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軟骨無形成症と身長は?成長ホルモン治療とボソリチドなどの治療

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

軟骨無形成症は、骨の成長にかかわるFGFR3遺伝子の変化で、腕や脚が短く、身長が低くなる生まれつきの体質です。低身長に対しては、一定の基準を満たせば成長ホルモン治療と、ボソリチド(ボックスゾゴ)というCNPアナログ製剤の治療が保険診療で受けられます。どれを選ぶかは、骨や呼吸の状態も含めて専門医と相談して決めます。

軟骨無形成症とは、どんな病気?

軟骨無形成症は、骨が長く伸びるときに働く軟骨の細胞に変化が起こり、とくに腕や脚の付け根に近い部分(上腕や太もも)が短くなる病気です。原因は、線維芽細胞増殖因子受容体3型(FGFR3)という遺伝子の変化です。以前は軟骨異栄養症とも呼ばれていました。

小児慢性特定疾病情報センターと難病情報センターは、およそ2万出生に1人の割合と説明しています。日本小児内分泌学会は1万〜3万人に1人としています。親のどちらかが軟骨無形成症の場合は子に伝わることがありますが、多くは軟骨無形成症ではない両親から生まれます。

頭が大きめで額が出ている、鼻の付け根が低い、指が短く、手を広げると中指と薬指の間が開く(三尖手)などの特徴がみられます。日本小児内分泌学会は、知的な発達には問題がないとされていると説明しています。症状が軽い軟骨低形成症という近い病気もあります。

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どうやって診断する?いつ分かることが多い?

体の特徴とレントゲン写真の所見を合わせて診断します。腕や脚の骨が太く短い、骨の端が盃のような形をしている、腰の背骨の間の距離が狭いなど、特徴的な所見があります。

日本小児内分泌学会によると、こうした特徴から生まれてすぐに気づかれることが多く、お母さんのおなかにいる間の超音波検査で疑われることもあります。難病情報センターの診断基準では、FGFR3遺伝子の特定の変化を確かめる遺伝学的検査も挙げられています。日本小児内分泌学会によると、軟骨低形成症は症状が軽いことが多く、所見がはっきりするまで診断の確定が難しいことが多いとされています。

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乳幼児期には、どんなことを確かめる?

小児慢性特定疾病情報センターの解説では、3歳ごろまでは、頭と首のつなぎ目にある穴(大後頭孔)が狭いことによる神経の圧迫や、睡眠中の呼吸の状態、水頭症に注意が必要とされています。中耳炎にもかかりやすいため、耳の聞こえも確かめます。

頭が大きいため、首すわりやおすわりなどの運動の発達は一時的に遅れることがありますが、筋肉がついてくると追いつくと、日本小児内分泌学会は説明しています。背骨の曲がりを防ぐため、赤ちゃんのうちに無理に座らせないようにすることも勧められています。

こうした確認は、身長の治療とは別に、専門の医師のもとで定期的に続けます。

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成長ホルモン治療は、どんな条件で受けられる?

軟骨無形成症(添付文書では軟骨異栄養症)の低身長に効能があるのは、ノルディトロピンです。添付文書では、身長が同じ性別・年齢の−3SD以下であることが条件で、1週間に体重1kgあたり0.35mgを6〜7回に分けて注射します。治療中は1年ごとに伸びを判定し、継続の基準を満たすかを確かめます。

添付文書には、大後頭孔が狭い子どもでは、身長の利益が不利益を上回ると判断される場合にだけ使い、MRIなどで定期的に確かめるよう書かれています。O脚がある子どもでO脚が悪化した例も報告されているため、脚の形の経過も見ていきます。

日本小児内分泌学会によると、軟骨低形成症にも成長ホルモン治療の保険適用があり、軟骨無形成症と比べて低身長の改善効果がよいことが知られています。

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ボソリチド(ボックスゾゴ)とは、どんな薬?

