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成長期・思春期・骨端線読む時間 約6分
背を高く見せる中敷き・厚底靴を使いたいと言われたら:足への影響と、話し合いのしかた
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
背を高く見せる中敷きや厚底靴は、見た目の高さを変えるもので、身長そのものを伸ばすものではありません。かかとが高い状態が続くと、つま先に体重がかかりやすくなり、成長期の足に負担がかかることがあります。頭ごなしに禁止するより、背を気にしている気持ちを受け止めたうえで、足に合う靴を基本にし、使う場面を一緒に決めましょう。
「背を高く見せたい」と言われたら、まずどう受け止める?
中敷きや厚底靴を使いたいという言葉の奥には、背のことで悩んでいる気持ちがあることが多いものです。おしゃれとして厚底の靴を選ぶ子もいますが、「背を高く見せたい」と言うときは、友だちとの身長差や、見た目への不安を抱えているのかもしれません。
厚生労働省のサイトは、子どもの話を聞くときは、話をさえぎって自分の意見を言う、子どもの言うことを軽く扱ったり否定したりする、といったことを避けるよう勧めています。「そんなの意味ない」と言う前に、いつから気になっているのか、どんな場面で使いたいのかを聞いてみましょう。
中敷きや厚底で、身長は伸びる?
中敷きや厚底は、立ったときの目の高さを変えるだけで、骨の長さを変えるものではありません。身長が伸びるのは骨端線(骨の成長する部分)が閉じるまでで、靴の高さはその伸び方には関係しないと考えられます。
学校の健康診断では、身長は靴下を脱いで、かかとをそろえて測ることが学校保健安全法施行規則で決められています。中敷きや厚底を使っても、学校の記録の身長は変わりません。本人にもこのことを伝えておくと、「測ったときにがっかりする」ことを防げます。
インターネットでは、背を伸ばす効果をうたう商品の広告を見かけることがあります。中敷きはあくまで見た目の工夫と考え、身長を伸ばすとうたう商品については「中高生の子が自分で身長サプリやグッズを買おうとしたら」のコラムを参考にしてください。
かかとが高くなると、足には何が起こる?
日本靴医学会は、子どもの靴について、ヒールが2.5cmを越える高さになると、つま先だけで歩いたり、不自然な歩き方になったりするので、履かせるべきではないとしています。背を高く見せる中敷きは、靴の中でかかとを持ち上げるため、外から見えなくても、かかとの高い靴と似た状態になると考えられます。
日本整形外科学会は、外反母趾の大きな原因は靴で、つま先の細い靴で親指のつけ根から先が圧迫されることや、ヒールの高い靴でつけ根にかかる力が増えることが変形を強くするとしています。10歳代に起こる外反母趾もあり、親指が人差し指より長い、扁平足ぎみといった特徴があるとなりやすいとされています。
また、中敷きを重ねると靴の中が狭くなり、指先やかかとがきつくなります。厚くて硬い靴底は、足首が不安定になったり、つまずきやすくなったりすることもあります。
成長期の足で、とくに気をつけたいことは?
足は身長より早く伸び始めて、早く伸び終わるとされています。中学生のころは靴がすぐに小さくなる時期で、サイズの合わない靴をはき続けやすくなります。日本靴医学会は、子どもはすぐ大きくなるからと大きめの靴を買い与えがちだが、ぶかぶかでは十分に走り回れないとし、高価な靴でなくてよいので、サイズの合った靴を年に2回は買うよう勧めています。
日本整形外科学会は、運動による足の痛みの背景として、使いすぎのほか、足の形や合わない靴などを挙げ、足に合ったシューズを選ぶことを予防として勧めています。成長期にかかとを痛がるときは、シーバー病のこともあります。くわしくは「シーバー病とは?」のコラムで説明しています。
足に合う靴を選ぶときは、何を確かめればよい?
日本の靴のサイズは、足の長さを基本に、足の周りの太さや幅とあわせて表すのが一般的です。成長期は長さだけでなく幅も変わるので、店で両足の長さと幅を測ってもらってから選ぶと安心です。靴を選ぶときは、次の点を確かめてみましょう。
日本靴医学会は、16歳で外反母趾の痛みがある女の子の相談に対して、多くの場合は外反母趾が強いというより間違った靴が原因だとし、学校で決められた靴は横幅の狭いものが多いようだと答えています。学校指定の靴が足に合わないときは、学校に相談してみてもよいでしょう。
- 親指のつけ根はぴったり合い、つま先はゆったりしている(日本整形外科学会が外反母趾の予防として勧める選び方)
- 靴の先で足の指が自由に動かせる
- ひもやベルトで、甲の部分を調節できる
- かかとが浮いたり、ぶかぶかしたりしない
- 中敷きを入れるなら、入れた状態で試しばきをする
使う場面は、どう分ければよい?
