ノビケア トップ > コラム > 低身長の基準と受診の目安

低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分

生まれ月と身長の伸び:早生まれ・遅生まれの見え方

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

同じ学年でも、4〜6月生まれの子と1〜3月生まれの子では、平均身長に数cmの差があります。宇都宮市の小中学生約3万7千人を調べた研究では、この差は男子で約3〜5.5cm、女子で約1〜4.7cmでした。男子は小学6年から中学1年ごろに差がもっとも大きく、女子は中学生になると差が急に小さくなっていました。学年の中での見え方には、生まれ月と思春期の時期の両方が関わります。

同じ学年の中で、年齢はどのくらい違う?

学校教育法などの決まりにより、同じ学年には4月2日生まれから翌年4月1日生まれまでの子どもがいます。いちばん早く生まれた子といちばん遅く生まれた子では、1年近く年齢が違います。1月1日から4月1日までに生まれた子を「早生まれ」と呼びます。

学校の定期健康診断は、毎学年6月30日までに行うと定められています。測る時期には、4月生まれの子はすでに誕生日を迎えている一方で、早生まれの子は次の誕生日まで半年以上あります。学年の中の年齢の数え方と、成長曲線への点の置き方は「早生まれの子は背が低い?」のコラムで説明しています。このコラムでは、学年の中で実際にどのくらいの差が見られるのかを、数字で見ていきます。

出典 [1] [2]

生まれ月で、平均身長はどのくらい違う?

宇都宮市の全小中学校で、2010年度の4月中旬から6月下旬に測った身長を使った研究があります(学校保健研究、2015年)。対象は小学1年から中学3年までの男子18,986人、女子18,339人で、生まれ月を4〜6月、7〜9月、10〜12月、1〜3月(4月1日生まれを含む)の4つのグループに分けて比べています。

男女とも、ほとんどの学年で4〜6月生まれのグループの平均がもっとも高く、1〜3月生まれのグループがもっとも低い結果でした。下の表は、この2つのグループの平均身長の差を、論文の表の値から学年ごとに計算したものです。1つの市の調査なので、全国の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。

学年男子(4〜6月生まれと1〜3月生まれの差)女子(4〜6月生まれと1〜3月生まれの差)
小学1年4.94cm4.67cm
小学2年4.79cm3.83cm
小学3年4.16cm4.70cm
小学4年4.27cm4.55cm
小学5年5.27cm4.40cm
小学6年5.46cm3.83cm
中学1年5.43cm2.98cm
中学2年4.36cm1.68cm
中学3年3.18cm0.90cm

出典 [3]

男子で、小学6年から中学1年に差が大きくなるのはなぜ?

年齢が上がると、生まれ月による差は小さくなっていくと考えられがちです。ところがこの研究では、男子の差は小学1年の4.94cmから小学4年ごろまでゆるやかに小さくなったあと、小学5年から再び大きくなり、小学6年で5.46cmともっとも大きくなりました。その後、中学2年以降は急に小さくなり、中学3年では3.18cmでした。

研究者は、男子の小学6年から中学1年は第二次性徴の時期にあたり、この時期に大きな差が見られたと考察しています。思春期に入ると1年に伸びる量が大きくなるため、思春期の始まりが早い子と遅い子で差が開きやすくなります。文部科学省の令和7年度学校保健統計でも、男子の平均身長の差は11歳から12歳で7.7cm、12歳から13歳で7.3cmと、小学校低学年より大きくなっています。

出典 [3] [4]

女子で、中学生になると差が小さくなるのはなぜ?

女子では、差がもっとも大きかったのは小学3年の4.70cmで、小学4年以降は小さくなり、中学1年で2.98cm、中学2年で1.68cm、中学3年で0.90cmとなりました。研究者は、女子は男子より伸びが大きくなる時期が早く、そのぶん生まれ月による差が早く縮まるとしており、女子の差は高校の早い時期に収まると予想しています。

男子は伸びの大きくなる時期が女子より約2年遅いため、差が縮まるのも遅れると考えられています。この研究は中学3年までですが、先行研究をもとに、男子も高校生になると生まれ月による体格の違いは見られなくなると推測されています。

出典 [3]

平均の差と、一人ひとりの差はどう違う?

