成長ホルモン治療読む時間 約6分
中学生から成長ホルモン治療は間に合う?骨年齢で考える目安
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
中学生でも、骨端線が閉じておらず、治療の対象となる病気があれば、成長ホルモン治療を検討できることがあります。ただし、日本小児内分泌学会は、骨年齢で男子15歳・女子14歳以上(目安)の骨端線が閉じかけた状態や、思春期が進んで1年の伸びが2cm以下になった場合は、ほとんど効果がみられないとしています。間に合うかどうかは学年ではなく、骨年齢と伸び方で医師が判断します。
「間に合うか」は、何で決まる?
成長ホルモンは、骨の端にある成長板(骨端線)に働いて骨を長く伸ばします。日本小児内分泌学会は、ふつう思春期の後半に成長板が完成する(骨端線が閉じる)と、成長ホルモンが働いても骨は長軸方向には伸びなくなると説明しています。
成長ホルモン製剤の添付文書でも、効能・効果は「骨端線閉鎖を伴わない」成長ホルモン分泌不全性低身長症などと書かれています。つまり、間に合うかどうかの鍵は、年齢や学年ではなく、骨端線がどこまで閉じているかです。
骨年齢とは?中学生では、どう見る?
骨年齢は、手のエックス線写真などから、骨がどこまで大人に近づいているかを表す目安です。同じ14歳でも、思春期が早く始まった子は骨年齢が進み、遅い子は実際の年齢より若いことがあります。
日本小児内分泌学会は、日本人の骨年齢の評価法(TW2法)で男子15歳、女子14歳以上を、骨端線が閉鎖に近い状態の目安としています。また、骨端線閉鎖は、TW2法のRUS法で男子16.0歳、女子14.6歳を超えた場合に相当するとしています。ただし、これらはあくまで目安で、骨の成熟の進み方には個人差があります。骨端線がどこまで閉じているかは、手のエックス線写真と成長の記録をもとに専門の医師が判断します。
骨年齢の考え方は「骨年齢とは」の記事で、骨端線が閉じる時期は「骨端線は何歳で閉じる?」の記事でくわしく説明しています。
出典 [1]
どんなとき、治療の効果がほとんど見込めない?
日本小児内分泌学会は、次のような場合には、成長ホルモン治療にほとんど効果がみられないとしています。
- 骨端線が閉じている
- 骨年齢(TW2法)で男子15歳、女子14歳以上の、骨端線が閉じかけた状態
- 二次性徴が進み、それとともに1年間の身長の伸びが2cm以下になった
出典 [1]
治療を始めたあとは、何を見て続けるかを決める?
保険診療では、成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合、骨端線閉鎖以降の治療は認められていません。治療中の子についても、日本小児内分泌学会は、1年の伸びが1cm未満か骨端線閉鎖を認めた場合は中止、2cm未満なら中止を積極的に検討することを推奨しています。
中学生から治療を始める場合は、始めてから終わりの目安に届くまでの期間が短くなりやすい点も、あらかじめ知っておきたいところです。やめる時期の考え方は「成長ホルモン治療は何歳まで?」の記事で説明しています。
出典 [1]
中学生は、なぜ「時間が限られる」と言われる?
文部科学省の令和7年度学校保健統計では、女子の平均身長は中学1年(12歳)152.4cm、中学3年(14歳)156.4cm、高校3年(17歳)157.9cmです。女子は中学生のうちに伸びが落ち着いてくる子が多いことが分かります。男子は中学1年153.8cm、中学3年166.1cm、高校3年170.6cmで、中学生の間に大きく伸びる子が多い時期です。
日本小児内分泌学会は、ふつう思春期の後半に骨端線が閉じると説明しています。中学生は、伸びている最中でも、その時期に近づいていることがあります。どこまで進んでいるかは、手のエックス線写真などで医師が確かめます。
ただし、思春期の始まりが遅い子は、中学生でも骨年齢が若く、伸びる期間が残っていることもあります。学年だけで「もう遅い」と決めつけず、反対に「まだ大丈夫」と様子を見続けることもせず、記録をもとに確かめることが大切です。
中学生から始められるのは、どんな場合?
