ノビケア トップ > コラム > 成長期・思春期・骨端線
成長期・思春期・骨端線読む時間 約7分
初潮のあと生理が不順:身長や成長との関係と、受診したほうがよい目安
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
初潮のあと1〜2年ほどは、排卵がまだ安定しないため、生理の間隔がばらつくことがよくあります。間隔がそろわないこと自体は、成長の途中で起こる自然な変化であることが多いものです。ただ、3か月以上来ない、出血がだらだら続く、痛みで学校を休むといった場合や、体重の減少や身長の伸びの低下が重なる場合は、早めに相談しましょう。
初潮のあと、生理が不順になるのはよくあること?
よくあることです。日本女性心身医学会は、初経(初潮)から1〜2年は、排卵をともなわない生理(無排卵性月経)であることが多いと説明しています。排卵が起きたり起きなかったりするため、次の生理までの間隔が長くなったり短くなったりします。
生理は、脳から出るホルモンが卵巣にはたらき、卵巣から出るホルモンが子宮の内側の膜を育てる、というしくみで起こります。国立スポーツ科学センターの資料は、この流れがとても複雑に調整されていると説明しています。初潮を迎えたばかりのころは、このしくみがまだ慣れていない段階だと考えると分かりやすいでしょう。
同じ資料は、生理の間隔は25〜38日がふつうの範囲だとしたうえで、思春期には多少のずれがあり、毎回間隔が違っていても心配はいらないとしています。厚生労働省研究班が監修するサイトも、思春期は排卵がまだ確立していないことが多いため、1年に3〜4回生理が来ていれば、成長を待ってから治療を考えると説明しています。
「ふつうの間隔」と「不順」は、どう分けられている?
生理の間隔は、生理が始まった日から、次の生理が始まる前の日までの日数で数えます。医療では、おおよそ下の表のように呼び分けています。思春期は大人より幅が大きいため、表に当てはまらないからといって、すぐに病気というわけではありません。
| 呼び方 | 目安 |
|---|---|
| ふつうの範囲 | 間隔が25〜38日。出血の日数は3〜7日 |
| 頻発月経 | 間隔が24日以内で、短い間隔でくり返し来る |
| 希発月経 | 間隔が39日以上あくが、3か月以内には来る |
| 不整周期症 | 間隔が毎回ばらばらで、次がいつ来るか予測がつかない |
| 続発性無月経 | 妊娠以外の理由で、3か月(90日)以上来ない |
生理の不順と、身長の伸びは関係がある?
女の子の思春期は、胸のふくらみから始まり、身長がぐんと伸びる時期を経て、初潮を迎えるのが一般的です。日本産婦人科医会は、思春期を、体の変化が始まってから初潮を経て、生理の間隔がほぼ順調になるまでの期間と説明しています。初潮のころには伸びのピークを過ぎていることが多く、その後の伸びはゆるやかになります。初潮後の伸び方は「初潮(生理)が来たら身長は止まる?」のコラムで説明しています。
つまり、生理の間隔がまだそろわない時期は、身長の伸びが落ち着いていく時期と重なっています。間隔がそろわないことそのものが、身長の伸びを止めたり早めたりするかを示した資料は、学会や公的機関のページには見当たりません。
気をつけたいのは、不順の背景にある原因です。日本女性心身医学会は、生理の不順や無月経の原因として多いのは、急なダイエットやストレスによるホルモンのバランスの乱れで、子宮や卵巣、甲状腺などの病気が原因のこともあるとしています。食事の量が運動量に見合わない状態は、生理の乱れだけでなく骨の健康にも関わることが知られています。また、甲状腺のはたらきが落ちる病気では、生理の不順と身長の伸びの低下がいっしょに見られることがあります。
様子を見てよいのは、どんな場合?
次のような場合は、記録をつけながら様子を見ることが多い状態です。国立スポーツ科学センターの資料は、基礎体温を測って排卵がはっきりしない場合でも、思春期にはよくあることで、記録を続けてしばらく様子を見てもよいとしています。
- 初潮から1〜2年ほどの時期で、間隔は長くなったり短くなったりするが、3か月以上あくことはない
- 1回の出血が長くだらだらと続くことはなく、量で日常生活に困っていない
- 痛みはあるが、市販の痛み止めなどで学校生活を送れている
- 食事はふつうにとれていて、体重が減っていない
- 身長は、ゆるやかでも伸び続けている
受診したほうがよいのは、どんなとき?
国立スポーツ科学センターの資料は、生理が3か月以上止まった状態が長く続くと回復が難しくなることが多く、将来の妊娠する力に影響する可能性もあるため、3か月以上来ないときは専門医を受診するよう勧めています。日本産婦人科医会の講座では、短い間隔で来る生理はほとんどが排卵のない周期による出血で、出血が続いて貧血になることがあると説明しています。まれに、血が止まりにくくなる血液の病気が隠れていることもあり、とくに量が多い場合は注意が必要だとしています。
次のような様子があるときは、婦人科(産婦人科)やかかりつけの小児科で相談しましょう。
- 妊娠以外で、生理が3か月以上来ない
- 24日以内の短い間隔で何度も来る、出血が何日も止まらない
- 量がとても多い、顔色が悪い、息切れやふらつきがある
- 鼻血が止まりにくい、あざができやすいなど、ほかの出血のしやすさもある
- 痛みが強く、学校を休む、痛み止めが効かない
- 食事を減らしている、体重が減ってきた、部活の練習量が多い
- 身長の伸びが落ちてきた、寒がりや疲れやすさが続く
どこに相談し、何を記録していく?
