランスや姿勢を保てるようになるとも説明しています。
同学会が挙げている筋トレの進め方の例は、次のとおりです。これは米国の学会の目安で、日本の学会が同じ数値を示しているかは確認できていません。
自分の体重を使う運動やゴムバンドなども、筋トレに含まれます。まずは重りを使わない形で、正しいフォームを身につけることから始めましょう。
- 有酸素運動もあわせて行う
- 週2〜3回、1回20〜30分
- 少なくとも10分の準備運動と整理運動を行う
- 最初は重りなしでフォームを練習し、慣れてから少しずつ重りを足す
- 1セット8〜15回を2〜3セット
- 重さを増やすときは、1週間に10%以内にとどめる
出典 [1]
避けたほうがよい筋トレは?
米国小児科学会は、骨が成熟する前には、1回しか持ち上げられないような最大の重さに挑戦することや、勢いをつけて重りを動かす方法は行わないよう勧めています。重量挙げやパワーリフティング、ボディビルのような、最大の重さや反動を使う競技的なトレーニングは、子どもには勧められないとしています。
同学会は、大人の監督がない筋トレでは、背骨の椎間板や成長板のけがのおそれがあると説明しています。監督の行き届いたプログラムでは大きなけがはまれだとしたうえで、肩や背骨の疲労骨折、筋肉の損傷などが起こりうるとしています。
トレーニング中に痛みを感じたら、すぐに中止することも勧められています。痛みを我慢して続けないことが大切です。
出典 [1]
使いすぎによるけがに注意が必要なのはなぜ?
厚生労働省の身体活動・運動ガイドは、子どもが体を動かす際の注意点として、激しすぎる運動やオーバーユース(使いすぎ)は体の故障につながる可能性があると説明しています。急に強い運動や回数の多い運動を始めるのではなく、少しずつ強さや回数を増やすよう勧めています。
日本整形外科学会は、腰椎分離症は体が柔らかい中学生ごろに、スポーツの練習などで腰をそらしたりひねったりする動きをくり返すことで起こると説明しています。一般の人では5%程度ですが、スポーツ選手では30〜40%が分離症になっているとしています。
筋トレで同じ部位に負担をかけ続けたり、休みをとらずに毎日続けたりすると、こうした使いすぎのけがにつながることがあります。週の中に休む日をつくり、成長期の体に合った量にとどめましょう。
筋トレと一緒に気をつけたい生活のことは?
米国小児科学会は、筋トレだけでなく有酸素運動もあわせて行うことを勧めています。厚生労働省の身体活動・運動ガイドも、子どもには少し息が上がる程度以上の身体活動を1日60分以上行うことが、参考として紹介されています。筋トレばかりに偏らず、走る、跳ぶ、ボールで遊ぶなど、いろいろな動きを取り入れましょう。
体を動かすことは、眠りにもよい影響があります。厚生労働省の睡眠ガイドは、運動は1日のどの時間に行っても睡眠の質を改善するとする一方で、寝る前1時間以内の激しい運動はかえって睡眠の質を下げる可能性があるとしています。夜遅い時間の筋トレは控えめにしましょう。
練習量が増えたときは、食事が追いついているかも大切です。日本スポーツ振興センターは、運動で使うエネルギーに見合う量を食事からとらない状態が続くと、性別を問わず健康に有害な影響があり、パフォーマンスも下がると説明しています。
筋トレをしてよいか迷うときは、誰に相談すればいい?
米国小児科学会は、コントロールされていない高血圧やけいれんの病気がある場合など、筋トレが勧められない状態があるとしています。持病がある場合や治療中の場合は、始める前に主治医に相談してください。
トレーニングのあとに痛みが続く、関節が腫れる、動かしにくいといった症状がある場合は、整形外科を受診しましょう。日本整形外科学会は、成長期の野球肘について、痛みを我慢して続けると悪化し、手術が必要になることもあると説明しています。
筋トレとは別に、身長の伸び方そのものが気になる場合は、成長の記録を持って小児科に相談しましょう。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
筋トレと身長についてよくある質問
Q. 中学生がジムのマシンで筋トレをしても大丈夫ですか?
A. 米国小児科学会は、マシンを体格に合わせて調整し、正しいフォームと大人の見守りのもとで行うことを勧めています。最大の重さに挑戦することは、骨が成熟する前は避けるよう勧めています。
Q. 筋肉がつくと、背が伸びにくい体型になりますか?
A. 筋肉がつくことで身長が伸びにくくなる、という根拠は資料にはありませんでした。
Q. 小学生の腕立て伏せや腹筋も筋トレに入りますか?
A. 自分の体重を使う運動も筋トレに含まれます。回数を競いすぎず、正しい姿勢で、痛みが出たらやめることを守りましょう。
出典 [1]
まとめ
適切な指導のもとで行う筋トレが身長の伸びを止めるという根拠は確認できず、米国小児科学会は軽い重さで回数を多くする筋トレは成長板に害がないとしています。最大の重さへの挑戦や使いすぎは避け、痛みが出たら中止しましょう。
出典 [1]
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