ノビケア トップ > コラム > 成長期・思春期・骨端線
成長期・思春期・骨端線読む時間 約6分
骨年齢が進んでいると言われたら:考えられることと、残りの伸びの考え方
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
骨年齢が進んでいるとは、手のエックス線で見た骨の成熟が、実際の年齢より先に進んでいる状態です。背が高めの子や肥満のある子でも少し進むことがありますが、性ホルモンが早くから出ている病気が隠れていることもあります。骨の成熟が進むと、身長が伸びる残りの期間は短くなりやすいため、今の身長だけでなく、伸び方と思春期の進み方をあわせて医師と確認しましょう。
骨年齢が進んでいる、とはどういうこと?
骨年齢は、主に左手と手首のエックス線写真で、骨がどこまで大人に近づいているかを見たものです。日本小児内分泌学会の学会誌に載った総説(2015年)は、思春期の年ごろの骨の成熟には性ホルモンが必要で、成長板(骨端線)が閉じるにはエストロゲンが欠かせないと説明しています。これは男の子でも同じです。
どのくらい進んでいると問題になるかは、一律ではありません。2021年の総説は、よく使われる方法でも、読む人によって0.45〜0.83年ほどの差が出ることがあると紹介しています。わずかな差は、読み方の違いの範囲ということもあります。日本では、日本人の子どもに合わせたTW2法の基準が使われています。
一方、小児慢性特定疾病情報センターの思春期早発症の診断の手引きでは、骨年齢が実際の年齢より2歳6か月以上進んでいること(5歳未満では骨年齢が実際の年齢の1.6倍以上)などを、骨の成熟が進んでいるという参考の所見に挙げています。
どんな理由で、骨年齢が進む?
2021年の総説は、性ホルモンが高い状態が長く続く思春期早発症や先天性副腎過形成症などで骨年齢が進み、過体重や背が高めの子、早発アドレナーキ(副腎から出る男性ホルモンが早めに増える状態)でもわずかに進むことがあるとしています。主な理由をまとめると次のとおりです。
| 考えられること | 特徴 |
|---|---|
| 背が高めの体格 | 病気がなくても、骨年齢がわずかに進んでいることがある |
| 肥満 | 骨年齢が進むことがよくあり、思春期が始まったあとに成熟がより進むという報告がある |
| 思春期早発症 | 性ホルモンが早くから出て、骨の成熟が進む |
| 副腎の病気(先天性副腎過形成症など) | 男性ホルモンが多く出て、幼いころから体の変化が始まる |
| 甲状腺ホルモンが多い病気(バセドウ病) | 身長の伸びが速くなるほか、動悸、汗が多い、体重が減るなどがみられる |
| 外から入る性ホルモン | 性ホルモンを含む薬や塗り薬、養毛剤などの化粧品を使っている。性ホルモンを多く含む食品を大量に長く食べている場合も確認する |
今は背が高いのに、心配なのはなぜ?
骨年齢が進んでいる子は、今の身長が高めのことが少なくありません。それでも注意が必要なのは、早く伸びて早く止まる可能性があるからです。日本小児内分泌学会は、思春期早発症では体が早く成熟するため、一時的に身長が伸びたあと、小柄なまま身長が止まってしまうことがあると説明しています。
先天性副腎過形成症(21水酸化酵素欠損症)についても、同じ学会は、過剰な男性ホルモンに長くさらされることで体の変化が幼いころから始まり、骨端線が閉じて最終身長を迎えてしまうことが低身長の原因になると説明しています。今の身長がクラスで高めでも、伸び方が急すぎないか、体の変化が早すぎないかを見ることが大切です。
残りの伸びは、どう考える?
骨年齢と今の身長から大人の身長を見込む方法には、ベイリー・ピノー法やTW法(TW mark II)などがあります。ただ、2015年の総説は、これらの方法は背の低い子の大人の身長を高めに見積もりやすいとしています。予測の当たり方は「最終身長の予測はどのくらい当たる?」のコラムでくわしく説明しています。
目安として、日本小児内分泌学会は、日本人のTW2法で骨年齢が男子15歳・女子14歳以上になると、成長ホルモン治療をしてもほとんど効果がみられないとしています。また、骨端線の閉鎖は、日本人小児のTW2法で男子16.0歳、女子14.6歳を超えた場合に相当するとしています。骨年齢が進んでいる子は、こうした段階に早く近づくため、治療を考える場合も時間の余裕が少なくなります。
同じ骨年齢の進み方でも、思春期がすでに始まっているか、1年の伸びがどのくらいかによって見通しは変わります。なお、2021年の総説は、反対に骨年齢が遅れているのは、成長ホルモンの不足、体質による成長と思春期の遅れ、甲状腺ホルモンの不足、栄養不足、慢性の病気などに典型的だとしています。骨年齢は、進んでいても遅れていても、その理由を考える手がかりになります。数字だけで判断せず、主治医から個別に説明を受けてください。
肥満がある場合は、どう考える?
