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低身長の原因と成長ホルモンのしくみ読む時間 約6分
採血がうまくいかず「また今度」と言われたら:やり直しの理由と、次の採血までにできる準備
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
子どもの採血がうまくいかないことは、珍しくありません。血管が細い、寒さで血管が見えにくい、途中で動いてしまうなどで血液が十分にとれないことや、採った血液が固まったり、赤血球が壊れたりして、正しく測れないことがあります。やり直しは、子どもや保護者のせいではありません。次の採血までに、腕を温める工夫や、前回のことを医療者に伝える準備をしておきましょう。
「また今度」と言われるのは、どんなとき?
やり直しになる理由は、大きく2つに分けられます。1つは、針を刺しても必要な量の血液がとれなかった場合です。子どもの血管は細く、見えにくいことがあります。杏林大学医学部付属病院の臨床検査部は、冬の寒い時期などは血行が悪くなり、血管の走行が分かりにくいことがあると案内しています。途中で腕が動いてしまったり、気分が悪くなったりして、中断することもあります。
もう1つは、採ったあとで、血液の状態が検査に向かないと分かった場合です。この場合は、採血の場ではうまくいったように見えても、あとから連絡が来ることがあります。電話で「もう一度採らせてください」と言われると驚くかもしれませんが、正しい結果を出すための確認で、子どもの体に異常が見つかったという意味ではありません。理由が気になるときは、どの検査がどんな理由でやり直しになったのかを尋ねてかまいません。
点滴の管から採血する負荷試験でも、広島赤十字・原爆病院の入院計画表は、点滴が漏れたり詰まったりした場合は刺し直しになると説明しています。うまくいかないことがあるのは、どの検査でも起こりうることです。
採った血液で、やり直しになるのはなぜ?
札幌医科大学附属病院の検査部の広報紙は、再採血が必要になる例として、血液が採血管の中で固まる「凝固」、決められた量に足りない「採血量不足」、赤血球が壊れる「溶血」、点滴の液が混ざる「輸液混入」を挙げています。主な影響は次の表のとおりです。
同じ広報紙は、採血に時間がかかると血液が固まりやすくなるとしています。子どもの細い血管からゆっくり血液をとる場面では、こうしたことが起こりやすくなると考えられます。正しい値が出ない血液で結果を判断すると、病気を見落としたり、なかった異常を疑ったりするおそれがあるため、やり直しになるのです。
| 血液の状態 | どんな状態か | 検査への影響(広報紙の例) |
|---|---|---|
| 凝固 | 採血管の中で血液が固まり、塊ができている | 血球の数を調べる検査(CBC)、HbA1c、凝固の検査などができない |
| 採血量不足 | 決められた量の血液がとれていない | 凝固の検査や赤沈が測れない |
| 溶血 | 赤血球が壊れている | カリウム、LD、ASTなどが実際より高く、インスリンなどが実際より低く出る |
| 輸液混入 | 点滴の液が混ざっている | 薄まって値が下がる、点滴の成分で値が変わる |
出典 [3]
その日のうちに何度も刺さないのは、なぜ?
うまくいかなかったとき、その日にもう一度試すか、別の日にするかは、医療者が子どもの様子を見て判断します。泣いて体に力が入っている、汗をかいている、顔色が悪いといったときは、無理に続けるより、日を改めたほうがよいことがあります。
ある病院の採血室の約72万件の採血を調べた研究(医学検査、2025年)では、採る管の本数が多いほど、また採血に時間がかかるほど、気分が悪くなる人が増える傾向が見られました。気分が悪くなった人の半数以上は30歳未満で、10代の女性ではほかの年代より割合が高かったとされています。何度も刺し直して時間が延びると、子どもの負担は大きくなります。
4〜6歳の子どもの採血を観察した日本の研究(日本小児看護学会誌、2024年)では、子どもは怖さを感じながらも自分なりに採血に向かっていたと報告されています。「また今度」は、子どもの頑張りを次につなげるための判断でもあります。
次の採血までに、家でできる準備は?
次の採血に向けて、家庭でできることには次のようなものがあります。どれも、受ける医療機関の食事や薬の指示の範囲で行ってください。
- 寒い時期は、腕を冷やさないように上着を用意し、待ち時間に使い捨てカイロなどで腕を温める(杏林大学医学部付属病院の案内による。低温やけどに注意)
- 食事を控えるよう言われていても、水やお茶は飲んでよいとされることが多いので、飲んでよいかを確かめておく
- 袖をひじの上までまくりやすい服を選ぶ
- 前の晩はいつもどおり眠れるようにし、当日は時間に余裕を持って家を出る
- 採血の直前に走り回るなど激しい運動を避ける(獨協医科大学病院の案内による)
- 子どもが落ち着いて受けやすい時間帯があれば、予約のときに相談する(決まった時刻に採る必要がある検査もある)
前回のことは、どう伝える?