ボソリチドは、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)という、骨の成長にかかわる物質に似せて作られた薬です。軟骨無形成症で強く働きすぎているFGFR3の信号を抑え、軟骨の細胞が増えるのを助けると説明されています。製品名はボックスゾゴで、2022年8月に販売が始まりました。

添付文書(2026年8月改訂)では、効能は「骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症」です。1日1回皮下に注射し、量は2歳以上では体重1kgあたり15μg、2歳未満では30μgです。骨端線が閉じて伸びる見込みがなくなった場合は中止します。日本小児内分泌学会によると、軟骨低形成症には保険適用がありません。

添付文書に載っている国際共同の第Ⅲ相試験(5歳以上18歳未満の121人、52週間)では、プラセボと比べて1年間の伸びの速さが大きかったと報告されています。この試験では成長ホルモンの薬は併用しないこととされていました。効果には個人差があり、大人になったときの身長を約束するものではありません。

主な副作用は、注射した部分の赤みや腫れなどの反応(85%)、嘔吐(26%)です。一時的に血圧が下がり、めまいや吐き気が出ることがあるため、注射のときは水分を十分にとるよう指導されます。打ち忘れた場合は、次の注射まで12時間以上あれば気づいた時点で注射し、12時間未満なら1回とばして、決めた時間帯に戻すとされています。

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治療はどう選ぶ?手術という選択肢は?

ボソリチドの添付文書に載っている国際共同試験では、成長ホルモン製剤は併用しないこととされていました。両方を同時に使うことについて、この記事で参照した資料に勧める記載は見当たりません。どちらを使うか、途中で切り替えるかは、年齢、身長の程度、大後頭孔や脚の状態などを見て、専門医が個別に判断します。

脚や腕の短さを改善するために、骨を少しずつ延ばす手術(四肢延長術)が行われることもあります。期間や負担については「身長を伸ばす手術(脚延長術)とは?」の記事で説明しています。

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成長とともに、どんなことに気をつける?

小児慢性特定疾病情報センターの解説では、中耳炎は2歳までに多くの子にみられ、長引いて聞こえに影響することがあるとされています。耳の聞こえや言葉の発達は、定期的に確かめましょう。歯並びやかみ合わせの違いもみられることがあります。

背骨の通り道が狭くなる脊柱管狭窄は、子どものうちに起こることはまれですが、大人になって手足のしびれや力の入りにくさ、歩くと脚が痛くなり休むと楽になる症状などとしてあらわれることがあります。難病情報センターは、脊柱管狭窄や関節の変形に対して、長い期間の予防と治療が必要だとしています。

体重が増えすぎると関節や背骨への負担が大きくなるため、日本小児内分泌学会は肥満も合併症の一つに挙げています。食事と運動の工夫は、主治医と相談しながら続けましょう。

ボソリチドの添付文書では、血圧を下げる薬を使っている場合は血圧がさらに下がるおそれがあるため併用に注意すること、重い心臓の病気がある人は臨床試験に含まれていなかったことも書かれています。ほかの薬を使っている場合は、主治医に伝えておきましょう。

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どこで治療を受ける?費用の助成は?

軟骨無形成症の治療は、保険診療として、小児内分泌や小児整形外科などを専門とする医療機関で行われます。軟骨無形成症は小児慢性特定疾病の対象で、薬物療法を行っている場合、手術を行う場合、背骨の変形の治療が必要な場合などが医療費助成の対象です。大人になってからは、症状が一定以上の場合に指定難病(276)の助成の対象になります。

ノビケアは自由診療のオンライン診療で、軟骨無形成症の診断や治療は行っていません。医師による無料相談(ビデオ通話、0円)でお話をうかがい、検査や治療が必要と考えられる場合は、対面の専門の医療機関をご紹介します。

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軟骨無形成症についてよくある質問

Q. ボソリチドは何歳から使えますか?

A. 添付文書では年齢の下限は決められておらず、2歳未満と2歳以上で量が分かれています。始める時期は、体の状態を見て専門医と相談します。

Q. 毎日の注射が続けられるか心配です。

A. 成長ホルモンもボソリチドも、毎日の自己注射が基本です。手順の練習や、痛みを減らす工夫について医療機関で説明を受けられます。

Q. 治療をしない選択はありますか?

A. あります。身長の治療を受けるかどうかにかかわらず、呼吸や背骨、耳などの定期的な確認は続けることが勧められています。

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まとめ

軟骨無形成症は、FGFR3遺伝子の変化による生まれつきの体質です。低身長には成長ホルモンとボソリチドが保険診療で使え、手術という選択肢もあります。乳幼児期からの呼吸や背骨の確認と合わせて、専門医と相談しながら進めましょう。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会「軟骨無形成症・軟骨低形成症」
  2. 小児慢性特定疾病情報センター「軟骨無形成症 概要」
  3. 難病情報センター「軟骨無形成症(指定難病276)」
  4. PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
  5. PMDA「ボックスゾゴ皮下注用 添付文書」(2026年8月改訂 第8版)
  6. 小児慢性特定疾病情報センター「小児慢性特定疾病 対象疾病一覧(令和7年4月1日版)」(PDF)
  7. ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
  8. ノビケア「お問い合わせ」