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成長期・思春期・骨端線読む時間 約6分
思春期の女の子が「太りたくない」と食事を減らしたら:身長への影響と家族の声かけ
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
思春期に体型を気にするのは珍しいことではありませんが、成長期に食事を減らし続けると、身長が本来伸びるはずのところまで伸びない、初潮が遅れる、骨が弱くなる、といった影響が出ることがあります。体重が減ってきた、食べる物を極端に避けるといったサインがあれば、責めずに気持ちを聞き、早めにかかりつけの小児科に相談しましょう。摂食障害には、家族が相談できる専門の窓口もあります。
思春期に体型を気にするのは、珍しいこと?
ヘルスケアラボは、思春期は「他の人からどう思われるだろう」と見た目が気になり、ダイエットやお化粧、服装に関心を持ち始める時期だと説明しています。女の子は思春期に胸がふくらみ、体に丸みが出てくるため、その変化を「太った」と受け止めてしまうこともあります。
摂食障害全国支援センターの情報サイトは、とてもやせた人の写真などをメディアで見ることが、それだけで摂食障害の原因になるわけではないものの、見た人のボディイメージ(自分の体についての感じ方)によくない影響を与えるとしています。SNSでは写真を載せたりコメントし合ったりすることが日常になり、他人からどう見られているかというプレッシャーを感じることも多くなっています。
体型を気にすること自体は、成長の一部です。大切なのは、気にする気持ちが食事を減らす行動につながり、体に影響が出ていないかを見ていくことです。思春期の体つきの変化については「思春期に体重が先に増えるのはなぜ?」のコラムで説明しています。
食事を減らすと、身長や体にどんな影響がある?
ヘルスケアラボは、思春期は身長が急に伸び、月経が始まるのと同時に、骨の健康を育むためにも大切な時期だとしています。栄養が足りないと、本来の最終身長まで伸びないことがあり、体脂肪が大きく減ると女性ホルモンが低下して月経が止まることがあります。
摂食障害全国支援センターは、子どもの摂食障害では、身長が本来期待される身長まで伸びない、骨の成熟が不完全になる、初経が高校生以降になっても来ない、といった影響があるとしています。
食事を制限する摂食障害の子どもの成長を調べた27の研究をまとめた報告(Journal of Adolescent Health誌、2020年)では、身長の伸びや思春期の遅れが多く報告されていました。多くの研究で回復後に伸びが追いつく(キャッチアップ)ことが示された一方、追いつかない場合や、十分でない場合もありました。年齢が低いこと、病気の期間が長いことが伸びの遅れの危険因子で、体重が戻ることが追いつきを助けると考えられています。気づいたら早めに対応することが大切です。
注意したいのは、どんなサイン?
摂食障害全国支援センターや日本小児心身医学会は、次のような様子を注意したいサインとして挙げています。いくつか当てはまるときや、体重が減ってきているときは、早めに相談しましょう。
- 給食や朝食を食べない、肉・魚・油ものを極端に避ける
- 料理番組やレシピに強い関心を持つ、家族の食事の量や内容を管理しようとする
- 体型への不満をくり返し口にする
- 食事のあとに激しく運動する、練習量に比べて食事が少ない
- 寒がる、手足が冷たい、うぶ毛が濃くなる、便秘が続く
- 月経が止まった、初潮がなかなか来ない
- 身長は伸びているのに体重が増えない、体重が減ってきた
家族は、どう声をかける?
摂食障害全国支援センターの「ご家族の方へ」のページは、本人を問い詰めたり責めたりせず、どうしてそのような行動をとるのか、きっかけや気持ちを聞いて受け止めることを勧めています。無理に食べさせようとしたり、食べるのを監視したりすることは避け、良くなった点やできたことを取り上げて努力をほめるよう勧めています。
厚生労働省のこころの健康に関するサイトは、心配を伝えるときに「あなたは〜」ではなく「私は心配している」と自分を主語にする言い方や、「はい・いいえ」で終わらない聞き方を勧めています。たとえば、次のような言い方があります。
- 「最近、お昼をあまり食べていないみたいで、お母さんは少し心配しているよ」
- 「体のことで、何か気になっていることはある?」
- 「疲れやすくなっていない?一度、先生に体の調子を見てもらおうか」
- 避けたい言い方:「わがまま」「もっと食べなさい」「やせてきれいになったね」「太ったんじゃない?」
受診は、どうすすめればよい?
