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成長期・思春期・骨端線読む時間 約7分
思春期によく眠る・朝起きられない:成長期の眠気と身長の関係、受診を考えるサイン
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
思春期になると、体内時計が遅れる方向にずれるため、夜は眠くなりにくく、朝は起きにくくなります。中高生には8〜10時間の睡眠が勧められていますが、実際には足りていないことが多く、休日に長く眠るのは睡眠不足のサインのこともあります。眠ることは成長に欠かせませんが、長く眠るほど背が伸びるわけではありません。朝どうしても起きられない日が続く、十分眠っても授業中に眠り込んでしまうといったときは、体の病気が隠れていないか相談しましょう。
思春期になると、なぜ眠くなりやすい?
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、思春期が始まるころから眠りと目覚めのリズムが遅れる方向にずれ、眠りをうながすホルモン(メラトニン)が出始める時刻も遅くなると説明しています。そのため、夜寝る時刻が遅くなり、朝起きるのが難しくなる傾向があります。
そこに、部活動や勉強、友だちとのやりとり、スマートフォンなどの使用が重なり、夜遅くまで起きている日が増えます。それでも朝は登校の時刻に合わせて起きなければならないため、睡眠不足がたまりやすくなります。ガイドは、思春期から社会人になるまでの時期が、夜ふかし、睡眠不足、休日の朝寝坊が最も起こりやすい時期だとしています。
思春期の子どもがよく眠る、朝なかなか起きないのは、本人のやる気の問題だけではなく、この年ごろの体のリズムの変化と生活の変化が重なった結果であることが多いのです。受験期の工夫は「受験期の子どもの睡眠時間は?」のコラムで紹介しています。
出典 [1]
中高生には、どのくらいの睡眠が必要?
睡眠ガイドは、米国睡眠医学会の推奨を紹介したうえで、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することを勧めています。脳波を使って夜の睡眠時間を調べた研究では、15歳前後で実際に眠れている時間は約8時間とされています。成長期の高校生までは、大人より長い睡眠が必要で、一般に思われているより長いことに驚くかもしれないとも書かれています。
平日は6〜7時間しか眠れず、休日に昼近くまで眠る生活になっている場合は、平日の睡眠が足りていない可能性があります。ガイドは、休日に起きる時刻を遅らせると、午前中に日の光を浴びられず、リズムがさらに遅れやすくなるとして、週末もふだんと同じ時刻に起きて日の光を浴びることを勧めています。
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よく眠ることは、身長の伸びと関係がある?
睡眠ガイドは、睡眠には心と体を休めるはたらきと、脳と体を成長させるはたらきがあるとしています。厚生労働省のe-ヘルスネットは、眠りについた直後の深い睡眠に一致して、成長ホルモンが分泌されると説明しています。睡眠をしっかりとることは、成長期の体の土台づくりと言えます。
一方で、長く眠れば眠るほど背が伸びる、というわけではありません。睡眠ガイドは、体が必要とする以上に寝床で長く過ごすと、寝つくまでに時間がかかる、途中で目が覚める、ぐっすり眠った感じが減るなど、かえって眠りの質が下がるとしています。
「よく眠るのは、背が伸びる時期だから」と言われることもありますが、眠気の強さから身長の伸びる時期を読み取れることを示した資料は、学会や公的機関のページには見当たりません。眠気が強いときは、伸びのサインと考えるより、睡眠が足りているか、体調に変わりがないかを確かめることが大切です。成長ホルモンと睡眠の関係は「寝る子は育つは本当?」のコラムでくわしく説明しています。
朝どうしても起きられない日が続くときは?
睡眠ガイドは、夜ふかしと朝寝坊の習慣が長く続くと、遅刻が増えたり、登校が難しくなったりすることがあり、これは睡眠・覚醒相後退障害と呼ばれる睡眠障害の一つだと説明しています。自分の意志だけでは、リズムの遅れやたまった睡眠不足にあらがえなくなった状態と考えられています。
同じガイドは、この状態の6割近くに起立性調節障害を合わせ持つと報告されていることも紹介しています。日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は思春期に起こりやすく、軽いものも含めると中学生の約10%に見られます。立ちくらみ、めまい、朝起きられない、だるさ、頭痛などの症状が、午前中に強く午後には軽くなる傾向があり、夜は目がさえて眠れないこともあります。
日本小児心身医学会は、家族が症状を気持ちの問題や怠けととらえてしまいがちだが、体の病気であることを理解することが大切だとしています。朝起きられないことを責める前に、一度小児科で相談してみましょう。
十分眠っているのに、日中ひどく眠いときは?
