ノビケア トップ > コラム > まず知っておきたいこと

まず知っておきたいこと読む時間 約6分

弟や妹に身長を抜かれた:上の子の気持ちと、受診を考える目安

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

弟や妹に身長を抜かれることは、思春期の始まる時期の違いなどで起こりうることで、それだけで病気とは限りません。上の子は、くやしさや恥ずかしさを抱えていることが多いので、まず気持ちを受け止め、きょうだいを比べる言葉を減らしましょう。上の子の伸びが小さくなっている場合や、下の子の体の変化が早すぎる場合は、記録を持って小児科で相談しましょう。

下の子に身長を抜かれるのは、珍しいこと?

日本小児内分泌学会によると、思春期の体の変化は、女の子では10歳ごろ、男の子では12歳ごろから出てくるのが一般的です。あいち小児保健医療総合センターの解説では、最初の変化が見られるのは、女の子で平均9歳半ごろ、男の子で平均11歳半ごろとされています。思春期に入ると身長の伸びが大きくなるため、始まる時期が早い子は、一時的にまわりより大きく伸びます。

文部科学省の令和7年度学校保健統計を見ると、10歳では女の子の平均身長が140.9cmで、男の子の139.5cmを上回り、11歳でも女の子のほうが高くなっています。12歳になると男の子153.8cm、女の子152.4cmと、男の子が再び上回ります。そのため、とくに兄と妹、姉と弟のように性別が違うきょうだいでは、妹が兄に追いついたり、弟があとから姉を抜いたりすることがあります。

同じ性別のきょうだいでも、思春期の始まる時期には個人差があります。上の子の思春期が遅めで、下の子が早めであれば、年の差が小さいほど抜かれることが起こりやすくなります。

出典 [1] [2] [3]

同じ両親から生まれても、大人の身長は違う?

日本の子ども向けに示された研究では、両親の身長から出す大人の身長の目安(ターゲットハイト)に、男の子で上下9cm、女の子で上下8cmほどの幅をもたせて考えるとされています。同じ両親から生まれたきょうだいでも、この幅の中で大人の身長が違うのはふつうのことです。

今、下の子に抜かれていても、それがそのまま大人になったときの差になるとは限りません。きょうだいの身長が違う理由は「きょうだいで身長が違うのはなぜ?」、思春期の時期と大人の身長の関係は「早熟と晩熟の違いは?」のコラムで説明しています。

出典 [4]

抜かれた上の子は、どんな気持ちになりやすい?

上の子にとって、年下のきょうだいは「自分より小さい存在」であることが多く、抜かれたことに強いショックを受けることがあります。親せきや近所の人から「どっちがお兄ちゃんか分からないね」と言われたり、友だちにからかわれたりすると、くやしさや恥ずかしさが大きくなります。

気持ちは、言葉ではなく行動に出ることもあります。きょうだいとの背比べを嫌がる、写真に一緒に写りたがらない、下の子にきつく当たる、身長の話になると部屋に行ってしまう、といった様子に気づいたら、身長のことを気にしているサインかもしれません。下の子の側も、喜んでよいのか分からず、気をつかっていることがあります。

上の子には、どう声をかける?

厚生労働省のこころの健康に関するサイトは、子どもの話を聞くときは、まず気持ちを受け止め、「はい・いいえ」で終わらない聞き方をすることを勧めています。子どもの言うことを否定したり、親の価値基準で判断したりすることは避けたいこととされています。「気にしなくていい」と打ち消すより、「抜かれてくやしいよね」と気持ちを言葉にしてから、次のように伝えてみましょう。

出典 [5] [6]

家族で気をつけたいことは?

