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成長期・思春期・骨端線読む時間 約6分
思春期に体重が先に増えるのはなぜ?身長より先にふっくらして見えるとき
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
思春期の前後は、身長だけでなく体重も大きく増える時期です。体脂肪が増える時期と身長が大きく伸びる時期は少しずれることがあり、その間はふっくらして見えることがあります。身長も成長曲線の線に沿って伸びていれば、多くは成長の途中の姿です。ただ、体重が増えるのに身長の伸びが落ちてきたときは病気が隠れていることがあるため、成長曲線で確かめて相談しましょう。
思春期には、体重はどのくらい増える?
思春期には、骨や筋肉が大きく育ち、体重も急に増えます。韓国の7〜18歳の子ども361人の測定記録を分析した研究(Pediatric Research誌、2025年)では、体重の増え方がいちばん速くなる年齢は、男の子で平均12.41歳(1年に約8.2kg)、女の子で平均11.28歳(1年に約6.3kg)でした。
この研究では、体重を、筋肉や骨などの「脂肪以外の部分」と「体脂肪」に分けて、それぞれがいつ速く増えるかも調べています。体重の増え方は一つではなく、何が、いつ増えるかが男女で違うことが分かります。
出典 [1]
身長より先に、ふっくらして見えるのはなぜ?
同じ研究では、体脂肪の増え方がいちばん速くなる年齢は、男の子では平均9.69歳で、体重全体や筋肉などが速く増える時期(12歳台)より3年ほど早くなっていました。日本の男の子の身長の伸びがいちばん速くなる年齢は平均13歳ごろとする報告があり、男の子では、大きな伸びが来る前の小学校高学年ごろに、体脂肪が先に増えて丸く見える時期があると考えられます。
女の子では、体脂肪の増え方がいちばん速くなる年齢は平均12.33歳で、筋肉などが速く増える時期(11歳台)より後でした。東邦大学医療センター大森病院の資料は、女の子は思春期に胸がふくらみ、月経が始まり、体に丸みが出てくると説明しています。女の子の「ふっくら」は、身長の伸びのピークを過ぎるころから目立ちやすい、女性らしい体つきへの変化の一部です。
ただし、これは韓国の子どものデータで、日本の報告とは対象も方法も違います。年齢は目安として受け止め、一人ひとりの変化は成長曲線で確かめましょう。
男の子と女の子で、増える順番はどう違う?
上の研究で示された、それぞれの増え方がいちばん速くなる平均の年齢を表にまとめました。韓国の子どもの値で、日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。
| 増え方がいちばん速くなるもの | 男の子(平均の年齢) | 女の子(平均の年齢) |
|---|---|---|
| 体脂肪 | 9.69歳 | 12.33歳 |
| 体重全体 | 12.41歳 | 11.28歳 |
| 筋肉・骨など脂肪以外の部分 | 12.70歳 | 11.13歳 |
出典 [1]
増えた体重は、すべて脂肪?
思春期に増える体重は、脂肪だけではありません。先ほどの研究では、筋肉や骨などの脂肪以外の部分も大きく増え、増え方がいちばん速い時期には、男の子で1年に約7.6kg、女の子で1年に約4.9kgでした。とくに男の子では、体重の増加の多くを筋肉や骨が占める時期があります。
体重計の数字が急に増えても、それだけで「太った」とは言えません。身長がどのくらい伸びたか、体のどこが大きくなったかとあわせて見ることが大切です。部活などで体を動かしている子では、筋肉が増えて体重が増えることもあります。
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本人が「太った」と気にしていたら?
思春期の子は、体の変化に戸惑ったり、友だちと比べて落ち込んだりすることがあります。本人が「太った」と気にしているときは、「大人の体に近づく途中で、だれにでも起きる変化だよ」と、成長の一部であることを伝えましょう。
そのうえで、気になるなら身長と体重の記録をいっしょに見て、線に沿って育っているかを確かめると、本人も安心しやすくなります。体型の話題が増えた、食事を残すようになったなど、気にする気持ちが強くなっているときは、早めにかかりつけの小児科に相談してください。
出典 [4]
成長曲線と肥満度で、どう確かめる?
