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やせている子は背が伸びにくい?体重の増え方と身長の関係
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
やせていても、身長と体重がそれぞれ成長曲線の線に沿って増えていれば、それだけで背が伸びにくいとは言えません。注意したいのは、体重が増えない、減ってきたという変化です。栄養が足りない状態が続くと、まず体重に、続いて身長の伸びに影響が出ることがあるため、体重の変化に気づいたら早めに小児科に相談しましょう。
やせているだけで、背は伸びにくい?
体格は一人ひとり違い、もともと細身の子もいます。乳幼児健診の診察マニュアルは、身長と体重が成長曲線に沿って増え、急な変動がないことを、正常と判断する条件の一つとしています。
大切なのは、今の体重が軽いかどうかより、体重が順調に増えているかどうかです。身長と体重がどちらも同じような線に沿って増えていれば、細身であることだけを心配する必要は少ないと考えられます。
一方で、体重の線が下がってきた、体重が増えなくなったという変化は、体からのサインです。この記事では、体重の増え方と身長の伸びの関係を説明します。
出典 [1]
子どもの「やせ」は、どう判断する?
子どもの体格は、身長に対して体重がどのくらいかを示す「肥満度」で見ることが多いです。肥満度は、性別・年齢・身長ごとの標準体重と比べて、実際の体重が何%多いか少ないかを表します。年齢によって、やせの目安は次のように使われています。
日本小児内分泌学会は、成長曲線と体格指数を計算できるファイルを公開しています。カウプ指数など、ほかの指数との違いは「カウプ指数・ローレル指数とは?」の記事で説明しています。
- 幼児:肥満度−15%から+15%が正常の範囲で、−20%以下はやせすぎ(乳幼児健康診査 身体診察マニュアル)
- 学校:肥満度−20%以下を痩身傾向とする(文部科学省 学校保健統計)
栄養が足りないと、体重と身長はどの順に影響を受ける?
米国家庭医学会誌に2016年に掲載された、子どもの体重増加不良についての解説は、適切な体重を得たり保ったりできないことが最初のサインで、栄養不足が続くと身長や頭囲の伸びにも影響し、重い場合は発達や免疫にも影響することがあるとしています。
日本学校保健会のサイトも、測ったときの体重が過去の体重を下回った時点で注意し、3か月にわたって過去の体重を下回るようなら、早めに専門的な対応が必要だとしています。
つまり、身長の伸びが落ちる前に、体重の変化として表れることが多いということです。身長だけでなく、体重の記録も一緒に成長曲線に書いておくと、早く気づけます。
体重が増えない原因には、どんなものがある?
乳幼児健康診査 身体診察マニュアルは、体重増加不良の原因として、食べる量が足りない、腸などで栄養を吸収できない、病気などでエネルギーを多く使う、の3つを挙げています。食べる量が足りないことが多いものの、その背景はさまざまだとしています。
日本小児内分泌学会は、心臓、肝臓、消化器などに病気があると、体に十分な栄養を取り込めず身長の伸びが低下すると説明しています。原因の病気がよくなれば、身長も伸びてくるとしています。なお、甲状腺ホルモンが多すぎるバセドウ病では、体重が減る一方で、身長の伸びはむしろ速くなることがあると同じ学会は説明しています。おなかの病気と身長の関係は「クローン病など炎症性腸疾患と子どもの身長」の記事で説明しています。
- 食べる量が少ない(少食、偏食、食事の時間が不規則など)
- おなかの病気で栄養を吸収しにくい(下痢や腹痛が続くなど)
- 慢性の病気や、甲状腺ホルモンが多すぎる病気などで、エネルギーを多く使う
- 運動量に対して食事が足りない
- 体型を気にして、食べる量を自分で減らしている
運動をしている子で気をつけたいことは?
部活動やクラブで運動量が多い子は、食事が運動量に追いついていないことがあります。日本スポーツ振興センターは、運動で使うエネルギーに対して食事が足りない状態が続くと、性別を問わず健康に悪い影響が出ると説明しています。
日本スポーツ協会のガイドは、10代は体がつくられる大切な時期であり、男女を問わず無理な減量は禁物だとしています。あいち小児保健医療総合センターも、過度な運動や極端な体重の減少によって思春期が遅れることがあると説明しています。
体重が軽いほうが有利とされる競技や、体型を気にしやすい環境にいる子は、とくに体重の変化に注意しましょう。くわしくは「運動しすぎると身長が伸びない?」の記事で説明しています。
食べる量を自分で減らしているようなときは?
思春期の子が体型を気にして食べる量を減らしている場合は、摂食障害の可能性も考えます。摂食障害全国支援センターは、子どもの摂食障害に早く気づくことが第一歩だとしています。日本小児心身医学会は、体重が減ると、月経が止まる、初経が遅れる、体温や血圧が下がるといった症状が出ることがあるとしています。
英国の研究者らが2020年に発表したシステマティックレビュー(Journal of Adolescent Health誌、18歳未満の制限型の摂食障害についての27研究を検討)では、成長や思春期の遅れがよく報告されていました。多くの研究で回復後に身長が追いつく様子が見られた一方、すべての子で十分に追いつくわけではないとしています。発症した年齢が低いことや、病気の期間が長いことが、成長の遅れにつながる可能性があるとされています。
体重の減少が続く、体型を強く気にしているといった様子があれば、早めに小児科に相談してください。ぐったりしている、ふらついて立てない、意識がぼんやりしているときは、すぐに119番に連絡してください。
栄養が足りれば、身長は追いつく?