2015年の総説は、肥満のある子では骨年齢が進んでいることがよくあり、肥満のある男の子では、女性ホルモンが多い状態が骨の成熟を進める一因と考えられているとしています。肥満のある子では、思春期が始まったあとに骨の成熟が、肥満のない子より早く進んだという報告も紹介されています。
そのため、肥満のある子で骨年齢が少し進んでいる場合は、まず体重の増え方と身長の伸び方の両方を成長曲線で確かめます。一方で、太っているのに背の伸びが落ちてきた場合は、ホルモンの病気が隠れていることがあります。この点は「太っているのに背が低い子」のコラムで説明しています。体重の管理の進め方は、自己判断で食事を大きく減らさず、主治医と相談してください。
出典 [1]
どんなときに、早めに受診したほうがよい?
骨年齢が進んでいると言われ、次のような様子がある場合は、小児の内分泌を専門とする医師に相談しましょう。強い頭痛や何度も吐く、見え方がおかしいといった様子があるときは、すぐに医療機関に連絡してください。
- 女の子で7歳6か月より前に胸がふくらむ、8歳より前に陰毛が生える
- 男の子で9歳より前に精巣や陰茎が大きくなる、10歳より前に陰毛が生える
- 1年の伸びが、それまでより急に大きくなった
- 動悸、汗が多い、体重が減る、落ち着きがないなどの様子がある
受診すると、どんなことを調べる?
医療機関では、成長曲線で伸び方を確かめ、思春期の体の変化を診察します。血液検査では、LH・FSHや性ホルモン、副腎のホルモン、甲状腺ホルモンなどを調べることがあります。日本小児内分泌学会は、先天性副腎過形成症では17OHPというステロイドが最も重要なマーカーで、バセドウ病は血液中の甲状腺ホルモンを測ることで診断できると説明しています。
中枢性思春期早発症と診断された場合は、脳に原因となる病気がないかを頭のMRIなどで確かめます。治療は原因によって異なり、中枢性思春期早発症ではLH-RHアナログという注射でおおむね4週間に1回、先天性副腎過形成症では不足しているホルモンを飲み薬で補います。思春期を遅らせる治療については「思春期を遅らせる治療とは?」のコラムで説明しています。
家庭で、記録しておくとよいことは?
次のような記録は、受診のときに、医師が身長の伸び方と体の変化の時期を照らし合わせるのに役立ちます。成長曲線への書き込み方は「成長曲線の書き方」のコラムで説明しています。
- 身長と体重を、できるだけ同じ条件で測って成長曲線に書き込む
- 胸のふくらみ、陰毛、わき毛、声変わりなど、体の変化に気づいた時期
- お子さんが使っている塗り薬や養毛剤、飲んでいる薬やサプリの名前
- 以前に骨年齢を調べたことがあれば、その時期と結果
出典 [4]
骨年齢が進んでいることについてよくある質問
Q. 骨年齢が1歳ほど進んでいると言われました。病気でしょうか?
A. それだけで病気とは決まりません。読む人による差もあり、背が高めの子や肥満のある子でもわずかに進むことがあります。伸び方や体の変化とあわせて判断し、必要に応じて時間をおいて撮り直します。
Q. 骨年齢の進みを遅らせる方法はありますか?
A. 原因となる病気がある場合は、その病気の治療が優先されます。病気がない場合に骨端線が閉じるのを遅らせる方法については、「骨端線が閉じるのを遅らせる方法はある?」のコラムで、分かっていることを説明しています。
Q. 今は背が高いので、様子を見ていてよいですか?
A. 今の身長が高くても、骨年齢が大きく進んでいる場合は、早く伸びが止まることがあります。1年の伸びと体の変化を記録し、気になる変化があれば早めに相談しましょう。
まとめ
骨年齢が進んでいる理由には、体格や肥満のほか、思春期早発症や副腎・甲状腺の病気、外から入る性ホルモンなどがあります。骨の成熟が進むと残りの伸びの期間は短くなりやすいため、伸び方と体の変化をあわせて確かめることが大切です。ノビケアはオンライン診療のため、骨年齢のエックス線検査は行っていません。伸び方や体の変化が気になる場合は、医師による無料相談(ビデオ通話)で記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。検査が必要な場合は、対面の医療機関をご紹介します。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- Clinical Pediatric Endocrinology「Bone age: assessment methods and clinical applications」(日本小児内分泌学会英文誌、2015年、PubMed)
- Journal of Clinical Research in Pediatric Endocrinology「Traditional and New Methods of Bone Age Assessment-An Overview」(Prokop-Piotrkowska M ほか、2021年、PMC)
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- 小児慢性特定疾病情報センター「ゴナドトロピン依存性思春期早発症 診断の手引き」
- 日本小児内分泌学会「思春期早発症」
- 日本小児内分泌学会「先天性副腎過形成症(21水酸化酵素欠損症)について」
- 日本小児内分泌学会「バセドウ病(Graves病)」
- 日本小児脳神経外科学会「頭蓋咽頭腫」(病気の解説、PDF)
- ノビケア「お問い合わせ」