採血の前に、前回うまくいかなかったことを医療者に伝えましょう。杏林大学医学部付属病院は、採血中や直後に気分が悪くなったり、冷や汗が出たり、気を失ったりしたことがある場合や、避けるように言われている腕がある場合は、採血の前に知らせるよう案内しています。
伝えるときは、次のような具体的な情報があると役立ちます。皮膚に塗ったり貼ったりする麻酔を使いたい場合は、準備に時間がかかることがあるため、予約のときに相談してください。
- 前回、どちらの腕のどのあたりで採ったか、何回刺したか
- 気分が悪くなった、動いてしまったなど、うまくいかなかった場面
- 横になる、数を数える、動画を見るなど、落ち着けたこと
- アルコール綿や絆創膏でかぶれたことがあるか
子どもには、どう話す?
うまくいかなかった日の子どもは、「自分が動いたからだ」「また痛い思いをする」と感じていることがあります。まずは「血管が細くて、採るのが難しかっただけ。あなたのせいではないよ」と伝えましょう。
国立成育医療研究センターは、泣いても腕を動かさなかったときなどに、できたことを具体的に認める声かけを勧めています。「最後まで座っていられたね」のように、前回できたことを思い出せるようにすると、次の採血に向かいやすくなります。座るか横になるか、針を見るか見ないかなど、次に選べることを一緒に決めておくのもよい方法です。保護者も、仕事を休んで連れて行った日にやり直しになると、がっかりするものです。その気持ちは子どもの前では少し脇に置き、「また一緒に行こうね」と、次の予定を前向きに話せるとよいでしょう。くわしくは「採血を怖がる子にどう準備する?」のコラムで説明しています。
検査の結果や、その後の予定はどうなる?
やり直しになったとき、すべての項目がやり直しとは限りません。どの項目の結果が出ていて、どの項目をもう一度調べるのか、次の採血はいつかを確かめておきましょう。結果を聞く日の予定が変わることもあります。
やり直しの採血でも、朝ごはんを抜く、決まった時間に採るなど、前回と同じ条件が必要なことがあります。低身長の血液検査でどんな項目を調べるかは「低身長の血液検査では何を調べる?」のコラムで説明しています。
出典 [6]
検査について相談したいときは?
ノビケアでは静脈からの採血は行っておらず、医師が必要と判断した場合に、ご自宅で指先の血液と尿を採る郵送検査を行います。どんな検査が必要かも含めて、医師による無料相談(ビデオ通話)でご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
出典 [9]
採血のやり直しについてよくある質問
Q. 指先から採る方法ではだめなのですか?
A. 調べる項目や必要な血液の量によっては、静脈から採る必要があります。どの方法で採るかは、検査の目的に合わせて医師が決めます。
Q. 採血のあと、腕にあざができました。
A. 採血のあとは、案内に従って針のあとをしっかり押さえます。杏林大学医学部付属病院は、止血のバンドは5〜10分後に外し、長くつけたままにしないよう案内しています。腫れが広がる、痛みやしびれが続くときは、採血を受けた医療機関に連絡してください。
Q. 子どもがもう採血は嫌だと言っています。
A. 何がいちばん嫌だったかを本人に聞き、医師にも伝えましょう。日程を少しあけるか、やり方を変えられるかを相談できます。
出典 [1]
まとめ
採血のやり直しは、血液が十分にとれなかったときや、採った血液が固まる、赤血球が壊れるなどで正しく測れないときに起こります。子どものせいではないと伝え、次は腕を温める、前回のことを伝えるなどの準備をしておきましょう。どの項目をいつやり直すのかも、忘れずに確かめてください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 杏林大学医学部付属病院「臨床検査部」(採血を受ける患者さんへの注意:腕を温める、採血の前に知らせること、止血バンド)
- 広島赤十字・原爆病院 小児科「成長ホルモン分泌刺激試験で入院される方へ」(入院計画表、PDF、2020年6月作成)
- 札幌医科大学附属病院 感染制御部・検査部 広報紙「seasons」Vol.14「再採血が必要になるのはどんな時?」「採血時の注意点~再採血を減らすために~」(PDF、2021年10月7日)
- 医学検査「病院採血室における採血に伴う気分不良の発生状況」(日本臨床衛生検査技師会、2025年、74巻1号、J-STAGE)
- 日本小児看護学会誌「採血を受ける幼児後期の子どもの取り組みの様相」(2024年、33巻、4〜6歳の30事例の観察研究、J-STAGE、PDF)
- 獨協医科大学病院「検査を受けるときの注意点」(採血の前の食事・薬・運動)
- CMAJ「Reducing pain during vaccine injections: clinical practice guideline」(Taddio A ほか、2015年、カナダHELPinKids&Adultsによる予防接種の痛みの診療指針、PMC)
- 国立成育医療研究センター チャイルドライフサービス室「お子さんが注射を受けることになったとき」
- ノビケア「お問い合わせ」