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小児慢性特定疾病の医療費助成とは?成長ホルモン治療が対象になる条件と申請の流れ

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

小児慢性特定疾病の医療費助成は、国が定めた子どもの慢性の病気について、保険診療の自己負担の一部を公費で助成する制度です。成長ホルモン治療では、成長ホルモン分泌不全性低身長症やターナー症候群などの対象の病気と診断され、保険診療で治療を受ける場合に使えます。2024年4月からは、助成の基準が保険診療の適用基準と同じになりました。原因の見つからない低身長に対する自由診療は対象になりません。

小児慢性特定疾病の医療費助成とは?

子どもの慢性の病気のうち、治療が長く続き医療費の負担が重くなる病気について、医療費の自己負担分の一部を助成する制度です。児童福祉法にもとづき、都道府県・指定都市・中核市などが実施しています。

対象になる病気は、慢性に経過する、生命を長く脅かす、症状や治療が長く生活の質を下げる、長く高額な医療費が続く、のすべてを満たすものとして国が定めています。悪性新生物、内分泌疾患、骨系統疾患など16の疾患群に分かれています。

対象は原則18歳未満の子どもです。18歳になった時点で対象になっていて、その後も治療が必要と認められる場合は、20歳未満まで続けられます。

出典 [1] [2]

成長ホルモン治療に関係する対象の病気は?

小児慢性特定疾病情報センターの対象疾病一覧(2025年4月1日版)には、成長ホルモン治療と関係する病気として、次のようなものが載っています。どの病気も、病名だけでなく「疾病の状態の程度」も定められており、内分泌疾患では、補充療法などの薬物療法を行っている場合などが対象です。

一方、同じ一覧には、SGA性低身長症やSHOX異常症という病名は載っていません。これらは保険で成長ホルモン治療を受けられる病気ですが、医療費助成の対象になるかどうかは、病気や状態によって違う可能性があるため、主治医と自治体の窓口に確認してください。

出典 [3] [4]

2024年4月から、何が変わった?

小児慢性特定疾病情報センターによると、2024年(令和6年)4月1日から、医療費助成での成長ホルモン治療の取り扱いが変わり、保険診療の適用基準と同じになりました。

それまでは、医療費助成で成長ホルモン治療を受けるための独自の基準がありました。たとえば成長ホルモン分泌不全性低身長症では、身長が表の値以下であることやIGF-1の値などの開始基準があり、治療の終了基準として男子156.4cm、女子145.4cmに達したことが定められていました。

日本小児内分泌学会は、この変更は助成のための要件を撤廃したもので、診断基準や保険診療の対象を変えるものではないと説明しています。たとえば成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断には、これまでどおり成長ホルモン分泌刺激試験が必要です。「身長が低ければ誰でも助成が受けられるようになった」という意味ではありません。

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保険診療の基準とは、どんなもの?

2024年4月からは助成の基準が保険診療の適用基準と同じになったため、保険で成長ホルモン治療を始める基準が、そのまま助成の目安になります。基準は病気ごとに、各製剤の添付文書に書かれています。

たとえばターナー症候群では、染色体検査で確定診断され、身長が標準の−2SD以下か、1年間の伸びが2年以上続けて標準の−1.5SD以下であることが条件です。治療中は1年ごとに伸びを判定し、基準を満たさない場合や骨年齢が15歳以上に達した場合は中止するとされています。

成長ホルモン分泌不全性低身長症では、国の研究班の診断の手引きにもとづいて診断された患者に限るとされています。病気ごとの基準のくわしい内容は、主治医に確認しましょう。

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助成を受けるための条件は?

成長ホルモン治療で助成を受けるには、おおむね次の条件をすべて満たす必要があります。一つでも当てはまらない場合は、助成の対象になりません。

とくに、医療費助成の対象は指定医療機関で行われた保険診療です。保険の対象にならない使い方をする自由診療の成長ホルモン治療には使えません。

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申請は、どんな流れで進める?

小児慢性特定疾病情報センターは、申請の大まかな流れを次の4つの段階で示しています。必要な書類は自治体によって違うことがあるため、お住まいの自治体の窓口で確認しましょう。

医療意見書の作成に時間がかかるときは、先に自治体の窓口に申請の相談をするよう案内されています。受給者証の認定期間は原則1年で、更新の時期は自治体によって違います。治療を続ける場合は、更新の手続きも忘れないようにしましょう。

段階内容
1 指定医療機関を受診助成の対象は、指定医療機関で行われた保険診療。指定医療機関の一覧は自治体が公表している
2 医療意見書の作成医療意見書を書けるのは小児慢性特定疾病指定医だけ。指定医の一覧も自治体が公表している
3 自治体の窓口へ申請医療意見書を含む必要書類をそろえ、住んでいる自治体の窓口に申請する
4 審査と結果の通知小児慢性特定疾病審査会が認定を審査し、結果が通知される

出典 [9]

自己負担は、いくらになる?

