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中学生になっても胸がふくらまない女の子:思春期が遅いときの受診の目安

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

女の子の思春期は、多くの場合、胸のふくらみから始まり、平均では9歳半ごろに見られます。13歳になっても胸のふくらみがまったくない場合は、思春期が遅いと考えて一度受診することが勧められています。多くは体質による遅れですが、染色体やホルモンの病気、やせや運動のしすぎが関わっていることもあるため、身長の記録を持って小児科で相談しましょう。

胸のふくらみは、ふつう何歳ごろ始まる?

あいち小児保健医療総合センターは、女の子の思春期は乳房や乳頭部のふくらみから始まり、平均9歳半ごろから見られると説明しています。米国小児科学会の保護者向けサイトは、女の子の思春期は8〜13歳のあいだに始まることが多いとしています。

日本大学医学部附属板橋病院の解説では、乳房の発達は通常9歳半、陰毛やわき毛は11歳半、初経は12歳半ごろが目安とされています。日本産婦人科医会も、女の子の思春期は乳房の発育に始まり、陰毛、身長の伸び、初経の順に進むとしています。

中学1年生の春は12〜13歳です。この時期にまだ胸のふくらみがない子も、始まる時期の幅の中に入っていることがあります。ただ、中学に入るとまわりの子の体の変化が目立ちやすく、本人も家族も気になり始めることが多い時期です。

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何歳になっても始まらなければ、受診したほうがよい?

国立成育医療研究センターが監修する厚生労働省研究班のサイト「ヘルスケアラボ」は、13歳になっても乳房の発育がない場合、15歳になっても生理が来ない場合、乳房の発育が始まってから3年以上たっても生理が来ない場合に、受診を勧めています。

あいち小児保健医療総合センターも、女の子で13歳になっても二次性徴がまったく見られない場合に、思春期遅発と考えるとしています。小児慢性特定疾病情報センターの診断の手引きでは、14歳までに乳房のふくらみがないことが、思春期の遅れを考える目安の一つとされています。

13歳の誕生日を過ぎても胸のふくらみがまったくなければ、一つの区切りとして相談すると考えてよいでしょう。資料によって目安の年齢には少し幅がありますが、「14歳まで待ってから」と決めずに、気になった時点で記録を見てもらうと安心です。

出典 [5] [1] [6]

胸のほかに、確かめておきたい変化は?

陰毛やわき毛が先に生えていても、胸のふくらみがなければ、卵巣の働きによる思春期が始まっているとは限りません。陰毛やわき毛は、副腎から出るホルモンの影響でも生えるためです。くわしくは「陰毛やわきの毛が早く生えてきたら」のコラムで説明しています。

胸のふくらみは、体型によって見た目だけでは分かりにくいことがあります。シンガポールの医学誌の総説(2025年)は、胸が大きく見える場合でも、乳輪の下に乳腺の組織があるのか、脂肪がついているだけなのかを、診察でていねいに確かめることが大切だとしています。家族が見た目で判断するより、診察で確かめてもらいましょう。

身長の伸び方も手がかりになります。日本産婦人科医会によると、女の子は二次性徴が始まってから1〜2年後に、伸びる速さがいちばん大きくなります。胸のふくらみがなく、1年の伸びもまだ大きくなっていない場合は、思春期の前の伸びが続いていると考えられます。

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胸がふくらまない理由には、どんなものがある?

ヘルスケアラボは、思春期が遅れる理由として、体質のほかに、ターナー症候群などの染色体の病気、下垂体の異常など脳の病気、慢性の病気、極端なやせや運動のしすぎを挙げています。また、思春期に関わるホルモンは、精神的なストレスや栄養状態にもかなり影響されると説明しています。

米国の小児病院で、思春期の遅れのため受診した232人を調べた研究(Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌、2002年)では、体質による遅れは男の子の63%だったのに対し、女の子では30%でした。女の子では、体質以外の原因が見つかる割合が男の子より高かったことになります。専門の外来に来た子どもの結果なので、そのまま一般に当てはまるわけではありませんが、女の子の思春期の遅れは「体質だろう」と決めずに確かめる意味があることが分かります。

背が低く、思春期も始まらない女の子では、ターナー症候群かどうかを確かめることがあります。ターナー症候群では多くの場合で低身長がみられ、卵巣の働きが弱いことがあるとされています。くわしくは「ターナー症候群と身長は?」のコラムで説明しています。

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胸のふくらみが遅いと、身長はどうなる?

体質による遅れの場合、まわりの子が思春期の大きな伸びに入る時期に、まだ思春期前のゆるやかな伸びが続きます。そのため、中学生のころは身長の差が一時的に大きく見えます。イタリアの総説(2022年)は、体質による遅れでは骨年齢(骨の成熟の度合い)が実際の年齢より遅れていることが多く、思春期が始まると遅れて伸びが速くなるとしています。

一方、病気が原因の場合は、治療をしないと思春期が進まないことがあります。ヘルスケアラボは、女性ホルモンは胸のふくらみや生理を起こすだけでなく、骨密度を高める働きもあり、不足が長く続くと将来の骨粗しょう症のリスクにつながるおそれがあるとしています。身長と骨の両方のために、原因を確かめておくことが大切です。

出典 [10] [5]

受診すると、どんなことを調べる?

