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低身長の原因と成長ホルモンのしくみ読む時間 約6分

成長ホルモンの分泌を増やす方法はある?

公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日

身長を伸ばす目的で、家庭で成長ホルモンの分泌を増やせると確かめられた方法はありません。日本小児内分泌学会は、成長ホルモンの分泌を促すとうたうサプリメントやアミノ酸に、身長を伸ばす効果はないと説明しています。睡眠・食事・運動は体の成長の土台として大切ですが、それで身長が伸びると約束できるものではありません。

家庭で成長ホルモンを増やせると、確かめられていますか?

成長ホルモンは、脳の下垂体で作られて血液中に出るホルモンです。出る量は時間や眠りの深さなどで変わりますが、家庭での工夫で分泌を増やし、その結果として身長が伸びることを示した情報は、学会や公的機関のページにはありませんでした。

成長ホルモンを出す力が弱い病気(成長ホルモン分泌不全性低身長症)は、下垂体の働きによるもので、生活の工夫で治るものではありません。この病気では、注射で成長ホルモンを補う治療を行います。

「分泌を増やす」と「身長が伸びる」は、別のことです。成長ホルモンが一時的に増えることがあっても、それだけで身長の伸びが変わるとは限りません。

そもそも、低身長の多くは体質や家族の体格によるもので、成長ホルモンが不足しているわけではありません。日本内分泌学会は、低身長と判断される子どものうち90%以上には、治療が必要な病気は見つからないと説明しています。

出典 [1]

サプリメントやアミノ酸で、分泌は増えますか?

日本小児内分泌学会は、成長ホルモンの分泌を促すとうたうサプリメントやアミノ酸製剤について、身長を伸ばす効果がないことが明らかに示されていると説明しています。アルギニンなどを子どもにサプリメントとして使うことも、勧められないとしています。

アルギニンは、病院で成長ホルモンの分泌刺激試験に使われる薬のひとつです。これは、医師が決めた量を点滴などで使い、成長ホルモンの出方を調べるための検査です。食品やサプリメントで同じ成分をとることとは目的が違います。

同学会は、成長ホルモンの分泌促進をうたうサプリメントや食品の使用を、不適切な使い方の例に挙げています。サプリメントについては「身長を伸ばすサプリは効く?」と「アルギニンで身長は伸びる?」の記事でも説明しています。

商品の広告では、成分の名前や研究の話が紹介されていることがあります。子どもの身長について、学会や公的機関がその効果を認めているかどうかを確かめましょう。

サプリメントの中には、子どもが使うことを想定していない量の成分を含むものもあります。

出典 [2] [1]

睡眠は、成長ホルモンと関係がありますか?

厚生労働省のe-ヘルスネットは、寝入ってすぐの深い眠り(徐波睡眠)の時期に一致して、成長ホルモンが分泌されると説明しています。睡眠は、成長ホルモンの分泌と結びついています。

ただし、睡眠時間を長くするほど身長が伸びる、という関係が確かめられているわけではありません。十分な睡眠は、成長期の体と心の健康の土台として大切だと考えてください。

睡眠と成長ホルモンの関係は、「寝る子は育つは本当?」や「成長ホルモンは22時〜2時に出る?」の記事で詳しく説明しています。

厚生労働省のe-ヘルスネットは、規則正しい生活が体内時計を整える秘訣だとし、朝の光を浴びることや、夕方以降の照明やブルーライトに注意することを勧めています。

出典 [3] [4]

運動は、成長ホルモンと関係がありますか?

厚生労働省のe-ヘルスネットは、早足のウォーキングやジョギングのような有酸素運動を習慣にすると、寝つきがよくなり、深い睡眠も増えると説明しています。運動は、睡眠の質を通じて体の調子を整える助けになります。

一方で、運動によって成長ホルモンを増やし、身長を伸ばせることを示した情報は、学会や公的機関のページにはありませんでした。特定の運動で身長が伸びると考えるより、楽しく続けられる運動を選ぶことが大切です。

運動しすぎによる影響については、「運動しすぎると身長が伸びない?」の記事で説明しています。

同じページでは、運動は寝る2〜4時間前までに済ませるよう勧めています。

体を動かす習慣は、骨や筋肉、心の健康のためにも大切です。

出典 [4]

食事は、成長ホルモンと関係がありますか?