成長ホルモン治療が保険で使えるのは、成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、SGA性低身長症など、国に承認された病気で、骨端線が閉じていない場合です。
日本小児内分泌学会と日本内分泌学会の見解によると、検査をして保険の成長ホルモン治療の対象になるのは、背が低い子どものうち一部です。それ以外の子どもへの使用は保険の適応にならず、よい治療効果も期待できないとしています。保険で治療を受けられる条件は「成長ホルモン治療が保険で受けられるのはどんな場合?」の記事でくわしく説明しています。原因が見つからない低身長への使用は適応外使用となり、意味や注意点は「自由診療の成長ホルモン治療とは?」の記事で説明しています。
出典 [1]
検査や判断には、どのくらい時間がかかる?
保険で成長ホルモン治療を始めるには、病気の診断が必要です。成長ホルモン分泌不全性低身長症では、2種類以上の分泌刺激試験で成長ホルモンの不足を確かめることが原則必要で、日本小児内分泌学会は、診断と治療開始が適切かどうかについて、主治医が公益財団法人成長科学協会に判定を依頼する仕組みがあると紹介しています。
保険診療では、分泌刺激試験などの検査や判定を経てから治療を始めるため、受診してすぐに治療が始まるわけではありません。かかる期間は医療機関や検査の内容によって違います。中学生で伸び方が気になる場合は、早めに小児科に相談しましょう。
一方で、検査の結果、治療の対象にならないと分かることもあります。治療をしない場合の考え方は「成長ホルモン治療をしなかったらどうなる?」の記事で説明しています。
出典 [1]
思春期がまだ来ていない中学生は?
あいち小児保健医療総合センターは、女の子で13歳、男の子で14歳になってもまったく二次性徴がない場合を思春期遅発の目安としています。思春期遅発の多くは体質によるもので、待っていれば自然に思春期が来るとしています。
体質による思春期遅発では、背の伸びが同級生より遅れて始まるため、小学校高学年から中学生のころに低身長で受診する子が多いと同センターは説明しています。この場合、骨年齢も若いことが多く、伸びる期間が残っている可能性があります。
ただし、脳下垂体や性腺の働きに問題がある病気のこともあり、区別が難しい場合は専門医の判断が必要です。過度な運動や極端な体重減少で思春期が遅れることもあるとされています。
出典 [4]
中学生で相談するときは、何を準備する?
残された時間を有効に使うには、相談の前に記録をそろえておくことが役立ちます。医師は、これまでの伸び方、思春期の進み方、骨年齢などを合わせて判断します。
ノビケアでは骨年齢のエックス線検査は行っていないため、骨年齢の確認が必要な場合は、対面の医療機関をご紹介しています。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
- 母子健康手帳と、小学校・中学校の健康診断の身長の記録
- 最近1年で何cm伸びたか(同じ時期の記録の差)
- 声変わり・ひげ、胸のふくらみ・初経など、体の変化に気づいた時期
- 両親の身長
- これまでに受けた検査や、骨年齢の結果があればその内容
中学生からの成長ホルモン治療についてよくある質問
Q. 中学3年生でも、まだ間に合いますか?
A. 骨端線が閉じていなければ、治療の対象になる病気かどうかを調べる意味はあります。ただ、骨端線が閉じかけている場合は効果がほとんど見込めないため、早めに相談しましょう。
Q. 初経のあとでも治療できますか?
A. 初経の時期だけでは決まりませんが、初経のあとは伸びが小さくなることが多い時期です。骨年齢と伸び方で医師が判断します。
Q. 骨年齢は、どこで調べられますか?
A. 小児科、とくに小児内分泌を診る医療機関で、手のエックス線写真から調べます。かかりつけの小児科に相談すると、紹介してもらえることがあります。
出典 [1]
まとめ
中学生から成長ホルモン治療が間に合うかは、学年ではなく骨端線と骨年齢、1年の伸びで決まります。骨年齢が男子15歳・女子14歳以上(目安で個人差があります)や伸びが年2cm以下ではほとんど効果がみられないとされるため、気になったら記録をそろえて早めに相談しましょう。
出典 [1]
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。