ノビケア トップ > コラム > 成長期・思春期・骨端線
成長期・思春期・骨端線読む時間 約6分
骨端線を骨折すると身長は止まる?子どもの骨のけがと成長
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
骨端線のあたりを骨折しても、それで全身の身長の伸びが止まるわけではないと考えられています。気をつけたいのは、けがをした骨そのものの伸び方に影響が出て、左右の長さの差や曲がりが生じることがある点です。けがのあとは整形外科で診てもらい、必要な期間は経過を確かめましょう。
骨端線の骨折とは?
子どもの手足の長い骨の端の近くには、骨が長くなるための成長軟骨(骨端線)があります。日本整形外科学会は、成長軟骨のある関節のまわりでは、骨端骨折(骨端軟骨の離開)など子ども特有の骨折が起こると説明しています。
同じ学会によると、子どもの骨折の原因のほとんどは転倒や転落で、腕など上肢の骨折が約半数を占めます。遊びやスポーツの最中に、手をついて転んだときなどに起こりやすいけがです。
骨端線そのものの働きについては「骨端線とは?」の記事で説明しています。ここでは、けがをしたときの成長への影響を中心に見ていきます。
出典 [1]
骨端線を骨折すると、身長は止まる?
身長は、背骨や脚の多くの骨がそれぞれ伸びた合計で決まります。そのため、1か所の骨端線をけがしたことで、全身の身長の伸びが止まるわけではないと考えられています。
腕の骨端線のけがであれば、身長そのものへの影響は考えにくいでしょう。脚の骨の場合は、けがをした側の骨の伸び方が変わると、左右の脚の長さに差が出ることがあります。
つまり心配なのは「身長が止まること」よりも、「けがをした骨の伸び方や形が変わること」です。脚の長さに差が出ると、歩き方や姿勢に影響することもあるため、治ったあとも様子を見ていくことが大切になります。
骨の伸び方に影響が出るのは、どんなとき?
国立成育医療研究センターの整形外科は、子どもの骨折の治療では、骨が曲がってくっつくことや成長障害も十分に考えて治療にあたることが重要だとしています。同じセンターでは、成長の障害による脚の長さの差や変形の治療も行っています。
影響が出るかどうかは、骨端線のどこを、どのように傷めたか、けがをした年齢、残りの成長期間などによって変わります。
一方で、日本整形外科学会は、成長期は骨がくっつきやすく、1〜2か月たてば安定するとしています。また、軽い変形が残っても、成長とともに自然に整う力(自家矯正力)が高いことが子どもの骨折の特徴だと説明しています。多くの骨折は、正しく治療すれば心配のない経過をたどります。
どんな検査をする?
骨折が疑われるときは、エックス線写真で骨の状態を確かめます。日本整形外科学会は、子どもの骨にはエックス線写真に写らない部分があり、個人差も大きいため、けがをしていない側も撮影して比べることがあると説明しています。
成長軟骨はエックス線写真では黒い線のように見えるため、ずれが小さいと見分けにくいことがあります。必要に応じて、ほかの検査を組み合わせることもあります。
最初の写真ではっきりしなくても、痛みや腫れが続く場合は、日をおいてもう一度撮影して確かめることがあります。受診のときは、いつ、どのようにけがをしたか、どこが痛むかを、できるだけ詳しく伝えましょう。
「歩けるから大丈夫」「関節が動くから折れていない」と自己判断しないことも大切です。日本整形外科学会も、そうした理由で様子を見ず、医師の診察を受けるよう勧めています。
骨がくっついたあとも、通院が必要なのはなぜ?
骨端線のあたりのけがでは、骨がくっついたあとも、その骨がふつうに伸びていくかを確かめるため、しばらく通院を続けることがあります。どのくらいの期間、どの間隔で確かめるかは、けがの場所や状態によって医師が決めます。
家庭では、次のような変化に気をつけておきましょう。気づいたときは、治療を受けた整形外科に相談してください。
- 左右の腕や脚の長さに差が出てきたように見える
- けがをした手足が、まっすぐではなく曲がってきたように見える
- 歩き方や走り方が、けがの前と変わった
- 治ったはずの場所に、痛みや腫れがくり返し出る
治療中、家庭で気をつけることは?
