ノビケア トップ > コラム > 成長期・思春期・骨端線
成長期・思春期・骨端線読む時間 約7分
着替えや宿泊行事のお風呂で、体の発達の差が気になる子:親ができる声かけと準備
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
思春期の体の変化が始まる時期には大きな個人差があり、同じ学年でも、着替えやお風呂の場面で体の違いが目に入りやすくなります。早い子も遅い子も、それぞれに恥ずかしさや不安を抱えることがあります。気持ちを否定せずに聞き、タオルや着替えの準備で「隠せる」安心をつくり、必要なら本人の了解を得て学校に相談しましょう。
着替えやお風呂で、体の差が気になりやすいのはなぜ?
日本小児内分泌学会によると、思春期は女の子で10歳ごろ、男の子で12歳ごろに始まるのが一般的ですが、始まる時期は一人ひとり違います。小学校高学年から中学生のころは、同じクラスに思春期の変化がかなり進んだ子と、まだ始まっていない子が一緒にいる時期です。
東邦大学医療センター大森病院の資料は、思春期には、女の子は胸がふくらみ月経が始まり体に丸みが出てくる、男の子は声変わりやひげ、筋肉がつくなどの変化があると説明しています。ふだんは服で見えない違いが、着替えや大浴場では一度に目に入ります。
ヘルスケアラボは、思春期は「他の人からどう思われるだろう」と見た目が気になる時期だとしています。体の差そのものより、人に見られること、比べられることへの不安が大きい子も少なくありません。
子どもは、どんなことを気にしている?
気にしている内容は、子どもによってさまざまです。早く変化が来た子は「自分だけ目立つ」と感じ、遅い子は「自分だけ子どもっぽい」と感じやすい傾向があります。よく聞かれるのは、次のようなことです。
男の子の胸のふくらみは、米国家庭医学会誌の総説(2012年)で、思春期の男の子の半数にみられるとされる、よくある変化です。くわしくは「思春期の男の子の胸がふくらむ」のコラムで説明しています。
- 毛が生えてきた、またはまだ生えていない
- 胸がふくらんできた(男の子でも胸が少しふくらむことがある)
- 体格や筋肉のつき方が、友だちと違う
- 宿泊行事の日に、月経が重なりそう
- 下着や体型、にきびなどを見られたくない
親は、どう声をかければよい?
厚生労働省のサイトは、子どもの話を聞くときのコツとして、子どもが話した内容を時々くりかえす、「いやだったんだね」など気持ちを表す言葉を返す、「はい」「いいえ」で終わらない聞き方をする、といった方法を挙げています。「気にしすぎ」と打ち消したり、きょうだいや友だちと比べたりするのは避けましょう。
そのうえで、「体の変化が来る時期は、人によって何年も違う」「早くても遅くても、自分のペースで進んでいる」と、事実を短く伝えます。体の話は、同性の親のほうが話しやすい子もいれば、そうでない子もいます。だれと話したいかは、本人に選ばせてかまいません。
家族の中で、体の変化を冗談のネタにしないことも大切です。悪気のないひと言でも、着替えやお風呂を嫌がるきっかけになることがあります。体の変化の伝え方は「思春期の体の変化を子どもにどう話す?」のコラムで紹介しています。
授業で習ったことは、声かけに使える?
文部科学省の小学校学習指導要領では、4年生の保健で「体の発育・発達」を学ぶことになっています。体は年齢とともに変わり、発育・発達には個人差があること、思春期には体つきが変わり、初経や精通などが起こることを学びます。自分と他の人では発育・発達に違いがあることに気づき、それを肯定的に受け止めることが大切だ、ということにも触れるよう示されています。
中学生や高校生になると、この内容を「子どもっぽい話」と感じる子もいますが、「授業でも習ったとおり、時期は人それぞれ」と、学校で学んだことにつなげて話すと、親の意見の押しつけに聞こえにくくなります。差を感じているのは自分だけではない、と伝えることも、本人の安心につながります。
出典 [7]
宿泊行事の前に、家で準備できることは?
修学旅行や林間学校のお風呂は、短い時間で大勢が入ることが多く、事前の準備で不安が減ることがあります。持ち物のきまりは学校の案内に従ったうえで、次のような工夫を本人と一緒に考えてみましょう。
ヘルスケアラボは、学生の場合、学校の保健室で生理用品を提供してもらえることもあるとしています。宿泊行事の日程と月経が重なりそうなときは、入浴のしかたも含めて、前もって養護教諭に相談しておくと安心です。
- 体を覆いやすい大きめのタオルや、巻きつけるタイプのタオルを用意する
- 脱ぎ着しやすい服や下着を選び、着替えの順番を家で練習しておく
- 生理用品は多めに入れ、小さなポーチにまとめておく
- 困ったときに先生に伝えるひと言(「お風呂のことで相談があります」など)を決めておく
- お風呂の時間が短い場合に備えて、髪や体を洗う順番を考えておく
出典 [8]
学校には、どんな相談ができる?
