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運動しすぎると身長が伸びない?

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

運動量が多いことだけで身長が伸びなくなるとは、一概には言えません。ただし、運動で使うエネルギーに対して食事が足りない状態が続くと、月経が止まる、骨が弱くなるなど、体の発育に影響するおそれが指摘されています。練習の量、食事、睡眠のバランスをとり、痛みや月経の変化などのサインを見逃さないことが大切です。

運動のしすぎで、身長は止まるの?

運動量が多いこと自体で身長がどのくらい変わるかを示した公的な資料は見当たりません。

一方、国立スポーツ科学センターの「成長期女性アスリート 指導者のためのハンドブック」は、思春期の激しい運動トレーニングや極端な体重制限は、初経が遅れる、月経が止まる、骨密度が下がるといったことを引き起こす可能性が高く、体の正常な発育・発達を妨げる可能性も高いと説明しています。

つまり、注意したいのは「運動をすること」そのものより、運動量に対して食事や休養が足りない状態が続くことです。

日本整形外科学会は、子どもの身体活動は二極化していて、運動のしすぎによるスポーツ障害と、運動不足による体力の低下の両方が問題になっていると説明しています。運動は控えればよいというものではなく、量と休養のバランスが大切です。

出典 [1] [2]

「利用可能エネルギー不足」とは、どんな状態?

国立スポーツ科学センターのハンドブックは、利用可能エネルギーを、食事からとるエネルギーから運動で使うエネルギーを引いた残りの量と説明しています。これは、体の基本的な働きや日常の活動に使えるエネルギーです。

運動で使うエネルギーに対して食事が足りない状態が「利用可能エネルギー不足」です。この状態が続くと、脳から出るホルモンの分泌が下がったり、骨の代謝などの体の働きに影響したりすると考えられています。

日本スポーツ振興センターは、国際オリンピック委員会がこの問題を「スポーツにおける相対的エネルギー不足(REDs)」として声明を出していることを紹介し、利用可能エネルギー不足は性別を問わずアスリートの健康に有害な影響をもたらし、パフォーマンスの低下にもつながると説明しています。

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女の子で、とくに気をつけたいサインは?

国立スポーツ科学センターのハンドブックは、利用可能エネルギー不足、無月経、骨粗しょう症の3つを「女性アスリートの三主徴」として紹介しています。月経が止まると、骨の健康に大切な女性ホルモン(エストロゲン)が減り、10代でも骨が弱くなることがあります。

同じハンドブックでは、10代の女性アスリートでは、月経が正常な人に比べて無月経の人のほうが疲労骨折の発症率が高かったことが紹介されています。また、思春期の女の子では11〜14歳に骨密度の年間増加率が最も大きく、20歳ごろに骨量のピークを迎えるとしています。

ハンドブックは、3か月以上月経がない場合や、15歳になっても初経が来ない場合は、産婦人科を受診することを勧めています。日本スポーツ振興センターも、規則的だった月経が3か月以上止まった場合は、運動量と食事量を見直し、エネルギー不足を改善することが重要だとしています。

出典 [1] [3]

男の子も、気をつけることはある?

日本スポーツ振興センターは、利用可能エネルギー不足は性別を問わず健康に有害な影響をもたらすと説明しています。男の子でも、練習量に対して食事が足りていないことがないか、気をつけて見てあげましょう。

男の子のエネルギー不足は、月経のような分かりやすいサインがないため、気づきにくいことがあります。体重が減ってきた、疲れやすい、けがが増えたといった変化が目安になるかどうかは、医師の確認が必要です。

体重制限のある競技や、体型が評価に関わる競技では、とくに無理な減量にならないよう、指導者や医師と相談しましょう。

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練習のしすぎで、どんなけがが起こるの?

厚生労働省の身体活動・運動ガイドは、激しすぎる運動やオーバーユース(使いすぎ)は体の故障につながる可能性があると説明しています。

日本整形外科学会は、成長期にボールを投げすぎることで起こる肘の障害を野球肘と呼び、痛みを我慢して投げ続けると悪化し、手術が必要になることもあるとしています。腰椎分離症については、スポーツ選手では30〜40%が分離症になっていると説明しています。

日本スポーツ整形外科学会の資料では、小学校高学年から中学生に多い膝の痛み(オスグッド病)が、跳ぶ・蹴るといった動作のくり返しで起こると説明されています。同じ動作のくり返しで痛みが出ているときは、休むことも練習の一部と考えましょう。

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練習量の目安はあるの?

文部科学省の部活動のガイドライン(令和7年12月)は、成長期の生徒が活動、食事、休養、睡眠のバランスのとれた生活を送れるよう、次のような基準を示しています。

ガイドラインによると、これらはスポーツ医・科学の観点からの研究もふまえて決められたものです。日本体育協会(現在の日本スポーツ協会)の報告では、休養日を少なくとも週に1〜2日設けること、週当たりの活動時間の上限は16時間未満が望ましいことが示されていると紹介されています。

クラブチームや習い事を掛け持ちしている場合は、それぞれの練習時間を合計して、休む日が確保できているかを確認してみましょう。

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保護者ができることは?

国立スポーツ科学センターのハンドブックは、バランスのとれた食事と、運動で使うエネルギーに見合った量の食事を続けるには、家族や周りの支えが必要だとしています。日々の様子を見ながら、次のような点を確認してみましょう。

運動中に倒れて意識がない、けいれんしている、呼びかけへの反応がおかしいといったときは、すぐに119番に連絡してください。

練習量や食事を見直しても身長の伸びが気になる場合は、成長の記録を持って小児科に相談しましょう。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。

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運動のしすぎと身長についてよくある質問

Q. 練習を休むと、成長期にライバルから遅れてしまいませんか?

A. 文部科学省のガイドラインは、過度の練習はけがのリスクを高め、必ずしも体力や技術の向上につながらないとしています。休養も成長期の体づくりに必要なものと考えましょう。

Q. 体重を軽くしたほうが有利な競技です。食事を減らしてもいいですか?

A. 成長期の極端な体重制限は、月経の異常や骨密度の低下などを引き起こす可能性が高いとされています。食事を減らす前に、指導者や医師に相談してください。

Q. 痛みはあるけれど、大事な試合があります。

A. 日本整形外科学会は、痛みを我慢してスポーツを続けると障害が悪化する例があるとしています。出場してよいかは、整形外科で診察を受けたうえで判断しましょう。

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まとめ

運動量が多いことだけで身長が伸びなくなるとは言えませんが、食事が運動量に追いつかないエネルギー不足や使いすぎは、成長期の体に影響するおそれがあります。休養日と食事、睡眠を確保し、月経の変化や痛みが続くときは早めに医師に相談しましょう。

出典 [1] [8]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 国立スポーツ科学センター「成長期女性アスリート 指導者のためのハンドブック」5. 女性アスリートの三主徴(PDF)
  2. 日本整形外科学会 保護者・養護教諭・学校医向けFAQ「運動不足の子が受診を勧められているのですが…?」
  3. 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「「スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs)」と「女性アスリートの三主徴(Triad)」とは?」
  4. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(PDF)
  5. 日本整形外科学会「野球肘」
  6. 日本整形外科学会「腰椎分離症・分離すべり症」
  7. 日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 1. オスグッド病」(PDF)
  8. 文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(令和7年12月、PDF)
  9. ノビケア「お問い合わせ」