ギプスや装具で固定している間は、医師から指示された安静の範囲を守ることが大切です。固定した手足を高くしておくよう言われることもあります。
固定したあとに、指先の色が悪い、冷たい、しびれる、痛みがどんどん強くなる、腫れがひかないといった様子があれば、予定の日を待たずに治療を受けた医療機関に連絡してください。
痛みがなくなっても、骨が十分にくっつく前に運動を再開すると、ずれてしまうことがあります。通院を自己判断でやめず、再開の時期は医師に確認しましょう。
スポーツのくり返しの負担でも、成長期の骨は傷む?
骨端線のあたりは、1回の大きなけがだけでなく、同じ動作のくり返しによる負担でも痛むことがあります。日本整形外科学会は、成長期にボールを投げすぎることで起こる肘の障害を野球肘と呼び、肘の外側で骨どうしがぶつかって、骨や軟骨がはがれたり傷んだりすると説明しています。
同じ学会は、痛みをがまんして投げ続けると障害が悪化し、手術が必要になることもあるとしています。治療では投球を中止し、肘を休ませることが大切です。
ひざの下が出っぱって痛むオスグッド病も、成長期に跳ぶ・蹴るといった動作をくり返すことで起こる痛みとして、日本スポーツ整形外科学会が紹介しています。運動をしたときに同じ場所が痛む状態が続くときは、早めに整形外科で診てもらいましょう。
けがをしたとき、すぐに受診したほうがよいのは?
日本整形外科学会は、乳幼児では腫れが少なかったり、骨折していない場所の痛みを訴えたりすることもあるため注意が必要だとしています。小さな子が手足を動かさない、触ると泣くといった様子があれば受診しましょう。
ひじのまわりの骨折(上腕骨顆上骨折)は子どもによくみられ、骨のかけらで神経や血管が傷つくと、手や指がしびれたり動かせなくなったりすることがあると、同じ学会は説明しています。血管が傷ついた場合は、早急に手術が必要です。
手足が明らかに変な形に曲がっている、骨が皮膚から出ている、指先が白くなる・冷たい・しびれる、といった場合は、すぐに救急外来を受診してください。意識がおかしい、頭を強く打ったなどのときは119番に連絡してください。
身長の伸びが気になるときは?
骨折のあとに身長の伸びが気になる場合は、けがとは分けて、身長全体の伸び方を記録で確かめましょう。けがの前後で、1年あたりの伸びが大きく変わっていないかを見ると参考になります。
脚の長さの差など、けがをした骨の成長については整形外科、身長全体の伸びについては小児科と、相談先を分けて考えるとわかりやすくなります。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
出典 [7]
骨端線の骨折と身長についてよくある質問
Q. 骨端線のけがのあと、スポーツはいつから再開できますか?
A. 骨のくっつき方やけがの場所によって違います。再開の時期は、治療を担当している整形外科の医師に確認してください。
Q. 骨折したほうの脚が長くなることもありますか?
A. けがのあと、その骨の伸び方が変わることがあります。左右の長さが気になるときは、自己判断せず整形外科で確かめてもらいましょう。
Q. 何度も骨折すると、背が伸びにくくなりますか?
A. 骨折の回数で身長がどう変わるかを示した資料は見当たりません。骨折をくり返す場合は、骨の病気がないかを含めて医師に相談してください。
まとめ
骨端線のあたりを骨折しても、全身の身長の伸びが止まるわけではないと考えられています。ただし、けがをした骨の長さや形に影響が出ることがあるため、整形外科で治療を受け、必要な期間は経過を確かめましょう。強い変形やしびれがあるときは、すぐに受診してください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。