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骨系統疾患とは?軟骨低形成症など、体のつり合いで気づく低身長
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
骨系統疾患は、骨や軟骨、靱帯など骨格を作る組織の発達の違いによって起こる病気をまとめた呼び名です。1つ1つはまれですが、種類はとても多く、合わせると1,000人に1人ほどとされています。腕や脚が胴体に比べて短いなど、体のつり合いの違いが手がかりになり、全身の骨のレントゲンで診断することが多い病気です。軟骨低形成症のように、日本で成長ホルモン治療の保険の対象になっているものもあります。
骨系統疾患とは、どんな病気?
国立成育医療研究センターの放射線科の医師がまとめた解説(2022年)は、骨系統疾患を、骨・軟骨・靱帯など骨格を形成する組織の発達や分化の障害によって、骨格の形成や維持に異常をきたす病気の総称と説明しています。代表的なものに、軟骨無形成症や骨形成不全症があります。同じ解説によると、軟骨無形成症と骨形成不全症はともに2万人に1人程度、ムコ多糖症は全部の型を合わせて2万5,000人に1人ほどとされています。
同じ解説によると、個々の病気はまれですが、すべて合わせると1,000人に1人ほどで、決してまれではないと考えられています。骨系統疾患の国際分類の2023年の改訂(第11版)には771の病気が載り、552の遺伝子との関係が整理されています。
家族に同じ病気がなく、その子だけにみられることもよくあります。遺伝子の検査については「低身長で染色体や遺伝子の検査をするのはどんなとき?」のコラムで説明しています。
体のつり合いで気づくのは、なぜ?
多くの低身長の子は、背は低くても、胴体と腕・脚のつり合いは年齢相応です。骨系統疾患では、病気によって、腕や脚が短い(四肢短縮型)、胴体が短い(体幹短縮型)など、つり合いに特徴が出ることがあります。
そのため診察では、身長だけでなく、座高(座ったときの高さ)や、両腕を広げた長さ、頭の大きさ、指の形などを測ったり見たりします。くわしくは「座高と脚の長さのつり合い」と「両腕を広げた長さ(指極)と身長の関係」のコラムで説明しています。
- 腕や脚、とくに太ももや二の腕が短く見える
- 背骨が短く、胴体が短く見える
- O脚・X脚が強い、関節の動きが固い・ゆるい
- 骨折をくり返す
- 頭が大きい、指が短い
どんなきっかけで、相談につながる?
軟骨無形成症のように、腕や脚の短さや頭の大きさなどの特徴から、生まれてすぐの時期に気づかれる病気もあります。日本小児内分泌学会は、軟骨無形成症は新生児期に気づかれることが多く、おなかの中にいるときの超音波検査で疑われることもあると説明しています。
一方で、症状が軽い病気は、乳幼児健診や学校の健康診断で背の低さを指摘されたことや、成長曲線で伸びが少ないことがきっかけになることがあります。乳幼児健診のマニュアルでも、低身長の原因の一つとして骨や軟骨の病気(骨系統疾患)が挙げられています。相談するときは、母子手帳や学校の身長の記録を持っていくと、伸び方の変化が分かりやすくなります。
代表的な病気には、どんなものがある?
低身長の相談で出てくることのある病気の例を挙げます。軟骨無形成症については「軟骨無形成症と身長は?」、SHOX異常症については「SHOX異常症とは?」のコラムで説明しています。
| 病気 | 主な特徴 |
|---|---|
| 軟骨無形成症 | 腕や脚、とくに体に近い部分が短い。頭が大きい。頻度は1万〜3万人に1人とされる |
| 軟骨低形成症 | 軟骨無形成症に似るが程度が軽い。乳児期には分かりにくい |
| 骨形成不全症 | 骨が折れやすく、骨の変形が進むことがある。約2〜3万人に1人とされる |
骨形成不全症とは、どんな病気?
難病情報センターは、骨形成不全症を、全身の骨が弱いために骨折しやすく、骨の変形が進むことがある生まれつきの病気と説明しています。90%以上は、体の結合組織の主な成分であるI型コラーゲンの遺伝子の変化が原因とされています。
症状の幅はとても広く、生まれてすぐに重い症状が出る型から、生涯はっきりした症状がなく偶然見つかる型まであります。骨折や骨の変形がくり返されると、背の伸びにも影響します。小さなけがで骨折したことが何度もあるときは、そのことも医師に伝えましょう。
出典 [6]
軟骨低形成症とは、どんな病気?
