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低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分
小学校低学年(6〜8歳)で背が低いと感じたら:見ておきたい記録と相談の目安
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
小学校低学年で背が低いと感じたら、学校の健康診断の記録と母子健康手帳の記録をつなげて成長曲線に書き込み、今の位置と1年ごとの伸びを確かめましょう。この時期は1年に5〜6cmほどの落ち着いた伸びが続くため、線を横切って下がる、伸びが小さい年が続く、といった変化は相談のきっかけになります。反対に、急に伸び始めて体の変化も見られる場合も、早めに小児科で相談しましょう。
6〜8歳は、どんな伸び方をする時期?
国立保健医療科学院に掲載されている「乳幼児身体発育曲線の活用・実践ガイド」は、思春期の前の時期には、1年の伸びは約5〜6cmになると説明しています。幼児期のように伸びの大きさが年ごとに変わる時期は過ぎ、思春期の大きな伸びはまだ始まっていない子がほとんどです。
日本小児内分泌学会は、思春期の変化は通常、女の子で10歳ごろ、男の子で12歳ごろから出てくるとしています。そのため6〜8歳は、思春期が始まる時期の違いによる差がまだ小さく、それぞれの子のもともとの伸び方が見えやすい時期です。
言いかえると、この時期に伸びが落ちてきたり、反対に急に速くなったりした場合は、その変化に意味があることがあります。学年ごとの平均身長は「小学1〜3年生の平均身長は?」のコラムにまとめています。
小学校に入ると、身長の記録はどこに残る?
小学校では、学校保健安全法施行規則により、毎学年6月30日までに健康診断を行うことが定められています。身長と体重は毎年測られ、その結果は健康診断票に記録されます。同じ規則では、健康診断票は進学や転校のときに次の学校へ送られ、5年間保存することになっています。
文部科学省は平成26年の通知で、座高の検査を必須の項目から外すとともに、子どもの発育を評価するうえで身長曲線・体重曲線などを積極的に活用することが重要だとしています。学校によっては、成長曲線をもとにしたお知らせが届くこともあります。
学校の記録は毎年ほぼ同じ時期に、同じ方法で測られているため、1年ごとの伸びを比べるのに向いています。結果のお知らせは捨てずに、母子健康手帳と一緒に保管しておきましょう。手元にない記録の集め方は「母子手帳・学校の身長記録を集めるには」のコラムで説明しています。
家庭で残しておきたい記録は?
身長の数字だけでなく、測った日付や体の様子もあわせて残しておくと、相談のときに医師が全体を判断しやすくなります。日本小児内分泌学会は、記録を書き込める成長曲線の用紙や、記録を入れると曲線を描く表計算ファイルを公開しています。
睡眠については、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が、小学生は9〜12時間を参考に睡眠時間を確保するよう勧めています。習い事や宿題で寝る時刻が遅くなっていないかも、記録とあわせて見直してみましょう。
| 記録 | どこで分かる? | 見ておきたいこと |
|---|---|---|
| 身長・体重と測った日 | 学校のお知らせ、家庭での測定 | 誕生日からの年齢(何歳何か月)で成長曲線に書き込む |
| 1年ごとの伸び | 前の年の記録との差 | 同じ時期・同じ方法の記録どうしで計算する |
| 生まれたときの記録 | 母子健康手帳 | 在胎週数、出生時の身長・体重 |
| 体の変化 | 家庭での気づき | 胸のふくらみ、陰毛、急な伸びなどに気づいた時期 |
| 病気と薬 | お薬手帳、医療機関の説明 | 長く続く病気、毎日使っている薬 |
| 生活の様子 | 家庭 | 睡眠時間、食事の量、疲れやすさ |
| 家族のこと | 家族に確認 | 両親の身長、両親の思春期が早かったか遅かったか |
1年の伸びは、どう確かめる?
1年の伸びは、ほぼ1年あいた2回の記録の差で求めます。学校の記録どうし、家庭の記録どうしで比べ、混ぜないことが大切です。学校で測った日付が分かれば、前の年のお知らせと並べて計算しやすくなります。
小児慢性特定疾病情報センターが公開している「成長速度基準表」では、1年の伸びの低いほうの目安(−1.5SDの値)は、6〜8歳では男女とも4cm台です。1年だけ下回ったことで判断するものではありませんが、このあたりかそれより小さい伸びが続く場合は、一度記録を見てもらいましょう。基準の数字の見方は「1年で4cmしか伸びないのは少ない?」のコラムで説明しています。
1回の測定には誤差があります。極端に小さい年や大きい年があったときは、測った日付や方法を確かめ、次の年の記録とあわせて考えましょう。
出典 [8]
学校から「成長曲線で気になる」と言われたら?
