食事・栄養読む時間 約6分
身長を伸ばすサプリは効く?日本小児内分泌学会の見解と注意点
公開日:2026年10月3日 更新日:2026年10月3日
日本小児内分泌学会は、健康な子の背を高くする効果が科学的に証明された成分は存在しないとしています。栄養が不足している場合は補うことで成長が正常に戻ることがありますが、不足していない子がサプリを飲んでも、本来の成長以上に伸びることは期待できません。子どもにサプリを使う前に、医師に相談しましょう。
身長を伸ばすサプリは効く?
日本小児内分泌学会は、身長を伸ばす効果があるとして宣伝されているサプリメントなどについて、学会としての見解を公表しています。2025年9月に改定された見解では、健康な子の背を高くする効果が科学的に証明された成分は存在しないと明記されています。
同じ見解はっきり「成長を促す」とは言わなくても、そう受け取れるような強い印象を与える宣伝があると指摘しています。インターネット広告やSNSでは、「ぐんぐん伸びる」「成長期を逃さない」といった表現も見られるとしています。
学会は、子どもの成長に一番役立つのは、適度な運動、バランスのとれた食事、しっかりした睡眠であり、アプリやサプリを使っても本来の成長以上に身長が伸びることは期待できないと述べています。
出典 [1]
カルシウム・鉄・ビタミンD・亜鉛のサプリは?
日本小児内分泌学会は、これらの栄養素が不足して成長がさまたげられている場合には、補うことで成長が正常化する可能性があるとしています。たとえば、主に乳幼児期に起こるビタミンD欠乏症では成長障害が起こり、補うことで成長は正常に戻ります。
しかし、不足していない場合に、これらのサプリメントで成長が促されるという科学的なデータはないとしています。多量にとれば健康を損なうおそれがあることにも触れています。
不足しているかどうかは、症状や食事の内容、必要に応じた検査で医師が判断するものです。「念のため」とサプリメントを足すより、まずは食事で必要量をとれているかを確かめましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、子どもにもビタミンDなどの耐容上限量が示されています。複数の製品を使うと、知らないうちに量が重なることがある点にも注意が必要です。
成長ホルモンの分泌を促すとうたう成分は?
日本小児内分泌学会は、成長ホルモンの分泌を促すといわれる成分の代表としてアルギニンを挙げています。アルギニンは成長ホルモンの検査薬として使われていますが、その場合は体重1kgあたり0.5gを30分かけて点滴で血管に入れます。
学会によると、サプリメントとして売られているアルギニンの量は、検査で使う量の50分の1から5分の1程度と少なく、成長ホルモンの分泌を促すとは考えられないとしています。アルギニン以外の成分についても、サプリメントとして分泌が促されたという科学的データが信頼できる学術雑誌に報告されたことはないとしています。
さらに学会は、薬で成長ホルモンの分泌を促しても身長は伸びなかった研究を紹介しています。分泌を促す点鼻薬を、低身長の子ども約120人に1年間使った試験では、1年の平均の伸びが偽薬で5.5cm、低用量で5.2cm、高用量で5.1cmと、差はありませんでした。
このことから学会は、1日2回程度分泌を促しても、もともとの成長率以上には身長が伸びないことが示されたとしています。
出典 [1]
成長ホルモン入りのスプレーは?
日本小児内分泌学会は、鼻や口に吹きつけるタイプの成長ホルモン入りスプレーについても見解を示しています。成長ホルモンは分子量が約22,000のやや大きなたんぱく質のため、鼻や口の粘膜からはほとんど吸収されないとしています。
舌の下に使っても、多くはだ液と一緒に胃に流れて分解されてしまうと説明しています。実際にスプレーの中の成長ホルモンの濃度を測ったところ、注射の濃度よりも非常に低かったことも確認されているとしています。
成長ホルモンの治療は、医師が診察と検査をしたうえで、注射の薬を使って行うものです。安全性の評価がされていない製品を、自己判断で使わないようにしましょう。
「成長ホルモン配合」「成長因子入り」といった言葉があっても、体の中で働く量が届くとは限りません。名前の印象ではなく、学会や公的機関の説明を確かめることが大切です。
出典 [1]
子どもにサプリを使うときの安全面は?