摂食障害全国支援センターは、子どもは摂食障害と言われることに抵抗があることが多いため、便秘や冷え、髪が抜けるといった体の症状の相談を理由にすると、受診をすすめやすいとしています。まずはかかりつけ医に相談し、家庭・学校・医療が連携して支えることを勧めています。
日本小児心身医学会は、神経性やせ症は14〜18歳ごろに多く、低体温・低血圧・脈が遅いといった体の変化が特徴的だとしています。急に体重が減っている、ふらつく、倒れた、脈がとても遅いといった様子があるときは、すぐに医療機関を受診してください。意識がもうろうとしている、けいれんしたなど命に関わる危険があるときは、迷わず119番に連絡してください。
摂食障害の相談先は?
家族だけで抱え込まず、次のような窓口も利用しましょう。
- かかりつけの小児科:体重や身長の変化、体の症状をまず診てもらう窓口です
- 摂食障害全国支援センターの「相談ほっとライン」:摂食障害支援拠点病院がない都道府県に住む人向けの電話相談で、本人だけでなく、家族や学校関係者も相談できます
- 摂食障害支援拠点病院:一部の都道府県に指定されていて、県内の本人や家族からの相談を受けています
- お住まいの地域の精神保健福祉センター:医療機関の情報などについて相談できます
- 学校の養護教諭やスクールカウンセラー:学校での食事や様子を共有できます。本人向けには、文部科学省が子ども自身や保護者が相談できる窓口をまとめています
身長の伸びは、どう見守る?
食事の量が気になり始めたら、身長と体重を同じ日に測って記録し、成長曲線に描いておきましょう。成長期の子どもでは、体重が減っていなくても、身長が伸びているのに体重が増えていなければ、栄養が足りていないサインのことがあります。
体重が戻れば、伸びが追いつくことが多いと報告されていますが、追いつかない場合もあります。身長を伸ばすためのサプリメントや薬に頼るより、まず栄養の状態を整えることが大切です。体重の記録は、本人の前で数字を話題にすると負担になることがあるため、医療機関と相談しながら扱い方を決めましょう。やせている子の身長については「やせている子は背が伸びにくい?」のコラムで説明しています。
思春期の女の子の食事制限についてよくある質問
Q. 本人は「健康のため」と言って、元気そうにしています。様子を見てもよいですか?
A. 摂食障害では、本人が困っていないように見えることがあります。体重が減っている、月経が止まったなどの変化があれば、本人が元気そうでも早めに相談しましょう。
Q. 親の育て方が原因なのでしょうか。
A. 摂食障害全国支援センターは、家族が原因を自分のせいだと責めず、今の支えに目を向けることを勧めています。家族自身も相談先を利用して、ひとりで抱え込まないようにしましょう。
Q. 身長の伸びが落ちていることにも気づきました。
A. 栄養の不足が身長の伸びに影響していることがあります。食事の様子と身長・体重の記録をあわせて、かかりつけの小児科で相談しましょう。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、身長の記録を見ながら伸び方についてご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。
まとめ
思春期に体型を気にするのは成長の一部ですが、食事を減らし続けると、身長や月経、骨に影響が出ることがあります。責めずに気持ちを聞き、体重の減少や月経の変化などのサインがあれば、かかりつけの小児科や摂食障害の相談窓口に早めに相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期は第二の誕生」(国立成育医療研究センター監修、2025年8月更新)
- 東邦大学医療センター大森病院 メンタルヘルスセンター「からだの変化」(思春期の特性)
- 摂食障害全国支援センター(国立精神・神経医療研究センター)摂食障害情報ポータルサイト「メディアと上手につきあう」
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期のやせ」(2025年5月更新)
- 摂食障害全国支援センター(国立精神・神経医療研究センター)摂食障害情報ポータルサイト「子どもの摂食障害」
- Journal of Adolescent Health「What Are the Effects of Restrictive Eating Disorders on Growth and Puberty and Are Effects Permanent? A Systematic Review and Meta-Analysis」(2020年、PubMed)
- 日本小児心身医学会「摂食障害(神経性やせ症)」
- 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「「スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs)」と「女性アスリートの三主徴(Triad)」とは?」
- 摂食障害全国支援センター(国立精神・神経医療研究センター)摂食障害情報ポータルサイト「ご家族の方へ」
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「話を聞くときのポイント」
- 摂食障害全国支援センター(国立精神・神経医療研究センター)「相談窓口」(相談ほっとライン・摂食障害支援拠点病院)
- 文部科学省「子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち)」
- ノビケア「お問い合わせ」