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低身長の基準と受診の目安読む時間 約6分

親の身長が分からないときの成長の見方(養子・里親など)

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

実の親の身長が分からなくても、お子さんの成長はきちんと確かめられます。両親の身長から大人の身長の目安を出すことはできませんが、医師が成長を見るときの中心は、成長曲線での伸び方と1年の伸びです。分かる範囲の出生時や健診の記録を集め、分からないことは「不明」として伝えれば十分です。環境が変わったあとに伸びが追いつくこともあれば、思春期の時期に気をつけたい場合もあるため、記録を続けて気になるときに相談しましょう。

親の身長が分からないと、何が分からない?

両親の身長からは、子どもの大人の身長のおおよその目安(ターゲットハイト)を計算できます。日本の子ども向けの式は、父と母の両方の身長を使います。実の親の身長が分からない場合や、どちらか一方しか分からない場合は、この目安を計算できません。

ただし、この目安には男の子で上下9cm、女の子で上下8cmほどの幅があり、もともと一人ひとりの身長を言い当てるものではありません。目安がないことで、成長の評価ができなくなるわけではありません。片方の親の身長だけが分かっている場合の扱いは、医師に相談してください。

出典 [1]

親の身長が分からなくても、確かめられることは?

日本小児内分泌学会は、身長が低いかどうかや伸び方を、成長曲線で確かめることを勧めています。これは、親の身長が分かっていてもいなくても同じです。次の点は、お子さん自身の記録から確かめられます。

医師は、これらに加えて、必要に応じて手のエックス線で骨の成熟の程度(骨年齢)を調べたり、血液検査をしたりして、伸び方の理由を考えます。

出典 [2] [3]

これまでの記録は、どう集める?

米国小児科学会は、養子として家族に迎えた子の健康を確かめるとき、手に入るすべての医療記録と、聞き取れる経過を確認することから始めるよう勧めています。身長の相談でも、生まれたときの体重・身長、在胎週数、乳幼児健診の記録が大切な手がかりになります。

母子健康手帳や健診の記録が引き継がれていない場合は、委託や縁組にかかわった児童相談所やあっせん機関に、伝えてもらえる健康の記録があるか尋ねてみる方法があります。迎えたあとの記録は、園や学校の健康診断の記録も含めて集めましょう。集め方は「母子手帳・学校の身長記録を集めるには」のコラムで説明しています。

家に迎えたときには、その日に近い時期に身長と体重を測り、日付とともに残しておきましょう。迎えたあとの伸びを確かめるときの出発点になります。

分からない記録があっても、相談はできます。「この時期の記録はない」「実の親の身長は不明」と、そのまま伝えてください。

出典 [4]

里親と特別養子縁組では、相談のときに違いはある?

こども家庭庁によると、日本ではさまざまな事情で親と暮らすことができない子どもが約4万2千人います。里親制度は、こうした子どもを家庭に迎え入れて育てる制度で、子どもとのあいだに法的な親子関係はなく、親権は実の親のもとにあります。特別養子縁組は、法的な親子関係を結ぶ制度です。

里親のもとで暮らす子の場合、検査や治療について誰の同意が必要になるかは、状況によって違います。とくに継続した治療を考える段階では、担当の児童相談所と医療機関に、前もって確認しておきましょう。

出典 [5] [6]

迎えたあと、急に伸びることはある?

あります。暮らしの環境が大きく良くなると、それまでの伸びの遅れを取り戻す「キャッチアップ成長」が見られることがあります。栄養状態のよくない地域から、より恵まれた環境の家庭に養子や里子として迎えられた5歳未満の子485人をまとめて分析した研究(Advances in Nutrition誌、2025年)では、迎えられたときに平均3.9cmあった身長の遅れが、およそ77%縮まっていました。2歳を過ぎてから迎えられた子でも、追いつきが見られています。

追いついていく時期には、1年の伸びが年齢の目安より大きくなることがあります。急に伸びてきたときは、喜ぶと同時に、思春期のサインが早く出ていないかもあわせて確かめましょう。

この研究は、栄養状態のよくない地域から移った子が中心で、日本国内で迎えられた子にそのまま当てはまるとは限りません。強いストレスが長く続く環境と身長の関係は「ストレスは身長に影響する?」のコラムで、追いつくしくみは「キャッチアップ成長とは?」のコラムで説明しています。

出典 [7]

思春期の時期に、気をつけることはある?