栄養不足で伸びが落ちていた子も、十分な栄養がとれるようになると、伸びが元の線に戻ろうとすることがあります。これを追いつき成長(キャッチアップ)と呼びます。
イスラエルの研究者らによる2015年のレビュー(Nutrients誌、栄養と追いつき成長のしくみについての研究をまとめたもの)は、栄養が回復すると多くの場合は自然に追いつき成長が起こる一方、追いつきが十分でなく、身長の差が残る場合もあるとしています。
どのくらい追いつくかは、栄養が足りなかった期間や年齢などによって違います。身長が伸びるのは骨端線が閉じるまでなので、体重の変化に気づいた時点で相談することが大切です。
出典 [14]
家庭でできることは?
日本スポーツ協会のガイドは、発育期には体が大きくなるための栄養が必要だとして、朝・昼・晩の3回、バランスのとれた食事をしっかりとるよう勧めています。少食の子に無理に食べさせるより、食事の時間を決めて、主食・主菜・副菜をそろえることを基本にしましょう。
家で体重を測るなら、毎日ではなく、同じ条件で月に1回程度測ると、変化を追いやすくなります。国立保健医療科学院に掲載されている実践ガイドも、1歳以上は1か月に1回より頻繁に測る必要はないとしています。
体重を増やせば身長が伸びる、というわけではありません。食べすぎて肥満になると、別の心配が出てきます。肥満と身長の関係は「ダイエットや肥満は身長に影響する?」の記事で説明しています。
相談したほうがよいのは、どんなとき?
次のような場合は、身長と体重の記録を持って小児科に相談しましょう。ノビケアでも、医師による無料相談で記録を見ながらご相談いただけます。ただし、急な体重の減少や体調の悪さがある場合は、近くの医療機関を受診してください。
- 体重が、成長曲線の基準の線を2本下回るように下がってきた
- 測るたびに、前より体重が減っている
- 体重とともに、身長の伸びも落ちてきた
- 下痢、腹痛、血便、発熱などが続く
- 疲れやすい、汗が多い、動悸がするなど、体調の変化がある
- 月経が止まった、体型を強く気にしている
やせている子の身長についてよくある質問
Q. 食が細く体重は軽めですが、毎年ちゃんと伸びています。
A. 身長と体重がそれぞれ成長曲線の線に沿って増えていれば、体質のことが多いと考えられます。記録を続けて、線を横切るような変化がないかを見ていきましょう。
Q. 太らせたほうが背は伸びますか?
A. 体重を増やせば身長が伸びるわけではありません。必要な栄養を毎日の食事からとることが大切です。
Q. やせている子にサプリメントを使ってもよいですか?
A. 身長を伸ばす効果をうたうサプリメントについては、日本小児内分泌学会が見解を出し、注意をよびかけています。食事だけで足りるか心配なときは、医師や管理栄養士に相談してください。
出典 [17]
まとめ
やせていても、身長と体重が成長曲線の線に沿って増えていれば、それだけで背が伸びにくいとは言えません。体重が増えない、減ってきたという変化は、身長の伸びより先に表れるサインです。体重も一緒に記録し、変化に気づいたら早めに小児科に相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- こども家庭庁掲載「改訂2版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」(国立成育医療研究センターほか、厚生労働科学研究、PDF)
- 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について公表します」(PDF、令和8年2月13日)
- 日本小児内分泌学会「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル ダウンロードサイト」
- American Family Physician「Failure to Thrive: A Practical Guide」(米国家庭医学会誌、2016年、PubMed)
- 日本学校保健会 学校保健ポータルサイト「3.学校での成長曲線の活用について(なぜ、なに、どうして?学校保健 第1回「成長曲線」)」
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- 日本小児内分泌学会「バセドウ病(Graves病)」
- 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「「スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs)」と「女性アスリートの三主徴(Triad)」とは?」
- 日本スポーツ協会「発育期のスポーツ活動ガイド」(PDF、2021年3月)
- あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
- 摂食障害全国支援センター(国立精神・神経医療研究センター)摂食障害情報ポータルサイト「子どもの摂食障害」
- 日本小児心身医学会「摂食障害(神経性やせ症)」
- Journal of Adolescent Health「What Are the Effects of Restrictive Eating Disorders on Growth and Puberty and Are Effects Permanent? A Systematic Review and Meta-Analysis」(2020年、PubMed)
- Nutrients「Nutritionally-induced catch-up growth」(栄養と追いつき成長に関するレビュー、2015年、PubMed)
- 国立保健医療科学院掲載「乳幼児身体発育曲線の活用・実践ガイド」(令和3年3月、厚生労働行政推進調査事業、PDF)
- ノビケア「お問い合わせ」
- 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)