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低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分
中学生の男の子で背が低い:思春期の進み方と相談の目安
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
中学生の男の子は、思春期の大きな伸びの最中の子、もう落ち着き始めた子、まだ始まっていない子が同じ学年にいます。背が低いときは、思春期がどこまで進んでいるかと、最近1年の伸びをあわせて見ることが大切です。14歳になっても思春期の変化がない、背が低いまま伸びが小さくなってきた、といったときは、骨端線が閉じる前に小児科で相談しましょう。
中学生の男の子は、伸びのどの時期にいる?
2001年に生まれた全国の子ども約1万3千人を追いかけた調査(Pediatric Research誌、2023年)では、男の子の伸びがいちばん速くなる年齢の平均は12歳台後半で、ばらつき(標準偏差)は約0.9歳でした。1992年に報告された日本の研究では平均13.05歳で、平均的な時期にピークを迎えた子のピークの伸びは、1年に平均9.9cmでした。
平均だけ見ると中学1年生ごろがピークですが、ばらつきを考えると、小学校高学年でピークを迎える子も、中学3年生ごろに迎える子もいます。あいち小児保健医療総合センターは、声変わりは平均13歳ごろで、思春期に入って1〜2年たってから見られることが多いとしています。
同じ中学生でも、伸びの時期が数年ずれていることは珍しくありません。学年ごとの平均身長は「中学生の平均身長は?」、残りの伸びの考え方は「中学生であと何cm伸びる?」のコラムで説明しています。
学年ごとに、何を確かめればよい?
学年ごとの目安をまとめると、次のようになります。思春期の時期には個人差があるため、学年はあくまで目安です。
日本小児内分泌学会は、男の子では声変わりが始まると、その後の身長の伸びはわずかになるとしています。中学の3年間は、残りの伸びが大きく変わっていく時期だといえます。
| 学年 | よく見られる様子 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 中学1年 | 伸びが速くなり始める子、ピークを迎える子が多い | 小学校からの1年ごとの伸び、精巣や陰毛などの変化があるか |
| 中学2年 | 声変わりが始まる子が増え、伸びが落ち着き始める子もいる | 伸びが速くなった年があったか、声変わりが始まった時期 |
| 中学3年 | 伸びが小さくなってきた子と、これから伸びる子に分かれる | 最近1年の伸び、14歳を過ぎて思春期の変化があるか |
「まだ伸びるか」は、何で分かる?
手がかりは、最近1年の伸びと思春期の進み方です。伸びの速い年があって、その後小さくなってきた場合は、ピークを過ぎた可能性があります。反対に、まだ速い伸びがなく、思春期の変化も始まっていない場合は、これから大きく伸びる時期が来ることがあります。
より正確には、手のエックス線写真で骨年齢を見ます。日本小児内分泌学会は、骨年齢で男子15歳以上の骨端線が閉じかけた状態や、1年の伸びが2cm以下になった場合は、成長ホルモン治療にほとんど効果がないとしています。骨年齢を調べるかどうかは、医師が判断します。
治療の対象になる病気が見つかった場合でも、検査や判断には時間がかかることがあります。中学生からの治療の考え方は「中学生から成長ホルモン治療は間に合う?」のコラムで説明しています。
出典 [5]
中学生になっても、思春期が来ていないときは?
あいち小児保健医療総合センターは、男の子で14歳になっても二次性徴がまったく見られない場合を、思春期遅発と考えるのが一般的だとしています。多くは体質によるものですが、においが分かりにくい症状を伴う場合は、カルマン症候群という病気の可能性があるとしています。
体質による遅れの子は骨年齢も遅れていることが多く、そのぶん遅い時期まで伸びが続きます。ただし、イタリアの小児科学の学術誌の総説(2022年)は、こうした子でも、両親の身長から見込まれる身長に届かないことが多いとしています。「父親もおくてだったから」と決めつけず、医師に見分けてもらいましょう。くわしくは「思春期遅発症とは?」のコラムで説明しています。
部活・睡眠・減量で、気をつけたいことは?
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めています。朝練や塾、スマートフォンで寝る時刻が遅くなりやすい時期なので、睡眠が削られていないか見直しましょう。
あいち小児保健医療総合センターは、過度な運動や極端な体重の減少でも、思春期が遅れることがあるとしています。日本スポーツ振興センターは、運動で使うエネルギーに食事が追いつかない状態(スポーツにおける相対的エネルギー不足)が、性別に関係なく体に悪い影響を与えると説明しています。体重の階級がある競技や、長い距離を走る競技をしている場合は、食事の量と体重の変化に気を配り、受診のときに伝えてください。
ネットで売られている「背が伸びる」商品は使ってよい?
