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体重が増えて注射の量が変わると言われたら:量の変更の確かめ方と、まちがえないための工夫
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
成長ホルモンの注射の量は、体重に合わせて決めるのが基本で、成長して体重が増えると量が見直されます。量が変わる場面は、新しい量の伝えもれや、注入器の目盛りの合わせまちがいが起きやすいときでもあります。新しい量はかならず主治医の指示どおりにし、診察の場で確かめておきたいこと、家族でまちがえないための工夫を知っておきましょう。
体重が増えると、なぜ注射の量が変わる?
成長ホルモン製剤の添付文書では、子どもの量は「1週間に体重1kgあたり」で決められています。どのくらいの量になるかは、治療を受けている病気によって違います。そのため、身長が伸びて体重が増えると、同じ量のままでは体重あたりの量が少しずつ減っていきます。
日本内分泌学会などがまとめた診療ガイドライン(2023年版)の成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療の手引きでも、治療の途中は体重に合わせて必要な量をそのつど調整していくとされています。量が変わるのは、治療が順調に続いている中でよくあることで、心配な変化が起きたという意味ではありません。
体重のほかに、量が変わる理由は?
添付文書では、病気によっては、IGF-1(成長ホルモンの働きの目安になる物質)などの検査の結果に応じて量を増やしたり減らしたりするとされています。日本小児内分泌学会のSGA性低身長症の治療の手引きも、治療中のIGF-1の測定は量を調節するのに役立つとしています。
また、血糖値やHbA1cが上がったときは、量を減らしたり一時的にやめたりすることがあると添付文書に書かれています。1年の伸びや副作用、打ち忘れの多さなども、主治医が量を考えるときの材料になります。治療中の検査については「成長ホルモン治療中の通院と検査」のコラムで説明しています。
量が変わると言われたら、診察の場で何を確かめる?
新しい量は、口で聞いただけだと、家に帰ってから家族に伝えるときにずれてしまうことがあります。次のことを、その場でメモに書いて確かめておきましょう。
- 新しい1回の量と、注入器の目盛りでいくつに合わせるか
- いつの注射から新しい量にするか
- 打つ回数や曜日は変わらないか
- お薬の規格(1本に入っている量)や、1か月に使う本数が変わるか
- 前の量で使っている途中のお薬は、そのまま使ってよいか
- 次に量を見直すのはいつか(次の診察や検査の時期)
出典 [4]
注入器の目盛りは、どう合わせ直す?
量の合わせ方は、注入器の種類によって違います。たとえば、ある毎日型の製剤の患者向医薬品ガイドでは、処方された量に目盛りを合わせて固定するダイヤルがあり、ふたが完全に閉じていないと固定した量が変わってしまうおそれがあると注意しています。同じガイドでは、規格によって目盛りの数字の表示のしかたが違うことも書かれています。
量が変わったときは、取扱説明書や患者向医薬品ガイドの「量の設定」のページをもう一度読み、分からないときは処方を受けた医療機関や薬局で、実際の注入器を使って合わせ方を見せてもらいましょう。注入器の不具合が疑われるときは「注射の器具がうまく動かない・薬がもれたときは?」のコラムを参考にしてください。
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規格や本数が変わるときに、気をつけたいことは?
日本医療機能評価機構が薬局から集めている事例には、大人の病気に使う自己注射の薬で、規格の違う薬に切り替えたときに処方の本数がまちがっていたため、薬局が医師に問い合わせて直した例が紹介されています。この薬局では、患者に次の受診の予定日を聞いて、薬が足りなくならないかを確かめているとしています。
成長ホルモンの薬でも、量や規格が変わると、1か月に使う本数や、次の受診までにお薬が足りるかが変わります。受け取ったときは、お薬の名前と規格、本数が説明と合っているかを確かめましょう。足りなくなりそうなときの連絡のしかたは「次の受診までにお薬が足りなくなりそう」のコラムで説明しています。
出典 [5]
家でまちがえないためには、どんな工夫がある?
量の変わり目は、注射を担当する人が日によって違う家庭ほど、まちがいが起きやすくなります。次のような工夫をしてみましょう。
- カレンダーの量を変える日に、新しい目盛りの数字を書いておく
- お薬の箱や注射の道具を置く場所に、今の量を書いたメモを貼り、古いメモは捨てる
- 注射を担当する家族全員に、新しい量を同じ紙で伝える
- 打つ前に、目盛りの数字を声に出して確かめる
- 記録表やアプリに、打った日だけでなく量の欄もつくる
- 本人が自分で打っている場合は、本人にも主治医から直接説明してもらう
- お薬手帳に新しい量が書かれているかを確かめる
出典 [6]
まちがえた量を打ってしまったら?