睡眠ガイドは、日中の眠気や居眠りが目立つ睡眠障害として、睡眠不足症候群、閉塞性睡眠時無呼吸、周期性四肢運動障害、過眠症などを挙げています。睡眠時無呼吸では、眠っている時間はあっても、夜の睡眠が十分に休息の役割を果たせず、日中に眠気が出ます。大きないびきや呼吸が止まる様子があるときは、「いびき・睡眠時無呼吸と子どもの身長」のコラムも参考にしてください。
過眠症の一つであるナルコレプシーについて、国立精神・神経医療研究センターは、多くは思春期に始まり、数年かけて症状がそろっていくと説明しています。食事中や歩いているときなど、ふつうは眠らない場面での居眠りや、笑ったり驚いたりしたときに急に体の力が抜ける発作が特徴です。
睡眠障害のほかにも、貧血、甲状腺のはたらきが落ちる病気、気分の落ち込みなどで、眠気やだるさが続くことがあります。厚生労働省は、朝なかなか起きられない、寝すぎる、体がだるそうといった様子を、子どもの心のSOSのサインの一つとして挙げています。甲状腺の病気では、眠そうにしている、疲れやすいといった様子とあわせて、身長の伸びが落ちることがあります。
受診を考えたいのは、どんなサイン?
睡眠ガイドは、生活を見直しても、十分な時間眠れない、休んだ感じがしない、日中の眠気が強いといった状態が続き、日中の生活に影響している場合は、速やかに医師に相談するよう勧めています。次のような様子があるときは、まずかかりつけの小児科に相談しましょう。必要に応じて、睡眠の専門の医療機関などを紹介してもらえます。
- 朝起きられず、遅刻や欠席が続いている
- 立ちくらみ、めまい、頭痛などが午前中にとくに強い
- 授業中や食事中など、ふつうは眠らない場面で眠り込んでしまう
- 笑ったときなどに、ひざや首の力が急に抜けることがある
- 大きないびきをかく、眠っている間に呼吸が止まっている
- 顔色が悪い、息切れがする、寒がりになった、身長の伸びが落ちてきた
- 元気がない、友だちと遊ばなくなった、無口になったなど、いつもと違う様子が続く
家では、どんなことができる?
睡眠ガイドには、リズムの遅れを防ぐための工夫が示されています。全部を一度に変えるのは難しいので、本人と話し合って、できそうなものから始めましょう。親が一方的に決めるより、本人が自分で選んだルールのほうが続きやすくなります。
- 登校前や学校で、朝の日の光をしっかり浴びる
- 朝食を抜かない
- 週末も、ふだんとあまり変わらない時刻に起きる
- スマートフォンやタブレットは寝室に持ちこまず、別の部屋に置く
- 寝る直前の激しい運動は控える
- 部活や塾の時間から逆算して、寝る時刻を決めておく
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身長の伸びも気になるときは?
眠気や朝の不調と、身長の伸びの低下が重なる場合は、学校の健康診断の記録などから成長曲線をつけ、睡眠の様子とあわせて医師に見せましょう。いつごろから眠気が強くなったか、平日と休日の寝る時刻と起きる時刻を1〜2週間書き出しておくと、相談がスムーズです。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
思春期の眠気と身長についてよくある質問
Q. 休日に12時間近く眠ります。寝かせておいてよいですか?
A. 平日の睡眠が足りていないサインのことがあります。休日に起きる時刻を大きく遅らせると、リズムがさらに遅れやすくなります。休日の起床をふだんより少し遅い程度にとどめ、平日の睡眠時間をのばす工夫をしてみましょう。
Q. 授業中によく居眠りをしていると、学校から連絡がありました。
A. まず、平日に何時に寝て何時に起きているかを本人と書き出し、睡眠時間が足りているかを確かめましょう。8時間前後眠れているのに居眠りが続く場合や、食事中などふつうは眠らない場面でも眠り込む場合は、睡眠障害などが隠れていないか小児科で相談してください。
Q. 朝起きられないのは、怠けているからではないのですか?
A. 思春期には体内時計のずれや、起立性調節障害のような体の病気で起きられないことがあります。叱る前に、症状の出方を一緒に記録し、小児科で相談しましょう。
まとめ
思春期によく眠る、朝起きにくいのは、体内時計のずれと生活の変化が重なることが多いためです。中高生は8〜10時間の睡眠を目安にしましょう。睡眠は成長に欠かせませんが、長く眠るほど伸びるわけではありません。朝起きられない日が続く、十分眠っても日中に眠り込むといったときは、小児科に相談してください。
出典 [1]
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」
- 日本小児心身医学会「起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation)」
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部「中枢性過眠症」(ナルコレプシー、特発性過眠症)
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「睡眠時無呼吸」(子どものみみ・はな・のどの病気Q&A)
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:鉄」
- 小児慢性特定疾病情報センター「21及び22に掲げるもののほか、後天性甲状腺機能低下症 診断の手引き」
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「こころのSOSサインに気づく」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「お問い合わせ」