家の柱やドアに、きょうだいの身長を並べて書きこんでいる家庭も多いでしょう。上の子が嫌がるようになったら、並べて比べる形をやめ、一人ずつの記録にするのも一つの方法です。記録はやめずに、母子健康手帳や学校の結果と合わせて、それぞれの成長曲線につけておきましょう。

家族の会話で「弟のほうが大きいね」「お姉ちゃんなのに小さいね」と比べる言葉を使わないようにします。祖父母や親せきに言われたときは、親が「伸びる時期は人それぞれなので」と軽く受け流すと、上の子は守られていると感じやすくなります。上の子が下の子の世話をしたり、勉強を教えたりしたときは、そのことを具体的に認めると、身長以外のところで自分の役割を感じられます。

上の子について、受診を考える目安は?

日本小児内分泌学会は、子どもの身長が低い原因の多くは遺伝や体質によるものとしながらも、成長曲線の基準の範囲を大きく外れている場合や、伸び方のパターンによっては、早めに小児科の医師に相談するよう勧めています。抜かれたこと自体より、上の子の伸び方を見ることが大切です。

あいち小児保健医療総合センターは、女の子で13歳、男の子で14歳になっても思春期の変化がまったく見られない場合を、思春期の遅れについて受診する目安としています。成長曲線の線を横切って下がっている、1年の伸びが前の年より明らかに小さい、といったときも、記録を持って相談しましょう。

出典 [7] [2]

下の子のほうを確かめたほうがよい場合もある?

下の子が急に伸びて上の子を抜いた場合、下の子の思春期が早すぎないかも確かめておきましょう。日本小児内分泌学会によると、思春期早発症では思春期の変化がふつうより2〜3年以上早く出てきます。女の子では胸のふくらみ、男の子では精巣が大きくなることが思春期の始まりのしるしです。

思春期が早く進むと、一時的に身長がよく伸びたあと、小柄なまま身長が止まってしまうことがあるとされています。下の子の年齢に比べて体の変化が早いと感じたら、上の子だけでなく下の子の記録も持って相談しましょう。思春期早発症については「思春期早発症とは?」のコラムで説明しています。

出典 [1]

相談するときに、持っていくとよいものは?

相談するときは、きょうだいそれぞれの母子健康手帳、学校の健康診断の結果、家で測った記録を持っていくと、伸び方を比べやすくなります。思春期の変化に気づいた時期のメモや、両親の身長も役に立ちます。

受診することを上の子に伝えるときは、「背が低いから」ではなく、「元気に伸びているか確かめてもらおう」と、本人を責めない言い方にしましょう。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [8]

弟や妹に身長を抜かれたときについてよくある質問

Q. 上の子が「どうせ自分は伸びない」と言います。

A. まずは「抜かれてつらかったね」と気持ちを受け止めましょう。伸びる時期は人によって違うことを伝え、気になるなら記録を持って一緒に確かめに行こうと誘うのも一つの方法です。

Q. 下の子が上の子をからかいます。

A. 下の子にも、身長のことを言われるとつらい人がいることを話し、家族の中では体のことでからかわないというきまりを作りましょう。下の子の「大きくなってうれしい」気持ちは、上の子のいないところで受け止めてあげてください。

Q. 双子なのに、身長の差が広がってきました。

A. 双子でも、思春期の時期や伸び方が違うことはあります。それぞれの成長曲線を見て、どちらかの伸び方が気になるときは相談しましょう。

出典 [1]

まとめ

弟や妹に身長を抜かれることは、思春期の始まる時期の違いなどで起こりうることです。上の子の気持ちを受け止め、比べる言葉を減らしましょう。上の子の伸びが小さくなっているときや、下の子の体の変化が早すぎると感じるときは、きょうだいの記録を持って相談してください。

出典 [1] [7]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

公式LINEで無料相談を予約する

この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「思春期早発症」
  2. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  3. 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について公表します」(PDF、令和8年2月13日)
  4. 日本小児内分泌学会 Clinical Pediatric Endocrinology「Target Height and Target Range for Japanese Children: Revisited」(Ogata T ほか, 2007)
  5. 厚生労働省 こころもメンテしよう「話を聞くときのポイント」
  6. 厚生労働省 こころもメンテしよう「避けたいこと」
  7. 日本小児内分泌学会「低身長」
  8. ノビケア「お問い合わせ」