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身長の診察で胸や下着の中を確かめるのはなぜ?思春期の診察を嫌がる子への説明

公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日

身長の診察で胸や下着の中を確かめるのは、思春期が始まっているか、どこまで進んでいるかを知るためです。思春期の時期によって、これからの伸びの見通しや、必要な検査が変わります。診察は短い時間で、子どもの気持ちに配慮して行われます。前もって目的を短く伝え、恥ずかしいことや嫌なことは言ってよいと話しておくと、子どもも受け入れやすくなります。

なぜ、胸や下着の中まで確かめるの?

身長の伸び方は、思春期と深く関わっています。思春期に入ると伸びが大きくなる時期が来て、やがて伸びが落ち着いていきます。そのため、同じ身長でも、思春期がまだ始まっていない子と、すでに進んでいる子とでは、これからの見通しが違います。

日本小児内分泌学会は、女の子では胸のふくらみ(乳房の発育)を思春期の始まりと考え、そのあと陰毛、初経の順に進むと説明しています。男の子では、精巣の大きさが4mL以上になったときを思春期の始まりと考え、そのあと陰毛、ひげ・声変わりの順に進むとしています。最初の変化は、服を着たままでは分かりにくい場所に起こります。

思春期が早すぎないか、遅すぎないかを確かめることも大切です。厚生労働省研究班が監修する情報サイトは、女の子で7歳6か月より前の胸のふくらみ、8歳より前の陰毛やわき毛、10歳6か月より前の初経を「早い」と考える目安に挙げています。小児慢性特定疾病情報センターの診断の手引きは、男の子では9歳未満の精巣などの明らかな発育、10歳未満の陰毛を主な症状の一つとしています。思春期と身長の関係は「思春期と身長」のコラムで説明しています。

出典 [1] [2] [3]

診察では、どんなことをする?

思春期の進み方は、タナー分類と呼ばれる段階で評価します。シンガポールの医学誌の解説(2025年)も、タナー分類による評価を、思春期の発育を確かめる基本の手順としています。一般的には、次のようなことを確かめます。

出典 [4] [1] [5]

見るだけでなく、ふれるのはなぜ?

胸のふくらみには、乳腺が育ってきたものと、脂肪がついたものがあります。見た目だけでは区別がつきにくく、とくに体格のよい子では、ふれて確かめる必要があります。シンガポールの解説も、乳輪の下に乳腺の組織があるかどうかを丁寧に診察し、脂肪によるふくらみと区別することを大切な点に挙げています。

男の子の精巣の大きさも、外から見ただけでは分かりません。医師が陰嚢の上からふれて確かめます。精巣の大きさの目安は「男の子の思春期は精巣の大きさで始まる」、男の子の胸のふくらみは「思春期の男の子の胸のふくらみ(女性化乳房)と成長」のコラムで説明しています。

出典 [4]

どんな配慮のもとで行われる?

日本小児科学会の「医療における子ども憲章」は、子どものこころやからだを傷つける行為には、説明なく行われる痛みや苦痛を伴う検査や処置だけでなく、からだにふれる診察も含まれるとし、あらゆる医療行為で、発達の段階に合わせた方法で説明しなければならないとしています。同じ憲章は、子どもが望めば、親やそれに代わる人と一緒に過ごせるよう配慮することや、からだや病気の情報が勝手にほかの人に伝わらないよう守られることも掲げています。

米国小児科学会の方針(2025年)は、からだの敏感な部分の診察では、立ち会いの人(多くは看護師などの医療スタッフ)がいることで、子どもの安心につながるとしています。そのうえで、だれが立ち会うかは、子ども、保護者、医師が一緒に決めることとしています。

学校の健康診断についても、文部科学省は、子どものプライバシーや気持ちに配慮することが大切だとし、必要に応じて医師が下着などをめくって診察する場合があることを、子どもと保護者に前もって説明するよう求めています。医療機関でも、前もって知らされることで、子どもは落ち着いて診察を受けやすくなります。

出典 [6] [7] [8]

嫌がる子には、どう説明する?

