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アルギニンで身長は伸びる?成長ホルモンとの関係と安全面
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
アルギニンをサプリメントでとっても、成長ホルモンの分泌が促されるとは考えられず、身長が伸びるという科学的な根拠もありません。成長ホルモンの検査では大量のアルギニンを点滴で使いますが、サプリメントの量はその一部にすぎません。子どもでの健康被害の報告もあるため、自己判断で与えないようにしましょう。
アルギニンとは?
アルギニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一つです。厚生労働省のe-ヘルスネットは、人の体のたんぱく質は20種類のアミノ酸からできていて、体の中でつくれない「必須アミノ酸」と、つくれる「非必須アミノ酸」に分けられると説明しています。
e-ヘルスネットが成人の必須アミノ酸として挙げている9種類に、アルギニンは含まれていません。ふだんの食事でたんぱく質をとれば、アルギニンも一緒にとることになります。
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所によると、アルギニンは日本薬局方に収載されていて、食品添加物としても使われています。国内では「成長ホルモンの分泌を促進する」などと俗に言われていることから、同研究所が論文の結果を調べています。
アルギニンは何に使われている?
医薬基盤・健康・栄養研究所によると、L-アルギニンは日本薬局方に収載されていて、食品添加物としては調味料や栄養を強化する目的で使われています。
同じ研究所の情報では、アルギニンなどを関与成分とし、身体活動と組み合わせて体脂肪を減らすのを助ける旨の表示が許可された特定保健用食品があるとされています。アルギニンを含む機能性表示食品も届け出られています。
これらは子どもの身長を伸ばすことを目的にしたものではありません。「アルギニン入り」と書かれていても、身長への効果が認められているわけではない点に注意しましょう。
同じ研究所は、血圧や血管の働きなど、主に大人を対象にした研究の結果をまとめていますが、子どもの身長について効果を示した研究は紹介されていません。
出典 [2]
アルギニンで成長ホルモンは増える?
日本小児内分泌学会によると、アルギニンは成長ホルモンの分泌を調べる検査の薬として使われています。この検査では、体重1kgあたり0.5gを30分かけて点滴で血管に入れます。体重30kgの子どもなら15gです。
一方、サプリメントとして売られているアルギニンの量は、検査で使う量の50分の1から5分の1程度と少なく、血液中のアルギニン濃度はわずかに上がる程度と考えられるとしています。このため学会は、サプリメントとして飲んでも成長ホルモンの分泌が促されるとは考えられないとしています。
医薬基盤・健康・栄養研究所の情報では、健康な成人男性29人を対象にした試験で、アルギニン10gをとった後に血液中の成長ホルモンが高かったという報告が紹介されています。ただし、これは大人を対象にした1つの試験で、身長の伸びを調べたものではありません。
成長ホルモンの値が一時的に上がることと、身長が伸びることは同じではありません。次の項目で説明するように、分泌を促しても身長は伸びなかったという研究結果があります。
アルギニンで身長が伸びたという根拠はある?
医薬基盤・健康・栄養研究所は、アルギニンについて、メタ分析とランダム化比較試験という信頼性の高い研究を調べています。その結果、「発育・成長」の分野のメタ分析は、調べた文献の中に見当たらなかったとしています。
日本小児内分泌学会は、成長ホルモンの分泌を強く促す薬(GHRP-2)の点鼻薬を、低身長の子ども約120人に1年間使った試験を紹介しています。1年の平均の伸びは、偽薬で5.5cm、低用量で5.2cm、高用量で5.1cmで、差はありませんでした。
学会はこの結果から、薬で1日2回程度成長ホルモンの分泌を促しても、もともとの成長率以上には身長が伸びないことが示されたとしています。アルギニンのサプリメントは、この薬よりさらに作用が弱いと考えられます。
2025年9月に改定された学会の見解では、健康な子の背を高くする効果が科学的に証明された成分は存在しないとも明記されています。
アルギニンのサプリは安全?
日本小児内分泌学会は、成長ホルモンの分泌を促すとして宣伝される成分について、健康を損なうリスクが十分に検証されていないことに注意が必要だとしています。
医薬基盤・健康・栄養研究所によると、日本では、低身長を気にした父親が購入したアルギニンのカプセルを毎日飲んでいた13歳の男の子に、食道の違和感や胸の痛みが起き、薬剤性の食道炎と診断されたという報告があります。飲むのをやめて治療を受け、よくなったとされています。
同じ研究所のコラムは、子どもはサプリメントで体調を崩しやすく、子どもへのサプリメントの利用は基本的にリスクのほうが大きいと判断できるとしています。持病があって薬を飲んでいる子は、飲み合わせの面からも、使う前に医師に相談してください。
食事からとるアルギニンは気にしたほうがいい?
アルギニンは、肉や魚、大豆製品など、たんぱく質を含む食品に含まれています。ふだんの食事でたんぱく質をとっていれば、アルギニンだけを特別に意識する必要はないと考えられます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、たんぱく質の推奨量は示されていますが、アルギニン単独の摂取量の基準は示されていません。医薬基盤・健康・栄養研究所のコラムも、食事摂取基準で決められている栄養素以外の成分を、子どもがサプリメントでとることは勧めないとしています。
成長期に必要なのは、特定のアミノ酸ではなく、主食・主菜・副菜のそろった食事で、たんぱく質を含む必要な栄養をとることです。
たんぱく質を多く含む食品の選び方や1日の必要量は、たんぱく質の記事で詳しく説明しています。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品をいろいろ組み合わせて食べましょう。
成長ホルモンのことが気になるなら?
日本小児内分泌学会は、子どもの成長に一番役立つのは、適度な運動、バランスのとれた食事、しっかりした睡眠だとしています。成長ホルモンの分泌を気にしてサプリメントを探すより、まずは生活リズムを整えましょう。
成長ホルモンが本当に足りないかどうかは、身長の伸び方の記録や診察、検査をもとに医師が判断します。日本小児内分泌学会は、成長ホルモンが不足している場合には、治療で補うことにより身長が伸びると説明しています。
身長の伸びが落ちてきた、同じ年齢の子と比べてかなり小さいといった場合は、サプリメントで様子を見るより先に、記録を持って小児科に相談してください。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
アルギニンと身長についてよくある質問
Q. 寝る前にアルギニンを飲むと効果がありますか?
A. 寝る前に飲むことで身長が伸びるという科学的な根拠はありません。日本小児内分泌学会は、サプリメントの量では成長ホルモンの分泌が促されるとは考えられないとしています。
Q. 成長ホルモンの検査でアルギニンを使うのに、なぜサプリでは効かないのですか?
A. 検査では体重に合わせた大量のアルギニンを点滴で使います。サプリメントの量はその50分の1から5分の1程度で、学会は分泌を促すとは考えられないとしています。
Q. スポーツ飲料などに含まれるアルギニンも避けたほうがよいですか?
A. 少量を含む食品をときどきとることまで心配する必要はないと考えられますが、身長を伸ばす目的で量を増やすことは勧められません。
出典 [3]
まとめ
アルギニンのサプリメントは、成長ホルモンの検査で使う量よりはるかに少なく、分泌を促すとも身長を伸ばすとも考えられていません。子どもの健康被害の報告もあるため自己判断で与えず、身長の伸びが気になるときは記録を持って医師に相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
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