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思春期の子が「診察室に一人で入りたい」と言ったら:親の役割と、医師に伝えたいことの渡し方

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

中高生が「一人で診察を受けたい」と言うのは、自分の体のことを自分で話したいという成長のあらわれです。日本小児科学会の提言でも、おおむね12歳ごろから本人だけで診察を受ける場面をつくることが勧められています。保護者は、伝えておきたい経過や心配ごとを短いメモにまとめ、本人に見せたうえで医師に渡し、検査や治療を決める説明は一緒に聞くなど、見守り役に回りましょう。

一人で診察を受けたいのは、どんな気持ちから?

米国小児科学会の保護者向けサイトは、思春期の子どもは、親を心配させたくない、がっかりさせたくないという気持ちから、親が聞いていない場のほうが話しやすいことがあると説明しています。質問があるだけでも、親の前では聞きにくいことがあるのです。

身長の相談では、体の変化や友だちとの差、部活での悩みなど、本人にとって話しにくい話題が出やすくなります。親の前だと、親の考えに合わせて答えてしまう子もいます。「一人で入りたい」と言われたら、信頼されていないと受け止めるのではなく、自分のことを自分で話そうとしている成長として受け止めましょう。

出典 [1]

診察室で本人が話したことは、親に伝わる?

日本小児科学会の「医療における子ども憲章」は、子どもの診療で得られる情報は子どものものであり、情報を共有する必要があるときは、その理由を説明して子どもに確かめなければならないとしています。

米国小児科学会のサイトは、小児科医は思春期の子のプライバシーを守るとしたうえで、本人がだれかに傷つけられている、自分や人を傷つけようとしているといった場合は例外になると説明しています。また、医師は本人に、大切な健康の情報は親と共有するようすすめ、親子のあいだをつなぐ役になることもあるとしています。

日本で未成年の子の診療の内容をどこまで保護者に伝えるかは、医療機関や状況によって扱いが違うことがあります。気になるときは、本人と保護者がそろったところで、医師に直接たずねてかまいません。

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本人が一人で入るとき、保護者は何をする?

保護者の役割がなくなるわけではありません。本人が一人で話す時間を持つことと、保護者が支えることは両立します。たとえば、次のような役割があります。

出典 [2]

医師に伝えたいことは、どう渡す?

保護者が伝えたいことは、A4の紙1枚ほどのメモにまとめておくと、短い時間でも医師に伝わります。母子健康手帳や学校の身長の記録とあわせて持っていきましょう。メモの中身は次のようなものです。

出典 [3]

メモは、本人に見せてから渡したほうがよい?

メモは、本人に隠して渡すより、先に本人に見せて「これを先生に渡してもいい?」と確かめてから渡すほうが、信頼を損ないにくくなります。子ども憲章は、子どもは年齢にかかわらず、自分が受ける治療やケアについて自分なりの気持ちや考えを持っているとし、大人はそれを表明しやすくすることを求めています。本人が「これは書かないで」と言う部分があれば、理由を聞いて話し合いましょう。

渡し方としては、受付で「保護者からのメモです」と預ける、診察の最初か最後の数分だけ保護者が入って伝える、といった方法があります。どの方法がよいかは、医療機関にたずねてみましょう。受診前に用意する記録については「低身長の受診前に用意する記録と質問」のコラムで説明しています。

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体の診察があるときは、だれが付き添う?

身長の診察では、思春期の進み具合を知るために、胸や下着の中を確かめることがあります。米国小児科学会の方針(2025年)は、こうした診察では、本人の安心と安全のために付き添いの人(シャペロン)がいるとよいとし、ふつうは看護師などの医療スタッフが務めるとしています。付き添いをどうするかは、本人、保護者、医師で話し合い、それぞれの希望を考えて決めるべきだとしています。

日本の医療機関での付き添いのしかたは施設によって違います。本人が親の同席を望まないときは、医療スタッフに付き添ってもらえるか相談してみましょう。診察の目的の伝え方は「身長の診察で胸や下着の中を確かめるのはなぜ?」のコラムで説明しています。

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検査や治療を決めるときも、本人だけでよい?

検査や治療を決める場面では、本人の考えをいちばん大切にしながら、保護者も一緒に説明を聞くのが基本です。子ども憲章は、治療やケアの方針を決めるときには、子どもが表明した気持ちや意見を一番大事なものとして考えていく必要があるとしています。

とくに成長ホルモン治療のように、毎日の注射が長く続く治療では、家族の協力が欠かせません。原因となる病気が見つからない低身長への成長ホルモン治療は、国内で承認された使い方に含まれない適応外使用になります。本人だけで聞いた説明があれば、あとで家族も一緒に聞く機会をつくってもらいましょう。治療を決める進め方は「中高生の子と治療を決めるには」のコラムで説明しています。

出典 [3] [5]

オンラインの相談では、どうする?

オンラインの相談では、同じ部屋に家族がいると、本人が話しにくいことがあります。本人が希望するなら、話の途中で保護者が席を外す時間をつくれるか、相談の初めに医師にたずねてみましょう。

ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の身長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

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思春期の子の一人での診察についてよくある質問

Q. まだ小学6年生ですが、一人で入りたいと言います。

A. 提言の目安はおおむね12歳ごろからですが、年齢だけで決まるものではありません。最初は診察の一部だけ本人が一人で話し、残りは一緒に聞くなど、少しずつ広げていく方法もあります。

Q. 本人が話したことを、あとで教えてほしいと医師に頼んでもよいですか?

A. 頼むこと自体はかまいませんが、本人の前で「何を話したか全部教えて」と求めると、次から話しにくくなります。本人の安全に関わることは保護者にも伝えられることがあると理解したうえで、それ以外は本人から話してくれるのを待ちましょう。

Q. 「親は待合室にもいなくていい」と言われました。

A. 未成年の受診では、手続きや支払い、検査や治療の同意で保護者が必要になることがあります。本人の気持ちを尊重しつつ、近くで待っていることを伝えておきましょう。

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まとめ

思春期の子が一人で診察を受けたいと言うのは、自分の体のことを自分で話そうとする成長のあらわれで、おおむね12歳ごろから本人だけの診察の場面をつくることが勧められています。保護者は伝えたいことをメモにして本人に見せてから渡し、検査や治療を決める説明は一緒に聞く、見守り役に回りましょう。

出典 [2] [3]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. American Academy of Pediatrics(HealthyChildren.org)「One-on-One Time With the Pediatrician」(2024年4月更新)
  2. 日本小児科学会 移行支援に関する提言作成ワーキンググループ「小児期発症慢性疾患を有する患者の成人移行支援を推進するための提言」(日本小児科学会雑誌127巻1号、2023年、PDF)
  3. 日本小児科学会「医療における子ども憲章」(2022年3月、PDF)
  4. Pediatrics「Use of Chaperones for the Pediatric and Adolescent Encounter: Policy Statement」(米国小児科学会、Berhane A ほか、2025年、PubMed)
  5. ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
  6. ノビケア「お問い合わせ」