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所のコラムは、成人や高齢者、妊婦と比べて、子どもがサプリメントで体調不良を経験した割合が最も高かったという報告を紹介しています。吐き気、めまい、下痢、腹痛、発疹などの症状が挙げられています。
同じ研究所によると、日本でも、低身長を気にした家族が購入したアルギニンのカプセルを毎日飲んでいた13歳の子に、食道の炎症が起きたという報告があります。
サプリメントは食品のため、薬のような徹底した品質管理は求められておらず、規格や成分は製品によってさまざまです。思いもよらない成分が混ざっていることもあると、同じコラムは注意しています。
同じ研究所は、子どもへのサプリメントの利用は、基本的にベネフィットよりリスクのほうが大きいと判断できるとしています。使う場合は、何をどれだけ飲んだかを記録し、異常があればすぐにやめてください。
サプリより先に見直したいことは?
日本小児内分泌学会は、子どもの成長に一番役立つのは、適度な運動、バランスのとれた食事、しっかりした睡眠だとしています。サプリメントを考える前に、この3つが毎日の生活でできているかを見直しましょう。
医薬基盤・健康・栄養研究所は、子どもの食事でいちばん大切なのは3食をバランスよくとることで、その近道として朝食を勧めています。朝食を抜きがちな子は、まず朝食をとる習慣づくりから始めてみてください。
同じ研究所のコラムは、子どもの食習慣は身近な大人の影響を強く受けるとして、サプリメントを与える前に家族全員の食生活を見直すことを勧めています。
どうしてもサプリメントで栄養を補う必要があると判断した場合も、必要なときに必要な量だけ使い、体調の変化があればすぐにやめ、効果が感じられなければやめる、という姿勢が勧められています。
広告や口コミを見るときに確かめたいことは?
「飲んだら伸びた」という体験談は、成長期の自然な伸びと区別できません。身長は時期によってよく伸びたり、伸びが落ち着いたりするため、製品の効果かどうかは一人の経験ではわからないのです。
医療機関の名前や「医師推奨」といった言葉があっても、それだけで効果が証明されたことにはなりません。日本小児内分泌学会の見解のように、学会や公的機関がどう説明しているかを確かめましょう。
身長の伸びが気になるときは、サプリメントを選ぶ前に、これまでの身長の記録を成長曲線で確かめることが先です。病気が原因の低身長であれば、サプリメントで様子を見ている間に、治療の時期を逃してしまうおそれもあります。
身長の伸び方が気になる場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話、0円)で、お手元の記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEから受け付けています。
身長サプリについてよくある質問
Q. いま飲ませているサプリは、やめたほうがよいですか?
A. 何を、どれだけ、いつから飲んでいるかを医師に伝えて相談してください。体調の変化があるときは、すぐに使うのをやめましょう。
Q. 栄養機能食品と書いてあれば安心ですか?
A. 栄養機能食品は、決められた栄養素の働きを表示できる食品ですが、身長を伸ばす効果を示すものではありません。亜鉛を含む栄養機能食品には、乳幼児・小児は摂取を避けるよう注意する表示も求められています。
Q. 成長ホルモン治療中に、サプリを飲んでもよいですか?
A. 自己判断で始めず、治療を担当している医師に相談してください。
出典 [8]
まとめ
日本小児内分泌学会は、健康な子の背を高くする効果が証明された成分はないとしています。不足している栄養素は補う意味がありますが、不足のない子がサプリを使っても本来以上に伸びることは期待できず、体調を崩すリスクもあります。気になるときは、まず記録を持って医師に相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
- 厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:【第30回】子どもにサプリメントを与える前に」
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:アルギニン」
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:子どもとサプリメント」
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:【第7回】子どものサプリメント利用の考え方」
- ノビケア「お問い合わせ」
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:亜鉛」