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成長期・思春期・骨端線読む時間 約6分
運動をたくさんする女の子は初潮が遅い?陸上・新体操などと思春期・身長の関係
公開日:2026年10月5日 更新日:2026年10月5日
運動をたくさんする女の子では、初潮(初経)が少し遅れる傾向があると報告されています。主な理由は運動そのものより、練習で使うエネルギーに対して食事が足りない状態とされ、骨の健康にも関わります。15歳になっても初潮が来ない、生理が3か月以上止まるといった場合は、産婦人科で相談しましょう。
運動をたくさんする女の子は、初潮が遅くなりやすい?
スポーツ庁の委託事業で作られた女性アスリート向けの冊子では、初経の平均は一般の人で12.2歳、アスリートで12.9歳とされ、14歳で98%が初経を迎えているとされています。運動をしている女の子のほうが、平均で少し遅い傾向があるということです。
国立スポーツ科学センターの指導者向けハンドブックは、思春期の激しいトレーニングや極端な体重制限は、初経の遅れや無月経、骨密度の低下を起こす可能性が高く、体の正常な発育を妨げる可能性も高いとしています。
なぜ初潮が遅れるの?
同じハンドブックでは、食事からとるエネルギーから運動で使うエネルギーを引いた残りを「利用可能エネルギー」と呼んでいます。練習量に対して食べる量が足りない「利用可能エネルギー不足」が続くと、卵巣を刺激する脳からのホルモンの分泌が下がり、骨などの体の働きにも影響すると考えられています。
利用可能エネルギー不足は、本人が食事を減らそうとしていなくても起こります。練習量が増えた時期に、食べる量が追いついていないこともあります。この考え方は、「運動しすぎると身長が伸びない?」のコラムでも説明しています。
競技によって違いはある?
国立スポーツ科学センターが国内トップレベルの女性アスリート683人に行った調査では、無月経を含む月経の異常があったのは約4割でした。競技別では、体操、新体操、フィギュアスケートで無月経の割合が高く、次いで陸上の長距離、トライアスロンの順で、体脂肪が少なくなりやすい「見た目の美しさを競う競技」や「持久力を競う競技」に多く見られたとされています。
この調査は大人も含むトップ選手が対象で、部活や習いごとの子どもにそのまま当てはまるわけではありません。ただ、体重の軽さが有利とされやすい競技や、長い距離を走る競技では、とくに食事と月経に目を配りたいと考えられます。
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たくさん運動すると、身長が伸びなくなる?
国際体操連盟の委員会がまとめたレビュー(Sports Medicine誌、2013年)では、体操選手は年齢に比べて背が低く、思春期も遅めの傾向がある一方で、その成熟の程度はふつうの子どもの幅に収まっていたとされています。そして、激しい体操の練習によって、大人の身長や思春期の伸びが損なわれることはないと結論づけています。背が低めで成熟が遅めの子が競技を続けやすい、という選ばれ方の影響も考えられています。
一方で、先ほどのハンドブックは、極端な体重制限などが体の発育を妨げる可能性を指摘しています。身長への影響を考えるうえでも、運動量そのものより、食事が足りているか、体重が減っていないかが大切だと考えられます。
体を動かすこと自体は、子どもの体力や骨、心の健康によいことが示されています。運動をやめさせることを考える前に、食事や休養が練習量に見合っているかを見直しましょう。
初潮の遅れや無月経は、骨にどう影響する?
同じハンドブックでは、思春期の女の子は11〜14歳ごろに骨密度が大きく増え、20歳ごろに骨量のピークを迎えるとされています。この時期に月経が止まり、女性ホルモンが少ない状態が続くと、骨量が増えにくくなり、疲労骨折の危険が高まります。
10代の女性アスリート239人を調べた結果では、月経が順調なグループで疲労骨折をしたことがある人は11%だったのに対し、初経が来ていない、または月経が止まっているグループでは38%だったと紹介されています。骨の健康のためにも、月経の状態を見守ることが大切です。
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受診したほうがよい目安は?
次のようなときは、ひとりで抱えずに相談しましょう。初潮や月経のことは産婦人科で、身長の伸びや胸のふくらみがないことは小児科で相談できます。
なお、同じ冊子では、初経から3〜4年は生理が不安定なことが多く、1〜2か月来ない程度なら問題ないことが多いとされています。
- 15歳になっても初潮が来ない
- 初潮のあと、生理が3か月以上来ない
- 13歳になっても胸のふくらみが見られない
- 体重が減ってきた、身長の伸びが前より小さくなった
- 運動のたびに同じ場所が痛み、疲労骨折が心配
- 本人が体重を気にして食事を減らしている
家庭では、どんなことができる?