文部科学省は、学校の健康診断について、子どものプライバシーや心情に配慮するよう通知しており、着替える場所を用意する、待っている間は体操服やタオルで体を隠せるようにする、といった工夫の例を示しています。学校では、体を人に見られることへの配慮の考え方が共有されつつあります。
また、文部科学省は、性別に関する悩みを持つ子どもへの学校での支援の例として、更衣に保健室などを使う、修学旅行で入浴の時間をずらす、といった工夫を挙げています。理由は違っても、着替えや入浴について個別の工夫を学校と相談する余地はあると考えられます。どこまでの対応ができるかは、学校の設備や行事の内容によって異なります。
相談するときは、本人の了解を得たうえで、担任の先生か養護教諭に、どの場面で何に困っているのかを具体的に伝えましょう。ほかの子に事情が知られない形で対応してほしい、という希望も添えておくと安心です。
からかわれたり、のぞかれたりしたときは?
文部科学省の「生命(いのち)の安全教育」の指導の手引きは、体にさわらない性暴力の例として、のぞきや盗撮、体についてのからかいを挙げています。着替えやお風呂での体のからかい、のぞき、写真を撮られるといったことは、「ふざけていただけ」ですませてよいことではありません。
子どもがこうしたことを話してくれたら、まず話してくれたことをねぎらい、本人を責めないようにしましょう。そのうえで、いつ、どこで、だれに、何をされたかをメモし、学校に相談します。子ども自身が相談できる窓口として、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」もあります。からかいへの対応は「身長のことでからかわれたら」のコラムでも説明しています。
体の発達そのものを、確かめたほうがよいのは?
体の変化の時期の差は、多くの場合は個人差の範囲です。ただ、男の子で14歳、女の子で13歳になっても思春期の変化がまったく見られない場合は、小児科で相談しましょう。ヘルスケアラボは、女の子で13歳になっても胸のふくらみがない場合や、15歳になっても月経が来ない場合に受診を勧めています。反対に、小学校低学年で胸がふくらむ、声変わりが始まるなど、年齢に比べて早い変化があるときも相談の目安になります。
身長の伸び方もあわせて気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の身長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
着替えやお風呂での体の差についてよくある質問
Q. 体を見られたくないから宿泊行事を休みたい、と言います。
A. まず、何がいちばん不安なのかを聞いてみましょう。お風呂の時間だけが心配なら、準備や学校への相談で解決できることもあります。行事そのものを強く嫌がる、ほかの場面でも学校に行きたがらないといったときは、担任の先生や養護教諭と一緒に考えましょう。
Q. 親が学校に相談すると、かえって目立ちませんか?
A. その心配は、相談するときに先生に伝えてかまいません。ほかの子に分からない形で対応してほしいことをはっきり伝え、本人が納得した範囲で相談しましょう。
Q. 体の発達が遅いと、背も伸びないのですか?
A. 思春期が遅い子は、身長の大きな伸びも遅れて来ることが多く、その時期は一時的に小柄に見えることがあります。友だちとの身長の差については「友だちが急に伸びて差が開いた」のコラムで説明しています。
出典 [13]
まとめ
思春期の体の変化が始まる時期には大きな個人差があり、着替えやお風呂はその差が目に入りやすい場面です。子どもの気持ちを否定せずに聞き、タオルや着替えの準備で安心をつくり、必要なときは本人の了解を得て学校に相談しましょう。からかいやのぞきは学校に伝え、体の変化の時期そのものが気になるときは小児科で相談してください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本小児内分泌学会「思春期早発症」
- 東邦大学医療センター大森病院 メンタルヘルスセンター「からだの変化」(思春期の特性)
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期は第二の誕生」(国立成育医療研究センター監修、2025年8月更新)
- American Family Physician「Gynecomastia」(Dickson G、米国家庭医学会誌の総説、2012年)
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「話を聞くときのポイント」
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「避けたいこと」
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」(PDF。体育・保健の第3学年及び第4学年「体の発育・発達」を含む)
- 厚生労働省事業 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「生理用品」(国立成育医療研究センター・東京大学産婦人科学講座監修)
- 文部科学省「児童生徒等のプライバシーや心情に配慮した健康診断実施のための環境整備について(通知)」(PDF、令和6年1月22日)
- 文部科学省「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」(平成27年4月30日通知。学校における支援の事例:更衣室、修学旅行等の入浴)
- 文部科学省「生命(いのち)の安全教育 指導の手引き(改訂版)」(PDF。体にさわらない性暴力の例として、のぞき・盗撮、体についてのからかいなど)
- 文部科学省「24時間相談できる窓口」(24時間子供SOSダイヤル)
- あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期が遅い(思春期遅発症)」(国立成育医療研究センター監修、2026年8月更新)
- ノビケア「お問い合わせ」