見た目だけでは、成長の途中のふっくらなのか、肥満が進んでいるのかは分かりません。身長と体重の両方を成長曲線に描き、身長も線に沿って伸びているかを確かめましょう。日本小児内分泌学会は、成長曲線(身長・体重曲線)を作ってみることで多くの情報が得られるとしています。
体重が身長に比べて多いかどうかは、肥満度で見ます。肥満度は「(実測の体重−身長に対する標準体重)÷ 標準体重 × 100(%)」で計算します。肥満度の計算やグラフの見方は「子どものBMIと肥満度」と「身長と体重のバランス(肥満度)のグラフの見方」のコラムで説明しています。
成長の途中のふっくらでは、身長も成長曲線に沿って伸び、そのあと身長の大きな伸びが来ると、肥満度が落ち着いていくことがあります。半年ごとに身長と体重を測って、変化の流れで見ることが大切です。
出典 [5]
相談したほうがよいのは、どんなとき?
日本小児内分泌学会によると、食べすぎや運動不足による肥満(単純性肥満)では身長もよく伸びます。一方、ホルモンの病気などが原因の肥満では、身長の伸びが悪くなるのが特徴だとしています。次のようなときは、小児科で相談しましょう。
- 体重は増え続けているのに、身長の伸びが前より小さくなってきた
- 体重の曲線が、成長曲線の線を何本も横切って上がっている
- 肥満度が高い状態が続き、少しずつ上がっている
- 体重の増え方とともに、体調や体つきに気になる変化がある(考えられる病気は「太っているのに背が低い子」のコラムで説明しています)
- 思春期の変化(胸のふくらみや精巣の大きさの変化)が、年齢に比べてとても早い、または遅い
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家庭で気をつけたいことは?
日本小児内分泌学会は、思春期に入ると身長が伸びて体格ができあがり、肥満を起こす生活習慣も定着するため、肥満が続くと元に戻すのが難しくなるとしています。肥満度が高い場合は、思春期の前から、食事・睡眠・運動などの生活を医師と相談しながら整えていくことが大切です。
一方で、成長期に自己判断で食事を減らすことは勧められません。ヘルスケアラボは、思春期は身長が伸び、骨の健康を育むうえでも大切な時期で、栄養が足りないと本来の最終身長まで伸びないことがあるとしています。ヘルスケアラボの別のページは、思春期は他人からの見た目が気になり、ダイエットに関心を持ち始める時期だとも説明しています。
体型について家族が何気なく言った言葉が、本人には強く残ることがあります。「太った?」「食べすぎ」のような言葉は避け、体重の話より、いっしょに食卓を囲むこと、よく眠ること、体を動かす楽しさを大事にしましょう。食事を減らし始めた子への声かけは「思春期の女の子が「太りたくない」と食事を減らしたら」のコラムで説明しています。
思春期に体重が先に増えることについてよくある質問
Q. ふっくらしてきたのは、背が伸びる前ぶれですか?
A. 男の子では、大きな伸びの前に体脂肪が先に増える時期があるという研究があります。ただ、それだけで背が伸びる時期は分かりません。身長の記録を続けて、伸びが速くなってきたかで確かめましょう。
Q. 体重が増えると、思春期が早く来ますか?
A. 体重や体脂肪と思春期の始まる時期の関係は、研究が続いているテーマです。思春期の変化が年齢に比べて早いと感じたら、体重のことも含めて小児科で相談しましょう。
Q. 体重を減らせば、身長はもっと伸びますか?
A. 体重を減らすことで身長が伸びるという根拠はありません。成長期に食事を減らしすぎると、かえって身長や骨の成長に影響することがあります。
まとめ
思春期の前後には、体脂肪、筋肉や骨、身長が少しずつずれた時期に増えるため、身長より先にふっくら見えることがあります。身長も線に沿って伸びていれば、多くは成長の途中の姿です。体重が増えるのに身長の伸びが落ちてきたときは相談しましょう。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、身長と体重の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- Pediatric Research「Timing, velocity, and magnitude of pubertal changes in body composition: a longitudinal study」(Chun D ほか、2025年、韓国の7〜18歳361人の縦断データ、PubMed)
- Clinical Pediatric Endocrinology「Longitudinal Standards for Height and Height Velocity for Japanese Children from Birth to Maturity」(Suwa S ほか、1992年、6〜17歳の男子439人・女子483人の記録、J-STAGE)
- 東邦大学医療センター大森病院 メンタルヘルスセンター「からだの変化」(思春期の特性)
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期は第二の誕生」(国立成育医療研究センター監修、2025年8月更新)
- 日本小児内分泌学会「肥満」
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期のやせ」(2025年5月更新)
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