ヘルスケアラボによると、医療機関では、生活の様子や栄養状態を聞き、これまでの身長の伸び方を確かめます。手のエックス線写真で骨の成熟の度合いを、血液検査でホルモンの値を調べ、お腹の上からの超音波検査で子宮や卵巣の様子を見ることもあります。必要に応じて、頭のMRI検査を行うこともあります。

診察では、思春期がどこまで進んでいるかを知るために、胸の様子を確かめることがあります。本人が嫌がりそうなときの説明のしかたは「身長の診察で胸や下着の中を確かめるのはなぜ?」のコラムを参考にしてください。相談先は、まずかかりつけの小児科で、必要に応じて小児内分泌の専門医を紹介してもらいましょう。生理のことも気になる年齢であれば、産婦人科で相談することもできます。

出典 [5]

受診の前に、家でまとめておけることは?

次のことを分かる範囲でメモしておくと、診察で話が進みやすくなります。本人に一つずつ質問攻めにするのではなく、家族が分かることを先にまとめておきましょう。

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本人には、どう声をかける?

胸のふくらみは、本人がとても気にしやすく、人に知られたくない話題です。きょうだいや親せきの前で話題にするのは避け、二人のときに短く話しましょう。「体の変化が始まる時期は人によってかなり違うから、一度ちゃんと育っているか確かめてもらおう」と、責めない言い方で受診の理由を伝えると受け止めやすくなります。

友だちと下着の話になって落ち込んでいる、体育の着替えがつらいといった様子があれば、気持ちを聞いておきましょう。日本小児科学会の「医療における子ども憲章」は、子どもの診療で得られた情報は子どものものであり、共有が必要なときは理由を説明して本人に確かめるべきだとしています。家族の間でも、本人の体のことを本人の知らないところで広げない配慮が大切です。

身長の伸び方もあわせて気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の身長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。ノビケアでは骨年齢のエックス線検査やホルモンの負荷試験は行っていないため、必要な場合は対面の医療機関をご紹介します。

出典 [11] [12]

中学生で胸がふくらまないときによくある質問

Q. 胸は少しふくらんできましたが、なかなか大きくなりません。

A. 胸の大きさや形には個人差が大きく、ふくらみが始まっていれば、思春期は始まっていると考えられます。ヘルスケアラボは、乳房の発育が始まってから3年以上たっても生理が来ない場合に受診を勧めています。始まった時期をメモしておきましょう。

Q. 母親も初潮が遅かったので、様子を見てもよいですか?

A. 家族の思春期の時期は大切な手がかりですが、体質による遅れかどうかは、診察や検査でほかの原因がないことを確かめてから判断します。13歳を過ぎても胸のふくらみがまったくない場合は、一度相談しておきましょう。

Q. 部活で毎日走っていて、とてもやせています。

A. 日本スポーツ振興センターは、運動量に比べて食事のエネルギーが足りない状態が続くと、女性ホルモンが低下することがあると注意をうながしています。食事の量と体重の変化を記録して、練習量の見直しが必要かどうかを医師と相談しましょう。

出典 [5] [10] [13]

まとめ

女の子の思春期は平均9歳半ごろの胸のふくらみから始まり、13歳になっても胸のふくらみがまったくないときは受診が勧められています。多くは体質による遅れですが、女の子では病気が見つかることも少なくないため、身長の記録と家族の思春期の時期をまとめて、小児科で相談しましょう。

出典 [1] [5]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
  2. American Academy of Pediatrics(HealthyChildren.org)「Physical Development in Girls: What to Expect During Puberty」
  3. 日本大学医学部附属板橋病院「思春期早発症」
  4. 日本産婦人科医会「思春期とは」(研修ノート No.106 思春期のケア)
  5. 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期が遅い(思春期遅発症)」(国立成育医療研究センター監修、2026年8月更新)
  6. 小児慢性特定疾病情報センター「カルマン(Kallmann)症候群 診断の手引き」
  7. Singapore Medical Journal「Approach to premature thelarche in children」(Chow WH ほか、2025年、PMC)
  8. Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism「Delayed Puberty: Analysis of a Large Case Series from an Academic Center」(Sedlmeyer IL ほか、2002年、米国ボストン小児病院の思春期遅発232人)
  9. 小児慢性特定疾病情報センター「ターナー(Turner)症候群 概要」
  10. Italian Journal of Pediatrics「Current clinical management of constitutional delay of growth and puberty」(Gaudino R ほか、2022年、体質性思春期遅発症の総説、PMC)
  11. 日本小児科学会「医療における子ども憲章」(2022年3月、PDF)
  12. ノビケア「お問い合わせ」
  13. 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「「スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs)」と「女性アスリートの三主徴(Triad)」とは?」