前の量で打ってしまった、2回分を打ってしまったなどに気づいたら、症状がなくても、処方を受けた医療機関や薬局に連絡して指示を受けてください。取り戻そうとして、次の注射の量を自分で増やしたり減らしたりはしないでください。
毎日型の製剤の患者向医薬品ガイドには、多く使ったときはじめに血糖値が下がる症状(お腹がすく、冷や汗、手足のふるえなど)、次いで血糖値が上がる症状(体がだるい、のどが渇くなど)が出る可能性があると書かれています。けいれんや意識がぼんやりするなどの様子があれば、すぐに119番に連絡してください。打ち忘れたときの決まりは「成長ホルモン注射を打ち忘れたら」のコラムで説明しています。
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家で測った体重は、伝えたほうがよい?
診察のときの体重が量を決めるもとになりますが、家でも体重を記録しておくと、急に増えたり減ったりしたことに主治医が気づきやすくなります。治療を始めてから食欲が増えて体重が増えることもあります。くわしくは「成長ホルモン治療を始めたら食欲や体重が増えた」のコラムで説明しています。
ただし、体重が増えたからといって、家で量を増やしてはいけません。患者向医薬品ガイドでも、自分の判断で量を加減せず、医師の指示に従うよう書かれています。体重の変化が気になるときは、次の診察を待たずに相談してかまいません。
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子どもが自分で注射している場合は?
中学生や高校生になると、本人が自分で量を合わせて注射していることも多くなります。量が変わったことを保護者だけが聞いていると、本人は前の目盛りのまま打ち続けてしまうことがあります。診察の場で本人にも直接説明してもらい、新しい目盛りの数字を本人の言葉でくり返してもらうと確実です。
本人に任せている場合も、量の変わり目の数日は、保護者が目盛りをいっしょに確かめると安心です。任せ方の段階は「子どもが自分で注射できるのは何歳から?」のコラムで説明しています。
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ノビケアで治療を受けている場合は?
ノビケアでは、治療中もオンラインで診察し、身長、体調、副作用、お薬の残りを確認しています。ノビケアでは体重から1か月の本数の目安を決めているため、体重が増えると本数が変わることがあります。注射の手順や量の合わせ方に不安があるときは、ご自分で判断せずにご相談ください。治療を始めるかどうか迷っている段階では、医師による無料相談(ビデオ通話)をご利用いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
注射の量の変更についてよくある質問
Q. 体重が減ったら、量も減るのですか?
A. 体重のほか、検査の結果や伸び方もあわせて主治医が判断します。体重が減ったときも、自分で量を変えずに伝えてください。
Q. 量を増やせば、そのぶん身長が伸びますか?
A. 量は病気ごとに添付文書で決められた範囲で調整するもので、多くすればそのぶん伸びるというものではありません。量が多すぎないかは、IGF-1などの検査でも確かめます。
Q. 前の量のお薬が残っています。
A. 規格が同じなら目盛りを合わせ直して使えることが多いですが、規格が違う場合や使い始めてからの期限がある場合もあるため、処方を受けた医療機関や薬局に確認してください。
Q. 診察で聞いた量と、薬局の説明が違う気がします。
A. その場で薬剤師に伝えてください。薬局は、処方の内容に疑問があるときは処方した医師に問い合わせて確かめます。納得できるまで、新しい量で打たないようにしましょう。
まとめ
成長ホルモンの注射の量は、体重や検査の結果に合わせて見直されます。量が変わると言われたら、新しい目盛りの数字といつから変えるかをメモで確かめ、注入器の合わせ方も見せてもらいましょう。家族全員で新しい量を共有し、まちがえたときは自分で調整せずに連絡してください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- PMDA「ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル 添付文書」(2026年8月改訂 第3版)
- 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン作成委員会(厚生労働科学研究班・日本内分泌学会)「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」(日本内分泌学会雑誌 Vol.99 Suppl.、2023年7月、J-STAGE、PDF)
- 日本小児内分泌学会「SGA性低身長症におけるGH治療の手引き」
- PMDA「患者向医薬品ガイド ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル」
- 日本医療機能評価機構 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業「共有すべき事例 2021年No.5」(自己注射の薬の規格を変えたときの処方量の事例、次回の受診日を聞いて薬の不足を確かめる取り組みを含む、PDF)
- 厚生労働省 第4回高齢者医薬品適正使用検討会 資料2 日本薬剤師会「電子版お薬手帳の現状と課題」(PDF、2017年10月30日。お薬手帳で重複や相互作用を確かめられること、市販薬も記録すること)
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
- ノビケア「お問い合わせ」