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牛乳を飲むと身長は伸びる?1日の量の目安と考え方

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

牛乳は成長期に大切なカルシウムをとりやすい食品ですが、牛乳を多く飲むほど身長が伸びるという科学的な裏づけはありません。農林水産省は、小学生から高校生の1日の目標を牛乳なら200〜300mL程度としています。量にこだわりすぎず、食事全体のバランスで考えましょう。

牛乳を飲めば身長は伸びる?

牛乳は「背を伸ばす飲み物」というイメージを持たれがちです。しかし、牛乳をたくさん飲むほど身長が伸びることを確かめた、信頼できるデータは見当たりません。

日本小児内分泌学会は、カルシウムなどの栄養が不足して成長がさまたげられている場合には、補うことで成長が正常に戻る可能性があるとしています。一方で、不足していない子がさらにとっても、成長が促されるという科学的なデータはないと説明しています。

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の解説でも、「背が伸びる」ことと、カルシウムや牛乳といった特定の成分・食品が、一対一で結びつくわけではないと述べられています。牛乳は大切な食品の一つですが、身長を決める主な要素ではありません。

日本小児内分泌学会は、身長の伸びには遺伝や体質、ホルモン、持病のほか、栄養・睡眠・運動・心の状態など多くの要因が関わるとしています。牛乳の量だけで身長が大きく変わることは考えにくい、ということです。

出典 [1] [2] [3]

牛乳の栄養を生かすには、何に気をつける?

文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、普通牛乳100gには、カルシウムが110mg、たんぱく質が3.3g含まれています。農林水産省は、牛乳や乳製品はほかの食品に比べてカルシウムの吸収率が高く、1回にとる量も多いため、カルシウムを効率よくとりやすいと説明しています。

カルシウムを体の中でうまく使うには、ビタミンDも必要です。厚生労働省のe-ヘルスネットは、カルシウムを十分にとっていても、ビタミンDが不足すると吸収が悪くなるとしています。牛乳100gに含まれるビタミンDは0.3μgと多くないため、魚やきのこ、卵などとあわせてとりましょう。

農林水産省は、肉類やインスタント食品に多いリンをとりすぎると、カルシウムの吸収がさまたげられると説明しています。牛乳を飲んでいても、加工食品にかたよった食事では十分に生かせないことがあります。

医薬基盤・健康・栄養研究所は、カルシウムは1食でまとめてとるより、何回かに分けたほうが効率よくとれるとしています。朝食に牛乳やヨーグルト、夕食に小魚や豆腐など、食事ごとに少しずつ取り入れるのがおすすめです。

出典 [4] [5] [6] [7]

1日にどのくらい飲めばいい?

農林水産省は、小学生から高校生(6〜18歳)の牛乳・乳製品の1日の目標を「2〜3つ」とし、牛乳なら200〜300mLにあたると示しています。食事バランスガイドでは、牛乳・乳製品の「1つ」はカルシウム約100mg分で、牛乳1本(200mL)は「2つ」と数えます。

牛乳でなくても、ヨーグルトやチーズで同じ区分の量をとることができます。農林水産省の例では、表のような量でカルシウムがとれます。

学校給食で牛乳が出る日は、それだけで目標の一部がとれます。給食のない日や長期休み、高校生になって給食がなくなったあとは、家庭で意識してとるようにしましょう。

幼児(6歳未満)の牛乳の量の目安は、この資料では示されていません。体格や食べる量に個人差が大きいため、乳幼児健診などで相談しましょう。

食品量のめやすカルシウム
牛乳コップ1杯(200g)220mg
ヨーグルト1パック(100g)120mg
プロセスチーズ1切れ(20g)126mg

出典 [5] [8]

たくさん飲むほどよい?飲みすぎの心配は?

厚生労働省のe-ヘルスネットは、カルシウムは通常の食事でとりすぎることはないとしています。一方、サプリメントを使うと、高カルシウム血症や結石などの過剰による障害が起こる可能性があると注意しています。

農林水産省は、カルシウムのとりすぎは鉄などほかのミネラルの吸収をさまたげることがあると説明しています。牛乳だけを増やすのではなく、肉・魚・大豆製品・野菜など、いろいろな食品を食べることが大切です。

牛乳を飲みすぎておなかがいっぱいになり、食事が入らなくなる場合は、量を見直しましょう。食事の前後に飲む量を決めておくと、調整しやすくなります。

甘みや香りをつけた乳飲料は、牛乳とは栄養成分が異なることがあります。毎日の習慣にする場合は、栄養成分表示を確かめると安心です。

出典 [6] [5]

牛乳が苦手・飲めない子はどうする?