小児慢性特定疾病情報センターは、軟骨低形成症を、体に近い部分により強い腕や脚の短さをともなう低身長をきたす、生まれつきの骨系統疾患と説明しています。原因の多くは、軟骨無形成症と同じFGFR3という遺伝子の変化ですが、この遺伝子に変化が見つからない人もいます。
同じセンターによると、生まれたときには腕や脚の短さははっきりせず、乳児期の診断は難しいとされています。頭や顔の形はふつうで、軟骨無形成症にみられる合併症はほとんどありません。日本小児内分泌学会は、低身長の程度が軽く、低身長の範囲に入らない人もいるため、診断されていない人もいる可能性があるとしています。
そのため、幼児期から学童期にかけて、伸びが少ないことや、腕や脚の短さに気づいて受診し、レントゲンで分かることがあります。
どうやって診断する?
前の解説は、骨系統疾患の診断では、今でも単純なレントゲン写真が第一の検査だと説明しています。頭から足先までを合計15枚ほど撮る「全身骨撮影(骨サーベイ)」で、骨の形の特徴を組み合わせて病気の候補をしぼり込みます。CTやMRIは、診断そのものにはあまり役立たないことが多いとしています。また、骨系統疾患の中には、モルキオ症候群(ムコ多糖症の一つ)のように治療法のある病気もあり、ほかの病気の中に埋もれていないか確かめることが大切だと述べています。
あわせて、低身長の程度、顔つきや手足の形、発達の様子などの情報も手がかりになります。必要に応じて遺伝子の検査を行います。家庭で体のつり合いが気になるときは、そのことを医師に伝えましょう。
出典 [1]
成長ホルモン治療を受けられる?
日本小児内分泌学会によると、軟骨無形成症と軟骨低形成症は、日本で一定の基準を満たせば成長ホルモン治療が保険の対象になっています。軟骨低形成症は、軟骨無形成症と比べて身長の改善の効果がよいことが知られているとしています。一方、軟骨無形成症で使われるCNPアナログ製剤(ボソリチド)は、軟骨低形成症には保険の適用がありません。
多くの骨系統疾患には、背を伸ばす薬の治療はありません。前の解説も、骨系統疾患の大部分は有効な治療法がない難病だとしています。それでも、骨の変形や背骨、関節、呼吸などの合併症を早く見つけて対応するために、専門の医療機関で定期的に診てもらうことが大切です。医療費の助成の対象になる病気もあります。
| 項目 | 軟骨無形成症 | 軟骨低形成症 |
|---|---|---|
| 低身長や腕・脚の短さ | はっきりしている | 軽い。低身長の範囲に入らないこともある |
| 気づかれる時期 | 新生児期が多い | 乳児期には分かりにくい |
| 頻度 | 1万〜3万人に1人 | 軟骨無形成症の8分の1程度とされる |
| 成長ホルモン治療(保険) | 一定の基準を満たせば対象 | 対象。改善の効果がよいとされる |
| CNPアナログ製剤(保険) | 一定の基準を満たせば対象 | 対象外 |
骨系統疾患についてよくある質問
Q. 両親とも背が低いのですが、骨系統疾患の可能性はありますか?
A. 両親が小柄で、子どもの体のつり合いがふつうなら、多くは体質によるものです。ただ、軟骨低形成症のように親子で同じ病気のこともあるため、つり合いが気になるときは相談してください。
Q. 脚を長くする手術はありますか?
A. 脚の骨を延ばす手術が行われることがありますが、期間が長く、合併症もあります。くわしくは「身長を伸ばす手術(脚延長術)とは?」のコラムで説明しています。
Q. どこで相談すればよいですか?
A. まずは小児科で、成長の記録を見せて相談してください。必要に応じて、小児内分泌や遺伝、整形外科の専門の医療機関に紹介されます。
出典 [5]
まとめ
骨系統疾患は、骨や軟骨の育ち方の違いで起こる多くの病気の総称で、背の低さに加えて体のつり合いの違いが手がかりになります。軟骨低形成症のように成長ホルモン治療の保険の対象になるものもあるため、つり合いが気になるときは成長の記録を持って相談しましょう。伸び方が気になる場合は、医師による無料相談(ビデオ通話)で記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。検査が必要な場合や、保険診療の対象になりうる場合は、対面の医療機関をご紹介します。
出典 [8]
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本小児放射線学会雑誌「骨系統疾患における画像診断の役割」(宮嵜治、国立成育医療研究センター 放射線診療部、2022年、38巻1号、J-STAGE)
- American Journal of Medical Genetics Part A「Nosology of genetic skeletal disorders: 2023 revision」(Unger S ほか、骨系統疾患の国際分類 第11版、2023年、PubMed)
- 日本小児内分泌学会「軟骨無形成症・軟骨低形成症」
- こども家庭庁掲載「改訂2版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」(国立成育医療研究センターほか、厚生労働科学研究、PDF)
- 小児慢性特定疾病情報センター「軟骨低形成症 概要」
- 難病情報センター「骨形成不全症(指定難病274)」
- 小児慢性特定疾病情報センター「小児慢性特定疾病 対象疾病一覧(令和7年4月1日版)」(PDF)
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