生理そのものの相談は、婦人科(産婦人科)が中心です。思春期の相談を受けている婦人科もあります。身長の伸びや体重の変化もあわせて気になる場合は、かかりつけの小児科で相談し、必要に応じて紹介してもらう方法もあります。
受診のときは、生理が始まった日と終わった日、量の多さ、痛みの強さを、数か月分まとめて見せられると役立ちます。紙の手帳でもアプリでもかまいません。米国で女性を約30年追った研究では、初潮の年齢はかなり正確に思い出せていた一方で、初潮のあとの生理の間隔は、あとから思い出すと不正確になりやすいことが分かっています。間隔は記憶に頼らず、その都度書いておくのが確実です。
あわせて、学校の健康診断の身長・体重の記録も持っていくと、成長の様子といっしょに見てもらえます。月経のある時期は鉄の必要量が増えるため、食事のとり方については「鉄分不足は身長に影響する?」のコラムも参考になります。
本人には、どう声をかける?
生理の話は、思春期の子どもにとって、家族にでも話しにくいことがあります。厚生労働省研究班が監修するサイトは、思春期は他の人からどう見られるかが気になる時期で、家族は安心できる存在として、ほどよい距離感で支えることが大切だとしています。
「最近、生理はどう?」と問いつめるより、「間隔がばらばらでも、最初の数年はよくあることみたいだよ」「困ったら、いつでも言ってね」と、相談してよいことを伝えておくほうが話しやすくなります。記録を親が管理するのではなく、本人がつけて、必要なときに見せてもらう形にすると、本人の気持ちも守れます。話す相手は母親でなくてもかまいません。学校の保健室の養護教諭も相談に乗ってくれます。
出典 [10]
身長の伸びも気になるときは?
初潮のあとの身長の伸びには、初潮を迎えた年齢や骨の成熟の進み方、体質などが関わり、一人ひとり違います。この1年でどのくらい伸びたかを成長曲線に書き入れると、伸び方の変化が見えてきます。
生理の不順そのものは婦人科で相談し、身長の伸び方が気になる場合は小児科でも相談しましょう。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながら身長の伸び方をご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
初潮のあとの生理不順についてよくある質問
Q. 初潮から半年、次の生理が来ません。
A. 初潮から間もない時期は、間隔があくことがよくあります。ただ、3か月以上来ない状態が続く場合は、婦人科で相談しましょう。体重が減っていないか、食事が足りているかもあわせて確かめてください。
Q. 生理が不順なのは、まだ背が伸びるサインですか?
A. 生理の間隔だけで、あとどのくらい伸びるかは分かりません。身長の記録を続けて、1年ごとの伸びを見るほうが役に立ちます。残りの伸びは、骨の成熟の様子なども見て医師が判断します。
Q. 部活で練習が増えてから、生理が止まりました。
A. 運動量に対して食事からとるエネルギーが足りないと、生理が止まることがあり、骨の健康にも関わります。3か月以上来ない場合は、婦人科で相談してください。「15歳になっても初潮が来ない」のコラムでも、運動との関係にふれています。
まとめ
初潮のあと1〜2年ほどは、排卵が安定しないため生理の間隔がばらつくことがよくあります。3か月以上来ない、出血が続く、痛みが強い、体重が減っているといったときは、婦人科や小児科で相談しましょう。生理の記録と身長の記録をいっしょに残しておくと、相談のときに役立ちます。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本女性心身医学会「月経不順」(一般のみなさまへ)
- 国立スポーツ科学センター「成長期女性アスリート 指導者のためのハンドブック」4. 月経について(PDF)
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「月経不順・無月経」(日本医科大学付属病院 女性診療科・産科監修、2025年10月更新)
- 日本産婦人科医会「思春期とは」(研修ノート No.106 思春期のケア)
- 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「「スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs)」と「女性アスリートの三主徴(Triad)」とは?」
- 小児慢性特定疾病情報センター「21及び22に掲げるもののほか、後天性甲状腺機能低下症 診断の手引き」
- 日本産婦人科医会「4. 思春期女子の月経異常-その他の月経周期異常」(女性ヘルスケア講座)
- American Journal of Epidemiology「Recall of Early Menstrual History and Menarcheal Body Size: After 30 Years, How Well Do Women Remember?」(Must A ほか、2002年、米国の女性793人を約30年後に追跡)
- 厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期は第二の誕生」(国立成育医療研究センター監修、2025年8月更新)
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- ノビケア「お問い合わせ」