ハンドブックは、日常の食生活では、バランスのとれた食事や、運動で使うエネルギーに見合った量をとることを心がけるなど、家族や周りの支えが必要だとしています。家庭では、次のようなことから始めてみましょう。
女性アスリート向けの冊子は、中学・高校生の時期は骨量が大きく増えるため、骨の材料になるたんぱく質と、骨をかたくするカルシウムをとるよう勧めています。牛乳や乳製品は両方を一度にとれるので、食事だけでなくおやつとしてもとり入れやすいとされています。
- 練習の多い日は、三度の食事に加えて補食(おにぎりなど)を用意する
- 体重の数字だけで、体の調子や頑張りを評価しない
- 身長と体重を決まった間隔で記録し、増え方を見ておく
- 初潮が来たら、生理の日をカレンダーやアプリに記録する
- けがや痛みを我慢して練習を続けないよう、声をかける
相談するときは、何を伝えればよい?
産婦人科や小児科で相談するときは、次のことをメモしておくと、運動による影響かどうかを医師が考えやすくなります。
- 競技の種類と、1週間の練習時間や日数
- この1年の体重と身長の変化
- ふだんの食事の量と、補食をとっているか
- 胸のふくらみや陰毛に気づいた時期、初潮の有無と生理の記録
- これまでのけがや疲労骨折、痛みが続いている場所
- 母親やきょうだいの初潮の時期(分かる範囲で)
指導者とは、どう話せばよい?
ハンドブックは、成長期のトレーニングに関わる指導者が、練習の強さや頻度の調整、体重の管理の仕方に気をつける必要があるとしています。体重制限や練習量に不安があるときは、本人の了解を得たうえで、食事や休みの取り方について指導者と相談してみましょう。月経のことを話題にするときは、本人のプライバシーに配慮し、伝える範囲を本人と決めておくと安心です。
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身長の伸び方が気になるときは?
初潮や月経のことは産婦人科で、伸び方の診察は小児科で相談してください。身長の記録を見ながら伸び方を相談したい場合は、ノビケアの医師による無料相談(ビデオ通話)でもご相談いただけます。1回目は保護者の方だけでもかまいません。お薬の処方を検討する2回目には、お子さまにも参加していただきます。予約は公式LINEから受け付けています。
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運動をする女の子の初潮についてよくある質問
Q. 生理が来ないほうが練習に集中できると本人が言います。
A. 女性アスリート向けの冊子では、生理が来ないことは楽なのではなく、体が限界に近いサインだとしています。骨の健康にも関わるため、3か月以上来ないときは産婦人科で相談しましょう。
Q. 初潮が遅いと、そのぶん長く背が伸びますか?
A. 初潮の時期と身長の伸び方の関係には個人差があり、遅いことが身長に有利だと言い切ることはできません。食事が足りないことによる遅れの場合は、骨の健康の面からも見直しが必要です。
Q. 新体操を続けさせても大丈夫でしょうか?
A. 競技を続けること自体が問題なのではありません。食事が練習量に見合っているか、体重が減っていないか、月経の状態はどうかを見守り、気になる変化があれば早めに相談しましょう。
まとめ
運動をたくさんする女の子では初潮が少し遅れる傾向があり、主な理由は練習量に対して食事が足りない状態だとされています。身長への影響を心配するより、食事と体重、月経の状態を見守ることが大切です。15歳で初潮が来ないときや、生理が3か月以上止まったときは、早めに相談しましょう。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- スポーツ庁委託事業(発行:日本体育大学)「Q&Aでよくわかる 部活女子からトップ選手まで スポーツ女子のからだの気がかりQ&A」(文部科学省ウェブサイト掲載、PDF)
- 国立スポーツ科学センター「成長期女性アスリート 指導者のためのハンドブック」5. 女性アスリートの三主徴(PDF)
- 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「「スポーツにおける相対的エネルギー不足 (REDs)」と「女性アスリートの三主徴(Triad)」とは?」
- Sports Medicine「Role of intensive training in the growth and maturation of artistic gymnasts」(国際体操連盟の委員会によるレビュー、2013年、PubMed)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(PDF)
- 日本スポーツ振興センター(JSC/HPSC)Female Sport ナビ「初経の異常について」
- 厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「思春期は第二の誕生」(国立成育医療研究センター監修、2025年8月更新)
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