表の数字は、グループの平均どうしの差です。同じ生まれ月のグループの中でも、身長のばらつき(標準偏差)は小学1年の男子で4cm台、中学生の男子では6〜7cm台ありました。生まれ月による平均の差より、同じ生まれ月の子どうしの差のほうが大きいこともよくあります。

つまり、1〜3月生まれでも背の高い子はいますし、4〜6月生まれでも小柄な子はいます。「早生まれだから小さい」「4月生まれなのに小さい」と生まれ月だけで考えず、その子自身の伸び方を見ることが大切です。

出典 [3]

運動やスポーツでは、どう見える?

体格の差は、運動やスポーツでの見え方にも表れます。同じ学年の中で早く生まれた子が選ばれやすくなる傾向は、「相対年齢効果」と呼ばれます。中程度のレベルで競技する12歳以下のサッカー選手を調べた国内の研究(Football Science、2018年)では、3年生、5年生、6年生で1〜3月生まれの選手が少なく、6年生では4〜6月生まれの選手が多くなっていました。研究者は、この偏りは3年生から始まり6年生で最大になるとし、3年生の段階でサッカーをやめる環境があることもうかがえるとしています。

宇都宮市の研究の著者も、体格差によって体育が嫌いにならないよう配慮が必要だとし、子どもが自分の力に劣等感を持たないような指導や評価が求められるとしています。家庭では、試合に出られるかどうかより、本人が楽しめているか、去年の自分と比べてできるようになったことは何かに目を向けてみましょう。

出典 [5] [3]

家庭では、どう受け止めればよい?

背の順は学年の中での順番なので、生まれ月の差がそのまま出ます。順番ではなく、誕生日からの年齢で成長曲線に点を置き、その子の線に沿って伸びているかを見ましょう。

ただし、「早生まれだから」と思い込んで、伸び方の変化を見逃さないことも大切です。日本小児内分泌学会は、成長曲線で基準から大きく外れている場合や、線から離れるように伸びが落ちている場合は、早めに小児科に相談するよう勧めています。あいち小児保健医療総合センターは、女の子で13歳、男の子で14歳になっても二次性徴がまったく見られない場合を、思春期遅発症の目安としています。

身長の伸び方が気になる場合は、母子健康手帳や学校の記録を持って相談してください。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [6] [7] [8]

生まれ月と身長についてよくある質問

Q. 4月生まれなのに、背の順で前のほうです。

A. 生まれ月による差は平均の話で、4月生まれでも小柄な子はいます。成長曲線で、同じ年齢の基準と比べた位置と、毎年の伸び方を確かめましょう。線に沿って伸びていれば、体質による小柄さのことが多いと考えられます。

Q. 早生まれの中学1年の息子が、今いちばん小さいです。

A. 中学1年ごろの男子は、生まれ月の差に加えて、思春期の始まりの時期の差も大きく表れる時期です。声変わりなどの変化があるかと、これまでの伸び方をあわせて見てもらうとよいでしょう。

Q. 早生まれだと、大人になっても背が低いのですか?

A. この研究では、生まれ月による差は女子では中学生のうちに、男子でもその後に小さくなっていくと考えられています。早生まれであることが大人の身長を低くすることを示した資料は、学会や公的機関の資料には見当たりません。

出典 [3] [6]

まとめ

同じ学年でも、4〜6月生まれと1〜3月生まれでは、平均身長に男子で約3〜5.5cm、女子で約1〜4.7cmの差が見られました。男子は思春期にあたる小学6年から中学1年ごろに差が大きく、女子は中学生になると差が小さくなります。生まれ月だけで判断せず、誕生日からの年齢で成長曲線を見て、伸び方が気になるときは相談しましょう。

出典 [3]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

公式LINEで無料相談を予約する

この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. e-Gov法令検索「学校教育法」(第17条)
  2. e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」(第5条)
  3. 小宮秀明・黒川修行「児童生徒の誕生月の違いによる体格差の横断的研究」(学校保健研究 57巻3号、2015年、J-STAGE)
  4. 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について公表します」(PDF、令和8年2月13日)
  5. 河合一武ほか「少年期サッカー選手の誕生月偏向に関する一考察:誕生月偏向は小学何年生から始まるか」(Football Science 15巻、2018年、J-STAGE)
  6. 日本小児内分泌学会「低身長」
  7. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  8. ノビケア「お問い合わせ」