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低身長の原因と成長ホルモンのしくみ読む時間 約6分
太っているのに背が低い子:考えられる病気と受診の目安
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
食べすぎや運動不足によるふつうの肥満の子は、身長もよく伸びていることが多いとされています。そのため、太っているのに背が低い、または体重が増えるのに身長の伸びが落ちてきた場合は、甲状腺ホルモンや成長ホルモンの不足、クッシング症候群などの病気が隠れていないか確かめることがあります。体重だけを見て食事を減らす前に、身長と体重の両方の記録を持って小児科で相談しましょう。
太っている子は、背も高いことが多い?
日本小児内分泌学会は、子どもの肥満のほとんどは食事やおやつのとりすぎ、運動不足などで起こる単純性肥満で、その場合は身長もよく伸びていると説明しています。
米国内分泌学会の子どもの肥満の診療ガイドライン(2017年)も、肥満の子は、女の子では胸のふくらみや初潮が早め、男の子では骨の成熟が早めに進みやすく、そのぶん伸びが速くなるとしています。今は背が高めでも、思春期が早く終わることで、最終的な身長が高くなるとは限りません。
つまり、太っている子では「背が高め」がよく見られる姿です。反対に、太っているのに背が低い、伸びが落ちてきたという組み合わせは、ほかの原因を考えるきっかけになります。
太っているのに背が伸びないとき、考えられる病気は?
米国内分泌学会のガイドラインは、ホルモンの病気や生まれつきの病気が肥満の原因になることは、子どもではまれだとしています。そのうえで、ホルモンの病気による肥満の特徴は、身長とその伸びが低くなることだと説明しています。主なものは次のとおりです。
どれも、身長の伸びが落ちていることが手がかりになります。病気かどうかは、診察や検査で医師が判断します。
- 甲状腺ホルモンの不足(甲状腺機能低下症):小児慢性特定疾病情報センターは、萎縮性甲状腺炎では成長がほとんど止まり、肥満をともなうのが特徴としています
- 成長ホルモンの不足(成長ホルモン分泌不全性低身長症)
- クッシング症候群:ステロイドホルモンが多すぎる状態で、顔が丸くなる、おなかに脂肪がつくなどの症状があり、子どもでは成長の遅れがみられます
- ステロイドの飲み薬を長く使っている場合
- プラダー・ウィリー症候群や偽性副甲状腺機能低下症など、生まれつきの病気
なぜ、ホルモンの病気では背が伸びにくく、太りやすい?
甲状腺ホルモンや成長ホルモンは、骨を伸ばす働きと、体の代謝を活発にする働きの両方をもっています。足りなくなると、身長の伸びが落ちると同時に、エネルギーが使われにくくなって脂肪がつきやすくなると考えられます。
ステロイドホルモンが多すぎる状態では、成長が抑えられる一方で、食欲が増えたり、おなかや顔に脂肪がつきやすくなったりします。くわしくは「ステロイドの飲み薬・クッシング症候群と身長」のコラムで説明しています。
プラダー・ウィリー症候群について、米国のガイドラインは、赤ちゃんのころは体重が増えにくく、その後に体重が増え、成長ホルモンの不足による低身長がみられるとしています。くわしくは「プラダー・ウィリー症候群と成長ホルモン治療」のコラムで説明しています。
出典 [2]
病気でなくても、太っていて背が低いことはある?
あります。両親が小柄で、もともと背が低めの子が、食べすぎや運動不足で太り気味になっている、ということもあります。この場合は、身長の伸び自体は年齢相応に保たれています。
米国のガイドラインは、ホルモンの病気を調べる検査は、両親から見込まれる身長と比べて背が低く、しかも伸びが落ちている場合に行うことを勧めています。今の身長が低いことだけでなく、伸び方が保たれているかどうかが大切です。両親の身長からの目安は「両親の身長から子どもの最終身長を予測する計算式は?」のコラムで説明しています。
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成長曲線では、何を見ればよい?
日本小児内分泌学会は、肥満がいつから起こっているか、今も続いているかを知るために、身長と体重の成長曲線をつくってみることを勧めています。同じ成長曲線に、身長と体重の両方を書き込んでみましょう。
注目したいのは、体重の線が上に向かっていく時期に、身長の線が横ばいや下向きになっていないかです。単純性肥満では、体重とともに身長の線も上向きになることが多いのに対し、病気が隠れている場合は、二つの線が離れるように動きます。
体重だけ、または身長だけを見ていると、この変化に気づきにくくなります。母子健康手帳や学校の記録から、できるだけ多くの時点を集めて書き込んでおくと、受診のときに役立ちます。
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受診すると、どんな検査をする?
まず、身長と体重の記録、肥満度の変化、家族の身長、体の診察から、病気が疑われるかどうかを判断します。そのうえで必要に応じて、血液検査で甲状腺ホルモンやIGF-1などを調べたり、手のエックス線写真で骨年齢を調べたりします。
単純性肥満では骨年齢が進んでいることが多いのに対し、甲状腺ホルモンや成長ホルモンの不足では骨年齢が遅れることが多いとされ、見分ける手がかりの一つになります。血液検査の内容は「低身長の血液検査では何を調べる?」のコラムで説明しています。
出典 [5]
受診の目安は?
次のような様子があるときは、成長曲線を持って小児科で相談しましょう。日本小児内分泌学会は、病気が隠れている肥満では身長の伸びが悪くなるのが特徴だとしています。
- 体重は増えているのに、身長の伸びが年々小さくなっている
- 太り気味なのに、同じ年齢の子より背がかなり低い
- 疲れやすい、寒がり、便秘など、体の調子の変化が続いている
- 顔が丸くなった、おなかに赤紫色のすじが出てきた
- ステロイドの飲み薬を長く使っている
家庭では、どんなことに気をつければよい?
体重が気になっても、子どもだけ食事を大きく減らすことは避けましょう。成長期は、体をつくる栄養が必要な時期です。日本小児内分泌学会は、子どもの肥満は生活習慣を家族で見直すことが基本だとしています。体重との向き合い方は「ダイエットや肥満は身長に影響する?」のコラムで説明しています。
身長の伸びが落ちている場合は、まず原因を確かめることが先です。病気が見つかった場合は、その治療によって体重や身長の伸びが変わることもあります。
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どこに相談すればよい?
かかりつけの小児科で相談し、必要に応じて小児内分泌の専門医を紹介してもらいましょう。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、成長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬を処方する2回目には、お子さまにも参加していただきます。ノビケアでは骨年齢のエックス線検査や静脈からの採血は行っていないため、必要な場合は対面の医療機関をご紹介します。
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太っているのに背が低い子についてよくある質問
Q. やせれば、背が伸びるようになりますか?
A. 単純性肥満の子は、もともと身長もよく伸びていることが多く、やせることで背が伸びるとは限りません。伸びが落ちている場合は、まず原因を確かめましょう。
Q. 太っていると、成長ホルモンが出にくくなりますか?
A. 肥満の子では、検査で成長ホルモンの値が低めに出ることがあるとされ、結果は医師が体格もあわせて判断します。
Q. 小学校の健診で「肥満傾向」と言われました。身長も低めです。受診したほうがよいですか?
A. 身長の伸び方が保たれているかを確かめるために、記録を持って一度小児科で相談すると安心です。
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まとめ
ふつうの肥満の子は身長もよく伸びていることが多いため、太っているのに背が低い、または伸びが落ちてきた場合は、甲状腺ホルモンや成長ホルモンの不足、クッシング症候群などを確かめることがあります。身長と体重を同じ成長曲線に書き込み、二つの線の動きを見ながら、食事を減らす前に小児科で相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
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