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成長ホルモン製剤の種類は?毎日型と週1回型の違いと、承認されている病気
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
日本で子どもの低身長に使われる成長ホルモン製剤には、毎日注射するソマトロピン製剤(ノルディトロピン、ジェノトロピン、グロウジェクト、ソマトロピンBS「サンド」)と、週1回注射する製剤(ソグルーヤ、エヌジェンラ)があります。製剤ごとに、国が承認した病気や量が違います。どの製剤を使うかは、診断と承認の範囲をもとに医師が決めます。
日本で使われている成長ホルモン製剤には、どんなものがある?
厚生労働省の薬価基準収載品目リスト(注射薬、2026年8月13日収載分までを反映したもの)に載っている成長ホルモン関連の製剤は、次のとおりです。薬価基準に載っている製剤は、承認された病気に対して保険診療で使えます。
ソマトロピンは、体の中で作られる成長ホルモンと同じ構造のたんぱく質を、遺伝子組換えの技術で作った成分です。日本小児内分泌学会も、ヒトの体で作られるのと全く同じ構造の成長ホルモンが薬として使われていると説明しています。
ソマトロピンBS「サンド」は、薬価基準のリストで後発品に分類されています。添付文書には、先に承認された製剤と比べた試験の結果が載っています。
- ノルディトロピン フレックスプロ注(ソマトロピン、ノボ ノルディスク ファーマ):毎日型
- ジェノトロピンTC注用・ジェノトロピンゴークイック注用(ソマトロピン、ファイザー):毎日型
- グロウジェクト皮下注(ソマトロピン、JCRファーマ):毎日型
- ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル(ソマトロピン、サンド):毎日型
- ソグルーヤ皮下注(ソマプシタン、ノボ ノルディスク ファーマ):週1回型
- エヌジェンラ皮下注ペン(ソムアトロゴン、ファイザー):週1回型
毎日型と週1回型は、何が違う?
毎日型のソマトロピン製剤は、1週間分の量を6〜7回に分けて皮下に注射します。たとえば成長ホルモン分泌不全性低身長症では、ノルディトロピンの添付文書で、1週間に体重1kgあたり0.175mgを6〜7回に分けて注射するとされています。
週1回型は、体の中で長く働くように作られた製剤です。ソグルーヤは「長時間作用型ヒト成長ホルモンアナログ製剤」、エヌジェンラは「長時間作用型遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤」とされ、どちらも同じ曜日に週1回注射します。
成分の作りが違うため、量の決め方も違います。成長ホルモン分泌不全性低身長症では、ソグルーヤは体重1kgあたり0.16mg、エヌジェンラは体重1kgあたり0.66mgを週1回とされています。mgの数字だけを見て、製剤どうしの量を比べることはできません。
日本小児内分泌学会は、週1回型の製剤は2022年から成長ホルモン分泌不全性低身長症に使えるようになったと説明しています。注射の手順や打ち忘れたときの決まりは「成長ホルモン注射の打ち方は?」の記事で説明しています。
製剤ごとに、承認されている病気はどう違う?
成長ホルモン製剤には、それぞれ国が承認した「効能又は効果」があり、添付文書に書かれています。子どもの低身長に関係する病気は、どれも「骨端線閉鎖を伴わない」ことが条件です。
下の表は、各製剤の添付文書(PMDAに掲載されている2026年10月3日時点の版)で、子どもの低身長について承認されている病気をまとめたものです。添付文書は改訂されることがあるため、実際の処方では最新の版が使われます。
同じソマトロピンでも、製剤によって承認された病気が違います。たとえば軟骨異栄養症はノルディトロピン、SHOX異常症はグロウジェクト、慢性腎不全とプラダー・ウィリ症候群はジェノトロピンとソマトロピンBS「サンド」の添付文書に記載があります。
| 製剤 | 子どもの低身長で承認されている病気(骨端線閉鎖を伴わないもの) |
|---|---|
| ノルディトロピン | 成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、軟骨異栄養症、SGA性低身長症、ヌーナン症候群 |
| ジェノトロピン(TC・ゴークイック) | 成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、慢性腎不全、SGA性低身長症、プラダー・ウィリ症候群 |
| グロウジェクト | 成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、SGA性低身長症、SHOX異常症 |
| ソマトロピンBS「サンド」 | 成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群、慢性腎不全、SGA性低身長症、プラダー・ウィリ症候群 |
| ソグルーヤ | 成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症、ヌーナン症候群 |
| エヌジェンラ | 成長ホルモン分泌不全性低身長症 |
同じ製剤でも、病気によって量は変わる?