国立成育医療研究センターのチャイルドライフサービス室は、注射についての説明で、「何をされるか知らない」よりも「何をするか知っている」ほうが怖さが少ないと説明しています。診察も同じです。うそをついたり、直前まで黙っていたりせず、年齢に合わせた言葉で前もって伝えましょう。

小学校低学年までは、「背が伸びる準備が始まっているか、先生がちょっとだけ見るよ。すぐ終わるよ」のように、短く具体的に話します。高学年から中学生には、「思春期がどこまで進んでいるかで、これからどのくらい伸びるかの見通しが変わるから、先生が確かめるんだよ」と、目的まで伝えると納得しやすくなります。

思春期の子は、からだの変化を見られることを、とても恥ずかしく感じることがあります。恥ずかしいと感じるのは自然なことだと伝え、次のようなことも話しておきましょう。

出典 [9]

当日どうしても嫌がったら、どうする?

無理に押さえて診察を受けさせると、次の受診がもっとつらくなることがあります。嫌がる様子が強いときは、その気持ちを医師や看護師に伝えて、どうするか相談しましょう。子ども憲章は、子どもが気持ちや意見を伝えやすいようにし、希望どおりにならない場合はその理由を分かりやすく説明することを求めています。

たとえば、問診や身長の測定、ほかの検査を先に進め、からだの診察は本人の気持ちが落ち着いてから改めて行う、といった方法がとれることもあります。どの方法がよいかは、子どもの年齢や、診察を急ぐ理由があるかによって違います。中高生の受診の進め方は「中高生の子が身長の受診を嫌がるとき」のコラムも参考にしてください。

出典 [6]

家で準備しておけることは?

保護者が家で子どものからだを確かめる必要はありません。ふだんの生活で気づいたことを、身長の記録と一緒にメモしておけば十分です。胸のふくらみに気づいた時期、初経の日、声変わりが始まった時期、服や靴のサイズが急に合わなくなった時期などは、医師が思春期の進み方を考える手がかりになります。親自身の思春期の時期が役立つ理由は「親の思春期の時期は子どもに似る?」のコラムで説明しています。

オンラインの相談では、からだの診察はできません。ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。診察や検査が必要な場合は、対面の医療機関をご紹介します。

出典 [10]

思春期の診察についてよくある質問

Q. 異性の医師に診られるのを嫌がります。

A. 予約のときや受付で、本人が気にしていることを伝えて相談しましょう。米国小児科学会の方針も、立ち会いの人をだれにするかは、子ども、保護者、医師で一緒に決めることとしています。対応できる範囲は医療機関によって違います。

Q. 診察のとき、親は一緒にいたほうがよいですか?

A. 小さな子は、保護者がそばにいるほうが安心しやすいでしょう。思春期の子は、親に見られるほうが恥ずかしいこともあります。本人の希望を前もって聞いておき、医療機関に伝えてください。

Q. 家で写真を撮って見せれば、診察をしなくてもすみますか?

A. 胸のふくらみが乳腺か脂肪か、精巣の大きさがどのくらいかは、ふれて確かめる診察が必要です。子どものからだの写真を撮って送る必要はありません。

出典 [7] [4]

まとめ

身長の診察で胸や下着の中を確かめるのは、思春期の始まりと進み方を知り、これからの伸びの見通しや検査の必要性を考えるためです。前もって目的を短く伝え、恥ずかしさや嫌な気持ちは言ってよいと話しておきましょう。当日どうしても嫌がるときは、無理をせず医師に相談してください。

出典 [1] [6]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「思春期早発症」
  2. 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期が早い(思春期早発症)」(2024年7月更新)
  3. 小児慢性特定疾病情報センター「ゴナドトロピン依存性思春期早発症 診断の手引き」
  4. Singapore Medical Journal「Approach to premature thelarche in children」(Chow WH ほか、2025年、PMC)
  5. Journal of Clinical Research in Pediatric Endocrinology「Pubertal gynecomastia coincides with peak height velocity」(Limony Y ほか、2013年、低身長・思春期の遅れで通院した男児106人、PMC)
  6. 日本小児科学会「医療における子ども憲章」(2022年3月、PDF)
  7. Pediatrics「Use of Chaperones for the Pediatric and Adolescent Encounter: Policy Statement」(米国小児科学会、Berhane A ほか、2025年、PubMed)
  8. 文部科学省「児童生徒等のプライバシーや心情に配慮した健康診断実施のための環境整備について(通知)」(PDF、令和6年1月22日)
  9. 国立成育医療研究センター チャイルドライフサービス室「お子さんが注射を受けることになったとき」
  10. ノビケア「お問い合わせ」