背の低さを気にする中学生は、自分でインターネットを調べ、「背が伸びる」とうたう商品にたどり着くことがあります。日本小児内分泌学会は、健康な子の背を高くする効果が科学的に証明された成分はないとしています。
海外から薬を個人で取り寄せることについて、厚生労働省は、国内で品質・有効性・安全性が確認されておらず、偽物のおそれもあり、健康被害が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象にならないと注意しています。本人が何かを買おうとしていると気づいたら、責めずに理由を聞き、一緒に医師に相談しましょう。
本人とどう話し、どこで相談する?
日本小児内分泌学会の移行期医療に関する提言は、思春期から若年期は、医療の管理の主体を保護者から本人へ移していく時期で、患者自身の意思と自己決定権が尊重されなければならないとしています。受診を考えるときも、本人の気持ちを聞くところから始めましょう。
日本小児科学会は、小児科が診る年齢を「成人するまで」としています。中学生でも、小児科(小児内分泌)で相談できます。思春期の進み方を確かめるため、診察で体の変化を見ることがあります。事前に本人に伝えておき、気になることがあれば予約のときに医療機関に相談しておくと、当日の不安が少なくなります。
どんなときに、小児科で相談したほうがよい?
次のような場合は、小学校からの記録を持って小児科で相談しましょう。
強い頭痛や何度も吐く、けいれん、見え方がおかしいといった症状があるときは、身長の相談とは別に、すぐに医療機関を受診し、急ぐときは119番に連絡してください。
本人が受診に乗り気でないときは、まず保護者だけで記録を見てもらうこともできます。記録を見て気になる点があれば、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。
- 14歳になっても、精巣が大きくなる、陰毛が生えるといった変化がない
- 背が低いまま、声変わりなどが進み、最近1年の伸びが小さくなってきた
- 成長曲線で、−2SDの線の近くか、それより下にある
- 小学校のころから、線を横切って下がってきている
- においが分かりにくい、疲れやすいなど、ほかにも気になる症状がある
- 部活や食事制限で、体重が減り続けている
出典 [13]
中学生の男の子の身長についてよくある質問
Q. 中学2年で声変わりが始まりました。もう伸びませんか?
A. 声変わりのあとも伸びは続きますが、少しずつ小さくなります。どのくらい残っているかは、伸び方や骨年齢から医師が判断します。
Q. 中学3年で、まだ背の順がいちばん前です。高校で伸びますか?
A. 思春期が遅めの子は、高校生になってから伸びることもあります。ただ、思春期の変化が始まっているかどうかで見通しは変わるため、一度記録を持って相談しましょう。
Q. 本人が「病院には行きたくない」と言います。
A. 無理に連れて行かず、まず理由を聞きましょう。保護者だけで記録を見てもらい、聞いた話を本人と一緒に考える方法もあります。
まとめ
中学生の男の子は、思春期の伸びの時期が一人ひとり大きく違い、同じ学年でも伸びの最中の子とまだの子がいます。背が低いときは、思春期の進み方と最近1年の伸びをあわせて見ましょう。14歳になっても変化がない、背が低いまま伸びが小さくなってきたといったときは、骨端線が閉じる前に小児科で相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- Pediatric Research「Association between infant breastfeeding practices and timing of peak height velocity: A nationwide longitudinal survey in Japan」(Higuchi Y ほか、2023年、全国の縦断調査の1万3,074人、PMC)
- Clinical Pediatric Endocrinology「Longitudinal Standards for Height and Height Velocity for Japanese Children from Birth to Maturity」(Suwa S ほか、1992年、6〜17歳の男子439人・女子483人の記録、J-STAGE)
- あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- Italian Journal of Pediatrics「Current clinical management of constitutional delay of growth and puberty」(Gaudino R ほか、2022年、体質性思春期遅発症の総説、PMC)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)
- 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「「スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs)」と「女性アスリートの三主徴(Triad)」とは?」
- 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
- 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
- 日本小児内分泌学会「小児期発症内分泌疾患の成人への移行期医療に関する提言」(PDF)
- 日本小児科学会「小児科医は子ども達が成人するまで見守ります」
- ノビケア「お問い合わせ」