変わります。ノルディトロピンの添付文書では、1週間に体重1kgあたり、成長ホルモン分泌不全性低身長症は0.175mg、ターナー症候群と軟骨異栄養症は0.35mg、SGA性低身長症とヌーナン症候群は0.23mg(効果が不十分な場合は0.47mgまで増量)とされています。
週1回型のソグルーヤでも、成長ホルモン分泌不全性低身長症は体重1kgあたり0.16mg、SGA性低身長症とヌーナン症候群は0.24mgと、病気によって量が分かれています。ソグルーヤは2026年6月の添付文書改訂で、SGA性低身長症とヌーナン症候群が効能に加わっています。
どの製剤でも量は体重で決まるため、成長して体重が増えると量も見直されます。保護者が自分の判断で量を変えないでください。
注入器や保管のしかたにも違いはある?
製剤によって、使う前に薬を溶かす必要があるか、使い始めてから何日まで使えるかが違います。ジェノトロピンは、粉末と溶解液が一つのカートリッジに入っていて、専用の注入器などで溶かしてから使います。
添付文書に書かれた、使い始めてからの使用期限の例を下の表にまとめました。どれも冷蔵庫(2〜8℃)で凍らせずに保管するのが基本です。期限を過ぎた薬は、残っていても使えません。
| 製剤 | 使い始めて(溶かして)からの期限 |
|---|---|
| ノルディトロピン | 35日以内 |
| ジェノトロピンゴークイック | 溶かしてから4週間以内 |
| グロウジェクト | 35日以内 |
| ソマトロピンBS「サンド」 | 28日以内 |
| ソグルーヤ | 6週間以内(室温は通算72時間まで) |
| エヌジェンラ | 4週間以内 |
どの製剤を使うかは、誰がどう決める?
保険診療では、診断された病気に対して承認されている製剤の中から、医師が選びます。たとえばSHOX異常症と診断された場合は、その病気が添付文書に載っている製剤が候補になります。
そのうえで、毎日の注射と週1回の注射のどちらが生活に合うか、注入器の扱いやすさ、保管のしやすさなども相談しながら決めていきます。週1回型は、承認されている病気が毎日型より限られています。
治療の途中で製剤を変えることもありますが、量の決め方や注射の間隔が変わるため、医師の説明を受けてから切り替えます。
承認されていない病気に使うと、どうなる?
添付文書に書かれた病気以外への使用は「適応外使用」になり、保険診療の対象になりません。日本小児内分泌学会は、成長ホルモンは承認された病気に対し、添付文書にしたがって使うことが必要だとしています。
原因となる病気が見つからない低身長に成長ホルモン製剤を使う場合も、適応外使用です。くわしくは「自由診療の成長ホルモン治療とは?」の記事で説明しています。
ノビケアの成長ホルモン治療は、国内で承認されたソマトロピン製剤を自宅で毎日1回注射する自由診療で、原因となる病気が見つからない低身長への使用は適応外使用です。保険診療の対象になりうる病気が疑われる場合は、対面の医療機関をご紹介しています。
成長ホルモン製剤についてよくある質問
Q. 週1回型のほうが、身長はよく伸びますか?
A. 製剤の違いで伸び方を約束することはできません。どの製剤が合うかは、病気と承認の範囲、生活の状況をもとに医師と相談してください。
Q. 製剤の名前を指定して処方してもらえますか?
A. 希望を伝えることはできますが、診断された病気に承認されている製剤であるかどうかが前提です。最終的には医師が判断します。
Q. 旅行のときは、どの製剤も同じように持ち運べますか?
A. 冷蔵の必要性や室温で置ける時間は製剤ごとに違います。添付文書や医療機関の説明で確認してください。
まとめ
成長ホルモン製剤には毎日型のソマトロピン製剤と週1回型の製剤があり、製剤ごとに承認された病気、量、保管の決まりが違います。どの製剤を使うかは、診断と承認の範囲をもとに医師と相談して決めましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト 注射薬」(Excel、2026年8月13日収載品目を反映、2026年10月3日確認)
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- PMDA「ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル 添付文書」(2026年8月改訂 第3版)
- PMDA「ノルディトロピン フレックスプロ注 添付文書」(2025年9月改訂 第3版)
- PMDA「ソグルーヤ皮下注 添付文書」(2026年6月改訂 第4版)
- PMDA「エヌジェンラ皮下注ペン 添付文書」(2026年7月改訂 第3版)
- PMDA「ジェノトロピンゴークイック注用 添付文書」(2023年12月改訂 第3版)
- PMDA「ジェノトロピンTC注用 添付文書」(2023年12月改訂 第3版)
- PMDA「グロウジェクト皮下注 添付文書」
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)