厚生労働省の資料では、医療費助成を受けると窓口での負担割合は2割になり、世帯の所得に応じて1か月の自己負担の上限額が決まります。外来と入院を区別せず、複数の医療機関や薬局での負担を合算して上限を当てはめます。

下の表は、厚生労働省の概要資料(PDF。対象疾病を788疾病としていた時点のもの)に示された上限額(月額)です。入院時の食事代は2分の1が自己負担です。資料の作成時点が新しくないため、現在の金額と同じとは限りません。実際の上限額は、お住まいの自治体の窓口で確認してください。

階層区分(年収の目安は夫婦2人・子1人の世帯)一般重症
生活保護0円0円
市町村民税非課税・低所得Ⅰ(〜約80万円)1,250円1,250円
市町村民税非課税・低所得Ⅱ(約80万円超〜)2,500円2,500円
一般所得Ⅰ(約200万〜約430万円)5,000円2,500円
一般所得Ⅱ(約430万〜約850万円)10,000円5,000円
上位所得(約850万円〜)1万5,000円10,000円

出典 [1] [10]

ほかの制度との関係は?

医療費助成を使わない場合でも、保険診療であれば、1か月の自己負担が上限を超えたときに払い戻しを受けられる高額療養費制度があります。上限額は年齢や所得によって決まります。

市区町村が独自に行っている子どもの医療費の助成もあります。対象年齢や内容は自治体ごとに違うため、小児慢性特定疾病の助成とどちらを使うかも含めて、窓口で相談しましょう。

費用全体の考え方は「成長ホルモン治療の費用は何で決まる?」の記事で説明しています。

出典 [11]

どこに相談すればよい?

助成の対象になりそうかどうかは、まず主治医に尋ねましょう。病気の診断や医療意見書は医師が行い、申請の手続きは自治体の窓口が案内します。

ノビケアの成長ホルモン治療は自由診療のため、この医療費助成は使えません。医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、保険診療や助成の対象になりうる病気が疑われる場合は、対面の医療機関をご紹介しています。

出典 [12] [13]

小児慢性特定疾病の医療費助成についてよくある質問

Q. 身長が低いだけで、助成の対象になりますか?

A. なりません。対象の病気と診断され、保険診療の基準を満たした治療であることが必要です。

Q. 医療意見書は、かかりつけの小児科で書いてもらえますか?

A. 医療意見書を書けるのは小児慢性特定疾病指定医です。かかりつけの医師が指定医かどうかは、自治体が公表している指定医の一覧で確かめられます。

Q. 2024年3月以前の基準で対象外と言われました。

A. 2024年4月から取り扱いが変わっています。今の状況で対象になるかどうか、主治医と自治体の窓口に改めて相談してください。

出典 [9] [5]

まとめ

小児慢性特定疾病の医療費助成は、対象の病気と診断され、指定医療機関で保険診療の成長ホルモン治療を受ける場合に使える制度です。2024年4月からは保険診療の基準と同じになりました。申請は指定医の医療意見書をそろえて自治体の窓口に行い、受給者証は原則1年ごとに更新します。

出典 [5] [9]

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 厚生労働省「小児慢性特定疾病の医療費助成の概要」(PDF)
  2. 小児慢性特定疾病情報センター「医療費助成の概要」
  3. 小児慢性特定疾病情報センター「小児慢性特定疾病 対象疾病一覧(令和7年4月1日版)」(PDF)
  4. 小児慢性特定疾病情報センター「小児慢性特定疾病における成長ホルモン治療の認定基準(令和6年3月まで)」
  5. 小児慢性特定疾病情報センター「成長ホルモン治療について」
  6. 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
  7. PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
  8. PMDA「ジェノトロピンゴークイック注用 添付文書」(2023年12月改訂 第3版)
  9. 小児慢性特定疾病情報センター「手続きの流れ」
  10. 小児慢性特定疾病情報センター「医療費助成に係る自己負担上限額」
  11. 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
  12. ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
  13. ノビケア「お問い合わせ」