日本内分泌学会は、骨の長さに関わる主な要因として、骨の生まれつきの性質、成長ホルモンなどのホルモンとともに、栄養を挙げています。栄養が足りないと、身長の伸びに影響することがあります。

ただし、特定の食べ物で成長ホルモンの分泌が増え、身長が伸びるという情報は、学会や公的機関のページにはありませんでした。主食・主菜・副菜をそろえた、年齢に合った量の食事をとることが基本です。

食事と身長の関係は、「身長を伸ばす食べ物はある?」の記事で説明しています。

食事の量が極端に少ない状態が続くと、成長に必要な栄養が足りなくなります。偏食や少食が気になる場合は、「偏食・少食の子の身長は?」の記事も参考にしてください。

体重が増えない、食欲が続けて落ちているといった場合は、身長とは別に小児科で相談してください。

出典 [1]

医療で成長ホルモンを補うのは、どんな場合ですか?

成長ホルモンを補う治療は、注射で行います。日本小児内分泌学会は、成長ホルモンはたんぱく質でできているため、飲み薬では胃で分解されて効果がなく、舌の下に入れるなど注射以外の方法も有効性が確立していないと説明しています。

保険で治療できるのは、成長ホルモン分泌不全性低身長症やSGA性低身長症など、薬が承認されている病気と診断された場合です。原因となる病気が見つからない低身長への使用は適応外使用となり、自由診療で行われます。

どちらの場合も、治療を考える前に、低身長の原因を調べることが大切です。治療の対象については「成長ホルモン治療が保険で受けられるのはどんな場合?」の記事で説明しています。

治療を考える場合は、効果の見込みとともに、副作用や費用、続ける期間についても医師から説明を受けて判断してください。

原因となる病気が見つかった場合は、その病気に合った治療を優先します。

出典 [2]

「分泌を増やす」とうたう商品やサービスは、どう考えればよいですか?

日本小児内分泌学会は、成長ホルモンを個人輸入などで専門の医師以外が使うことや、決められた量より多く使うことを、不適切な使い方として挙げています。成長ホルモンの量が多すぎると、筋肉痛、むくみ、血圧の上昇、血糖の異常などの副作用が現れる可能性があるとしています。

スポーツをしているお子さんの場合、世界アンチ・ドーピング機構の禁止表では、成長ホルモンだけでなく、成長ホルモンの分泌を促す物質も禁止されています。成分がよく分からない商品は、使う前に確認してください。

「飲むだけで伸びる」「分泌が何倍に」などの表現を見かけたら、その根拠が学会や公的機関の情報で確かめられるかを確認しましょう。迷ったときは、小児科の医師に相談してください。

成長ホルモンの薬は、医師の処方が必要な医療用の医薬品です。インターネットなどで手に入れて、自己判断で使うことはやめてください。

子どもが自分で商品を調べて欲しがることもあります。そのときは、一緒に情報の出どころを確かめる機会にしてみてください。

出典 [2] [5]

成長ホルモンの分泌についてよくある質問

Q. 夜ふかしをすると、成長ホルモンは出なくなりますか?

A. 成長ホルモンは寝入ってすぐの深い眠りの時期に分泌されることが知られています。夜ふかしが身長に与える影響は「夜更かしは身長に影響する?」の記事で説明しています。規則正しい睡眠は、健康の土台として大切です。

Q. 成長ホルモンの量は、家で調べられますか?

A. 家では調べられません。成長ホルモンは時間によって出る量が変わるため、医療機関で分泌刺激試験などを行って確かめます。

Q. 身長が伸びないのは、成長ホルモンが少ないからですか?

A. そうとは限りません。低身長の多くは体質や家族の体格によるもので、成長ホルモンの不足は原因のひとつです。原因は検査をもとに医師が判断します。

出典 [3] [1]

まとめ

身長を伸ばす目的で成長ホルモンの分泌を家庭で増やせる方法は確かめられておらず、サプリメントやアミノ酸に効果はないとされています。睡眠・食事・運動は健康の土台として大切にしましょう。身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談でも、記録を見ながらご相談いただけます。

出典 [6]

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この記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。

参考にした資料

  1. 日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」
  2. 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「ノンレム睡眠」
  4. 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
  5. 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)「2026禁止表国際基準」日本語版(日本アンチ・ドーピング機構)(PDF)
  6. ノビケア「お問い合わせ」