背を高く見せる靴を一切使わない、と決めるより、足への負担が大きい場面を避ける考え方のほうが、本人も受け入れやすいかもしれません。たとえば、次のような分け方があります。
警察庁の「交通の方法に関する教則」は、自転車に乗るときは、げたやハイヒールを履いて乗らないよう呼びかけています。ペダルを踏みにくい靴での自転車は避けましょう。
- 体育、部活、通学など、長く歩いたり走ったりする日は、足に合った運動靴を基本にする
- 自転車に乗る日は、靴底が平らで、ペダルを踏みやすい靴にする
- 出かける日だけ使うなど、時間を区切って使う
- 足の指やかかとが痛い、赤くなっている、まめができたときは使うのをやめる
- 学校に履いていく靴は、学校のきまりを確かめる
親子では、どう話し合えばよい?
話し合いでは、「足を守るためのルール」と「見た目を整えたい気持ち」の両方を大切にしましょう。靴売り場で足の長さと幅を一緒に測ってもらい、今の足に合うサイズを確かめると、本人も靴の大切さを実感しやすくなります。
日本靴医学会は、子どもは靴が合わなくても痛くなるまで自分からは言わないことが多いとして、靴を脱いだときに赤くなっているところがないか、爪が変形していないかを見るよう勧めています。中敷きを使い始めたら、ときどき足の様子を一緒に確かめましょう。
背を高く見せる工夫は、靴以外にもあります。姿勢や服の選び方など、体に負担のない方法を一緒に考えるのも一つの方法です。
出典 [5]
背の悩みそのものは、どこに相談できる?
背を高く見せたいという気持ちが強いときは、伸び方が順調かどうかを一度確かめておくと、本人も家族も落ち着いて考えやすくなります。母子健康手帳や学校の記録を集めて成長曲線をつけ、伸びが小さくなっている、思春期の変化が遅いといったときは、小児科で相談しましょう。中高生の相談先は「中学生・高校生の身長の悩みは何科に相談する?」のコラムで説明しています。
ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でも、お手元の身長の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
中敷きや厚底靴についてよくある質問
Q. 医療機関で作る中敷き(足底板)とは違うのですか?
A. 日本整形外科学会は、足の痛みの治療や予防に足底装具(インソール)を使うことがあるとしています。これは足の形や痛みに合わせて作るもので、背を高く見せる中敷きとは目的が違います。足の痛みがあるときは、整形外科で相談しましょう。
Q. 少しの高さなら、毎日使っても大丈夫ですか?
A. どのくらいの高さなら成長期の足に問題がないかを示した、学会や公的機関の基準は見当たりません。毎日使う場合は、足の痛みや赤み、歩き方の変化がないかを見て、気になるときは整形外科で相談してください。
Q. 背の低さを気にして、外に出たがりません。
A. 靴の話より先に、気持ちの面を大切にしましょう。気持ちの落ち込みが続く、学校に行きたがらないといった様子があるときは、かかりつけの小児科や学校の先生に相談してください。
まとめ
中敷きや厚底靴は見た目の高さを変えるもので、身長を伸ばすものではありません。かかとが高い状態が続くと成長期の足に負担がかかることがあるため、足に合う靴を基本にし、使う場面と時間を親子で決めましょう。背の悩みが強いときは、記録をもとに伸び方を確かめてみてください。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「話を聞くときのポイント」
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「避けたいこと」
- e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」(第7条 健康診断の方法及び技術的基準:身長の測り方)
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- 日本靴医学会「足と靴専門の医師がお答えしますQ&A:子供に関する事」(子どもの靴のサイズの確かめ方、子どもにふさわしいヒールの高さ)
- 日本整形外科学会「外反母趾」(症状・病気をしらべる)
- Zeitschrift für Morphologie und Anthropologie「Longitudinal analysis of adolescent growth of foot length and stature of children living in Ogi area of Japan: a 12 years data」(1998年、PubMed)
- 日本整形外科学会「足の慢性障害」
- 日本産業標準調査会(JISC)「JISリスト」(JIS S 5037 靴のサイズ)
- 警察庁掲載「交通の方法に関する教則」(昭和53年国家公安委員会告示第3号、PDF。第3章「自転車に乗る人の心得」:体に合わない自転車に乗らない、子どもにヘルメットをかぶらせる、自転車の点検、13歳未満の子どもの歩道通行)
- ノビケア「お問い合わせ」
- 厚生労働省 こころもメンテしよう「こころのSOSサインに気づく」