日本学校保健会は、成長曲線が基準の線を横切って上向き、または下向きになった場合に注意が必要で、とくに2本の線を横切ってしまう場合を挙げています。そして、養護教諭が一人で判断せず、学校医を通じて専門の医療機関につなぐよう呼びかけています。
お知らせは、病気と決まったという意味ではありません。もう一度確かめましょう、という案内です。受け取ったら、学校の記録の写しをもらい、母子健康手帳とあわせて小児科で見てもらいましょう。くわしくは「学校の健康診断で「成長曲線で気になる」と言われたら」のコラムで説明しています。
出典 [9]
低学年で気をつけたい「早すぎる変化」とは?
背が低いことだけでなく、この年ごろに急に背が伸び始めた場合にも注意が必要です。小児慢性特定疾病情報センターの思春期早発症の診断の手引きでは、女の子で7歳6か月未満の胸のふくらみや8歳未満の陰毛、男の子で9歳未満の精巣などの明らかな発育が、思春期早発症を考える症状として挙げられています。
日本小児内分泌学会は、思春期が早く進むと、早くから背が伸びても、小柄なまま身長が止まってしまうことがあるとしています。今は背が高めでも、急に伸びが速くなり、体の変化も見られる場合は、早めに小児科で相談しましょう。くわしくは「思春期早発症とは?」のコラムで説明しています。
どんなときに、小児科で相談したほうがよい?
次のような場合は、学校と母子健康手帳の記録を持って小児科で相談しましょう。日本小児内分泌学会は、子どもの成長が気になる場合は、早めに小児科で相談するよう勧めています。
強い頭痛や何度も吐く、けいれん、見え方がおかしいといった症状があるときは、身長の相談とは別に、すぐに医療機関を受診し、急ぐときは119番に連絡してください。
記録を見て気になる点があれば、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。
- 成長曲線で、身長が−2SDの線の近くか、それより下にある
- それまで沿っていた線を横切って、下がってきた
- 1年の伸びが4cm前後か、それより小さい年が続いている
- 背の順が、学年が上がるたびに前へ移ってきた
- 体重は増えているのに、身長の伸びが止まってきた
- 女の子で7歳6か月より前に胸がふくらみ始めた、男の子で9歳より前に精巣などが大きくなってきた
- 疲れやすい、食欲がない、寒がりになったなど、体調の変化がある
小学校低学年の身長の悩みについてよくある質問
Q. 入学前の記録が手元にありません。学校の記録だけでも相談できますか?
A. 相談できます。分かる範囲の記録で、伸び方を見ることができます。母子健康手帳が見つかれば、生まれたときや健診の記録も一緒に持っていきましょう。
Q. 学校の記録と家で測った値が、1cmほど違います。どちらを使えばよいですか?
A. どちらも役に立ちますが、1年の伸びを計算するときは、同じ場所・同じ方法で測った記録どうしで比べます。家の記録には「家」と書き分けておきましょう。
Q. 子ども本人が、背の順で前のほうなのを気にしています。
A. 本人の話をよく聞き、背の高さとは関係のないよいところを認める声かけを続けましょう。具体的な例は「背が低いことを気にする子どもへの声かけは?」のコラムで紹介しています。
まとめ
小学校低学年は、思春期の前の落ち着いた伸びが続き、伸びの変化に気づきやすい時期です。学校の健康診断の記録と母子健康手帳をつなげて成長曲線に書き込み、1年ごとの伸びを確かめましょう。線を横切って下がる、伸びが小さい年が続く、早すぎる体の変化があるといったときは、記録を持って小児科で相談しましょう。
出典 [1]
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 国立保健医療科学院掲載「乳幼児身体発育曲線の活用・実践ガイド」(令和3年3月、厚生労働行政推進調査事業、PDF)
- 日本小児内分泌学会「思春期早発症」
- e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」(第5条)
- e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」(第6条・第8条)
- 文部科学省「学校保健安全法施行規則の一部改正等について(通知)」(PDF、平成26年4月30日)
- 日本小児内分泌学会「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル ダウンロードサイト」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)
- 小児慢性特定疾病情報センター「成長速度基準表(標準身長の−1.5SD値)」(PDF)
- 日本学校保健会 学校保健ポータルサイト「3.学校での成長曲線の活用について(なぜ、なに、どうして?学校保健 第1回「成長曲線」)」
- 小児慢性特定疾病情報センター「ゴナドトロピン依存性思春期早発症 診断の手引き」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「お問い合わせ」