デンマークの全国の記録を使った研究(Pediatrics誌、2006年)では、海外から養子として迎えられた子は、デンマーク生まれの子に比べて思春期早発症と診断される割合が高く、とくに2歳を過ぎてから迎えられた子で高い傾向がありました。一方、出身国によっては高くならない場合もあり、研究者は環境の影響の可能性を指摘しています。

この結果を日本で迎えられた子にそのまま当てはめることはできませんが、思春期の始まりの時期は大人の身長に関わります。日本小児内分泌学会は、思春期の変化は女の子で10歳ごろ、男の子で12歳ごろから始まるのが普通で、それより2〜3年以上早いものを思春期早発症としています。胸のふくらみや陰毛などが早いと感じたら、早めに相談しましょう。

同じ研究は、養子では本当の年齢がはっきりしないことがある点も挙げています。生年月日が推定の場合は、相談のときにそのことも伝えてください。

出典 [8] [9]

成長曲線を書くときに、工夫できることは?

家に迎えた日や、暮らす環境が変わった時期を、成長曲線の横軸に印で書き込んでおくと、その前後で伸び方が変わったかが見やすくなります。迎える前の記録と、迎えたあとに自分たちで集めた記録は、出どころが分かるように分けて書いておきましょう。

迎えたばかりのころは、記録の間隔があいていたり、測り方がそろっていなかったりすることがあります。最初の1〜2年は、園や学校の健康診断と、家で同じ条件で測った記録を続けて、線の形を確かめていきましょう。書き方は「成長曲線の書き方は?」のコラムで説明しています。

出典 [3]

子どもに、身長のことをどう話す?

身長の話は、実の親のことにつながりやすい話題です。「お父さんやお母さんに似たのかな」といった何気ない言葉が、子どもにとって答えにくい問いになることもあります。

測るときは、その子自身の記録と比べて「去年より伸びたね」と伝えるようにしましょう。生い立ちについてどこまで話しているかは家庭ごとに違うため、受診の前に、医師に伝えておきたいことと、子どもの前では話してほしくないことを整理しておくと安心です。

子どもが成長して、自分の身長や将来の背丈を気にするようになったら、「分からないこともあるけれど、今の伸び方は記録で確かめられるよ」と、一緒に成長曲線を見るのも一つの方法です。

親の身長が分からないときの成長の見方についてよくある質問

Q. 親の身長が分からないと、専門の病院で診てもらえませんか?

A. 診てもらえます。医師は、お子さん自身の伸び方や診察、検査の結果をもとに判断します。

Q. 迎えてから急に伸びています。様子を見てよいですか?

A. 環境が整って追いついていることが考えられます。ただ、思春期のサインが早く出ていないかもあわせて見て、気になるときは相談しましょう。

Q. 生年月日がはっきりしません。成長曲線はどう書けばよいですか?

A. 届け出の生年月日で書き、推定であることを書き添えておきましょう。医師が、骨年齢などとあわせて考えます。

まとめ

実の親の身長が分からなくても、成長曲線での伸び方と1年の伸びから、お子さんの成長は確かめられます。分かる記録を集め、分からないことは不明のまま伝えましょう。環境が変わったあとの追いつきや思春期の時期にも目を配り、気になるときは相談を。伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬を処方する2回目の診察には、お子さまにも参加していただきます。

出典 [2] [10]

お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本小児内分泌学会 Clinical Pediatric Endocrinology「Target Height and Target Range for Japanese Children: Revisited」(Ogata T ほか, 2007)
  2. 日本小児内分泌学会「低身長」
  3. 日本小児内分泌学会「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル ダウンロードサイト」
  4. Pediatrics「Comprehensive Health Evaluation of the Newly Adopted Child」(米国小児科学会の臨床報告、Jones VF・Schulte EE、2019年、PubMed)
  5. こども家庭庁「里親制度等について」
  6. こども家庭庁「里親・養子縁組のこと|不妊のこと DICTIONARY」(里親制度と特別養子縁組制度の違い)
  7. Advances in Nutrition「Adoption or Placement in Foster Care and Catch-up in Linear Growth and Development: A Meta-Analysis of Individual Participant Data」(Leroy JL ほか、2025年、9研究・5歳未満の485人、PMC)
  8. Pediatrics「Increased risk of precocious puberty in internationally adopted children in Denmark」(Teilmann G ほか、2006年、デンマークの全国登録、PubMed)
  9. 日本小児内分泌学会「思春期早発症」
  10. ノビケア「お問い合わせ」