牛乳が苦手でも、カルシウムはほかの食品からもとれます。農林水産省は、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜や海藻にもカルシウムが多いと紹介しています。

日本食品標準成分表によると、100gあたりのカルシウムは、小松菜(生)で170mg、しらす干し(微乾燥品)で280mg、木綿豆腐で93mgです。みそ汁に小松菜や豆腐を入れる、ご飯にしらすをのせるなど、料理に少しずつ取り入れるだけでも1日の合計は変わってきます。

牛乳を料理に使う方法もあります。シチューやグラタンなどにすると、飲むのが苦手な子でも食べやすいことがあります。無理に飲ませて食事が嫌いになるより、楽しく食べられる形を探しましょう。

牛乳を飲むとじんましんが出る、口のまわりが赤くなる、何度も吐くなどの様子がある場合は、食物アレルギーの可能性もあります。自己判断で続けたりやめたりせず、医師に相談してください。息苦しそう、ぐったりしているときは、すぐに119番に連絡してください。

出典 [5] [4]

赤ちゃんや幼児に牛乳を飲ませるときの注意は?

こども家庭庁の資料では、牛乳を飲み物として与えるのは、鉄欠乏性貧血を防ぐ観点から1歳を過ぎてからが望ましいとされています。

幼児期は、味覚が発達して食べ方にむらが出やすい時期です。同じ資料は、機嫌がよく、普段どおり過ごせているなら、無理に食べさせたり、だらだら食べさせたりしないよう勧めています。牛乳も同じで、無理強いは必要ありません。

身長や体重を母子健康手帳の発育曲線に書き込み、線から大きく外れていないかを見ておくと、栄養が足りているかの目安になります。曲線を横切るような変化や体重の減少が見られたら、かかりつけの医療機関や乳幼児健診で相談しましょう。

出典 [9]

身長の伸びが気になるときは?

牛乳の量を増やすより先に、これまでの身長の記録を見直すことが大切です。母子健康手帳や学校の健康診断の記録を成長曲線に書き込み、線に沿って伸びているか、伸び方が落ちていないかを確かめましょう。

日本小児内分泌学会は、身長が低い原因の多くは遺伝や体質によるものだとしつつ、ホルモンの病気や、心臓・肝臓・消化器などの病気で栄養が十分に取り込めず、身長の伸びが落ちることもあると説明しています。

伸び方が急に落ちてきた、同じ年齢の子と比べてかなり小さいといった場合は、食事以外の原因が隠れていることもあります。牛乳の量で様子を見続けるのではなく、記録を持って小児科に相談してください。

身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。

出典 [3] [10]

牛乳と身長についてよくある質問

Q. 寝る前に牛乳を飲むと、背が伸びやすくなりますか?

A. 寝る前に飲むことで身長が伸びやすくなる、という信頼できるデータは見当たりません。1日の中でとれていれば、時間帯にこだわる必要はないと考えられます。

Q. 低脂肪乳でもよいですか?

A. 医薬基盤・健康・栄養研究所の資料では、低脂肪牛乳にもカルシウムが含まれています。家族の好みや食事全体に合わせて選んでかまいませんが、幼児の場合は医師や栄養士に相談すると安心です。

Q. 給食の牛乳だけで足りますか?

A. 給食の牛乳は目標の一部になります。ほかの食事でヨーグルトやチーズ、小魚、大豆製品などをとれていれば、無理に牛乳を増やす必要はありません。

出典 [7] [5]

まとめ

牛乳はカルシウムやたんぱく質をとりやすい食品ですが、多く飲むほど身長が伸びるという裏づけはありません。小学生から高校生では牛乳なら1日200〜300mL程度を目安に、ほかの食品と組み合わせて食事全体のバランスを整えましょう。身長の伸びが気になるときは、記録を持って医師に相談してください。

出典 [1] [5]

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
  2. 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:【第7回】子どものサプリメント利用の考え方」
  3. 日本小児内分泌学会「低身長」
  4. 文部科学省「食品成分データベース」(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)
  5. 農林水産省「大切な栄養素カルシウム」
  6. 厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」
  7. 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:カルシウム」
  8. 農林水産省「「何を」「どれだけ」材料と料理区分」(食事バランスガイド)
  9. こども家庭庁 母子健康手帳情報支援サイト「乳幼児期の栄養」(PDF)
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